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13412104 journal
日記

yasuokaの日記: 悪魔ちゃん命名事件とキラキラネーム

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の『人名用漢字の新字旧字』の読者から、三谷竜彦の「いわゆるキラキラネームの問題について」(哲学と現代, 第31号(2016年2月), pp.205-215)に、私の名前が出てくるとの御連絡をいただいた。ネットサーフィンしてみたところ、電子版『哲学と現代』のページで当該論文を見つけたのだが、これが、どこから手を付けていいのかわからないほどヒドイ論文だった。とりあえず「悪魔ちゃん命名事件」に関する部分を引用する。

2-2.「○○」ちゃん命名事件 (13)
一九九三年八月一一日、東京都昭島市役所に、子の名を「○○」とした出生届が提出された。八月一二日、昭島市役所は、東京法務局八王子支局に受理の是非を問い合わせたところ、問題ないという回答を得たため、「○○」を戸籍に登載した。ところが八月一三日、東京法務局八王子支局から昭島市役所に、出生届の受理を保留するようにという連絡が届いた。さらに九月二七日、東京法務局八王子支局から昭島市長に、出生届を「名未定」として扱うようにという指示がなされた。これにしたがって昭島市長は、戸籍の「○○」を赤線で抹消して「名未定」としたうえで、父親に対して、名前の追完届を提出するように求めた。父親はこの求めを受け入れず、いったん「○○」と名づけた出生届を受理しながら勝手に「名未定」に変更するのは不服であるとして、一〇月二〇日、昭島市長に「○○」を戸籍に記載させるよう、東京家庭裁判所八王子支部に家事審判を申し立てた。そして一九九四年一月三一日、東京家庭裁判所八王子支部は、次のような少しややこしい審判を下した。
子に「○○」と名づけるのは命名権の濫用であり、本来は出生届を受理されなくてもやむをえない。しかし本件においては出生届はいったん受理されてしまっているのであり、そうである以上、昭島市長は戸籍に「○○」と記載すべきであって、勝手に「名未定」にすることは認められない。
このように結果は、裁判に関しては父親側が勝訴したのだが、「○○」と名づけることは命名権の濫用であって本来は認められないと判断されたということになる。これに対して昭島市側は、東京高等裁判所に即時抗告した。ところが、父親は五月三〇日、「○○」とは別の名前を記した追完届を提出し、昭島市はこれを受理した。こうしてけっきょく二審は未決のまま終結することになった。
以上においてみてきたように、裁判自体はけっきょく中途半端な形で終わったが、一審判決にあるように、日本でも親の命名権は制限されるという可能性が示された。たしかに一審で勝訴したのは親側であるが、行政側が敗訴したのは手続き上の問題があったからである。もし手続き上の問題がなかったら、命名権の濫用として「○○」という命名は認められないという結果になっていたと考えてよいであろう。

違う。まずは、家事審判と行政裁判の差異をちゃんと理解した上で、宮崎幹朗『「悪魔ちゃん」事件にみる命名の自由とその限界』(愛媛法学会雑誌, Vol.22, No.3/4 (1996年3月), pp.73-96)を読みなさい。さらに、宮崎論文が引用している数々の判例評釈と、それらに反対する判例評釈を読みなさい。そこまでやってから、この「悪魔ちゃん命名事件」の射程がやっと議論できるのだし、その行政にとっての意味と、命名者にとっての意味がどう違うのかもやっと議論できるのだ。

ただ、そこまでやっても、そこからキラキラネームの議論へと敷衍するのは、またこれはこれで、かなり長い道のりだったりする。正直、この三谷竜彦の手におえる問題ではないように思えるのだが、どうしてこんな「いわゆるキラキラネームの問題について」なんて論文を書く気になったんだろ。

