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政府

原子力発電所事故の事故調査委員長に「失敗学」の畑村名誉教授 85

ストーリー by reo
失敗と認めざるを得ない 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

東京電力福島第一原子力発電所事故の事故調査委員会の委員長として東大名誉教授の畑村洋太郎氏を起用することを決定し、週内にも委員会を始動する方向で調整している。畑村名誉教授は「失敗学」を提唱したことでも有名 (asahi.com の記事より) 。

失敗学とは「起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず (物理的・個人的な) 直接原因と (背景的・組織的な) 根幹原因を究明する学問のこと」。独立行政法人科学技術振興機構にて失敗知識データベースとして運営されてきたが、事業仕分けの判定 (PDF) をうけてサービスが畑村名誉教授の手弁当会社へ移管されていた (/.J 記事)。

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  • そもそも (スコア:4, すばらしい洞察)

    by 127.0.0.1 (33105) on 2011年05月25日 10時50分 (#1958592) 日記
    民主党を選んだことが失敗……! とかそもそも自民党も駄目だったから
    じゃあ日本人に民主主義をやらせたのが失敗なんじゃないかとか
    いやいや官僚制度がとか原子力行政がアレだからこうなったとか
    もうほんと技術の問題じゃなくて人がセキュリティホールだよねみたいな。
    • Re:そもそも (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2011年05月25日 11時16分 (#1958619)

      >人がセキュリティホール

      そりゃ包丁だって気狂いが振り回せば凶器だもんね

      #党がどうこう言う人は、どこの党なら立派な対処ができたというのか

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      ということを、日本人の(たぶん)有権者が申しております。

  • by maia (16220) on 2011年05月25日 12時03分 (#1958657) 日記

    > ほかに法律や地震の専門家ら約10人で構成(朝日記事 [asahi.com])

    地震はともかく、巨大科学技術の失敗という観点からの専門家は委員長だけ? 原発関連の技術者は含まれるようだが。
    まだ全員は分からないけど、人選自体がどうなのやら。

    > 政府は当初、委員長に裁判官OBらの起用を模索したが、不調に終わった(読売記事 [yomiuri.co.jp])

    なぜ司法系?

    共同の記事 [47news.jp]

    仙谷由人官房副長官は(中略)自民党政権下での推進体制を検証する考えを示した。(中略)下部組織として(1)初動対応を含む事故原因調査(2)被害拡大防止策検証(3)平時や緊急事態発生時の法規制の在り方検討―の各チームを置く

    法規制? (2)はSPEEDIの問題とかあるけど、基本的には事故の遠因と近因を調べて、事故防止に役立てるのではないのか? 他の問題は事故調ではなく、通常の内閣や国会でやるべき事では?

    そもそも、今回の事故調は政府(内閣)ではなく、国会に置けという話もある訳だが。

    #先行事例としてはチェルノブイリもそうだけど、やはりチャレンジャーが頭に浮かぶ。

    • by Anonymous Coward on 2011年05月25日 12時31分 (#1958678)

      > なぜ司法系?

      閣議決定としては「構成員とその中の委員長は総理大臣が指名」となってるけど、
      実質仕切ってるであろう官房筋が司法系寄りだからね。

      ついでに一次情報とか。
      最後のは4月時点での畑村氏個人の見解とはいえ、今回の委員会のスタンスがある程度見えるかもね。

      官房の記者発表
      http://www.kantei.go.jp.cache.yimg.jp/jp/tyoukanpress/201105/24_a.html [cache.yimg.jp]

      閣議決定内容。
      http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2011/24jikochousa_kenshou.pdf [kantei.go.jp]

      畑村氏の「原発事故考」。
      http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110420/dst11042003420004-n1.htm [msn.com]

      親コメント
      • #「失敗学」と命名してくれたのは、立花隆さん!(産経記事 [msn.com])

