中国が神舟6号を打ち上げ 230
ストーリー by yosuke
今度は2人乗り 部門より
今度は2人乗り 部門より
gigo 曰く、 "新華社webページなどによると、中国の2度目の有人宇宙船神舟6号が12日9:00に打ち上げられた。2年前の神舟5号では、1人の宇宙飛行士が21時間の飛行をしただけだったが、今回は2人の飛行士が乗り込み、科学・技術実験をするとのことである。帰還は17日朝の予定。
機械翻訳の記事では、宇宙船に軌道モジュールと帰還モジュールがあって乗員がその間を行き来することは言われてみないと分からない状態だし、そこここに見られる豚の精子の話は見当たらなかった。しかし、今後の長期間の飛行に備えて宇宙船の居住性を高めることや、コンピュータシステムの改良も含めて安全性の改良が図られていることは看て取れ、リーダーの平均年齢が48歳、技術者の80%が35歳以下という若い人たちのチームで活気のあるプロジェクトになっているなど、現時点で日本語のページにない情報を拾うことができて、機械翻訳が情報収集に実用になる時が徐々に近づいていると言えそうである。"
国家航天局の英語ページが更新されない現状では、中国語がわからなくてもどうにかなるということで、役に立つのかもしれない。SPACE.comなどのサイトも参考になる。
っていうより (スコア:1)
機械翻訳ネタでお茶濁しとけって感じでしょうか?
でももうちょっと日本も頑張って欲しいなー
ミサイル作れない分不利なんですかね?
日中宇宙戦争 (スコア:1)
>ミサイル作れない分不利なんですかね?
つい最近,『日中宇宙戦争』って本を読んだんですが,ミサイル云々より,中国がすごい(いや,じっさいすごいらしいんだけど)より,米国の政治的圧力が一番の日本の弱点って印象でした。
斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
遅いロケット? (スコア:1, 興味深い)
やっぱりヒドラジン使ってるから推力が低いのかな?
あと、H-2Aのときみたいに白い煙が大量に出たりはしないんですね。
Re:遅いロケット? (スコア:2, 興味深い)
重力損失を考えるとさっさと加速した方が良いのですが、
有人ロケットの場合、最大加速度の制限が厳しいので推力を弱めに設定します。
電光石火の加速をお望みなら、M-Vロケットとか、
もっと速いのはS-310、S-520といった観測ロケットの
打ち上げシーンをお勧めします。
煙の方は、H-IIAで見られる固体推薬の白く輝く煙の代わりに、
茶色いヒドラジンのガスが見えています。
Re:遅いロケット? (スコア:2, 参考になる)
推力を小さく設定した結果、あのブースターなのでしょう。
人が乗らないなら、更に強力なブースターを付けたでしょうね。
有人飛行にはより安全な液体推進を選んだというのはあると思います。
でも長征3Bのような大型無人ロケットでも液体ブースターなのを見ると、
まだ優れた固体推進技術を持ってないだけなのかもしれません。
点火順序ですが、液体ロケットエンジンは始動に失敗する可能性が比較的高いからだと思います。
固体ロケットを消せないのは、先につけようが後につけようが同じですし。
Re:遅いロケット? (スコア:1)
それと「点火!」って言ってから炎(?)が見えるまでに時間がかかっていましたね。ちょっとどきどきしてしまいました。
燃料の違いですか?
