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サイエンス

製造費がガソリン並みのバイオ燃料をトヨタや神戸大等が開発 45

タレコミ by torigasira
torigasira 曰く、
製造費がガソリン並みで、非食料系の植物から生産するバイオ燃料が、トヨタや神戸大により開発されたと日経新聞が報じています(11/1日経ネットの記事)。

新たに開発した酵母菌とイオン液体を使用することにより製造工程が減り、1リットル当たり40円程度の製造費まで抑える事ができたとの事。
早ければ2015年頃の実用化を目指しているようです(09年7月NEDOのプレスリリース)。

トヨタ、神戸大等からのプレスリリースは発見できなかったので、特別な進展があった訳では無いのかもしれないですが、低コストのバイオ燃料が実用化されるのはもっと先かと思っていたので、驚きました。
稲わらなどがバイオ燃料になるのであれば、CO2の削減のみならずエネルギー自給の観点からも素晴らしいと思うのですが、デメリット等もあるのでしょうか。

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  • 群盲象を撫でる (スコア:4, 参考になる)

    by pongchang (31613) on 2009年11月05日 16時52分 (#1666182) 日記
    セルロースを分解し糖化する過程は、今プラントが動いている関西バイオエタノールの硫酸や、秋田県 [akita.jp]やサッポロがはじめたアルカリ [tomamin.co.jp]や、超臨界水 [affrc.go.jp]に沢山ある。それを常温常圧でやろうとすれば、酵素を使うのだけれども、これが高い。アサヒ [asahibeer.co.jp]は古紙を培地にして安く作れるというのだけれども。ビール会社ではなく新聞社 [tokachi.co.jp]もアサヒビールとおなじトリコデルマで古紙からエタノールを唱えているが、そうそう突破口はないと思う。
    糖化を突破した後も、ソフトセルロースを栽培しているうちは難しく、河川敷の葦や柳、休耕田のセイタカアワダチソウなど、雑多な植物を貪欲に処理する方法の一つとしてエタノールがツイデで得られるくらいに思っていないと立ち行かないだろう。ちゃんとした牧草は乾物1kgあたり47円 [affrc.go.jp]。バイオエタノール用のコメより高く取引されている。ソフトセルロースにも値段があり、そこに物流経費が上乗せされる。酵素よりもトラック代のほうがネックになる。これは、放置された間伐材 [ameblo.jp]も同様である。
    • by Anonymous Coward on 2009年11月06日 17時47分 (#1667063)

      従来は酵素を使った糖化過程が高くついたけど、
      遺伝子組み替えで発酵とセルロースからの糖化の両方できる酵母を作ったから
      酵素を用意したり前処理する必要がなくなってコストが下げられるよ!

      というのが今回のお話の新しいところだと思ったんですが、元記事読みました?

      # 原料調達が課題だよね、というのは同意見。

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      • by Anonymous Coward on 2009年11月07日 9時44分 (#1667328)
        遺伝子組み換えも重要なところですが、酵母に食わせる前処理&環境としてイオン液体(常温溶融塩)を
        使った点も重要なんだと思いますが。
        他社がアルカリや臨界水でやる工程を、常温常圧で出来るというのが、低コストになってると考えられますね。

        使える原料次第ですが「サイロ強盗」とか「空き地で雑草盗難」とかいう記事が出るようになるんだろうか…
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    • by the.ACount (31144) on 2009年11月10日 13時27分 (#1669110)

      >突破口
      現在、人工培養できてる微生物なんてゴク一部に過ぎないから、可能性は山ほどあると思うね。

      --
      the.ACount
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      非食料系,と言っているだけでセルロースの分解かどうかは分からないぞ.
      食用ではない澱粉質や糖質の植物材料かも.

    • by Anonymous Coward
      「反バイオ粒子反応あり……破壊!破壊!破壊!」
      • by Anonymous Coward
        バルジオンないから無理っす
    • by Anonymous Coward
      その新燃料は現行車両で使えるのかどうかが問題。
      一時期がガソリンではない燃料が売られたことがあるが燃料系の防蝕対策が十分じゃないメーカーの車両は使えなかった。
      • Re:群盲象を撫でる (スコア:1, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward on 2009年11月06日 16時36分 (#1667018)