13410951 journal
バグ

alpの日記: 番外: iTunes 12.7 のエンバグ

日記 by alp
  1. Windows 向け iTunes の 12.7.0.166 と Windows7 の組み合わせ(後者は関係ないかもしれない) で、報知音を音量ミキサーを通さないで鳴らすようになったらしく、うちの環境だと報知音消してあるのにもかかわらずインポート終了などで爆音が鳴り響きますな。iTunes for Windows は前からそうでなくともミキサー周りでバグが多いので、正直言ってまたやらかしやがったという感想しかない……
13410550 journal
日本

yasuokaの日記: Re: あなたのスタジオ「人名漢字をふやすな」

日記 by yasuoka

1976年5月10日の『あなたのスタジオ』(NHK総合、22:15~23:00)は、「人名漢字をふやすな」というテーマだったらしい。ちょっと気になったので、とりあえず『京都新聞』縮刷版のテレビ欄(第33985号p.20)を見てみた。

最近、国民の要望にこたえて人名漢字、七十六文字をふやそうという動きがある。ところが「人名・地名研究会」は、人名漢字をふやすことに断固反対する。この会の人々は、「当用漢字が定められて、日本語をわかり易く、読み易くする方向が確立されたはずである。ところが人名や地名の読み方は音訓が適用されず、当用漢字の抜け穴になっている。この上人名漢字のわくをひろげることは、日本語を読みにくく、わかりにくくするものである」と主張する。難解な地名はむつ市、いわき市などの例のようにカナ書きにすべきであるというのが「人名・地名研究会」の主張である。

うわぁ、さすがに1976年だと過激だなぁ、と思いつつ、『読売新聞』縮刷版のテレビ欄(第35826号p.24)も見てみた。

人名漢字の制限に不満をもつ人は多い。子どもの名前くらい親の自由にさせろという声が、役所の窓口でしばしばトラブルを生む。最近、こうした要望にこたえて七十六文字を増やそうという動きがある。ところが〝人名地名を考える会〟の人々は、人名漢字を増やすことに断固反対している。その主張を紹介する。

こうなると、放送内容を視たくなるのが人情だが、どうもNHKアーカイブスには残されていないようだ。仕方ないので、当時の記事を少し探してみたところ、原幸一の『人名漢字を減らすな』(朝日ジャーナル, Vol.18, No.22 (1976年6月4日), p.115)という一文を見つけた。

五月一〇日にNHKテレビで放映された「あなたのスタジオ―人名漢字をふやすな」を見た。「人名地名を考える会」という面白い名前に惹かれて、さぞかし白熱した議論が展開されるだろうと期待して見たのだが、議論などいつまでたっても現れず、会の人の一方的な主張に終始して、あとには白けきった感情だけが残った。そもそも、テレビに出演した会の人たちが、漢字というものをあまりよく理解していないらしいのである。
(中略)
彼らの重大な誤りは、凝った難しい読み方をする人名は、漢字の使用を制限したために生じてきたのだ、ということに彼らが気づいていないことである。親たちは、個性的でいい名前を子につけたいと思う。難しい読み方をする人名は、つけられた本人も、また世間の人も不便だから、人名漢字をふやせばおのずから減ってくるものと思われる。

40年以上前の記事にもかかわらず、私(安岡孝一)の持論の一つを先取りしていて、ちょっとクヤシイ。しかも、この当時、子供の名づけに使えた「靑」「淸」「聰」「龜」は、現在は出生届に書けなくなっていて、二重の意味でクヤシイ。もっともっと人名用漢字を増やすべきだと思うのだけど、さて、どうすればいいんだろう。

13409836 journal
日記

alpの日記: 9/13, 9/14, 9/15 通勤音楽

日記 by alp
  1. 9/13 通勤音楽
    • Mahler, Das knaben Wunderholn, Dietrich Fischer-Dieskau, Elisabeth Schwarzkopf & George Szell London Symphony Orchestra
    • Respighi, La sensitiva, J.Baker-ms R.Hickox City of London Sinfonia
  2. 9/14 通勤音楽
    • Brahms, Klavierkonzert #2 B-Dur Op.83, Backhaus Böhm VPO
    • RVW, Symphonie #5, J.Barbirolli Philharmonia Orchestra
  3. 9/15 通勤音楽
    • Shostakovich, Symphonie #14, Vishnevskaya Rezhetin Britten English Chamber o
    • Janáček, Sinfonietta, R.Kubelik Sym. orch. des Bayerisches Rundfunk
  4. Brahms の第二協奏曲はどこまでも印象が拡散する感じで苦手のうち。何種類がもっているので演奏絡みではないと思う。Shostakovich の14番はだいたいロシア語版のものを聞きます。
13409558 journal
政府

yasuokaの日記: 地方税法における守秘義務の解除に関する内閣法制局意見

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の一昨昨日一昨日の日記に対し、地方税法における守秘義務(第22条)の解除に関して内閣法制局意見があったはず、との御教示をいただいた。調べてみたところ、昭和38年3月15日内閣法制局一発第6号回答、というのを『内閣法制局意見年報』第10巻(1965年10月)pp.17-26で見つけた。

