HAL 9000、10歳(15歳)の誕生日を迎える 110
ストーリー by GetSet
この機会に映画や小説を見直すのも一興 部門より
この機会に映画や小説を見直すのも一興 部門より
頭が春なAC 曰く、
本日、2007年1月12日はHAL 9000(Wikipedia解説)の10歳(映画版)/15歳(小説版)のそれぞれの設定上の誕生日になります。
今から約40年前となる1968年に発表された映画「2001年宇宙の旅」において、ディスカバリー号に搭載され船内制御を一任されたこの人工知能(AI)はチューリングテストもクリアするという出来とされていますが、彼の誕生とされた日付から10年以上経つものの現実世界ではAIの実現化は難しいようです。一方、HAL 9000は映画内で乗組員とチェスを嗜んでいますが、この件については1997年5月にはIBMが開発したスパコン「ディープ・ブルー」が(プログラムで)当時のチェス世界チャンピオン・カスパロフを2勝1敗3引き分けで打ち負かしています(参照:歴史上最大のチェスゲーム ~ディープブルー~@週刊スモールトーク)。
また、当然ですが、映画「2010年宇宙の旅」(1984年公開)に登場したApple IIcと比較すると、モバイルPCに関しては現実の方が小型化などが先行しているようです。40年前に想像された2000-2010年のコンピュータ技術、あるいは宇宙開発と、その現状について振り返ってみてはどうでしょうか。
まぎらわしい :-) (スコア:5, おもしろおかしい)
# 間違いに気づくまでに 4096 ミリ秒かかったので AC
宇宙開発ねたで考えてみる。 (スコア:5, 興味深い)
a.無数の人工衛星が周回している
b.民間向けの地上-軌道ステーション間の定期便(?)が就航している。
c.軌道ステーション-地上の一般電話回線間での通話(動画含む)が可能。
d.月面に有人基地が建設されており、輸送・発掘機材の配備が完了している。
また、相当数のスタッフが常駐(たぶん...)している。
e.軌道ステーション-月面有人基地間の輸送手段が確保されている。
f.木星有人探査が実行されている。
...ってあたりでしょうか。これと現状の宇宙開発の状況を(無理矢理?)比べてみると、
a. → ほぼ実現。
b. → 民間向けの宇宙旅行サービスが実験的に開始されている。
c. → シャトル/宇宙ステーションと地上の学校とかとのTV会議が実現している。
「いつでも自由に自宅にtel」っていう状況ではないが...
d, e→ 有人探査が実現。恒久化は実現していない。
f. → 無人探査が実現したのみ。
って感じでしょうかね。なかなか現実は厳しかったようです。
なんとなくですが、
映画公開当時→これからも人類の宇宙進出は際限なく進んでいくと予想
現在→「地球上での生活を補助する手段としての宇宙開発」に特化
という気がしているんですが、どうでしょう...
# どっちが(自分|人類)にとって望ましいかは別問題;-p
Re:宇宙開発ねたで考えてみる。 (スコア:1)
・認証は基本的にバイオメトリクス
・クレジットカード公衆電話
・HALそのものは、結構な冗長性を持ったブレードのクラスター
ブレードを抜いていく毎おバカになっていくのは、今見てみると物凄くリアルだよね。
Re:宇宙開発ねたで考えてみる。 (スコア:1)
小説ではブレードなんですが, 映画ではホロメモリですね.
どちらに先見の明があったかは評価が分かれそう.