        > 国が許可した以上のことをやったのだから俺たちは悪くないという考え方で、それはおかしい。だって事業主体は東電でしょう。(産経記事 [msn.com])
        > 東電が言う「想定外」は、自分たちには落ち度がないという言い訳でしかない。(中略)自分自身でこういうことが起こり得ると想定したらもっと違うことを考えたはずだ。原発を6基も同じ場所に並べなかったと思う。(産経記事 [msn.com])

        なんかちょっと一方的な気はしますな。というか、ちょっと視点が狭い(?)かもしれない。だけど、やるんだろうなあ。

        「それはおかしい。だって事業主体は東電でしょう」と言っちゃったら、枝野さんと同じになる。監督官庁の責任が大きくないはずはないし、政官財学のしがらみの問題も凄く大きいはず(だと思う

        事故調には航空事故調のようなものを雛形にした方がいいような気がするけど(よく分からない

        ただ、日本の事故調系の特徴かと思うが、責任追及主義だけは、辞めた方がいい。だけど、やるんだろうなあ。

        親コメント
  • スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発に関する事故調査を行った故・リチャード・P・ファインマン博士の様な感じでがんばっていただけるといいな~~~

  • by Anonymous Coward on 2011年05月25日 12時40分 (#1958687)

    ココの吉岡メモ [shippai.org]を挙げる人いないのかな?
    ちなみに5/24付けで第41報がアップしてあります。

  • とりあえず、ちゃんと仕事をしてくれるかどうかで、評価しましょう。
    東京電力の企業体質の問題まで、踏み込んだら褒めてあげましょう。
    東京電力への責任追及は棚上げして、福島県の自治体や住民の体質の問題と主張したら
    タタイテあげましょう。
    まさか、「にこにこしている人には放射能は来ません」という、
    よっぱらいのオッサンの様なことをいう、誰かさんとは、違うのでは?
  • 現在進行形の失敗をどうにかする学問じゃないよね
  • by ksh2ksk4 (11188) on 2011年05月26日 0時56分 (#1959127)
    二ヶ月以上経った今でも失敗を認められないこと,現状を正しく認識しないで御座なりな対応を続けていることが最大の失敗.
    いつまで続けるつもりなんだろう?

    希望的観測に基づいて立てた計画に実現性はないよね.あの工程表.
  • 御用学者として (スコア:0, フレームのもと)

    by Anonymous Coward on 2011年05月25日 10時32分 (#1958577)
    政府に都合のいい結論を出すことに合意ができたってことですね。できなければしてくれる人に当たるまで委員をすげ替えるだけだし。
    • Re:御用学者として (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2011年05月25日 10時40分 (#1958583)

      採用即そういう判断なら、これはもう誰を選んでも無意味だから政府に「第三者委員会を」とか言っても意味が無いわな。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        委員も元東電役員を採用しても

        民主党のせいにすればいいしね

    • Re: (スコア:0, オフトピック)

      by Anonymous Coward

      民主党は議事録すら取ってないらしいですから、好き勝手やり放題ですね。
      これが民意なんでしょうね。

  • by Anonymous Coward on 2011年05月25日 10時56分 (#1958596)
    直接的原因
    津波が来る地理的要素を無視したこと
    根幹原因
    経産省・政治家・電力会社の馴れ合いによる安全対策の軽視

    これでほぼ間違いないでしょ
    石破なんか去年愛娘が東電に入社したもんだから哀れなほど必死に東電擁護してますよね
    そうやって有力政治家の子供を人質に取り、天下り官僚を受け入れさえすれば、何でも出来る国なんだから事故がおこらん方が不思議でしょうよ。
    • by yu-na (10754) on 2011年05月25日 11時21分 (#1958624) 日記
      > 津波が来る地理的要素を無視したこと
      と、
      何らかの原因 (想定外かもしれないけれど) で予備の発電機全てが
      止まったらどうするかを考えていなかったこと
      とどちらが問題なのかな? と思います。

      現状の対策って、堤防を高くするとか、既知の事象に対する想定範囲を
      拡大しようとしているだけで、今のところ想定できる事象は無いが、
      もし○○が起こったらどうするか? という視点が欠けているように
      思える。(私が実態を知らないだけかもしれないけれど)

      # 完全に原発が崩壊したとして、どういう手順でどこまで避難するとか
      # 対策は考えられているのだろうか?

      ## この運用だったら事故を起こす理由がないよ。と言いながら、事故が
      ## 起こったときのことを考えていないように見える。
      ## 事故の原因なんてほとんどの場合が事前には思いもしないことだろうに
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2011年05月25日 12時18分 (#1958668)

        ># 完全に原発が崩壊したとして、どういう手順でどこまで避難するとか
        ># 対策は考えられているのだろうか?

