ムーアの法則の限界、75~85年後には到達? 69
ストーリー by hylom
そのころには突破口が見つかっているような気もするが、 部門より
そのころには突破口が見つかっているような気もするが、 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
Inside Scienceが、ムーアの法則の本質的限界について取り上げている(論文要旨、本家/.記事)。
ムーアの法則の技術的限界については過去に論じられているが、ボストン大学の物理学者らが行った研究によると、ムーアの法則にはいくらチップを小型化しようとも技術では超えられない、いわば光の速度のような本質的限界があるという。この限界は熱力学と量子力学及び情報理論に基づき分析されたものであり、現在の最速のチップよりも1016倍の速さであるとのこと。現在のペースのまま開発が続いた場合、75年から80年後にはこの限界に達すると予想されるとのことだ。
そんなことより (スコア:3, 興味深い)
どんな世界になるのだろう??
Re:そんなことより (スコア:1, 興味深い)
いや、今と同じ速度で伸び続けたとしても75年程度で限界が来るってだけであって、今と同じ速度が続くとは誰も思っていない。
#単純に同じ面積をシュリンクしていくだけだと75年後は素子サイズが10-12 mになるしな。
Re: (スコア:0)
Re:そんなことより (スコア:1)
半導体の集積度がにソフトウエアのサイズも比例しますからね。
Re:そんなことより (スコア:1)
が、ヒッグス粒子を作り出すために必要な処理の可能性がありますね・・・
ドウシテオレハ、ココニイルンダ!
限界後を妄想 (スコア:2, 興味深い)
10^16倍になってれば人類全部ぐらいシミュレートできるでしょうから、肉体は捨てましょう。 でもって、シミュレート速度をいじって人類の主観の方を遅くすれば、いくらでも計算速度は増強できます。
ゼノンのパラドックス (スコア:0)
> でもって、シミュレート速度をいじって人類の主観の方を遅くすれば、いくらでも計算速度は増強できます。
減少速度があまり速いと、無限和でも有限にしかなりません。
それはいわゆるオメガポイント? (スコア:0)
法則 (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:法則 (スコア:2, すばらしい洞察)
むしろ最近はこの法則を目標に技術者が頑張っているわけで。
's law (スコア:2)
よくあることなんですが、言葉が輸入された時代によって訳が固定化してしまうと、こういうことになってしまうようです。
英語圏の人はマーフィーの法則みたいなものまで~'s lawで表してしまうのに、
法則なんて言葉を固定的に割り当ててしまっているので、物理法則みたいな印象を与えてしまいます。
今の時代に新たに英語が入ってきたなら、ムーアズ・ローって呼ばれるんじゃないかなぁ。
Re:'s law (スコア:1, すばらしい洞察)
> 英語圏の人はマーフィーの法則みたいなものまで~'s lawで表してしまうのに、
> 法則なんて言葉を固定的に割り当ててしまっているので、物理法則みたいな印象を与えてしまいます。
マーフィーの法則に関しては狙ってやってるんじゃないの? ジョークのようなものに物理法則みたいなおおげさな命名をするからこそ笑えるんじゃないの?
Re:法則 (スコア:1, 参考になる)
そのムーアさんが作ったintelの企業としての目標であり、これを保持している限りはintelは世界No.1のCPUメーカーであり続けられるの法則でもあったりします。(法則が崩れたらそれこそ株価が暴落するとかいろいろ騒ぎに)
ですから半導体トランジスタとは完全に違う方法になってしまったとして、その瞬間は集積率はガクンと下がると思いますが、その後もintelがその技術を追っかけて研究し続けている限りはその新たな技術にムーアの法則を適用してがんばっていくものと思われます。
# ただしその「違う方法」の内容次第では「集積率」が必要なくなるかも。
# その場合は性能向上のみの法則に化けることに。
限界到達よりも先に (スコア:1, すばらしい洞察)
トランジスタ以外の何かでコンピュータが作られるのが普通になってるかもね。80年もあったら。
Re:限界到達よりも先に (スコア:1)
>トランジスタ以外の何かでコンピュータが作られるのが普通になってるかもね。80年もあったら。
ってか、その頃にはコンピュータとか言われてないのではないかな?