        >燃料系の防蝕対策が十分じゃないメーカー

        それだけじゃなくて、

        「燃料系の各種団体への防蝕対策が十分じゃない燃料商社が干された」と記憶してますが、、、

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  • by Anonymous Coward on 2009年11月06日 15時21分 (#1666951)
    食料と競合しない植物ってところが肝心ですね。
    これは食料に使える作物を使うのではないということだけでなく、
    作付する場所も競合しないことが重要ですね。

    藻とか水生植物が良さそうな気もします。
    外来種が異常増殖したり、環境を壊す公共工事が原因で大量発生した
    海藻などの処分に困ってるという話を聞きましたが、こういうのを
    バイオ燃料に転嫁できれば禍転じて福となせますよね。
    • by pongchang (31613) on 2009年11月06日 16時01分 (#1666985) 日記
      滋賀県 [meti.go.jp]が実験してます。台船にショベルカー [ohmi.or.jp]を載せて、カナダモなどをかきとります。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        しまった!
        一昔前の手賀沼ならポンプで水を汲んで濾し取るだけで好きなだけ取れたのにぃ。
        #って試しに「アオコからアルコール」でググったら、皆考えるネタだったのね。

        • by Anonymous Coward
          そもそも、ヘドロでメタンとか発生してそう。
    • by Anonymous Coward on 2009年11月06日 16時52分 (#1667029)
      当然開発元で検討はされてると思いますが、
      >食料と競合しない植物ってところが肝心ですね。
      っていうのがなかなか難しいですよね。

      人間の食料とは競合しない、じゃあ牛、豚、鳥の食料と競合しないのか、
      はたまた魚の餌になる生物の食料と競合しないのか…

      要はどこかでバランスが取れる/影響は誤差程度になるならば良いのですけれど。
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      • by Anonymous Coward on 2009年11月06日 23時00分 (#1667205)

        ここで言う「食料と競合しない」というのが具体的にどうなのかわかりませんが
        1 食料に使うべきだった穀物が燃料に加工されてしまう (利用目的の競合)
        2 燃料のための作物のほうが高収入のため農家が生産物を切り替えてしまう (土地の競合)
        3 燃料目的の作物の栽培や利用が、周囲の環境に影響を与えてしまう (生態系の競合)

        ../コメ氏が気にしているのは3、バイオ燃料ブームになりかけたときに世界各地で問題になったのが1と2です。
        1はまあ日本人のMOTTAINAI精神でなんとかなるのと
        2に関しては日本では耕作放棄地や、減反による休耕田がありますからそれほど問題ないのかもしれませんけどね。

        もうひとつアレなのが燃料の炭素成分のうち空気中のCO2から固定された率、土壌から吸い上げられた率の配分がどうかという点。前者が多くないと温暖化防止にならないどころか化石燃料と何が違うんだってことにもなったりします。

        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2009年11月06日 17時01分 (#1667037)

      竹とか笹ってのはどうですかね?
      放置荒廃竹林が問題になっていたり、パンダの糞 [srad.jp]が話題になったりしてますが。
      伐採コストが高いかな?

      #筍が高騰するかもw

      親コメント
    • Re:食料と競合しない (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2009年11月06日 18時06分 (#1667070)

      稲わらとか使う例があるけどどうなんだろうか。
      こういうのって翌年の収穫のためにすき込みとかしてするんだけどさ。
      肥料代とか無駄の節約だけじゃなくて良い肥料になるんだよね。

      http://www.cacn.jp/soil/sukikomi.html [www.cacn.jp]

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      大豆を植える→茎はアルコールに、豆は枝豆に

      と、まさに一粒で二度おいしい思いができるわけですね!
    • でも、場所は奪い合いかも。
      小麦畑潰して、燃料用植物栽培するとかで。
  • 自給自足 (スコア:2, 興味深い)

    by s02222 (20350) on 2009年11月06日 14時55分 (#1666934)
    勝手にアルコールを造ると酒税法に抵触しそうな気がする。車用ならアリと法改正するのか、逆にガソリン税を守るべくバイオエタノール製造を課税対象にするのか。

    # ほんとに個人レベルで自給自足がペイするようになったら、
    # 河川敷やら公園やらの草原以上ジャングル未満が一掃されたりしないかな。
    • Re:自給自足 (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2009年11月06日 15時15分 (#1666948)

      飲用できないモノ(ガソリンとか)を混ぜて出荷すれば
      酒税対象から外せますよ。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        ガソリンとアルコールの分離のアップを始めました。