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溶解する妖怪
Re:遅いロケット? (スコア:1, 興味深い)
Re:遅いロケット? (スコア:1, 参考になる)
排気の様子がわかると思います。この構成(Ariane-40)は珍しいですね。
静止衛星の打ち上げの多くは固体ブースタ/液体ブースタを付加した
Ariane-44L、44LPなどの高推力版を使いました。
Re:遅いロケット? (スコア:1)
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溶解する妖怪
ソユーズ・ベース? (スコア:1, 興味深い)
Re:ソユーズ・ベース? (スコア:1)
しかしながら技術は他所から導入しただけですぐに活用できるわけではなく、それを自ら実践して(失敗して)初めてモノになることはコンピュータシステムをいじってる皆さんも先刻ご承知でしょう。
彼の国には冷戦時代からICBMを保有して運用してきた長い歴史がある。
それに比して日本が"実用品"の運用を始めたのは最近のことだと言えるでしょう
きっかけはV2! (スコア:1, 興味深い)
中国はソ連から提供されたR-2(SS-2)を元に弾道ミサイルの開発を進め、1964年に核実験に成功すると核弾頭装備の東風2号が1966年から配備され、大韓民国や日本を攻撃する能力を得た。続く東風3号でグアム、東風4号でハワイ、東風5号でついに中国西部から北米を攻撃する能力を得た。東風3号は1988年に通常弾頭に変更されてサウジアラビアに売却されている。
ということでV2ベースに開発にしたSS-2/R-2がベースのようです。
以下にSS-2/R-2の簡単なスペックを載せます。
全長 17.65m
直径 1.65m
翼幅 3.56m
発射重量 20,400kg
射程 600km
飛行高度 210km
でソリューズはR-7ベースなので
http://www.masaakix.interlink.or.jp/apollo/d_luna/_vehicles/russian_rockets_r7_aseries_blank.htm
ということでロシアのロケットをベースにしたというよりV2の
テクノロジをロシアとは別に進化させたというのが正しい見方
かもしれません。
Re:ソユーズ・ベース? (スコア:1)
基本構造はソユーズだけど、大きさがそもそも違うし、内部の構造、特に制御系はかなり独自なようです(資料が少ないので中国のリリースと神舟5号打ち上げ当時の日本のメディアの話を信じてしまっているので外しているかもしれませんが)。
しかし、ソユーズを入手してから十数年でここまで来るのだから凄いです。
シャトルが事実上コケた今、日本も本気で有人カプセル計画に資源を注がないとまずいと思いますけどね。
政治がそれに関心を示すかどうか怪しいのが困り者です(;´Д`)
中国的 (スコア:1)
グダグダ言う暇があったら (スコア:1)
(ペーパープラン [ista.jaxa.jp]だったら、立派なのがありますし…)
まあ、ここ最近の日本では、リスク回避性向が高くなってますし、政府がお金を使うことに対して、不信感を持つ人が多くなってきています。
昔は、ロケットか福祉かと言うトレードオフが問題になったようですけど、今や、福祉にも政府の支出を増やしたくないって議論がでてきてる(障害者自立支援法案とか)時代ですので、お金儲けにつながらない分野では、あまり期待薄でしょう。
ホリエモンが何かしようとしてるようですけど、新たな投資と言うよりは、ロシアの宇宙インフラを期待してるっぽいし…
Yukio@神戸在住
有人飛行計画はちょっと古すぎると思う (スコア:2)
いや,別に他のことやってもいいのですが,既にアメリカで民間レベルでもやったようなことの後追いを国の金使ってやっても,世界から大して祝福されないんじゃないでしょうか.
それよりはNASAもロシアも中国もやってないことをやるべきだと思います.
#でも,世界初はリスクがあって,金もかかるんだよなあ..
Re:有人飛行計画はちょっと古すぎると思う (スコア:1)
Re:グダグダ言う暇があったら (スコア:1)
スペースシャトル計画も良く見たら何割かは日本が負担 してるとか。
Re:宇宙行って (スコア:1)
Re:宇宙行って (スコア:1)
現実的には宇宙から広大な国土を管理するためでしょうか?
黄金砲を持つ男? (スコア:1)
>すだけでも破壊力がありそうですよね(当然、正確に落とす方法を
>確立して・・)。
今現在、衛星軌道上に物体を運ぶには同じ重さの金と同じだけのカネがかかるそうですよ。
・・・えー、つまり純金の砲弾を武器にするようなもんかな?
Re:宇宙行って (スコア:1)
新しい薬品の開発実験とか?