〔要旨〕

入居者の所得等は公営住宅法第二三条の二により、公営住宅の事業主体の長に知得されるべきものとされているから、公営住宅の事業主体の長の求めに応じて、市町村長が市町村民税の課税台帳を閲覧させても、秘密漏えいに関する罪は成立しないが、弁護士法には類似の規定が存在しないから、弁護士法第二三条の二第二項による弁護士会の求めに応じて、市町村長が報告をしたときは、秘密漏えいに関する罪が成立する。

〔意見〕

昭和三八年三月一五日 〔内閣法制局一発第六号〕  内閣法制局第一部長 山内一夫
自治省税務局長 柴田護 殿

地方税法第二二条と公営住宅法第二三条の二の関係等について

昭和三七年一〇月二八日付け自治丙市発第二二号をもつて照会があつた標記の件に関し、次のとおり当局の意見を回答する。

一 問題
(一) 公営住宅の事業主体の長が、公営住宅法第二三条の二の規定により、市町村長に対して、市町村民税の課税台帳を閲覧させることを求めた場合において、当該市町村長がその求めに応じて閲覧させたときは、地方税法第二二条に規定する犯罪が成立するものと解すべきであるか。
(二) 弁護士会が、弁護士法第二三の二の規定により、市町村長に対して、地方税法第二二条にいう「その事務に関して知り得た秘密」に該当する事項について報告を求めた場合において、当該市町村長がその求めに応じて報告したときは、地方税法第二二条に規定する犯罪が成立するものと解すべきであるか。

