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設問を見てみたのですが、何だかクイズ番組の問題を見ているような感じでした。すなわち、「これを知って何の役に立つの?」という疑問が出てきてしまうんです。
こんな疑問が出てきてしまうということは、現代の科学や技術が今我々が抱えている需要に全く答えていないのではないのではないでしょうか。あるいは、そのような需要に答える試みは、「科学」や「技術」と見なされていないのではないでしょうか。
何で世間で環境保護をみんな口うるさく言うのかとか
言ったところで、科学はちゃんと役に立っているとは思います。ただ、いかんせん、詰め込み学習で、現実の社会とのつながりのない、知識だけの教育になっていて、自分の身の回りとの関連性が全然想像できないってのは悲しいけど今の現実ですね。
勤務先の研修で、販売実習ってのがあるんですが、そのとき、女の子とそのお母さんと思しき二人連れがこられて、「他の店で買ったテレビなんだけど、映らないの」と、質問されました。で、話を聞くと、アンテナをつないでないだけでした。
心の中であきれつつ、考えてみると、少なくとも私は、義務教育の理科の授業で、なぜテレビは映るのか、電波で情報を伝えるとはどういうことか、みたいな話って、習った記憶がないよなあ、、、と複雑な気分になりました。
あとは、機械の接続で「なぜ入力と出力でケーブルが別なのか」とかいったあたりを聞く人も多かったですね、、、電気が流れるとはどういうことかとか、オームの法則は習うはずだけど、やっぱりただの数式、テスト対策として知っているだけで、身の回りにあるものに対して同じように考えが及ばない。
アシモフのSF、「ファウンデーション」はあんまりSFでもなんでもないなと思いました。かくいう私も、いきなり無人島に流されるようなことがあった時に、ちゃんと科学技術をサバイバルに生かせるかといわれるとちょっと苦しいですね。
アシモフのSF、「ファウンデーション」はあんまりSFでもなんでもないなと思いました。
純粋に質問です。この「ファウンデーション」は「プロフェッション」の勘違いでしょうか?
とりあえず、「ファウンデーション」を出したのは、モノの動作原理を考えることをせず、今ある科学技術を享受することのみに頭がいってしまい、想像力を働かせて、新しいことをはじめることができない人が増えている、これじゃあ、あのSFと同じように科学技術は失われてしまうんじゃないか、ということの喩えとしてです。「“科学技術の喪失された社会”を論ずる」ためではないです。
このお話の中では、「本物の創造力を持つものはごく少数なので、それ以外の人間には、創造力を犠牲にして知識を脳に
つまり、“科学技術の喪失された社会”を論ずるには「ファウンデーション」よりは「プロフェッション」の方がよりふさわしいのではないか
書字計算法ですからねえ・・・
その時Faradayが実演していたのは、当時はその素性がよく分からなかった現象ですよね? それに対し、設問で出てきたのは全て「答えが分かっている」問題ばかりです。設定が違う問題を相手として持ち出されては、比較対象にはできないのではありませんか?
尤も、答えが分からない問題を設定したのでは、調査どころではないのかも知れませんが。
「これを知って何の役に立つの?」という疑問
役に立つか否かは別にして「知らないとまずい」と思った項目に (10. 抗生物質)があります. 『風邪(たいていの場合ウィルス性)』に 抗生物質を処方するのはたいていの場合意味がありません.それでも,患者は抗生物質を望むことが多いです. # 私の妻も欲しがります.
下手に抗生物質を飲むと耐性菌発生の要因にもなります, 副作用の問題もあるので正しい抗生物質の知識は是非持って 欲しいと思っています.すくなくとも, 薬を出すのが良いお医者という見方は是非改めてほしいのです. # 製薬企業関係者なので,首を閉める意見かも・・・
科学というよりも何かを頭を使って考えることに興味を持つ人間を集めるといえば、学校、中でも私立中学の入学試験が挙げられます。わたしも実際に受けた(そして受かった)のですが、その時の感覚を思い起こすとこの設問はどうもミスポイントのような気がします。知っているか否かだけで答えが決まってしまう設問では、よい入試問題(転用すれば、「科学に興味があるか」を測ることもできる)とはいえないのではないでしょうか?