        「完全に崩壊」はともかく、原発事故発生対応については手順化した上で
        原子力総合防災訓練を毎年やってますね。

        ただ、訓練で本部長を務めていた人が内容を覚えていなかったせいなのか、
        実際に事故が起きたときは所定の手順を無視して「政治主導」で動いてましたが。
        # 結果はご存知のとおり。

        親コメント
      • > 予備の発電機全てが止まったらどうするかを考えていなかったこと
        > とどちらが問題なのかな? と思います。

        違うと思いますよ。
        今回の地震で津波が来る前に非常用ディーゼル発電機を起動させようとして、津波が来る前に止まった記録が出てきているようです。
        津波による非常用ディーゼル発電機停止は駄目押ししただけでそれ以前の問題です。
        非常用ディーゼル発電機の不具合報告は過去に指摘がされており本来、行うべきメンテナンス/更新を怠ったがための非常用電源ロスト、しかも原子炉1基あたり2台あったものが全ロストな状態は想定外じゃなくて想定不適当です。

        「福島第一原子力発電所1号機の安全確認の状況について 平成16年12月東京電力株式会社福島第一原子力発電所」
        http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/pdf_files/h17.06.29-6.pdf [fukushima.jp]

        「核施設と非常事態 地震対策の検証を中心に」日本物理學會誌(1995/10/05)
        http://ci.nii.ac.jp/naid/110002066513 [nii.ac.jp] ※会員登録なしで「オープンアクセス」から読めます。

        親コメント
        •  冷却系の動力が全部停止しても大丈夫な自然循環型原始炉というのがあるようですが、そういうものを考え付くからには冷却系全停止という事態は想定していたのでは?

           新型にしていたら大丈夫だったのに、時代の反原発ムードに流されて置き換えずに10年延長したのが遠因でした・・・ってことだったら、他人事じゃないよね。

           反原発言うならまずリスク低くなる選択肢を取って建て替えておこうや、って主張しなかった中立スラド民(含む自分)も安全軽視していたことになるね。
           (全てのリスクに満遍なく目を光らせて次善の策をあれこれ言えるスーパーマンなんていないとは思えど、上のように考えると原発に関して傍観してたのを後悔する昨今であります)

          親コメント
        • 誤解を与える書き方だったんだと思うのですが、
          事故を重大なものにした理由を "津波に対する対策が不十分"
          として津波に対する対策だけが強化するのではだめだと思う。
          という話です。

          原発が制御不能になった直接の原因は "全ての非常用発電機の停止" で、
          その原因が "津波" だったり "メンテナンスの不備" だったりするわけで
          それ以外に仕方がないのならば、そこを強化すれば良いのでしょうけれど
          想定外の事象で非常用発電機が止まる事もあると思います。
          # その対策としての冗長化ということは認識していますが。

          ・より標高の高い貯水池から水道管で水を入れられるようにするなど、
          もっと冷却システムのモダリティを増やすとか、
          ・炉心自体を構造的にもっと安全にできないのかとか
          そういった側面からも考えておいた方が
          最終的には安全性が増えるのではないかなとか思います。
          # 貯水池云々は例です。実現可能かも分からないです。
          # 対策にもコストはかかるはずなので、バランスの問題でもありますが

          特に、
          ・津波対策 → 非常用発電機 → 原発
          ・メンテナンス → 非常用発電機 → 原発
          のような依存関係があるとすると、できれば近いところで対策しておいた方が
          良いのではないかと・・・

