文字を読むための脳の働きは表音、表意で異なる 118
ストーリー by Acanthopanax
きしゃがきしゃできしゃにきしゃした 部門より
きしゃがきしゃできしゃにきしゃした 部門より
MIYU曰く、"香港大学の神経科学者Li Hai Tan氏らの研究グループが、文字の読みとりの障害である失読症が、その人の所属する文字文化によって異なる脳の障害を意味しているかもしれない、ということをNature誌に発表しています。(Nature論文概要、Nature Web News記事、訳文 、読売新聞の記事)
失読症(alexia)は、脳に損傷があり、文字や文章を「読めない」症状を示す一種の言語障害ですが、後天的には脳梗塞や脳内出血によって起こることがあります。今回の研究では、fMRIを使用した観察結果から、表音文字(アルファベット)圏と表意文字(漢字)圏では、文字が認識出来ない原因になっている脳の障害部位が異なっている、と示唆されています。この現象は、表音、表意の両方の文字を併用する日本では、障害を受けた脳の部位によって、「漢字は読めるがひらがなが読めない」、「ひらがなは読めるが漢字が読めない」などの異なる症状が出るという形で知られています。
「文字を読む」とごく当たり前に使ってしまう言葉ですが、脳が文字を認識するためには、音声を認識するよりも複雑な処理を必要とするそうです。Tan氏は、今回の発見によって障害の原因に合わせた治療やリハビリ法が開発されるようになるだろうと期待してます。また、脳が文字を認識する仕組みがより明らかになれば、効率的な第二言語の学習法が開発されるかもしれないそうです。
ところで、私達は漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットを併用していますが、それは脳にとっては負担が大きい状態なのでしょうか?"
単語認識の科学 (スコア:3, 参考になる)
ここ [tabesugi.net]で紹介されていた本家の記事 [slashdot.org]で、英文の単語認識モデルについての最近の研究 (Microsoft Researchの人の論文 [microsoft.com]) が紹介されています。文字を読む時の脳の働きに関する、欧文側からのアプローチとしても興味深い所です。
個人的に面白かったのは、「文を読む時には単語全体の形を認識している」というタイポグラファの俗説は間違いだったという話です。この点に関しては、「ローマン体は上下を隠してもなんとか読める(ので、サンセリフは可読性で劣る)」という伝統的な考えのほうが正しかったようです。
Re:単語認識の科学 (スコア:1)
斜め読みってどうやるんでしょうか?気になります。
# 英語を素早く読めるようになりたいので
Re:単語認識の科学 (スコア:1)
そういえば奥村さんのTeX の本にピリオドの後のスペースは
少し広めに組むようになっている、とありました。
文の頭と尾をつかみやすいようになってるんですね。
組版は読みやすくすることが第一なのだから組版のルールを調べれば英語の
読み方についてのヒントも隠れているかもしれませんね。
Re:単語認識の科学 (スコア:1)
Re:単語認識の科学 (スコア:1)
単語“全体の形”ではなく、単語の“特徴形状”を認識していると考えれば間違いではないような気もします。例えば、文字をガウスブラーでぼかしたりノイズを加えたりしていっても、ある程度のところまでは読めますよね。
脳の中にこの特徴形状がパターン化されて記憶されているとすれば、一部隠されても読めるとか、読めるけど書けない字とか、見た目の似た単語を誤読してしまうといった現象も納得がいきます。
実際には、複数の方法を組み合わせて認識しているでしょうから、いろいろな認識の仕組みが出てきてもおかしくはないんじゃないでしょうか。
OCR方面でこの手の研究していそうな気もしますが、どうなんでしょう?
手書き文字を認識できるOCRとかに役立ちそう。
失書症 (スコア:3, おもしろおかしい)
あれ? "ぬ"ってどうやって書くんだっけ?
"ぬ","ぬ","ぬ","ぬ".... 思い出せない. _| ̄|○
(とりあえず書いてみて)
..... なんだよ,このミミズはのたうち回った様な文字は!