二 意見及び理由
(一) 私人は、直接地方税法の規定により又は地方税法に基づく公権力の行使により、その意に反して、一定の秘密を地方税に関する調査に関する事務に従事している者に知られることを受忍する義務を負うが、それは、いうまでもなく地方税の賦課徴収のために必要であるからである。地方税に関する調査に関する事務に従事している者自身が私人の秘密を知ることは、地方税の賦課徴収に必要であり、やむを得ないところであるから、地方税法の予想するところと解すべきは当然であるが、地方税に関する調査に関する事務に従事している者がその事務に関して知り得た私人の秘密をその意に反して第三者に知らせることは、地方税の賦課徴収に必要な限度をこえるものであつて、それは、地方税法の予想しない人権に対する新たな侵害であると解すべきである。地方税法第二二条は、「地方税に関する調査に関する事務に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た秘密をもらし、又は窃用した場合においては、二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」と規定しているが、その趣旨が、このような地方税法の予想しない人権に対する新たな侵害が現実に発生するのを防止するためのものであることは、いうまでもないから、地方税法に関する調査に関する事務に従事している者が「その事務に関して知り得た秘密」を第三者に知らせる行為が適法であり、同条に規定する犯罪とならないものと解しうるためには、そのような行為を適法なものとして許容したと認めるに足りる法律の規定があることを要すると解すべきは、当然である。
市町村民税の課税台帳の記載内容が地方税法第二二条にいう「その事務に関して知り得た秘密」に該当するかどうかは、当該部分についての具体的判断の問題であるが、収入の状況及びその源泉等については該当する場合も十分にありうるものと考えられる。右の秘密に該当する場合においては、右に述べたところからして、お尋ねの問題の要点は、市町村長が公営住宅の事業主体の長にこれを閲覧させることを公営住宅法第二三条の二の規定が許容する趣旨を有するかどうかに係ることになるわけであるが、結論からさきにいえば、同条は、そのような趣旨を有するものと解すべきである。
その理由は、次のとおりである。
公営住宅法第二三条の二が「事業主体の長は、第一二条第二項の規定による家賃の減免、第一三条の二の規定による家賃若しくは敷金の徴収の猶予又は第二一条の二の規定によるあつせん、割増賃料の徴収等の措置に関し必要があると認めるときは、公営住宅の入居者の収入の状況について、当該入居者……に報告を求め……ることができる。」と規定しているが、このような規定が設けられたのは、事業主体の長が、公営住宅の入居者の収入を的確に把握しなければ、右に規定する措置を適正に行なうことができないからにほかならないことは、いうまでもないところである。同条は、その文言上は、事業主体の長の権限を規定しているにとどまるが、その実質においては、入居者に対して、事業主体の長の権限に対応する義務、換言すれば、事業主体の長の求めに応じて報告をなすべき義務を課したものであると解するのが相当である。同条の趣旨をこのように見てくれば、結局のところ、同条に規定する措置に関し必要と認められる限りにおいては、入居者の収入の状況は、事業主体の長に対する関係においては秘密であつてはならず、むしろ事業主体の長に知得させなければならないものであることは、明らかであろう。同条は、他方、「事業主体の長は、第一二条第二項の規定による家賃の減免、第一三条の二の規定による家賃若しくは敷金の徴収の猶予又は第二一条の二の規定によるあつせん、割増賃料の徴収等の措置に関し必要があると認めるときは、公営住宅の入居者の収入の状況について……官公署に必要な書類を閲覧させ、若しくはその内容を記録させることを求めることができる。」と規定している。この規定は、前述の入居者に係る規定と同様、その文言上は事業主体の長の権限を規定しているにとどまるが、その実質においては、官公署に対して、別途特段の公益上の理由がない限り、事業主体の長の行なう公営住宅の入居者の収入の状況の調査に協力すべき義務を課したものと解すべきであろう。これは、当該入居者又はその関係人が所要の報告をせず、若しくは報告をしないことが予見される場合、及びその報告の内容の真実性を確認する必要がある場合のあることに備えての規定であることはいうまでもないから、この規定に基づく求めがあつた場合においては、当該官公署は、前述のように、これを拒否すべき特段の理由があれば格別、そうでない限り、その求めに応じて閲覧又は記録をさせるべきことは、これまた当然のことであつて、このことによつて、事業主体の長が当該入居者の収入の状況を知得したとしても、事業主体の長は、本来知得すべき事項を知得しただけのことであつて、なんら不合理はないのである。したがつて、公営住宅法第二三条の二は、市町村民税の課税台帳の記載内容であつて地方税法第二二条にいう「その事務に関して知り得た秘密」に該当するものを市町村長が公営住宅の事業主体の長に閲覧させることを許容する趣旨を有するものといわなければならない。
以上の理由によつて、お尋ねの場合においては、市町村民税の課税台帳の当該部分が地方税法第二二条にいう「その事務に関して知り得た秘密」に該当する場合においても、同条に規定する犯罪は成立しないものと解する。
(二) 「地方税に関する調査に関する事務に従事している者」が「その事務に関して知り得た秘密」を第三者に知らせる行為を適法なものとして許容したと認めるに足りる法律の規定がある場合においては、前述のとおり、当該行為は適法であり、地方税法第二二条に規定する犯罪とならないものと解すべきであるから、お尋ねの問題の要点は、弁護士法第二三条の二が、弁護士会が市町村長に対して、地方税法第二二条にいう「その事務に関して知り得た秘密」に該当する事項の報告を求めた場合において、市町村長がその求めに応じて、当該事項を報告することを適法なものとして許容していると認めるに足る規定であるかどうかに係るわけである。
ところで、弁護士法第二三条の二は、第一項において「弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。」と規定し、第二項において、「弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。」と規定しており、市町村長が弁護士法第二三条の二にいう「公務所」に該当することはもちろんであるから、ただ文言だけに着目する限り、同条が右の行為を適法なものとして許容しているかのようにも思われるが、実質をよく見ると、そう考えるのは、速断に失するといわざるを得ない。
弁護士法第二三条の二第二項の規定により、弁護士会が公務所に対し必要な事項の報告を求めることができるとされているのは、同条の明文から直ちにうかがいうるように、その事項が弁護士の「受任している事件」について必要とされるからにほかならないが、弁護士は、弁護士法第三条第一項の規定により明らかなとおり、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて事件を受任するのであるから、右にいう「必要な事項」は、結局のところ、事件の依頼者又は委嘱者の利益のために必要とされるものといわなければならないのであり、したがつて、お示しの場合において、市町村長が地方税法第二二条にいう「その事務に関して知り得た秘密」に該当する事項を弁護士会に報告するものとすれば、事件の依頼者又は委嘱者の利益のために、当該私人の秘密を犠牲にすることとなるわけである。もとより、事件の委嘱者は、官公署であり、また、事件の依頼者が公共の利益をはかることを目的とする法人であることもあり、事件の依頼者又は委嘱者の利益がすべてそのために当該私人の秘密を犠牲にすることが絶対に正当視されえないものであるともいいえないであろう。しかしながら、弁護士の受任している事件の依頼者には、いかなる者もなりうることを考えるとき、弁護士の受任している事件の依頼者の利益のうちには、そのために、地方税法第二二条にいう「秘密」を犠牲にすることは、とうてい正当視され得ないものがきわめて数多く存在することは、何人も否定しえないであろう。してみれば、弁護士法第二三条の二の規定が、地方税法第二二条にいう「その事務に関して知り得た秘密」に該当する事項について、弁護士会の求めに応じて報告することを許容しているものと認めることは、困難であり、したがつて、お示しの場合においては、他に違法性阻却事由がある等、特段の事由が認められる時は格別、そうでないときには、地方税法第二二条に規定する犯罪が成立するものと解するのを相当とする。