実際に入学後に先生と話して知ったのですが、よい入試問題を作るのは簡単ではなく、入学した生徒の様子を見ながら何度も試行錯誤を繰り返すそうです。わたしが通った中学の場合、募集開始から3年後に急に問題が難化しました。その時の問題は反響が大きく、当時人気番組だった平成教育委員会 [fujitv.co.jp]にも登場しました。入試作成の素人が調査するなら、こんなちゃちな問題を作るよりも日能研 [nichinoken.co.jp]のポスター10枚分の問題を使う方がはるかに正確な測定ができそうなんですが、どうでしょう?
たしかに「あれらの設問の答を知っている」事が 直接何かに結びつくとは思いませんが、ある程度 「科学に関心を持っている人であれば答えられる」 であろう、という意味で、水準を測るものとして 設定しているのではないか。地球の中心が熱いか どうかと日々の生活はまるっきり接点を持たないかも しれないけど、地球の成り立ちとか地震のメカニズム とかに興味を持っていれば当然知っている事になる。
ま、こういった知識が日常で役に立たせられるかどうかは その人次第だという事になっちゃうんですけどね。 微積分や元素周期表、百人一首や県庁所在地。日常生活に 役立つ事もあるんだが。
自然、人文という枠の前に、科学というのは現象をモデル化により数学の問題に落とし込むという大きな枠組みがあります。その上で、数学の問題を解くことにより、現象がどうなるかを考えるという解法をとるわけです。
その意味では、ほとんど数理的な問題のようなものでも科学といえるのではないでしょうか(反意後は「当てカン」)。鉄道(趣味まる出し)のダイヤグラム作成や運用整理はその一例です。例えば京王電鉄 [keio.co.jp]は早くから運転整理に計算機システムを導入しています(本線と相模原線が平面分岐する調布が整理上の大きな問題になっていた)。運転整理はもともとはスジ屋がカンや経験で行っていたもの(今でもそうしているところは多い、さすがに新幹線はコムトラックがあるが)です。それをきちんと計算機で解けるようにモデル化したのですから、これも科学が役立つ場として考えられそうなのですが(実際、優等列車の比率を上げて速達の機会を増やせた)。
役に立つ科学や技術は科学や技術ではない
大学時代の先生の言で
科学の目的は真理の探求で,工学の目的は金儲け,である
あと,工学部生の F と理学部生の N との会話で,こんなのもありました.
F: N は何の研究やってるの? N: キトサンの研究をやっている. F: それって何か役に立つの? N: …何に役に立つ,というわけではないが…
まぁ,科学と技術は,というか,理学と工学は,やっていることはにているかもしれないが,その目的は大きく違う,というわけで.
こんな小噺を聞いたことがあります。理学部生と工学部生の会話。
理学部生「お前の学部はウチらの研究の成果を後から拾って活用しているだけだ。お前らは『工学部』じゃなくて『後学部』だ」 工学部生「お前らこそ、世の中の流れや要求から離れたコトばかりやってやがる。お前らは『理学部』じゃなくて『離学部』だ」
理学部生「お前の学部はウチらの研究の成果を後から拾って活用しているだけだ。お前らは『工学部』じゃなくて『後学部』だ」
工学部生「お前らこそ、世の中の流れや要求から離れたコトばかりやってやがる。お前らは『理学部』じゃなくて『離学部』だ」
私は工学部出身ですが、本当は(当時は)純粋数学をやりたかったものでした。それが今ではプログラマ。昭和も遠くなりにけり(意味不明)。
極論すれば
の違いじゃないかと. 数学は系が無矛盾であればOKですが, 理学では事実と違えば理論が完璧でもダメ. 工学では定量的に目標を実現出来なければダメというところが有りますよね.