(な行を順に書いてみる)
「な に ......... ね の」
なんで"ぬ"だけ書けないんじゃ! 俺は,のび太以下かよ!
(PCを立ち上げて)
"nu"っと,おお!この形やん!
俺,疲れているのかな....
こんな事が起こるのは,やはり残業のしすぎでしょうか?
Re:失書症 (スコア:1)
つうか、Typeしてる時でも、似たような症状が…
#ただのバッファコントロールエラー?
/* Kachou Utumi
I'm Not Rich... */
Re:失書症 (スコア:1, すばらしい洞察)
仲間かも?! (スコア:1)
書いてみるとわかるんだけど、大抵書きたいのと
逆を書いて「違うじゃん!」と自分につっこんでから
書き直します。
#わかってんねんで
Kiyotan
Re:仲間かも?! (スコア:1)
「コ」は間違えないんですが。
Re:失書症 (スコア:1)
突然「む」が脳から完全に欠落して書けなくなったのを思い出しました。
それと、
活字では明らかに違うのに書き文字では「わ」「ゆ」の区別がつかなくて
長年悩んだ子でした。
その反動かどうか、その後はレタリングやらオリジナル象形文字やらに
はまったりしたものです。
Re:失書症 (スコア:1)
というオチが来るものかと思ってました(w
ヒースキット山口 heath yamaguchi
負担が大きい? (スコア:2, 興味深い)
ほとんどの部分が使われてないなんて話がまことしやかに言われてる気がするんですが、
負担が大きいというよりむしろ使ってないと衰えちゃうわけですしねぇ。
脳の疲労度を測る科学的な数値とかってあるんだろうか。
疲労度ではなく速度ですが (スコア:1)
大脳ベンチマーク [impress.co.jp] ってのはあります。
# ネタが古すぎですが、元サイトは結構有名
漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:2, 興味深い)
その時の脳の状態を fMRI で見たらどうなってるのか気になるな。
あと,マンガを読む時には表音表意のどちらを使ってるのか?とか。
・・・反応が飛び回ってたりして(笑)
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:2, 参考になる)
それによると、 日本語を母国語とする人と、英語を母国語をする人とでは、脳の活性化する部位が違いますが、それぞれの第二言語を読んだときは、母国語と同じ部位が活性化していました。
つまりは、日本人が英語を読むときは、表意文字として読んでいて、英語が母国語の人が日本語を読むときは、表音文字として読んでいるということらしいです。 たぶん。
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:1)
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:3, すばらしい洞察)
意識せずにすっと意味が入ってくるのだと個人的には思います。
平仮名が続くと読みにくく、適当にカタカナやアルファベットが混じっていた方が
読みやすいのも似たような理由でしょう。
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:4, 興味深い)
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:2, 興味深い)
もしも漢字文化圏で先に意匠が作られていたら、漢字が多用されてるのでしょうかね。
ところで、ハングルってかな書きみたいなもんですか?
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:2, 参考になる)
でも、母音記号と子音記号を組み合わせて字を構成することを考えると、表音文字としては、かなより合理的と言えるかもしれません。
漢字かな混じり文の様に漢字ハングル混じり文もあるので、その点では、かなにちかいものですね。
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:1)
朝鮮誤圏でも漢字は1字1音(読みが1つしかないというだけではなく、音節が1音節)の原則で読まれているんですけど。
何で香港人がそれを無視するようなことを言うのだろうか。最近まで香港はイギリスで英語圏だったからかな?