〔照会文〕

昭和三七年一〇月二八日 〔自治丙市発第二二号〕  自治省税務局長
内閣法制局第一部長 殿

地方税法第二二条と公営住宅法第二三条の二の関係等について

次のことについて、疑義があるので、貴職の御見解をお伺いする。
一 公営住宅法第二三条の二の規定によつて市町村民税の課税台帳の閲覧を求められ、これに応じた場合にも地方税法第二二条の規定の適用があるか。
二 弁護士法第二三条の二の規定によつて、弁護士会から市町村民税の課税台帳の記載内容等の報告を求められ、これに応じた場合も一と同様であるか。
三 一及び二について、市町村長は、税務行政上好ましくないと判断した場合には、これを拒否することができるか。

これを読む限りだと、当時の公営住宅法第23条の2(現在の第34条)によって地方税法第22条の守秘義務は解除されるが、弁護士法第23条の2では守秘義務は解除されない、ということである。だとすると、一昨昨日の【内閣官房・回答】は、番号法第22条では守秘義務は解除されない、と考えており、弁護士法第23条の2と番号法第22条を同一視しているということになる。「弁護士の受任している事件の依頼者」と「情報提供ネットワークシステムにおける情報照会者」を同一視しているわけで、かなりヒドイ話だ。

ただ、【内閣官房・回答】にあった「本人の同意により秘密性が解除される」というヨタ話は、↑の内閣法制局意見には全く出てこない。うーん、どうなってるんだろう、「本人の同意」なんて話、地方税法のどこにも載ってないし、どこから出てきたんだろう。この内閣法制局意見じゃないのかしら?

13408005 journal
政府

yasuokaの日記: 情報提供ネットワークと情報提供等記録開示

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の昨日の日記に関し、記憶に頼って過去の資料を探していたところ、「マイナンバー法案についての地方公共団体向け説明会」についてという内閣官房のページを見つけることができた。2012年6月20日付の資料には、今もこう書かれている。

マイナンバー法案別表に記載された個人情報の提供については、地方税情報を含め守秘義務が解除される。

情報提供ネットワークにおける特定個人情報の提供においては、本人同意などというものは一切アテにせず、情報提供等記録開示を主軸に設計がおこなわれた。ざっくり言うと、「情報提供をおこなう前に本人の同意を得る」という考え方を捨て去って、「情報提供の事実を必ず本人が知ることができる」という設計モデルを選んだわけだ。当然、他の法律における守秘義務との間で微妙な問題が起こるが、あくまで行政機関や自治体の間での情報提供であり、しかも、情報提供をおこなったら「必ず本人が知ることができる」のだから、その結果「守秘義務が解除される」よう制度設計すべきだろう、とのことだった。