Re:宇宙開発ねたで考えてみる。 (スコア:1)
Re:宇宙開発ねたで考えてみる。 (スコア:1)
実現したかもしれないなと『未来映画術「2001年宇宙の旅」』*を読みながら
ふと考えたり。
戦争の可能性を前提とした時の、技術開発競争とその実用化はそりゃ著しい
ですから。
*:ピアーズ・ビゾニー著
Re:宇宙開発ねたで考えてみる。 (スコア:1)
ヨーロッパからアメリカ大陸に渡った勢いで月まで行って、
しばらくブランクがあってから宇宙に進出。って書かれるような気がします。
#アメリカで新しいことを始めるのが多いのは
#新大陸に渡る気持ちになった人たちのDNAが関係していると思う
Re:宇宙開発ねたで考えてみる。 (スコア:1)
Re:宇宙開発ねたで考えてみる。 (スコア:1)
映画のイメージが強すぎて、ブレーキになっているのかもしれません。
スペースシャトル・・・飛行機型にこだわりすぎた。実は羽根は邪魔だった。
宇宙ステーション・・・巨大ステーションにこだわりすぎた。いまだにスッタモンダ。
実はあのAppleIIcもスゴイ (スコア:5, おもしろおかしい)
なんたって「2010年」なんだし、HALの性能を見ても明らかな通り、ガワがApple IIcでも
中身は今のPCなんかとは性能が比較にならないほど進んでいるに違いない。
フロイド博士が使ってるんだから、性能なんかは地球シミュレータくらいは余裕であるんだろう。
パっと見、あの小さなディスプレイだって、あんな小さくては補助的な情報しか表示できないハズだから、網膜に直接映像を投影してるのだろうし、
マウスなどのポインティングデバイスが見あたらないあたりは視線追従なのかもしれない。
音声I/Fを使わずに古典的なキーボードI/Fを使っているのだけど、仕事内容が極秘事項だからあえてそうしてるんだろう。
あれはあれで裏で高度な言語認識・推論AIが動いていて、キーワードなどを入れていくだけで、
様々なタスクや論文作成などがあっと言う間にでき上がる仕組み。
Re:実はあのAppleIIcもスゴイ (スコア:1)
簡単なコマンド入力(指示)なら音声入力のほうが楽だろうが、
論文みたいなものはキーボード叩いたほうが楽だからじゃないかと思う。
#2030年になっても、キーボードはなくならないと予想
Re:実はあのAppleIIcもスゴイ (スコア:1)
Re:実はあのAppleIIcもスゴイ (スコア:1)
>できればいいんですけどね。もっともその場合、雑念がそのまま画面上に表示される可能性も。
すると、扇情的な出で立ちで会社に来るだけで
セクハラ・・・・いや、実務的な邪魔が入るわけですか・・・
# ~さんと打ち合わせすると議事録がろくに取れないよ・・・と。
でもまさかそれじゃ仕事にならないから
今のスパムフィルタみたいに信号から雑念をフィルタする
仕組みが開発されるんじゃないかな?
Re:実はあのAppleIIcもスゴイ (スコア:1)
#雑念だらけですみません。
後世への影響力 (スコア:2, 興味深い)
HAL 9000のSF/漫画/アニメに与えた影響力が見て取れる。
日本でもガンダムに出てきたハロ [wikipedia.org]の名前はHAL 9000シリーズに由来とか。
ロボットスーツ [srad.jp]の名前もHALだが…?
Re:押井守が・・・ (スコア:2, 興味深い)
押井守がインタビューだかなんだかで、SFで描かれたマザーコンピューターみたいな位置づけとしてのAIは実現しなかった。その代わりにインターネットが出来た、と言う趣旨の発言をしていたけれどとても示唆に富んでいると思う。実際にエヴァンゲリオン以降のアニメでHALのようなAIが登場したことって無いのではないだろうか。
サンライズ・アニメでは (スコア:2, 興味深い)
宇宙ステーションとシャトルのドッキングシーンとかも、そっくりだったなぁ。
・・・あのアニメ、設定とか物語がとてもいいので、大人向けに脚本とか設定を見直してリ・メイクしてくれないかなぁ。
お決まり? (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:お決まり? (スコア:1)
Re:お決まり? (スコア:1)
HAHAHA!!:-) (Re:お決まり?) (スコア:1)
HAL伝説 (スコア:2, 参考になる)
まずはHAL伝説 [amazon.co.jp]を読んどけ>タレコミ人
# これですら10年前か…
とりあえずDeep Blueは、単なる「スパコンの名前」じゃなくて、「チェスという単一目的のために開発された専用ハードウェア」なのでひとつヨロシク。前述の書籍には、確かDeep Blueの開発者も寄稿していて「Deep BlueとHALは全く違う」という話をしていたハズ。
2010のApple][cは (スコア:2, 興味深い)
2001年宇宙の旅のほうでは、地球低軌道上だろうが木星行きの宇宙船内だろうが最新のニュースが手元に届く「ニュースパッド」なる装置が登場してる分やはり映画や小説の方が先行してるかと。
あと、リンク先のチェス云々の話もちょっとね。HALを貶さんが為に重要なシーンをあえて無視してる気がする。SpaceWarも在ったし、チェスの解法も研究されてるしで気の利いた人間なら近い将来には人間が負けるチェスプログラムは純粋に機械のスケールだけだとなんとなく思ってたんじゃないかな。
映画の方でHALの知性を示すシーンは船長のスケッチを見て「上手くなりましたね」って言うところでしょ。絵を見て審美する能力!