無重力だと地上ではできないことがいろいろできて嬉しいんだ
ってな話を随分前に聞いた気がするんですが、実際のところ
どうなんでしょう。
Re:宇宙行って (スコア:1)
Re:宇宙行って (スコア:1, 参考になる)
かのガガーリン少佐も、宇宙から偵察写真を撮ったらしいですし、アメリカにしたってスペースシャトルの乗組員(少なくともパイロット)は軍人です。
GPSも元々軍事用の位置計測システムですから、宇宙開発ってのは基本的に軍事とかなり深い関係があります。
日本の「ひまわり」ですら使いようによってはいくらでも軍事利用できるわけですから、あまりそういうのを強調しすぎるのもどうかと。
考えてみればインターネットにしたって原型はアメリカのDARPAのプロジェクトなわけで、要は技術を今後どう使うか、ってことでしょう。中国が有人宇宙飛行技術を軍事利用に止めたりせずに、積極的に民生利用するようにしていけば良いのではないかと。
Re:宇宙行って (スコア:1)
ナチスドイツよりは景気はよさそうですね。
Re:宇宙行って (スコア:1)
どっちもプロパガンダをお家芸にしていたけど、最近は中国政権の求心力もそうとう薄れて、富裕層と貧困層の富の偏在が酷くなりすぎて貧困層が各所で暴動やデモやストライキを起こして地方政府と対立していますからね。
どっちかというとマスコミが浮かれたこと言っててそれにみんな乗っかってる感じのする日本の方が色々とナチ党台頭直前のドイツに近い要素があるような感じがして厭なものを感じるんですけど。
# ま、神舟の打ち上げが国威高揚目的なのは明らかですが、
# 宇宙開発ってそういう要素も秘めてる訳で。
Re:いやだなあ (スコア:2, 興味深い)
コメントの内容が真実だとすれば、比例して「アタマのおかしい」M1 も沸いてくる
はずなので、マイナスモデが優勢になるだろう。
1980年代には、日本車をハンマーでたたき壊すパフォーマンスが米国で
流行したものだった。経済が上り調子の国は、落ち目の国の負け組の人々から
反感を買ってしまう。落ち目の国である限り、そして負け組が負け組である限り、
避けがたい現象だと思う。
Re:いやだなあ (スコア:2, 参考になる)
>米国で流行したものだった。
今は中国製品がターゲットになってますね。
(元切り上げでちょっとは落ち着いてきましたが)
あの国の政治家は80年代から何も学んでなかったのでしょうか。
その国を叩いたからといって問題が解決するわけではなく、
結局自国産業を弱体化させて、現地生産を進める他国企業に
やられてしまう。
議会の対中強硬論を制して、グリーンスパンが
「輸入先が中国からほかの地域に移るだけ」とか
言っていましたが、この「中国」を日本に、「ほかの地域」を
中国や韓国に置き換えたら80年代と同じ言い回しですね。
閾値は 0 で
いずこも同じ‥‥かも(オフトピ) (スコア:1, すばらしい洞察)
やっぱり、中国や韓国にも、
「日本の話になるとアタマのおかしい人たちが沸いてくるのがいやだ」
とか言ってる人達が居るんでしょうか?
Re:いずこも同じ‥‥かも(オフトピ) (スコア:1, 興味深い)
しまも、そういう人が偉い人なので始末に負えないと嘆いてました。
戦争の話なんか蒸し返さずに、今なかよくしようよ、と内心思っている人は多いそうです。
まぁ、日本贔屓な人の意見なので、どこまでそうなのかは未知数ですが。
オフトピ (Re:うわー、先進国だなぁ) (スコア:1)
アフリカへのODAなんかでも日本の援助はハコモノは作るけど利益はみんな日本の企業が吸い取るというので悪評高いし、中国へのODAによる事業もほとんどが日本企業噛んでるんですけど。
Re:オフトピ (Re:うわー、先進国だなぁ) (スコア:1, 興味深い)
私が聞いたところによると、ODAは日本の国内技術の維持のための側面があるとのことでした。
・もはやダムなど国内で作るのは難しい。
・でもそうするとダムの技術がすたれてしまう。
・ODAで作れば相手の国にも恩恵がある。
・日本の技術も維持できる。
・日本企業の儲けにもなる?
