Mahiru.Minaminoのコメント: 蛇足 (スコア 5, 参考になる) 216
作者の山本おさむ氏は、田舎暮らしへのあこがれから、震災以前より奥さんの郷里である福島県に在住しています。
その体験をもとに「赤旗」紙上で『今日もいい天気』というエッセー漫画を連載していました。
双葉社より全2巻で単行本化されていますが、単行本1巻は“田舎暮らし編”(震災以前の掲載分)、単行本2巻は“原発事故編”と銘打たれています(このギャップが原発事故の悲劇性を端的に表しているような)。
掲載紙から、原発は危険だというプロパガンダ色が強いものかと思っていましたが、どちらかと言えば低汚染地域での農作物は安全だという食の安全のアピールに紙数が割かれており、自宅周辺の除染の苦労などが描かれているものの原発の危険性を声高に叫ぶような内容にはなっていません。(一部、避難指示区域での線量測定結果を「とてもおみせできない」と数字を出さないなど、もやもやする表現がありますが...)
# この辺りは美味しんぼとも共通する、農家は守りたい、原発は否定したいというイデオロギー的な葛藤があるように感じます。
記録文学的マンガで定評のある山本おさむ氏がこの事故を記録してくれていたという偶然に感謝。