私の出た大学の入試案内の工学部紹介のところには
理学部の目的が真理の追究であるならば、工学部の目的は価値の創造にある
大学に入った後、授業である教授が
それがほんとうに存在して利用可能なら、心霊現象だって利用しますよ
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皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー
役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
設問を見てみたのですが、何だかクイズ番組の問題を見ているような感じでした。すなわち、「これを知って何の役に立つの?」という疑問が出てきてしまうんです。
こんな疑問が出てきてしまうということは、現代の科学や技術が今我々が抱えている需要に全く答えていないのではないのではないでしょうか。あるいは、そのような需要に答える試みは、「科学」や「技術」と見なされていないのではないでしょうか。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:2, 興味深い)
何で世間で環境保護をみんな口うるさく言うのかとか
言ったところで、科学はちゃんと役に立っているとは思います。ただ、いかんせん、詰め込み学習で、現実の社会とのつながりのない、知識だけの教育になっていて、自分の身の回りとの関連性が全然想像できないってのは悲しいけど今の現実ですね。
勤務先の研修で、販売実習ってのがあるんですが、そのとき、女の子とそのお母さんと思しき二人連れがこられて、「他の店で買ったテレビなんだけど、映らないの」と、質問されました。で、話を聞くと、アンテナをつないでないだけでした。
心の中であきれつつ、考えてみると、少なくとも私は、義務教育の理科の授業で、なぜテレビは映るのか、電波で情報を伝えるとはどういうことか、みたいな話って、習った記憶がないよなあ、、、と複雑な気分になりました。
あとは、機械の接続で「なぜ入力と出力でケーブルが別なのか」とかいったあたりを聞く人も多かったですね、、、電気が流れるとはどういうことかとか、オームの法則は習うはずだけど、やっぱりただの数式、テスト対策として知っているだけで、身の回りにあるものに対して同じように考えが及ばない。
アシモフのSF、「ファウンデーション」はあんまりSFでもなんでもないなと思いました。かくいう私も、いきなり無人島に流されるようなことがあった時に、ちゃんと科学技術をサバイバルに生かせるかといわれるとちょっと苦しいですね。
-- Takehiro TOMINAGA // may the source be with you!
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
純粋に質問です。この「ファウンデーション」は「プロフェッション」の勘違いでしょうか?
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
つまり、“科学技術の喪失された社会”を論ずるには「ファウンデーション」よりは「プロフェッション」の方がよりふさわしいのではないかと感じたので、このような質問をさせていただいた次第です。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
とりあえず、「ファウンデーション」を出したのは、モノの動作原理を考えることをせず、今ある科学技術を享受することのみに頭がいってしまい、想像力を働かせて、新しいことをはじめることができない人が増えている、これじゃあ、あのSFと同じように科学技術は失われてしまうんじゃないか、ということの喩えとしてです。「“科学技術の喪失された社会”を論ずる」ためではないです。
-- Takehiro TOMINAGA // may the source be with you!
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
# かなりいい加減かも。というか、間違ってそう…(苦笑)。
# どなたかフォローしてください(ぉ。
単純な知識や作業を身に付けるよりも、想像力を膨らますことの方がより重要だという点で、この話題にあってるんではないかと思った次第。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:0)
このお話の中では、「本物の創造力を持つものはごく少数なので、それ以外の人間には、創造力を犠牲にして知識を脳に
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
書字計算法ですからねえ・・・
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:2, 参考になる)
マイケル・ファラデーがあるとき、貴族のサロンで電磁誘導の実験をして見せました。
コイルの中に磁石を入れると、電流が発生するというその実験を見せた後、とある政治家がファラデーのところにやってきて、こう尋ねました。
「ところでファラデー卿、これがいったい社会の何の役に立つのですか?」
ファラデーはこう答えました。
「では、赤ん坊は社会の何の役に立ちますか?」
もし我々が、ただの我々として生まれ、生き、死んでいくのならば
科学なんてめんどくさいものに触れずともよいでしょう。
しかし、科学を学び、先人の解き明かした謎に触れることができれば
「我々はどこから来てどこに行くのか?」
「世界はどうしてこういうふうに出来ているのか?」
「なぜ人間はここにいるのか?」
そういった多くの疑問に答える道具を科学は提供してくれます。
「願わくば(未知を表す)Xが我々とともにあり、喜びを与えてくれんことを」――アイザック・アジモフ
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:3, すばらしい洞察)
サロンに遊びに来た婦人がファラデーにこう尋ねた。
「電気というものがいったい何の役に立つと言うんです?」
以下、ファラデーの答え
「では赤ん坊はいったい何の役に立つのでしょう?」
サロンに遊びに来た政治家の一人がファラデーにこう尋ねた。
「電気というものがいったい何の役に立つと言うんです?」
以下、ファラデーの答え。
「何の役に立つのかをはっきりと申し上げることはできません。しかし、これだけは言えます。あなた方政治家はいつか必ず電気に税金をかけますよ」
ファラデーが「ファラデー」足り得たのは、後者のファラデーがあったればこそのように思います。ファラデーの名著「ロウソクの科学」は、科学自身を説明する以上に、科学に対する興味を触発することに重きをおいてたように(私には)読めました。彼の、一般人に科学への興味を持たせる技量は、電磁誘導やファラデーの法則(電解に関するやつ)の功績にひけを取らないぐらい後世に与えた影響は大きいと思います。
ファラデー自身、エルステッドの研究に触発されなかったら、電磁誘導の研究はしてなかったんじゃないかな。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
その時Faradayが実演していたのは、当時はその素性がよく分からなかった現象ですよね? それに対し、設問で出てきたのは全て「答えが分かっている」問題ばかりです。設定が違う問題を相手として持ち出されては、比較対象にはできないのではありませんか?