ところが、内閣官房番号制度推進室からの昨日の返事を読む限り、地方税法以外の法律ではちゃんと「守秘義務が解除される」ようにしたにもかかわらず、なぜか地方税法だけは「本人の同意が必要」だということになってしまったらしい。情報提供等記録開示システムを、わざわざ「マイナポータル」として実装したにもかかわらず。地方税法のどこにも「本人の同意」などと、書かれていないにもかかわらず。まあ、この5年間で内閣官房も心変わりしたのだろうが、だったら、その心変わりで起こってしまった「矛盾」は、やはり内閣官房が引き受けるべきだと思う。

13406737 journal
日記

alpの日記: 9/12 通勤音楽

日記 by alp
  1. 9/12 通勤音楽
    • Schubert, Messe #6 Es-Dur D.950, Helen Donath, Peter Schreier, Wolfgang Sawallisch Bavarian Radio Symphony Orchestra & Chorus
    • Castelnuovo-Tedesco, Quintet Op.143, 山下和仁-guitar Tokyo Quartet
  2. 表記事の件、道の真ん中に電柱が立っている場所は珍しくないんですけど……
13406398 journal
政府

yasuokaの日記: 『番号法第19条第7号の規定により地方税関係情報を照会する場合に本人の同意が必要となる事務を定める告示』に対する質問状

日記 by yasuoka

かなり以前のことだが、『行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十九条第七号の規定により地方税関係情報を照会する場合に本人の同意が必要となる事務を定める告示』(平成29年5月29日内閣府・総務省告示第1号)に対して、内閣官房番号制度推進室に質問状を送った。そうしたところ、今日になってやっと回答が返ってきたのだが、これがかなりヒドイものだった。そこで、再質問を送ると同時に、最初の質問も含めて、私(安岡孝一)の日記に記録しておこうと思う。

 京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センターの安岡孝一です。

先刻頂きました標記お問合せにつきまして、誠に恐れ入りますが、安岡様の御質問をメールにて頂戴できますでしょうか。

はい。私のこれまでの理解では、特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)は、個人情報保護法の第23条を適用除外とすることで、「本人同意の有無や法令に基づく場合かどうかは関係なく、番号法第19条各号に掲げる場合のみ提供できる」ものだと理解しておりました。このあたりは、マイナンバー制度の制定に関わった水町雅子さんとも議論した点ですし、現在も https://www.ppc.go.jp/files/pdf/difference_kojin_tokutei.pdf の「6.第三者提供の制限」にも明確に書かれています。ですので、本人同意の有無とは関係ない、という理解で、ここ2年ほど、講義を続けてまいりました。

ところが、この5月29日の内閣府・総務省告示第1号 http://www.cao.go.jp/bangouseido/pdf/kokuji_29-1.pdf では、「当該提供について本人の同意を得なければならない」と、これまでの私の理解を、完全に覆す告示がおこなわれました。しかも「当該情報照会者が、当該情報提供者に代わって当該情報に係る本人の同意を得るものとする」とされていて、「本人同意の有無と関係なく」「番号法第19条各号に掲げる場合のみ提供できる」はずの特定個人情報が、「本人の同意を得るものとする」という矛盾した告示になってしまっています。この部分の矛盾を、学生にどう説明すればいいのか、が私の質問の中心です。

・「本人同意の有無とは関係ない」とする番号法第19条の基本方針は、今後は撤回されるのか。撤回されるとすれば、具体的な法改正はいつ頃か。
・「本人の同意を得なければならない」とする根拠法は何か。それは個人情報保護法なのか地方税法なのか、あるいは別の法律なのか。その根拠法の根拠条文は、当該告示のどこに引かれているのか。

の2つのあたりを、学生にどうちゃんと説明していけばいいのか、というのが、私の具体的な質問、ということになると思います。ただこれは、あるいは個人情報保護委員会の https://www.ppc.go.jp/files/pdf/difference_kojin_tokutei.pdf の方が間違っているのだ、という可能性もありますので、すみませんが、個人情報保護委員会ともキッチリすり合わせた上で(というか、私もともと、個人情報保護委員会にお電話したはずですよね?)、回答いただけますと幸いです。