        • by Anonymous Coward
          >ガソリンとアルコールの分離のアップを始めました。
          本物のロシア人は、そのまま飲んでしまうと思う。
        • by Anonymous Coward

          混ぜものは、アルコールと沸点が近ければ酒税法上はOK。
          薬局に行って、同量かつ違う価格のエチルアルコールを比較してみそ。

  • by ncube2 (2864) on 2009年11月06日 16時10分 (#1666991)
    原材料の植物は海外で栽培になっちゃって、エネルギーの海外依存って構図は変わらんってことかいな?
    • 材料によるけどね。売るほど生えてる杉の木とか、廃材などを燃料にできるなら、日本は相当量の燃料を備蓄してることになる。
      親コメント
      • かき集めてくるコストとか、原材料の供給者から見るた時にウマミとかヤル気とかを感じられるだけの値付けがされるか、の検証は誰かやっているのかな?
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      • >材料によるけどね。売るほど生えてる杉の木とか、廃材などを燃料にできるなら、日本は相当量の燃料を備蓄してることになる。

        たぶん、杉の木は無理だよ。
        売りたいけど、売れないし、元がかかっているので安売りできない、しかも維持とかでどんどん費用が嵩んでいるという現在の日本の林業だからね。
        よほど燃料化によって利益が出る程度で買ってもらえないと、日本の材木は出せないというのが現状。
        それなりに高価格で取引される様になったら安い外国材の方が優先されちゃうし、日本材でも大丈夫な程の高騰だと、
        そもそも安くならんとかガソリンの方が安いだろ?って話になりかねない。
        杉の木一本から100リットルとれたとして、リッター40円とかせいぜい100円でも、10000円とかだろ?
        木の代金に一本伐採して山の麓まで運んで来て切って、そこから工場に移送なわけだからね。

        でもって、廃材はそれなりにあるだろうけど、集荷のコストが日本だと人件費なんかで、むちゃくちゃ高くなりそうだね。

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        • 建築廃材 (スコア:2, 参考になる)

          by Technobose (6861) on 2009年11月07日 12時55分 (#1667360) 日記
          十年くらい前から建物を解体する際には、分別して行うことになっているから
          建築廃材を材料にするなら集荷はしやすいと思いますね。
          産業廃棄物処理場に持ち込んで、そこで集積して工場に持ち込むとかで対応で
          きると思うし。

          あと杉材の価格って、かなり安いらしい。数年前、林家の方と話をしたことが
          あるけど、一般住宅建築用の秋田杉一本で一万円いかなった記憶が・・・。
          災害対策で山の維持管理が見直されてきているので、林業の枝打ちで出てきた
          木材とか、里山の下草刈りで出てきた草木なんていうのを集めることができれ
          産業化はできるかもしれない。
          後は、稲作ではわらとかもあるなぁ。
          農家の高齢化に伴って、田畑も荒れてきて耕作放棄地が急増しているし、植物を
          燃料化することが産業として成り立てば、新しい雇用も作り出せる。
          燃料を作った後の廃棄物を肥料にできれば、もっと望みがある。

          電気自動車に注目が集まっていて、個人的にも興味津々なんだけど、電気自動車
          (蓄電池を使用するタイプ)って災害には弱いのではないかしら。
          送電網が破壊されてしまえば、回復するまでの間、充電できずに車を使えなくなる。
          内燃機関や燃料電池を使った車なら、燃料を補給できればいいので、最悪、ポリタン
          クで燃料を運んでエネルギー補給できるから、大規模災害でも使えるよな。
          再生可能でカーボン・ニュートラルな資源からガソリンや軽油代替燃料を
          十分に確保できるなら、無理して蓄電池型の電気自動車を推進する必要はないかもしれない。
          それにリチウムやネオジムみたいな資源は偏在しているから、将来的に必要な分を
          確保できるとも限らないし。
          もしかしたら、こういう技術を推進することで、日本が資源大国になれるかもしれない。
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          • by bitterbeer_sweetwine (37563) on 2009年11月07日 20時09分 (#1667466)

            >一般住宅建築用の秋田杉一本で一万円いかなった記憶が・・・

            一本数千円の木を原材料としてガソリン代替物質に変換すると元がとれそうにないと思う。
            一本の木って乾燥させるとそんなに重量がないし、それを元に転換していると、一本からとれるガソリン代替物質もそこそこ。
            前段で仮に一本で100リットルとか自分で書いているけど、乾燥させた重量からするとちょっと無理っぽいな。