…。尤も、前後の文脈からお世辞を発生させるだけのアルゴリズムかも知れないけどね。
いっけね(オフトピ) (スコア:1)
#前売り特典の2010年カレンダーがあと3年しか使えないと気づいて愕然とした今年の正月。
#あの頃から全然成長してる気がしない。w
Re:いっけね(オフトピ) (スコア:1)
>#前売り特典の2010年カレンダーがあと3年しか使えないと気づいて愕然とした今年の正月。
>#あの頃から全然成長してる気がしない。w
間違いに気づけるくらいは成長しているみたいですよ~
# あともう一歩。
ウチにもカレンダー(オフトピ) (スコア:1)
自分も成長してないかもしれないが,子どもは育ってます.
HALの後継機はSAL 9000でしたよね.サルというのは日本では言いにくいよねっていってましたが...(もういいって)
Re:Macintosh が発売されてたとしても (スコア:1)
ところで Wikipedia での記事の "Trivia" の項 [wikipedia.org]を見ると "Macintosh が使われている" とありますね。どこに出てきたっけ?
Re:Macintosh が発売されてたとしても (スコア:1)
まったくそのとおり。Appleもどうせなら未来のマシンをデザインして提供すればよかったのに。2001年ではベルのテレビ電話、パンナムのシャトルと、今ではロゴが使われないようなものを出していましたが、その企業の未来の姿として納得できるものだったのに、Appleは2010年に//cかよ。
2001年の表示デバイスは基本的にフラットパネルで、縦長画面の情報端末でBBCニュースが流れていたりしたのだけど、2010年にはなぜかみな湾曲したブラウン管に逆戻り。HALのモニターまで変わっちゃってるんだもんな。
Re:2010のApple][cは (スコア:1)
コンピュータの場合,ハードウェア構成が筐体デザインを拘束する程度が弱いので,
2010年頃には,過去の傑作デザインを忠実に復刻して中身は最新鋭の
オーダーメイド.というのが裕福な研究者向けに流行ってたりして.
Richard Supper のThinkPad とか,frog のNeXT Cube とか,Mario Bellini
の Olivetti Quaderno 33 とか,中身が現行性能だったら,裕福じゃないけど
私も欲しい.
Re:2010のApple][cは (スコア:2, 参考になる)
>の Olivetti Quaderno 33 とか,中身が現行性能だったら,裕福じゃないけど
>私も欲しい.
市販品ではなく個人によるものですけど、20世紀末からAT互換機を
X68000の筐体とかPC-9801VXあたりとかPC-8801mkIIとか…に詰め込んだ
工作は色々ありますな。
NeXT Cubeあたりも、絶対に誰かがやっているに違いないので、
てきとーに検索したらやっぱりありました。
Mac mini ミニ大作戦!「NeXT Cube大作戦!」
http://www.flipflipflip.com/2006/mini/index_next.html [flipflipflip.com]
Remodel/NeXTcube - MooWeb
http://agua.2y.net/index.php?Remodel%2FNeXTcube [2y.net]
月面着陸の1年前 (スコア:2, 興味深い)
まだ月に行っていない地球、そこであそこまで想像したのか。
まぁ、なんつっても (スコア:1, すばらしい洞察)
思わなかったんだろうなぁ。
60年代のSFはみな21世紀は宇宙進出バリバリの時代として書かれていたもんなぁ。
SF作家が見落としていたのは、宇宙に出るのはものすごくものすごくものすご~く金がかかる。
単なる未知への興味や開拓精神だけでは乗り出していけなくて、
国力の誇示や、軍事上の思惑など国の方針レベルで動かなければとても実行に移せない
ってところでしょうなぁ。
Re:まぁ、なんつっても (スコア:2, 興味深い)
本格的な宇宙開発にあたるには、その量は増えることこそあれ減りはしません。
軍事が科学を進歩させることがあるのは事実です。
宇宙開発に用いられている技術の多くは、軍事技術とニヤリイコールです。
しかし、本当に宇宙開発に本腰を入れるのであれば、
金銭的にも資源的にも、戦争などやっている余裕はありません。
イラク戦争にかかった費用があれば宇宙エレベーターができると言っている研究者もいます。
軍事上の思惑だけではこれからの宇宙開発は実行に移せないでしょう。
#平和だからこそ科学が進歩する、そんな時代が来てほしい。
#夢見がちかもしれないけどID。
Re:まぁ、なんつっても (スコア:1)
見落としていたというよりも,
・技術革新によるコスト削減
・宇宙環境を利用した特殊な製品の実用化・市場の拡大
・規模の拡大によるコストダウン
などがどんどん進んで安くなってんだろ,っていう楽観主義だったんではないかと.
