タイタンに炭化水素の湖発見 64
ストーリー by Oliver
土星に注目 部門より
土星に注目 部門より
yosuke 曰く、 "本家より、コーネル大学のDonald Campbell教授のチームは、土星の衛星であるタイタンに炭化水素の湖がある証拠を発見した、と発表しました。(New Scientistの記事とspaceref.comの記事)
2001年と2002年の11月と12月に行われた、Arecibo天文台でのレーダ観測によって得られた地表面の反射率を考慮すると、タイタンには大量のメタンの液体/固体が存在すると考えられるとのこと。
タイタンは太陽系の衛星で唯一濃い大気をもつ天体であり、可視光で見ることが不可能なため地表の様子はほとんどわかっていません。赤外線観測で水の氷があることはわかっていましたが、メタンの大気に紫外線があたってメタンの雨が降って地表に溜まっている、という説が確認されたことはこれが初めてです。
土星系には、来年の7月にNASAのカッシーニが到着し、観測を開始します。観測には、レーダーによるタイタンの地表の調査等も含まれます。また、カッシーニに同乗しているESAのホイヘンスは2005年にタイタンの大気中に突入し、地表に着陸します。これらの探査機によってタイタンについてのより詳細な情報が入るものと思われます。
炭化水素は言うまでもなく生命の構成材料であり、これを大量に持つタイタンを詳しく調べることは生命発生の条件を知るためにはとても重要なことです。さらなる詳細な調査の結果を期待しましょう。"
メタンの海・・・ (スコア:2, 参考になる)
平たく言うと。
氷点下162度の海に生物は存在するんだろうか?
そもそも化学反応が… (スコア:1)
・温度が低い。
・太陽から遠いため、化学反応を促進する紫外線も少ない。
(少なくとも私たちが容易に認識可能な)生命は存在し得ないでしょう。
いやね、タイタンを研究すること自体に意味がないとは思いませんが、無理やり生命の起源に結びつけるのもどうですかね?
Re:そもそも化学反応が… (スコア:3, 興味深い)
タイタンの表面はスモッグ様のものに覆われていて見えないので、想像をたくましくする余地があります。地表および大気の成分が、地球におけるいわゆる「原始大気」に似ていると考えられるので、生命誕生の可能性があるのでは?ということになります。確かに温度は低そうなのですが、もし地球のような地殻があれば、衛星内部の活動により熱エネルギーが生じたり、触媒となる金属が存在したりということで、いろいろな化学反応が起きるのではないかと思われます。また、太陽が赤色巨星となった時分には「程よい温度」になって生命誕生が起きるのではないかという説もあるようです。
Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
実際、地球系生命系(と仮称しておく…正式名称ヘルプ!)だけが生命とは限らないですし、
生命を「自律的に増殖・運動する存在」とでも仮に定義すれば、マイナス162℃(圧力が高ければもっと高温で存在し得る)液体メタンを主とする炭化水素の海の中に、地球とは全く違う生命系や文化が存在するかもしれない。
以上は全く夢のような話ですが、我々ですら、この文化や科学技術を持つのに地球上に生命という存在が発生してから30億年以上の月日を費しているのだから、タイタンで全く違う「枝」が発生していてもおかしくはない。
そういう意味でも、今回の探査機のデータは楽しみですね。
Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
「太陽になり損ねた」とは、つまり「核融合を起こすほど圧力が高くない」わけで。
太陽からの熱エネルギーの反射なら、大したことはないでしょう。
土星の「夜」の側にいる時は、それすらも期待できないし。
それはその通りですが、衛星の質量程度では、大した高圧にはならないのでは?