尤も、答えが分からない問題を設定したのでは、調査どころではないのかも知れませんが。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:2, 興味深い)
ほんとうに?
私的には「今現在、そういうことになっている」問題ばかりであって、
それが真理かどうかはわからんと思うのですがねぇ。
#まあ素性がよく分からないとはまた違うと思いますけど
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:2, 参考になる)
役に立つか否かは別にして「知らないとまずい」と思った項目に (10. 抗生物質)があります. 『風邪(たいていの場合ウィルス性)』に 抗生物質を処方するのはたいていの場合意味がありません.それでも,患者は抗生物質を望むことが多いです.
# 私の妻も欲しがります.
下手に抗生物質を飲むと耐性菌発生の要因にもなります, 副作用の問題もあるので正しい抗生物質の知識は是非持って 欲しいと思っています.すくなくとも, 薬を出すのが良いお医者という見方は是非改めてほしいのです.
# 製薬企業関係者なので,首を閉める意見かも・・・
Koichi
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1, すばらしい洞察)
役に立つ立たないはその知識を使う側しだいだと思う。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
前提として、「科学に興味を持つ」(その定義が良いか悪いかは別として)と言うのが有る通り、知っている事が望まれる人達の理解度を図る為の設問の作り方なんだと思います。
設問がまずい (スコア:2, 興味深い)
科学というよりも何かを頭を使って考えることに興味を持つ人間を集めるといえば、学校、中でも私立中学の入学試験が挙げられます。わたしも実際に受けた(そして受かった)のですが、その時の感覚を思い起こすとこの設問はどうもミスポイントのような気がします。知っているか否かだけで答えが決まってしまう設問では、よい入試問題(転用すれば、「科学に興味があるか」を測ることもできる)とはいえないのではないでしょうか?
実際に入学後に先生と話して知ったのですが、よい入試問題を作るのは簡単ではなく、入学した生徒の様子を見ながら何度も試行錯誤を繰り返すそうです。わたしが通った中学の場合、募集開始から3年後に急に問題が難化しました。その時の問題は反響が大きく、当時人気番組だった平成教育委員会 [fujitv.co.jp]にも登場しました。入試作成の素人が調査するなら、こんなちゃちな問題を作るよりも日能研 [nichinoken.co.jp]のポスター10枚分の問題を使う方がはるかに正確な測定ができそうなんですが、どうでしょう?
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
たしかに「あれらの設問の答を知っている」事が 直接何かに結びつくとは思いませんが、ある程度 「科学に関心を持っている人であれば答えられる」 であろう、という意味で、水準を測るものとして 設定しているのではないか。地球の中心が熱いか どうかと日々の生活はまるっきり接点を持たないかも しれないけど、地球の成り立ちとか地震のメカニズム とかに興味を持っていれば当然知っている事になる。
ま、こういった知識が日常で役に立たせられるかどうかは その人次第だという事になっちゃうんですけどね。 微積分や元素周期表、百人一首や県庁所在地。日常生活に 役立つ事もあるんだが。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
いま抱えている需要って、やっぱり不況や失業率の改善とか、売れるものや
ビジネスを発明したり、ってことになってしまうのですかね。
仮にそうだとしたら、科学や技術は新しい何か価値あるものの創出に、きっと必要ですよね。
それと、10の設問はクイズ的だけど、例えば10問目なんか解れば、医者へ行って
やたらと抗生物質を求めるのにどれほど意味があるかの判断にもなるのでは
ないかな。
# 一問だけ間違えちゃった。恐竜。冷静に考えれば解ったのに。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
私もこれを感じました。
私の場合、この違和感の原点は「需要」の問題ではなくて、
論証なしに定義のみを求める、つまりは知識を問うスタイルそのものにあります。
○×問題の限界と問題点は他の方も書かれていますが、true or false の問いに
問題があるというよりは、むしろこの設問が非科学的態度で構成されている点に
なんだかなぁ、と躊躇します。
ところで、科学というと「理科」で自然科学、なんて傲慢さが嫌だな
と思う人は少ないのでしょうか。
科学的態度で学問に臨んでいるのはなにも自然科学に限った話じゃないのに。
現在のような複雑化した社会にこそ人文科学は効いてくるし
そういう方面での人材育成だって大切、国家戦略としての自然科学の
発展にだけ目をとられて一喜一憂してもしょうがない。