アポロ計画前から宇宙開発に金がかかっているのは周知の事実でしたし.
Re:まぁ、なんつっても (スコア:1, 興味深い)
有人探査みたいに派手ではないですが、火星探査なんかは地味(?)に進んでますよね。
そういう進歩の仕方なんだろうな、と思った。
Re:まぁ、なんつっても (スコア:1)
送り出した人員が死ぬことに、どれほどヒステリックな社会反応が起きるかを見逃していた、ということが大きいという気がする。おそらく新大陸発見当時の、ヨーロッパからアメリカへの移動手段の拡大ペースを元に想定していたはずだし。
中国の宇宙開発にしても、5年前の中国ならできた安全係数での開発が5年後の中国ではおそらくできないだろうし、アメリカの対応は仮想敵の進展しだいですから、このさき10年スパンでは、大きな進展は期待できそうに無い気がします。
SF作家にはつらい時代ですね。
Re:まぁ、なんつっても (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:まぁ、なんつっても (スコア:1)
Re:まぁ、なんつっても (スコア:1)
Re:まぁ、なんつっても (スコア:1)
ディスカバリー号だけ見ても、
・軌道プラットフォーム上での造船技術
・核融合エンジン
・冷凍睡眠技術
・すごいAI(w
なんていう技術要素があるわけで、これが実現していないのはコストや環境が整っていないという要素もありますが、
同時に技術的難易度がいまだ高いという点もあるわけで。
もちろん、技術開発力が投資コストに依存するっていう側面もあると思いますし、
その点も含めての「資金不足」ということかもしれませんけどね。
Re:まぁ、なんつっても (スコア:2, おもしろおかしい)
2001年には間に合いませんでしたが、技術的ブレイクスルーとなりそうな雰囲気の報道が昨年末にありましたね(焼肉のタレがカギか?)。
あれ? (スコア:1)
アメリカとソ連と宇宙人で密約を結んで、
表に出ないところでもうかなり惑星に進出
してるんじゃなかったのですか?
May the source be with you... always.
やはり無理なんだろうか? (スコア:1)
ほんとにすごいのはクラーク卿が健在なこと (スコア:1)
寄付金の勧誘だったんだけど。
Re:ほんとにすごいのはクラーク卿が健在なこと (スコア:2, おもしろおかしい)
# A.C. = Anonymous Coward
アーサー・C・クラークの最大の想定外は (スコア:1)
コンピュータで人間のような知性を実現したら、「宇宙船の制御に役立つだろう」、「徹底した論理思考なカタブツのよーなキャラになるだろう」という辺りも違ッテル気が。
UNIXも構想自体は40年前、これは実現してますな...。
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TaddyHatty - always @( posedge ↑ or negedge ↓ )
どうして誰も突っ込まない? (スコア:1, すばらしい洞察)
映画版と小説版の年齢が逆なんだけど。
Re:10歳(小説)のシンポジウム (スコア:1)
既に存在しているの、気づいてませんでした?
というより、我々は、その存在の1素子、一歯車なんですよ。
「そうだねぇ、おまえは粘り強い性格だから、ネジにしてやろう。」
#松本零士せんせい、訴えないでね。
Re:10歳(小説)のシンポジウム (スコア:1, 興味深い)
連想ゲーム的なのを取り入れれば案外簡単な気がしますね。
Re:10歳(小説)のシンポジウム (スコア:1)
放送当時(1999年)は「人間と話せる必要量の半分だけしか入力されていない」と言っていましたが、今は完了しているようです。
Cycプロジェクト [wikipedia.org]