 なお、後期の講義は10月に始まりますので、まだ、しばらく時間があります。よろしく細部まで御検討の上、回答いただくよう、お願い申し上げます。

これに対し、本日、内閣官房番号制度推進室から返ってきた【内閣官房・回答】は、以下のとおり。

標記の件、御質問頂いた2点につきまして、下記回答いたします。回答が遅くなり誠に恐れ入りますが、宜しくご確認くださいますようお願いします。なお、本回答については、個人情報保護委員会及び総務省自治税務局市町村税課と調整済みですので、念のため申し添えます。

① 「本人同意の有無とは関係ない」とする番号法第19条の基本方針は、今後は撤回されるのか。撤回されるとすれば、具体的な法改正はいつ頃か。

→お示しの資料における「特定個人情報は、本人の同意の有無や法令に基づく場合等かどうかは関係なく、番号法第19条各号に掲げる場合のみ提供できる」との記載は、個人情報保護法制の特別法たる番号法における特定個人情報の提供に係る一般的な考え方を示しているものであり、これを撤回するものではありません。

② 「本人の同意を得なければならない」とする根拠法は何か。それは個人情報保護法なのか地方税法なのか、あるいは別の法律なのか。その根拠法の根拠条文は、当該告示のどこに引かれているのか。

→個人情報保護法制や番号法とは別途、地方税法上、地方税の調査又は徴収の事務に従事している者等には守秘義務が課されており、地方税法総則逐条解説において、情報提供ネットワークシステムを介した照会については、①利用事務の根拠法律において、本人が行政機関に対して報告を行う義務が規定されている場合、又は②利用事務が申請に基づく事務であり本人の同意により秘密性が解除される場合においては、地方税法上の守秘義務違反には当たらないと解されています。
このため、地方税法上の守秘義務を解除した上で情報提供するためには、①又は②を満たす必要があり、番号法第19条第7号により、当該情報を照会するに当たって、本人の同意が必要な事務及び情報を明らかにする必要があるため本告示を定めました。なお、告示上に地方税法の条文は直接引いていません。

○地方税法(昭和25年法律第226号)
(秘密漏えいに関する罪)
第二十二条 地方税に関する調査(不服申立てに係る事件の審理のための調査及び地方税の犯則事件の調査を含む。)若しくは租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律 (昭和四十四年法律第四十六号)の規定に基づいて行う情報の提供のための調査に関する事務又は地方税の徴収に関する事務に従事している者又は従事していた者は、これらの事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は窃用した場合においては、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

予想された回答ではあるものの、かなりヒドイ。そこで、まずは、以下の再質問を先ほど送っておいた。

 京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センターの安岡孝一です。

標記の件、御質問頂いた2点につきまして、下記回答いたします。回答が遅くなり誠に恐れ入りますが、宜しくご確認くださいますようお願いします。

正直なところ、この回答では「矛盾」が説明できておりません。

→お示しの資料における「特定個人情報は、本人の同意の有無や法令に基づく場合等かどうかは関係なく、番号法第19条各号に掲げる場合のみ提供できる」との記載は、個人情報保護法制の特別法たる番号法における特定個人情報の提供に係る一般的な考え方を示しているものであり、これを撤回するものではありません。

に関しては、従来方針通りということですから納得の行くものですが

→個人情報保護法制や番号法とは別途、地方税法上、地方税の調査又は徴収の事務に従事している者等には守秘義務が課されており、地方税法総則逐条解説において、情報提供ネットワークシステムを介した照会については、①利用事務の根拠法律において、本人が行政機関に対して報告を行う義務が規定されている場合、又は②利用事務が申請に基づく事務であり本人の同意により秘密性が解除される場合においては、地方税法上の守秘義務違反には当たらないと解されています。
このため、地方税法上の守秘義務を解除した上で情報提供するためには、①又は②を満たす必要があり、番号法第19条第7号により、当該情報を照会するに当たって、本人の同意が必要な事務及び情報を明らかにする必要があるため本告示を定めました。なお、告示上に地方税法の条文は直接引いていません。