潜水艦や艦船を定期的に作っていくのもそういう技術を絶やさぬためだとどっかで聞いた気もしますし。
一応技術屋のはしくれとして、こういう言い訳で丸め込まれた私です。
中国の技術はソ連のパクリです (スコア:1)
宇宙開発と環境問題とか人権問題も何の関係もないのです。
ついでに言えば、中国は随分前から核を持ってます。
さらに言えば、中国に対する援助は賠償に変わるものです。
というのは皆承知しているわけですが。
Re:中国の技術はソ連のパクリです (スコア:1)
皮肉を込める気持ちも わかるけど… (スコア:1, すばらしい洞察)
ドイツのように分断されたり 多額の賠償金で 借金に沈まずに済んだわけですが。
賠償金請求は 公式に放棄された以上、"当然" 払うべきというのは 乱暴な話
ではあるけれど、戦後 日本は賠償金のつもりで 中国に援助してきたという
背景は否めないでしょう。
それが いつのまにか、「優れた日本が 技術後進国の中国に 援助してるんだ」
なんて おごりを招いて、実態では 追い越されていた… なんてことにも
なりかねないことの方が 気掛かり。
国策による技術開発という視点では、素直に 中国のほうが上手だと賞賛して
いいのじゃないだろか。
# 経済問題やら 人権問題は また別の問題であって。
技術立国こそが 日本のあるべき姿のように言われたりもしたけれど、
日本の国策で技術振興したお題目は モノになったものが思い当たらないよ。
# 宇宙開発もそうだが、原子力開発も綻びが目立つし、Σ計画だの
# 第5世代コンピュータだの、e-japan だの IT 系も…。
民間の技術力で勝負している日本も、将来まで 技術で食っていくかなんて
わかりゃしないんだよなぁ。
子供の理系離れも 合理的だと思うもの。苦労するわりに 儲からねぇし。
本すじではなくて歴史認識?についつい反応 (スコア:2)
>ドイツのように分断されたり 多額の賠償金で 借金に沈まずに済んだわけですが。
すいません,スリランカの首相のおかげだったとは初耳です.
ドイツのように分断されなかったのは,アメリカが原爆を落としてソ連が手を出せなくしたためだと理解していました,日独伊に対する賠償金はどこも建前としては請求されてないと思うのですが..
Re:本すじではなくて歴史認識?についつい反応 (スコア:1, 興味深い)
日本の賠償問題を決定した サンフランシスコ講和会議において、日本を擁護する
程度が 妥当なわけですが。立場で演説をしたのは スリランカ(正確には 当時セイロン)の首相くらいだった。
国力から言っても、列強各国の意向を 押さえつけられるわけもなく。
おっしゃるとおり、アメリカの都合を 力づくで通したというのが実態でしょう。
--
件の一文には、アジアの国に負けるとか、アジアの国のおかげで助けられるとかが
許せない、プライド高い日本に対する皮肉を 若干 含んでたわけなんだけど
そこにばかり まぁ 予想を超える反響がありました (苦笑)
mu さんのは 冷静な反駁だけど、もう 脊髄反射の人もいるよね。(^^;
Re:オフトピ:Re:皮肉を込める気持ちも わかるけど… (スコア:1)
他人の歴史認識を「歪曲した」と否定してしまうことは、おこがましいと思います。
Re:オフトピ:Re:皮肉を込める気持ちも わかるけど… (スコア:1)
むしろ、「偏った」歴史認識という方が適切かと思います。
とはいえ、最初のくだりを除けば「すばらしい洞察」モデがついてもおかしくない内容かと。
Re:うわー、先進国だなぁ (スコア:1)
2勝2敗という感じでしょうか。
ちょっと例外な気もするけど、2004年7月 [yahoo.co.jp]にも戦ってますね。こちらは負傷したけど中国側が判定勝ちです。
#中国と日本って意外と絡みが無いな。
#韓国はバンバン使い倒してるんだけど。
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「なんとかインチキできんのか?」
(OT)近代史くらい勉強してください(Re:うわー、先進 (スコア:1)
「抗日パルチザン」もしくは「八路軍」と言う形で当時の国民党と共産党が共同戦線を張ってゲリラ戦を日本軍(特に関東軍)と行っていたのですが。
それで、日本の敗戦により戦勝国になって、共産党と国民党の間で抗争が起きて、結局共産党が勝って国民党が台湾に逃げて、今に至ると。
単に人口の差では? (スコア:2)
人口の差から来る経済規模など国家間の差も大きいので,それを人種的な優劣に結びつけるのはどうかと思いますよ.日本はニュージーランドより大国でいろんな点で勝っていますが,ニュージーランド人より日本人の方が優秀でしょうかねえ?