          そういう議論なくして、非常用発電機の津波対策だけを理由することが
          良いとは思えない。という、親親親? コメントへの意見でした。
          sladoslado さんが "非常用発電機の維持だけが重要" と仰っているというふうに
          考えているわけではありませんので、あしからず。
          # リンクされている文書は長すぎて・・・読んでません。 m(._.)m
          # しかも、素人考えだし

          # (原発とは無関係ですが) 人が住む町の津波対策としては堤防を強化するより、
          # 町自体を引っ越した方が良いんじゃないか的な。
          # 堤防を作るのも重要ですが、堤防を越えた時どうするかも重要
          # 堤防を越えることを想定外と言っていたら、堤防が無限の高さになりそう
          # 伊勢の箱船? みたいに避難場所が船なってるとか ;-p
          ## ストレートに言いたいことが言えてないなぁ。orz
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      • by Anonymous Coward on 2011年05月25日 11時32分 (#1958633)
        • 初期冷却を急峻すぎる温度・圧力変化のために手動で停止したこと
        • 最初のベントの判断・実施が(いろいろな思惑等で)遅れたこと

        前者はマニュアルの想定外だったので後から見ると余計なことをしていた,
        くらいになりそうですが,後者はなかなか難しい.
        人間は責任ある判断を下すには必ず躊躇するわけだし,
        情報が不足している中での判断の遅れが結果として致命傷に至った可能性がある.

        じゃあ「想定外」のなかでどう判断すればいいのか,
        どういうガイドラインにすれば「判断の負担を軽減」できるのか,
        とかそういったことがまずは思いつくところですかね.

        親コメント
        • by Anonymous Coward
          ・初期冷却を急峻すぎる温度・圧力変化のために手動で停止したこと
          は,非常時のマニュアル通りに運転員が操作したようです。
      • by Anonymous Coward

        津波については、フランスが今困っているように冷却水が確保できなくて原発の運転に支障をきたすリスクと背中合わせなわけですが…。
        女川原発みたいに都合よく海の近くに高台があるといいんですけどね。

    • by Anonymous Coward on 2011年05月25日 13時31分 (#1958728)

      > 直接的原因
      > 津波が来る地理的要素を無視したこと

      いきなり間違ってるよ。
      単に経年劣化。地震や津波は追い打ちをしただけ。

      親コメント
    • 事故の直接的原因は地震(大津波だと言い張ってたが、ようやく東電も認めだした)
      根本原因は政官産学の馴れ合い。

      失敗学の先生がどこまでやれるかわからないけど、技術的にはそんなに深い話はない。
      原因は耐震偽装であることはあきらかだから。A・S・Cという原発独自の耐震基準があるけど、
      原子炉本体以外は、かなりいい加減の手抜きみたいですね。とくに配管まわり。
      事故の根本原因である政官産学の癒着にどこまで切り込めるかが鍵ですね。
      でも、失敗学の先生にはそこまではできない気がする。

      もうひとつ事故の遠因なのは、アメリカGE社製の炉であること。東芝や日立は、それに補機をつけた程度でしょ。
      福島第一の後も、アメリカのGEやWHの炉をたくさん押し付けられているのではないかな。

      問題は根深いと思いますね~
      親コメント
    • >津波が来る地理的要素を無視したこと
      >経産省・政治家・電力会社の馴れ合いによる安全対策の軽視

      すごく大ざっぱに言えばそういうことになるが、誰がどの時点でそうしたのかが全く判ってないでしょ?
      しかも、そういう判断に至った背景なんてこれっぽっちも判ってないじゃん。
      なんとなく理由を想像して何となく対策とっても意味を成さないかもしれないからね。

      関係者を残らず俎上に上げてインタビューしないと何も始まらんよ。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年05月25日 11時57分 (#1958652)
    草間・畑村「東大で教えたマネー学」文藝春秋、2008年10月1刷、pp299-300で衆議院予算委員会議事録 [shugiin.go.jp]の恣意的な引用に加担。今回も空気を読んでくれるとの期待感からか。
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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