どのみち大切なのは科学的態度だと思うので、まずこれをしっかりしなきゃ。
でもメタな科学について考える場なんて実際ほとんどないので難しいかも。
数学で動く科学 (スコア:1)
自然、人文という枠の前に、科学というのは現象をモデル化により数学の問題に落とし込むという大きな枠組みがあります。その上で、数学の問題を解くことにより、現象がどうなるかを考えるという解法をとるわけです。
その意味では、ほとんど数理的な問題のようなものでも科学といえるのではないでしょうか(反意後は「当てカン」)。鉄道(趣味まる出し)のダイヤグラム作成や運用整理はその一例です。例えば京王電鉄 [keio.co.jp]は早くから運転整理に計算機システムを導入しています(本線と相模原線が平面分岐する調布が整理上の大きな問題になっていた)。運転整理はもともとはスジ屋がカンや経験で行っていたもの(今でもそうしているところは多い、さすがに新幹線はコムトラックがあるが)です。それをきちんと計算機で解けるようにモデル化したのですから、これも科学が役立つ場として考えられそうなのですが(実際、優等列車の比率を上げて速達の機会を増やせた)。
Re:数学で動く科学 (スコア:1)
>数学の問題に落とし込むという大きな枠組みがあります。
それはマジですか?
私はそれは科学の強力な部分だとは思いますが、それのみで科学を語るのは
危険というかもったいないやり方だと思います。
というのもその枠組では例えば「文化人類学は科学ではない」という切捨てが
起こりますが、数理モデルを採用したような社会科学よりもそうでない人類学が
劣った成果しか挙げていないかと言えばそうではありません。
また科学的でないかと言えば、そうじゃないんです。
数理モデルを使わなくても立派に科学はできます。
では私はどんな基準で科学の枠組を考えているかと言うと、
アリストテレス的な"学知"とかいうヤツの採用です
(哲学の知識は極めてあやしいので用語や解釈は間違ってるかも)。
これは事実から根拠理由の論証をもって知識に還元するという方法論を指しています。
「何故にそうなのか?」を説明し応用するという態度こそが科学であって
数理モデルを採用しているか否かが科学を決定するというのは納得しがたいです。
実際のところ今回の調査自体数理モデルをとっているのでしょうが、
しかしこの結果が実体社会を反映しているとの確信を与えてくれていないし
国際比較も本当に適切なのか疑問があります。
設問だって「なんでそうなるの?」の部分がないから拒絶感を感じているわけです。
数学で動くものだけを科学と言い切る態度に違和感を覚えるのは
私が文系でノケモノにされたからひがんでるだけ、ってわけじゃないと思います。
Re:数学で動く科学 (スコア:1)
>>数学の問題に落とし込むという大きな枠組みがあります。
>それはマジですか?
数学は方法論で、科学の本質じゃないですね。
>では私はどんな基準で科学の枠組を考えているかと言うと、
>アリストテレス的な"学知"とかいうヤツの採用です
ただひとつ検証(再現・反証)可能、でいいんじゃないかな。
ゆえに合理を手段とし論理を数理を手段とするの。
-- wanna be the biggest dreamer
Re:数学で動く科学 (スコア:1)
>ゆえに合理を手段とし論理を数理を手段とするの。
これが決定的にダメなのが文化人類学なんです。
検証しようとしても検証する段になってみると社会や文化が変動しちゃう。
また言語学はソシュールからの伝統としてある特定時代における言語を想定して
研究しちゃいますが、これもインチキ臭さが漂っています。
だって現実にそんな固定した言語があるわけないんですから。
確かに検証可能、追試可能ってのは科学の側面だと思うんですけど、
それが通用しない世界を考慮して"学知"の探究が科学であると自分は考えます。
まぁこんなだから文系にはインチキ野郎も混ざり易いんだ、って言えばそうなんですが。
でもこの柔軟性こそが現代社会には必要なのさ、と弁護したい気持ちでも一杯です。
Re:数学で動く科学 (スコア:1)
結局(はしょりすぎですが)膨大な量の情報から還元できる知を抽出する作業が科学だと思うようになった。
Re:数学で動く科学 (スコア:1)
私は歴史学は史料をもって検証可能だから科学だ!と教え込まれましたよ。
個人的には検証不可能な分野に入れていいと思うんですけどねぇ。
もっとも史料の検討は非常に科学的で、確かにこれを怠ったら捏造し放題なわけで
そういう意味では理系的"科学"の視点はホント大事なんですけどね。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1, 興味深い)
ただ思うに、science してない社会科学系が多すぎるということ。ユーザーのレベル(この場合根底にある意識とそれを支える知識)の問題では。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
大学時代の先生の言で
というのがありました :-) 工学のほうは,もう少しお行儀のいい言い方をすると「人類の役に立つ」という言い方でもいいかもしれません.あと,工学部生の F と理学部生の N との会話で,こんなのもありました.