その回答では、私のもともとの「この部分の矛盾を、学生にどう説明すればいいのか、が私の質問の中心です。」を解消することができません。その矛盾をバラバラに回答するのではなく、矛盾を解消するような回答がほしいのです。『地方税法総則逐条解説』を元に告示しました、根拠法も引いてないし、番号法との矛盾も知りません、という回答では、学生に説明しようがありません。

 しかも、この回答に引用されている内容は、『地方税法総則逐条解説』(地方財務協会、平成25年12月24日)の文章を、勝手に改変しています。『地方税法総則逐条解説』第二十二条の元々の文章(p.698)は

情報提供ネットワークシステムを経由してなされる情報照会者たる行政機関等からの照会に対しては、情報提供者たる行政機関等は回答しなければならない旨の規定がある。これに基づいて市町村の税務部局に対して所得情報の提供が求められた場合については、情報提供ネットワークシステムによる情報照会・提供は①利用事務の根拠法律において、本人が行政機関に対して報告を行う義務が規定されている場合、及び、②利用事務が申請に基づく事務であり本人の同意により秘密性が解除される場合、に限定されていることから、当該情報は両者の関係において秘密ではないと解されるため、番号法第二二条第一項に基づく情報提供の求めに対して市町村が所得情報を提供したとしても、本条に規定する犯罪は成立しないものと解される。

です。「①又は②を許容」と「①及び②を限定列挙」では、意味が全く異なってしまうという点は、以前、私の日記 https://srad.jp/~yasuoka/journal/591502/ にも書いたとおりです。このような「元の意図を捻じ曲げる引用もどき」では、回答そのものに納得することができませんし、番号法との矛盾も、解消できようがありません。

 後期の講義は10月に始まりますので、もう少しだけ、時間があります。よろしく細部まで御検討の上、矛盾なく回答いただくよう、お願い申し上げます。

とは言うものの、これまでのイキサツ(これとかこれとかこれとかこれとかこれ)を考えると、9月末までに「矛盾なく回答」が返ってくる可能性は極めて低い。さて、どうしたものか。

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日本

yasuokaの日記: 1964年生まれの「榮子」ちゃん

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の昨日の日記の読者から、人名用漢字以外の漢字を子供の名に付けると、その裁判記録が残るのではないか、という御質問をいただいた。いや、そんなことはない。家庭裁判所での家事審判が非公開ということもあるが、そもそも家事審判を経ずに戸籍に登載されてしまった例の方が多いのだ。1964年生まれの「榮子」ちゃんの例を、『民事月報』第19巻第10号pp.56-60から見てみよう。

1964年7月1日、鎌倉市のとある夫婦に長女が誕生した。夫婦は長女に「榮子」と名づけ、7月14日に鎌倉市役所に出生届を提出したところ、無事に受理された。鎌倉市役所がこの出生届を、夫婦の本籍地である東京都千代田区に回送したところ、「榮」は当用漢字にも人名用漢字にも無いという理由で、7月27日に鎌倉市役所に返送されてきた。困った鎌倉市役所は、長女の名を「栄子」に変えてもらうべく夫婦にお願いしたが、夫婦と夫の父の連名で、「榮子」と名づけたのだから「榮子」で行く、との回答を7月31日に受けた。困った鎌倉市役所と千代田区役所は、8月10日付けで東京法務局にお伺いを立て、困った東京法務局も、8月18日付けで法務省民事局にお伺いを立てた。そうしたところ、9月9日に民事局から、「榮子」で出生届を受理してしまった以上、「榮子」で戸籍に登載するしかない、との回答(民事甲第3019号)が戻ってきた。この結果、特に家事審判等を経ることなく、「榮子」ちゃんの戸籍上の本名は生まれた時から「榮子」だった、ということになった。なお、「榮」が人名用漢字に追加されるのは、40年後の2004年9月27日のことである。

ちなみに「麟」に関しては、1988年5月に法務省民事局がおこなった調査において、27の市区町村が、「麟」を含む出生届が問題になった、と答えている。これらの出生届は、全て不受理となり別の漢字へ変更された、と信じたい人もいるだろう。しかしながら、1989年2月13日から始まる民事行政審議会での議論と実情を見る限り、そう信じるわけにはいかないのが現実だと考えられるし、それが戸籍電算化へのキッカケの一つだったと考えられる。

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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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