それ以前に、ニーズが・・・ (スコア:1, 興味深い)
経済性を抜きにした研究としては必要性があるのかもしれませんが・・・
限界よりも先に、ニーズや経済性の壁が立ちはだかるのでは?と思ってみたりするのですが・・・
経済的な限界予想は5年後説 (スコア:5, 興味深い)
HPC関係者の間にメールで回ってたらしい話題の記事:
The End of Moore's Law in Five Years? (Michael Feldman、HPCwire)
[http://www.hpcwire.com/blogs/The-End-of-Moores-Law-in-Five-Years-48287... [hpcwire.com]]
以下に内容を要約すると:
市場調査とコンサルティング会社iSuppli社による調査では:
- Mooreの法則は5年のうちに成立しなくなるであろう
- 理由は技術上の限界ではなく、ファウンドリ(半導体チップの製造を専門に行なう企業)が必要とする費用である。
-- 研究開発、テスト、および半導体加工施設の建設に掛る費用は規模縮小に対して指数関数的に増加している
-- 45nmファブ(工場設備)の値段はすでに10億ドル(1ドル100円として1千億円)を越えている。
--- 例:AMDのファウンドリ・パートナーであるGlobalfoundries(AMDから分離した半導体製造部門)は、32nm ファブのために42億ドルを使った。
--- 例:Intelも傘下のファウンドリを32nmに更新するために70億ドルを使った。
-- リミットは20nm以下、たぶん18nmであろう。
- 結果、研究開発の中心は微細化からチップやボードの設計、新アーキテクチャやソフトウェア開発に移るだろう
-- Intel等のレガシーなアーキテクチャの優位がなくなるかもしれない
-- 実際HPC分野では性能の要求の増加にムーアの法則では追いつけないことから、既に開発の重心が移っている
---結果、(マルチプロセッサの)相互接続技術が重要になっている
- もっとも3D実装、ナノテク、スピントロニクスなど技術革新によってこの予想が覆される可能性はある
Re:経済的な限界予想は5年後説 (スコア:1)
あ、編集忘れましたが、iSuppli社による調査は前半の内容で
後ろ4項目は記事の筆者(Michael Feldman)の考察だと思います。
Re:経済的な限界予想は5年後説 (スコア:1)
数え違えた…orz
後ろ4項目じゃなくて5項目がMichael Feldmanの考察。リミット予想までがiSuppli社の調査内容。
アーキテクチャ屋がアップを始めました。 (スコア:1)
でまぁ、このメールが出回って
3D実装、マルチコア、アクセラレータ、GPGPUとか関連で(Intel, ARM以外でも)目があるかも!
とアーキテクチャ研究関係者がこの予想を織り込んで研究提案を書き始めたとか言う噂…。
Re:経済的な限界予想は5年後説 (スコア:1)
この前、放送大学TVを見たら、ムーアの法則のグラフを示して、「ムーアの法則は、もう成り立たないだろう」と言われた後、逆に速度が上がってる。なんてこと言ってた。
他の所でだけど、「科学技術が更に科学技術向上に寄与するから、変化は加速度的になる」なんてことも聞いたぞ。
the.ACount
Re:経済的な限界予想は5年後説 (スコア:1)
元の記事の引用元の英文記事によれば、
iSuppli社の予想は工場にかかる費用のグラフから「幾何学的に」求めたそうな。
だから「このままの傾向が続くと」という前提の下での予想ということになる。
というわけで元の記事で引用してる記事では筆者Feldmanも
幾つか新技術候補の例を挙げて技術革新で覆るかもとは書いている。
(「ムーアの法則は何度も死を宣告されてきたが覆されてきた。」ということも書いてあった。)
Re:それ以前に、ニーズが・・・ (スコア:1, すばらしい洞察)
むしろ、上を目指すってのは、主に経済面の要請です。
逆に限界に達した時に、この経済システムが維持できるのか心配。
#もう限界に近いよねえ。
Re: (スコア:0)
限界に近いのは需要の方じゃないかという気がします。
飛躍的な処理速度を必要とする(そしてそれだけの価値のある)ソフトの大需要も見えないし。