Re:残念ですが (スコア:1)
> 昔に戻る運命にあります。
そういう運命にあるという論調は
間違っていると思うなぁ。
彼等(の一部)が優秀(というか真剣というか根性があるというか)
は認めるが。
閾値は 0 で
Re:結論が??? (スコア:2, 興味深い)
CATVなどで専門チャネルがある場合はもちろんそちらの方が早いですが、視聴環境が限られている人にはこの選択肢も有効かと。
#しかし神舟6号、宇宙食に中華料理を持っていったという報道にちょっと笑ってしまいました。莫迦にしてるわけじゃなくて、非常に中国らしいなあと思って。たしかに日本もラーメン持っていきましたしね。
Re:結論が??? (スコア:1)
同意。
中国なら、宇宙食に関してはアメリカよりも良い物を作れそうな気がします。
# コメントに反応失礼。しかも、ちょっぴりオフトピ気味。
Re:結論が??? (スコア:1)
個人的には宇宙食の開発よりも
新しい食材の発見に期待しちゃうかも
Re:結論が??? (スコア:1)
……食べようとするかもなぁ。
--
「なんとかインチキできんのか?」
Re:技術力の差 (スコア:1)
開発の方向性の差と考えた方が良いのではないかと思います。
中国は宇宙技術のICBM等の軍事利用という大目的があります。
そして技術力の差、と言う点では二度の有人飛行を行った、という点で
有人飛行技術では中国が抜きん出たと言えるでしょう。
で、中国のICBM技術へのフィードバックという意味では
神舟の第一段はヒドラジン推進、というのは
妥当な選択な気がします(危険を考えると怖くもありますが)。
しかし、ロケットエンジンとしての能力的には
(コスト的な問題は分からない)上を行く
大型液酸・液水エンジンの開発力は現状では恐らくないでしょう。
同じような有人宇宙開発を日本も行ったとしたら、
「税金の無駄使い」といった批判も出てくるでしょうし、
国威発揚としての効果も中国に比較して限定的だと思います。
ということで、それぞれの違う国情の中で、違うベクトルの中で
それぞれが開発をしているわけで、
下手に焦るのもどうかな、と思うわけです。
かといって、JAXAの失敗を揶揄したりしてばかりいると、
日本の先端技術の発展もないわけで、今回の有人飛行をきっかけに
適度に焦ってくれるのも悪いわけではないかも、
などと思ったりもする。
Re:個人的には (スコア:3, 参考になる)
中国の出した「飛天夢圓」を読む限りでは、大気圏を脱出するまで
のどの段階でも緊急脱出が可能であるように設計されています。
高度ゼロから39Km(120s)までは有塔式脱出(天辺に付いている脱出専
用ロケットを使い39Kmで塔を破棄)で、115Km(200.87s)までは無塔式
高空脱出(カプセルのカバーに付いている分離用ロケットを使いカバ
ーは115Kmで破棄)で、207Km(583.2s)までは大気圏外救命として単に
分離して帰還。その後は既にロケットとは切り離されて軌道に投入
されるので打ち上げ完了となるようです。
ですからロケットに異常があり爆発したとしても搭乗員が助かる可
能性は非常に高いシステムだと言えるでしょう。
反対にスペースシャトルは打ち上げ時や帰還時に緊急脱出が困難な
時間帯が存在してしまいます。2回の事故はその時間帯に生じてし
まっています。カプセル型の宇宙船だと神舟と同じようなシステム
を採用しているので人間の安全性は高いと言えます。
最近になってあちこちで言われている事ではありますが、事故がお
きないはずのシステムよりも、事故があっても生還できるシステム
の方が、より安全だと言えるのでは無いでしょうか。中国のシステ
ムは後者のようです。
その他中国宇宙計画の全体の仕組みは米ソの踏襲してきたシステム
を良く分析して良いところは積極的に取り入れているように見えます。
毒性の強いヒドラジンを燃料とした長征ロケットは貨物用に設計さ
れた2Eタイプを改造して安全性を高めた2Fタイプです。これも有人
用に新型を開発するプランもあったようですが、実績と安全性を考
慮してこういう決定を下したとの事です。
ちなみに2Eタイプは安全性が0.9で2Fタイプは0.97以上が目標値と
されています。2Fタイプでもでも3%の事故率がある訳ですが、先に
書いたようにその場合でも人命は守れる仕組みになっています。
「飛天夢圓」はいかにも機械翻訳っぽくて読み難い本ですが一読の
価値はあるように思います。上記数値は全てこの本から引用しまし
た。中国で書かれた本ですので割り引いて見る必要がある点は否定
しませんが、2Fタイプの安全性0.97等の数値は意外に正直に書いて
いるように感じました。
Re:モデレートおかしくない? (スコア:1, すばらしい洞察)
「フレームのもと」であることは、意見のいい悪いに関わらないから。