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        • 最近はそうでもないぞ。
          高く売れないから長年メンテナンスをおざなりにしていたせいで品質が低下。生産量が少なすぎて、品質の揃った木材を大量に供給することもできないので、輸入木材より国産木材の方が安い場合があるらしい。

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          • >高く売れないから長年メンテナンスをおざなりにしていたせいで品質が低下。生産量が少なすぎて、品質の揃った木材を大量に供給することもできないので、輸入木材より国産木材の方が安い場合があるらしい。

            それは建築とかの材料資材としての価値ですよね?
            わたしがしているのは、キロ数円程度だと無理ではないかな?というお話です。

            もしかして、端材や廃材や埋め殺しに使われている部分に値段がついて、すこしは材木としての価値があがるかな?とも期待するが、杉を燃料の原料とするのはまだ遠いと思いますよ。

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  • 別の期待 (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2009年11月06日 15時15分 (#1666946)

    稲藁からアルコール(?)燃料が作れると言うことは、酒もできるってこと?
    リッター40円の酒ができると楽しみだなあ。

    • ただし酒税がかかるのでリッターあたりの価格は今の酒とたいしてかわりません。

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    • by Anonymous Coward

      その前にビール優位から別の酒へのシフトがなされるのか、そのスイッチ先として「稲藁酒」は候補になるのかというのが重要かと思います。売れなきゃ意味ないからね。
      # 「ドイツ人じゃないから」などと冗談を言って逃げるビール苦手AC

      ビールからの別の酒(ビールもどきはのぞく)へのシフトがない限りは安いに着目され第3のビールの原料とかの使われ方になると思いますし、やっぱ発泡酒とか第3のビールおいしくないとビール回帰されてしまえば見向きも商品化もされないかと。

      # ブラジルなんかじゃラム酒を燃料に転用しているとか(厳密にはちょっと違う)
      # メキシコじゃテキーラからダイアモンド薄膜の生成に成功したとか(イグノーベル賞)

      なに、元コメ氏はあれですか、メチルだろうとブチルだろうとサリチルだろうと飲んじゃう飲んべえさんですか!

  • これでまた (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2009年11月06日 15時28分 (#1666955)
    これでまた環境破壊が進むわけですなぁ
    • by Anonymous Coward
      デメリットも当然あるでしょうね。ただ、批判するのはこれで損する業界ってのが常で、そうなると陰謀論やらなんやらで真実が見えなくなるんですよね。
      大規模化していくなら、当事者がきちんと啓蒙活動もしていただきたい。
  • これスペック通りの性能だとしたら間違いなく課税されますね
    そして販売価格はガソリン以上になるでしょう

    実用化される頃には考慮する必要が無いかもですが、
    EIF非搭載のキャブ車とかに入れてエンジントラブルとかありがちですねw

    #そして多分、期待値以下の性能しか出ずにトラブル多発とかいってニュースになりそうですね
    • >EIF非搭載のキャブ車とかに入れてエンジントラブルとかありがちですねw

      燃料噴射装置が付いていても、あの空燃比の差は乗り越えにくいだろうな。
      それ専用のエンジンを載せた車で安い燃費で..とかで、当初は安く見せておいて主流になったらガッツリ課税だろうね。
      燃料がガソリン(石油依存)一辺倒という問題を解消しようというのが今回の目的であって、古いキャブで走る様な車に入れることは前提にしていないだろうね。
      馬鹿が入れて故障とかあったとしても、「ああ、馬鹿は馬鹿をやるんだな」という笑い話で終わりでしょう。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年11月06日 15時15分 (#1666947)

    この場合の製造費ってのは材料費も含んでのものなんだろうか。
    それでも植物の供給が追い付くのかどうかも…

    • by Anonymous Coward
      むしろ、ほぼ材料費なんじゃないかと懸念。
      輸送に掛かる費用や利益を乗せて無い状態で、色々乗せた後のガソリン売価と比較しても仕方ない。
      早いうちに過剰な期待を集めるのは逆にリスクなので、ガソリンと比較した喧伝は時期尚早じゃないかと。
  • by Anonymous Coward on 2009年11月07日 0時51分 (#1667250)
    代替燃料の出現ではなく、むしろ燃料の多様性が出てくることだと思う。
    選択肢を増やしておけば、色々な事態に対応しやすいから。
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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