# 僕が知らないだけですかねぇ
Re:それ以前に、ニーズが・・・ (スコア:3, すばらしい洞察)
Re:それ以前に、ニーズが・・・ (スコア:1, すばらしい洞察)
なんで速度の限界? (スコア:1)
そもそもスイッチング素子1つを原子何個で作れるかっていうほうが先に限界が来ませんかね? 今のトランジスタがゲート長で数10nmのサイズで、原子1個が0.1nmくらいだったと思った。ゲート長が1原子より小さいってことはありえないとして。 集積度が1.5年で2倍ってことは長さ次元では1.5年で√(1/2)倍? てことは60年とは言わず30年もしないうちに限界が来るのでは?(計算間違ってたらごめん)
Re:なんで速度の限界? (スコア:2, 興味深い)
集積度を上げていくと量子的な振る舞いに影響されて情報が正しく取り出せなくなるんでしょう。
だから「原始何個で作れるか」には熱力学や量子力学とか情報理論なんかも考慮しなければいけなくなると。
うじゃうじゃ
もうちょっと深読み (スコア:2, 興味深い)
これって、「量子コンピュータのように一つの素粒子に複数の状態を重ね合わせるようなことをしても、エントロピーうんぬんで『情報の物理密度』のような理論的限界が存在し、どんなにブレイクスルーを繰り返そうが絶対に越えられない壁がある」ってことなのかもしれません。
もしも技術的なブレイクスルーで越えられるような壁なら
いわば光の速度のような本質的限界がある
って表現はかなり大げさですからね。
専門的知識はないので不適当なたとえだと思うけど、「情報も密度を上げすぎるとブラックホール化してまったく情報を取り出せなくなる」みたいな話じゃないですかね。
詳しい人のつっこみプリーズ。
あと、ムーアの法則が関わっているのは
現在のペースのまま開発が続いた場合、75年から80年後にはこの限界に達する
の部分だけで、論文そのものの主題はムーアの法則と無関係なのでは。
うじゃうじゃ
Re:もうちょっと深読み (スコア:3, 興味深い)
Re:なんで速度の限界? (スコア:2, すばらしい洞察)
多分議論の順番が逆というか, ムーアの法則は飾りに過ぎないんだと思います.
論文の主眼は, 光速とかプランクの定数を元に計算を行うための最小限の単位を求めることだと思います. 言い換えれば, マックスウェルの悪魔はどこまで小さくなれるかってことです.
この条件を満たすためには通常の物質ではとうてい不可能で, たとえば中性子星のような縮退状態の物質を絶対零度近くに冷却して基板として使い, その状態を維持するためにマイクロブラックホールを利用するなんていう超絶的技術が必要になるかもしれません. これは一見トンデモ的に見えますが, 現状の物理学の範囲に収まっているという点では超光速素子なんかよりは遥かに現実的ではあります.
とは言え2年で4倍というムーアの法則を適応しちゃうと, このレベルの超技術が今世紀中に実現しちゃうってことで. それはそれで面白いのかも.
つー事はシンギュラリティが起きるのは (スコア:1)
80年後かあ…。確実にワタクシ死んでますな…。
自分が生きてるうちに起きるだろうとなんとなく期待してたんだけど。
Re:つー事はシンギュラリティが起きるのは (スコア:2, すばらしい洞察)
いや,別にシンギュラリティがその速度でないと起きないというわけではないのでは?
真に重要なのはソフトウェアというか,枠組みですよ。
収穫加速の法則は適用済み? (スコア:0)
ソース読んでないのでアレですけど、大学の偉い人の発表とかでも収穫加速の法則を無視してる場合があるんですよね。
これは大丈夫なんだろうか。
Re:収穫加速の法則は適用済み? (スコア:2, すばらしい洞察)
大丈夫も何も、ムーアの法則自体が収穫加速の法則の一例じゃん。
ムーアの法則の限界を論じているということは、ムーアの法則を仮定しており、すなわち収穫加速の法則を仮定するというのは自明でしょ。
うーん、本当に大学の偉い人が「無視している場合がある」の?
あなたが自明な仮定を(その分野の常識を弁えないために)見逃したからじゃないの?
#大学の偉い人を疑う前に、まず自分を疑う謙虚さが大切だと、私なら考えますが。
量子計算機 (スコア:0)
その本質的限界とやらも、「ノイマン型の」限界っていうことなんですかね?