あと、生命の定義には、「運動」は必ずしも必要ではないですね。
Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
大気圧を保つ為には重力が必要ですが、地球の大気圧は、地球の重力が許す濃度からすればずいぶん薄いです。太陽風が少ないからか、タイタンの(表面)重力は月程度なのに対して、気圧は約1.5気圧ぐらいらしいです。大気から水蒸気の輝線も見つかっているらしいので、氷以外の水も少ないながらあるのでしょう。
重力が1/7と弱いのに大気圧が1.5倍高いと言うことは、単一表面積あたりの大気量は約10倍多いと言うことですね。
濃い大気に雲が浮いていれば、雷も起きて居るんじゃないでしょうか。太陽紫外線以外にも、こうした放電なども、偶発的な化学反応の引き金になり得るかもしれませんね。
地球上の生命のうち、大部分は地中の微生物かもしれないという研究もありますし、水の必要な、いわゆる地球型生態反応以外にも、広義に生命と呼べるような化学反応をしている個体(細胞?)もあっても良いんじゃないでしょうか。どのみち興味を引かれます。
惑星探査もふくめ、基礎科学は文学と同じく文明の余興ですので、おもしろければ意味があると思います。納税者(の、たとえば過半数)が賛成すれば、予算を組んで見に行く意味はあると思います。
Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
一番広く受け入れられている必要条件は、「自律複製」「恒常性の維持」だと思います。
ただ、それが「十分条件か?」と問われると、自己複製するロボットをどう考えるかとか…。
おそらく「バクテリオファージ」の間違いだと思いますが…。(「マクロファージは血球細胞の一種です。)
バクテリオファージやウイルスは一般には生命とは看做されていないと思います。
複製はしますが、他の生物の細胞内で、他の生物の酵素の助けを借りないと複製出来ないので、「自律複製」とは言えない。
とは言っても、「単なる化学反応」というには、あまりに複雑だし…。
一方、細胞内で起きている事も全て「単なる化学反応」とも言えるし…。
Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
「必要条件」というのもちょっと怪しいような。少なくとも例外はありますので。
ややこしいことに、れっきとした(細胞性)生物と考えられている細菌の中にも同様に自立して増殖できないものがいます。例えばクラミジアの仲間はエネルギー産生系を持たないので宿主が作り出すエネルギーを利用して初めて増殖が可能になります。このような性質のもの(クラミジア・リケッチア・ウイルスなど)を総称して「偏性細胞内寄生体」と呼びます。
じゃあ自律/寄生を問わず自己複製可能かどうかを指標にできるかというと、自己複製できるRNAやプリオンなどの扱いはどうなるの?とかいう話も出てくる。実のところ、感覚的にいちばん浸透しているのは「細胞(細胞膜+原形質+染色体)構造の有無」なのじゃないかとも思ったりしてます。中にはウイルスを「非細胞性生物」と呼ぶ立場もあるようで、単に「生物」と呼ぶ時には、狭義の「細胞性生物」を暗黙的に意味していることが多いように思います。
「生物」の定義ってのはとかくややこしいものです。「生命」の定義になるとこれがまたさらにややこしくなりますね(人工生命とか、いわゆる「植物人間」の問題とか)
Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
今後、そこら辺の調査に期待したいですね。
脱線かも知れませんが…、 太陽系のたそがれに生まれる生命…。哀愁ただようSFのネタになりそうですね。
#揶揄してるわけじゃないですよ。
Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
まあ生命の起源の情報なんて良く解ってない
事なんだから、あまり常識にこだわらず、
期待してみてはどうでしょうか
科学反応があまり起こらない安定した
場所なら逆に環境に適応した、非常に単純で原始的な
生命体が発見できるかもしれないし。
まあ、発見できなくても、わしらの税金じゃないし
romfffromのコメント設定
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Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
じゃ、水は?とか言いたくなるよなぁ。普通のみずたまりの中に
炭化水素が見つかったって話の時に使っていいセリフだと思う。
Kiyotan
Re:そもそも化学反応が… (スコア:1)
とかならないのかな?
案外地球上の生物の起原もこういう理由だったりして(えー
Re:そもそも化学反応が… (スコア:2, おもしろおかしい)
隕石からもたらされた有機物を生命の起源とする説がありますけど、
実は、外宇宙からの調査員が垂れたウンコが起源だったりするわけですな。
Re:そもそも化学反応が… (スコア:0)
#太陽を食べ始めたのはシアノバクテリアを始めとする光合成細菌が現れてから。
エネルギー源がタイタンの内部にあれば、生命が存在しえるのかもしれま
Re:メタンの海・・・ (スコア:0)
Re:メタンの海・・・ (スコア:1)
じゃあ外宇宙や、土星より遠い惑星の調査に使うか? と考えても、わざわざタイタンの重力を振りきって打ち上げるほどのメリットがでるのかなあ。
Re:メタンの海・・・ (スコア:1)
地球まで持ってくる場合は、それ以上に地球の大気圏を降下させるのにコストが掛かりすぎでしょう。
外宇宙での利用だと、エネルギー源としては酸素が必要になるから、そっちの調達の方にコストが掛かりそう。
Re:メタンの海・・・ (スコア:1)
大気の希薄な小惑星程度なら、それでも問題ないとは思う
Re:メタンの海・・・ (スコア:1)
ホイヘンス、地表に着陸 (スコア:2, おもしろおかしい)
地球を守れ (スコア:1)
Re:地球を守れ (スコア:1)
Re:ホイヘンス、地表に着陸 (スコア:1)
炭水化物の湖 (スコア:1)
ただそれだけ…
しかもしばらく気づかず、ストーリィ全部読んで、「なんで炭水化物?」とひとしきり悩んでようやく気づくこの鈍さ。
Re:炭水化物の湖 (スコア:1)
# おかゆスープの湖を想像してしまった……
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資源化…? (スコア:1)
採取しようと考える人が出てくるかも。
となると宇宙への進出が早まる……かな?
Re:資源化…? (スコア:1)
Re:資源化…? (スコア:1)
それぞれの天体で活用するか、せいぜい近傍の宇宙航路や軌道上で活用するのが精一杯ではないかと思うのですが。
Re:資源化…? (スコア:1)
水素が宇宙船燃料/推進剤として重要な資源で、タイタンは地球や木星型惑星より脱出速度が小さいから資源化に有利、という設定でしたね。
「湖」ですか (スコア:1)
しかし、どこからどこまでを海といい、どこからどこまでを湖というのでしょうか?