まぁ,科学と技術は,というか,理学と工学は,やっていることはにているかもしれないが,その目的は大きく違う,というわけで.
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:2, 参考になる)
ひどい(;_;
工学の目的で重要なのは応用もありますが、それと効率です。
いろんな観点で、損失を減らして利益を増やす。
その観点の中にはお金も含まれます。
工学系の学問では、たくさん「~率」という量が定義されます。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1, 興味深い)
もっとも科学(理学)でも理論と実験があるように(住み分けているのは物理だけか?)、おそらく技術(工学)でもさまざまな段階があると思いますが。 でも、sience と technology は同列にはして欲しくないですよね。根本的に違います。
ちなみに、/. はたいてい techology 畑な感じですね。science 的な視点はほとんどない。計算機というよりはコンピューターという感じ。
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
science畑の工学嫌いは分かるところもあるんですが、technology はもともと science よりも art と関ることばなのですよ。
science と philosophy の関係に似てる。
自然を見てその秘密を求めるのが philosophy であり、自ら再現しようとするのが art. どっちも nature への respect から発した人間的活動なわけで、あまりいがみ合うのもどうかと思います。
-- wanna be the biggest dreamer
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
こんな小噺を聞いたことがあります。理学部生と工学部生の会話。
私は工学部出身ですが、本当は(当時は)純粋数学をやりたかったものでした。それが今ではプログラマ。昭和も遠くなりにけり(意味不明)。
数学・理学・工学 (スコア:1)
極論すれば
の違いじゃないかと. 数学は系が無矛盾であればOKですが, 理学では事実と違えば理論が完璧でもダメ. 工学では定量的に目標を実現出来なければダメというところが有りますよね.
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
私の出た大学の入試案内の工学部紹介のところには
という感じの文句がありました。当時、少なくとも今よりは純真だった高校生の私は、結構感動してしまいました。その後、価値とはお金を意味することが多いらしいとは、後から気がつきましたが。大学に入った後、授業である教授が
とおっしゃったのを聞いて、その覚悟の程にまたまた感動してしまいました。ほんとに利用したと言う話は、さすがに聞きませんでしたが。Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:0)
知らなくてもいいけれど知っていた方が楽しいことって、世の中にとても多いと思うんですけどね。芸能情報だって「そんなん知ってて何の役にたつの?」というレベルで見れば同レベルでは。
基礎科学研究は千年先への投資 (スコア:1)
自然科学の「役に立たない研究」は千年先への投資と考えれば損ではありません。
(素粒子理論とか宇宙論が実用になるのはそのくらい先だと思われます)
#ただし、初歩的な電気の知識と、化学の基礎知識は必須です。
接触不良の電源コードで焼け死んだり、殺虫剤やカビ取り洗剤で中毒死したり、
エアコンのフロンで窒息死したりしたい人なら要りませんけど。
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:0)
ネコをレンジで乾かす、ってのはちと極端な例だけど、これだけ科学技術に依存した生活をし
ているのに、科学知識への関心が薄いっていうの
Re:役に立つ科学や技術は科学や技術ではない? (スコア:1)
え?
酸いも甘いも噛みわけて大人の節度ある付きあいをやれる奴と、
単にウブでオクテで無知なゆえに付きあいに及ばない奴とは、
一緒にならんのでは?
知識や理解が深いかどうか?と、信者かどうか?とは、別の概念です。
理解者と賛同者は違います。
むしろ正しい反対者は正しい理解者である必要が有ります。#え?G7が言うな、って?
#詳しくは、田村由美氏の短編漫画「Wild.com」(だったかな)をどうぞ。
#(作品世界における"超能力"の)理解者だけど賛同者じゃなく反対者である、という人が出てきます。
#消防士さんね。超能力の限界を十分理解しているがゆえに、その完成度の低さを糾弾し、在来消防技術を駆使する人。