Re:量子計算機 (スコア:2, 参考になる)
タレコミ文でもわかるとおりムーアの法則というのはデバイスの集積度(と動作速度?)についての言及であって、それがコンピュータである必要はありません。
だからノイマン型がどうのという話にはならない。
量子コンピュータの場合はデバイスも別物になりそうだからどうなるかわからないけどね。
うじゃうじゃ
そんなにもつの? (スコア:0)
最近はあと数年からもって十数年と言われているような…。
Intelが発表のたびに、まだムーアの法則は健在って必死にアピールしてますよね。
Re:そんなにもつの? (スコア:2, 興味深い)
Intelのロードマップでは、取り合えず2022年4nmノードまでは行くのかな。
http://hardware.slashdot.org/story/09/08/24/153256/Intels-Roadmap-Incl... [slashdot.org]
http://www.xbitlabs.com/news/cpu/display/20090822094141_Intel_Outlines... [xbitlabs.com]
このロードマップで見積もると2010(32nm)->2022(4nm)なので、12年で集積度64倍
84年間なら、64の7乗で4.398x1012
『現在のペースのまま開発が続いた場合』は限界と言っている1016倍になんとか手が届きそうではあるが。。。
1桁nmノードなんて発熱にリークに配線、パッケージ周りまで巻き込んで課題は山済みだと思う。
Re:そんなにもつの? (スコア:2, 興味深い)
(日本語訳はJEITAが作成http://strj-jeita.elisasp.net/strj/ [elisasp.net])
2007 edition (原文:http://www.itrs.net/Links/2007ITRS/Home2007.htm [itrs.net], 日本語訳:http://strj-jeita.elisasp.net/strj/ITRS07/Roadmap-2007.htm [elisasp.net]) などで、今後の取り組むべき目標と課題を整理しています。
フロントエンドやリソグラフィなどを見ると、直近でも真っ赤(今のところ解なし)だったりします。
それでも何とか各社製品は作っているのだけど、今後、一層の開発資金の増大→巨大プロジェクト化、国策化、先端プロセス技術の寡占、という流れは変わらないようにおもえます。
Re:そんなにもつの?(フレームの元) (スコア:0)
え?もう限界来てる (スコア:0)
Re:え?もう限界来てる (スコア:1, 興味深い)
次は3次元方向への集積だな。
脊髄反射 (スコア:1, おもしろおかしい)
ついに俺の嫁にもz軸が加わるのですね!
Re:え?もう限界来てる (スコア:1)
シングルスレッドの能力が伸びるかどうか,さらに言えばチップの性能が上がるかどうかと,ムーアの法則って関係ないよね?
#ムーアの法則って単に集積度が上がる(素子数が増える)って話ですよね?
時間を持て余してるんですよ(´・ω・`)(Re:え?もう限界来てる (スコア:1)
プログラムを実行するにしてもチップの外のメモリやI/O絡みで頻繁にウェイト突っ込まれたりだなんだでチップが持つ演算能力を発揮出来ない所までチップが持つ演算能力が高くなってしまってる訳です。
例えば1GBのメインメモリをキャッシュメモリと同じようにオンチップに出来ればチップと主記憶の距離などに由来した遅延時間は無視できるでしょうが、そのような物は出来るにしても極めて高価になるのでチップの外の基板上に主記憶を配置する訳で、仮にメモリチップ自体についても超高速にしたとしても(現にそうなっていますが)、メモリとCPUの間の配線距離やらバスを同期させるタイミングやらが邪魔をして非常に遅く見えてしまっています。
で、そういう前提がある時にどうすればいいかと言えば時分割処理を複数の処理コアでやってキャッシュヒットの確率を劇的に上げたり、I/O処理のようなウェイトしてる方が多い処理は時分割処理とは別の処理コアに並行してやらせるような形で時間をロスするリスクを分散してしまったりする事で本来的には余ってしまう処理速度をとことん喰い潰そうとする訳です。
その為にマルチコアやGPU等の専用処理チップへの演算分散と言うやり方が出てくる訳で…並列プログラミングとかはあくまでもマルチコア化の結果・アウトプットであって前提ではない。と思うのですが…
もう石油といっしょだな (スコア:0)
Thermodynamic Cost of Reversible Computing (スコア:0)
Reversible computing requires preservation of all information throughout the entire computational process; this implies that all errors that appear as a result of the interaction of the information-carrying system with uncontrolled degrees of freedom must be corrected. But this can only be done at the expense of an increase in the entropy of the environment corresponding to the dissipation, in the form of heat, of the “noisy” part of the system's energy. This Letter gives an expression of that energy in terms of the effective noise temperature, and analyzes the relationship between the energy dissipation rate and the rate of computation. Finally, a generalized Clausius principle based on the concept of effective temperature is presented.
(情報を捨ててしまわないので無限に省電力な)逆計算可能なシステムであっても、熱雑音の限界があってそれを求めたという話だろ。
ムーアの法則なんて引き合いに出したバカはどいつだ
http://search.goo.ne.jp/web.jsp?IE=utf-8&from=blog-edit&PT=blo... [goo.ne.jp]
Re: (スコア:0)
熱力学と量子力学を同じ位置に並べる人が馬鹿ではないと?
Re: (スコア:0)
あなたのことですか?