きっと陸が囲んだ水(液体)を湖、陸を囲んだ水が海って定義なんでしょうが、
その水のちょうど反対側から見ると、どんなに小さい水でも陸を囲んで
いるようになりますよね。
#ちょっと子供のような素朴な疑問
Re:「湖」ですか (スコア:1)
なんとなく陸地の面積より水面の方が広い時に、海と呼んでもいいような気がする。
#まるで子供のような回答例
Re:「湖」ですか (スコア:1)
「川が流れ込むだけで、流れ出ていかないのが海」だと、どこかで聞いたことがあります。
……とんでもなく昔のことだし、たぶん、「こどもなぜなにずかん」とかそういう類いの本だったので、真偽は不明。
ぱっと見、納得できる分類ではあるんだけど……
おふとぴ (スコア:2, 参考になる)
まさに今、湖か海かでもめています。
カスピ海、名前は海、一般的な認識は世界最大の湖です。日本の面積よりも断然大きいです。
形状は河口を無視すれば周囲の境界は1本の閉曲線が囲まれていて、どう見ても湖です。
また、川について。流入する川はいくつかありますが、流出する川はありません。だから未だに塩分が高いのですね。つまり、流出する川がなければ海と定義するのであれば、カスピ海は海となります。
日本では芦ノ湖。
ここも流出する河川はありません。大きさはカスピ海とは比較すらできない規模で、完全に湖でしょう。ここは海だ!と言っても、誰も認めないと思われます。
そんな訳で、湖か海かってのは、定義はいくらでもできますけど、結局周囲の人が決めることなのかもですね。
Re:おふとぴ (スコア:1)
>ここも流出する河川はありません。
だうと! [google.co.jp]
Re:おふとぴ (スコア:1)
Re:おふとぴ (スコア:1)
うわぁ…本当ですね。 [google.co.jp] 先ほどの芦ノ湖の件も、本当は指摘がしたかったんじゃなく
take0mさんのコメントで興味が出て調べた結果でした。
こういうのって興味深いですよねぇ。
このスレッド自体オフトピですが、大変勉強になりました。
Re:おふとぴ (スコア:1)
流出しないのは良いとして、流入もないからやっぱり海ではないのかも……
Re:おふとぴ (スコア:1)
てことは....水たまり?
他の星の生命って (スコア:1)
全く違う環境で育ったものなのだから、
地球人のような生物とは構成そのものが違うかもしれない。
それなのに大気や水の無い星に生物がいないと決めつけるNASAが不思議でならない。
1を聞いて0を知れ!
Re:他の星の生命って (スコア:1)
地球の生物を参考にするのは仕方ないだろう。
地球生命の起源を探る、って名目で予算を取ってるプロジェクトも多いんだろうし。
それ以外の生命の形態なんてのは、
地球型生命の痕跡の有無を最低限、太陽系内で確認し終えてからで十分だと思うが。
それまでは、SF作家にでも任しときゃあ・・・
Re:他の星の生命って (スコア:1)
大気や水のない星に地球と似たような生命はいない、と
思っているだけでしょう。
大気や水ではなく、高温の化学反応を必要とする 珪素型生命の考察は結構昔からされてますし。
ただ、そういう生命が身近にいないので、生体反応の 証拠について考察するのは難しいので、
今は地球型生命の探索に力を入れてるんじゃないでしょうか。
タイタンと生命と言えば (スコア:0)
プロローグが一番の見せ場だったような。
Re:タイタンと生命と言えば (スコア:1)
内容は忘れてしまいましたが。
Re:タイタンと生命と言えば (スコア:1)
昔のこども向けの翻訳って結構すごい邦題がついてましたよね。
悪魔のおとし子とか。
ただ、そっちの邦題が印象的な場合は変わっちゃうと結構ショックかも。
今は「二年間のバカンス」って言うらしいですね。
Re:タイタンと生命と言えば (スコア:0)
# いってみただけ
Re:タイタンと生命と言えば (スコア:1)
御意。英語版でそのあたりだけ読んでコリャ面白そう!とレジに運んだのですが、手品師の下りでややダレて、そのあとも今一だったので棚に積んじゃいました。結局日本語版が出たころになってから全部読み通したのですが、地球の歴史や神話・物語を無理やり(か意図的なJokeか)当てはめているのが鬱陶しかったです。最後の活劇はいつものホーガン流で安物のテレビ活劇調だし。
でもまあ、秀逸なプロローグを除いても、平均的にはプラスモデな作品だと思いました。
Re:タイタンと生命と言えば (スコア:0)
http://bb.goo.ne.jp/special/999/libraryreg_01.html#003
生命? (スコア:0)
>タイタンを詳しく調べることは生命発生の条件を知るためにはとて
>も重要なことです。さらなる詳細な調査の結果を期待しましょう。
もしかして、炭化水素と炭水化物の区別がついてない?
炭化水素 (スコア:0)
> タイタンを詳しく調べることは生命発生の条件を知るためにはとても
> 重要なことです。
炭化水素だけでなんで生命発生までつなげるんだろうか。
シリコンが見つかったら、半導体存在の可能性とかに言及するんだろうか。
Re:炭化水素 (スコア:0)
元記事にも「生命発生の条件を知るため」と書いてあるんだしね.
>シリコンが見つ