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:1)
まず辞書を引いてみると とありますよ。それに従えば、漢字のほとんどは表音文字ではない。なぜなら、意味を表すから。
その文字に対応する音が唯一決まっていなければならない、ということを表音文字の定義とするなら、英語のアルファベットは表音文字でないことになりますね。母音は複数の読み方があるのが普通ですし、「c」なんかは、子音だけど複数の音に対応します。
その文字を一音節で読むことを、表音文字の定義だとしても、やはり英語のアルファベットはその定義に外れます。英語の音節は普通、複数文字からなるのアルファベット列で表されるから。
ま、一般に表音文字とされるアルファベットだって、一文字で意味を表すことがあり、そういう意味ではアルファベットですら表意文字と強弁することは可能です。一般には、主な役割はどちらか、ということで表音文字と表意文字を分けているのだと思います。
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:1)
平仮名、片仮名も漢字を表音文字的に使っている、という点では同様なんですが、それはさておき、
結局、表意文字のまま漢字を勉強させると、とんでもない手間なんで、
手っ取り早く識字率を上げるために、漢字を表音文字的に使うやり方が、中国でも採用された、ということなのでは?
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:3, おもしろおかしい)
見た目さえあっていれば文字はどうでも良いかのように使います。
なので、意味が分からなかったからちょっと書いてくれと言ったら人によってはびっくりするくらい良くわかります(笑)
ちゃんと絵心がある人はお絵かき掲示板とか使うのでしょうが(違)
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:2, 興味深い)
それなりに文意は読み取れたりします。平仮名は文章を読むさいの
補助的な役割も担っているのかなと思います。
あと表音、表意とは直接関係ないですが、文を書く際の句読点の
打ち方は難しいですね。読点が全く無いと、漢字かな混じりでも
読みづらく理解しにくいですし、逆に多すぎても同様です。
英語など表音文字を主体とする言語の場合でも、カンマとピリオドの
打ち方には何か気をつけるべき点があるのでしょうか。
And now for something completely different...
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:2, 参考になる)
--
漢字平仮名適度混文章意図的漢字拾読
文意読取。平仮名文章読
補助的役割担思
表音表意直接関係文書際句読点
打方難読点全無漢字混
読理解逆多同様
英語表音文字主体言語場合
打方何気点
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:1)
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:1, 興味深い)
漢字かなまじり文の文化を身につけているので
漢字を絵として捉えるのと同じノウハウを使って、
携帯メールの絵文字や漫画絵部分を切り替えナシで素早く読み取れるのだと思います。
Re:漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベット (スコア:1)
「日」の文字はどう処理されてるんでしょ?
(他にも部分的に「日」入ってるし。)
普通の日本人は一瞬で読めるけど、第2外国語として習った人は大変?
Kiyotan
ぐはぁ (スコア:1)
#日本語読めても使えないんじゃダメダメっすね。
Kiyotan
象形文字 (スコア:1)
"文字"と"それが指し示す対象物"とをマッチさせるためのクエリーが高負荷の原因になるのでしょうかね。
もうちょい脳内のバス帯域を増やすなりすれば高速化できるかも、、、
なんて話は置いといて、それならば文字自身が対象物に近い形状をしている象形文字などは
指事文字などよりも比較的単純な処理で済むのかしらん。
んじゃあ (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:この論文の新奇性はどこにあるのでしょうか? (スコア:4, 参考になる)
しかしながら、人間の脳の機能は、連動して動いているためにfMRI(機能を見るMRI)では、正常の人を見てもよく分かりません。そこで脳機能の限定的障害を受けた人の、非障害機能をfMRI上の生きている機能を見る事で人の脳の機能局在を診たというところが、新しいのです。
こう書くと簡単そうですが、なかなか時間も長くかかる検査で大変だったと思います。
第二の言語習得に使うにはfMRIは少し高価ですが、実現すればいいなと思います。
第二言語の習得をfMRIで見ると (スコア:3, 参考になる)
科学技術振興機構による研究の背景 [jst.go.jp]という資料によると、「後天的に学習される読字の能力」の形成過程を明らかにする為の研究なのですが、ハングルの読字成績の向上に比例して、左脳の下側頭回後部に活動の上昇が見られたそうです。
具体的には、ハングルテスト時に活動が高まった領域と、仮名テスト時に活動が高まった部分は隣接しています。参照図 [jst.go.jp] (英語を話す人達でも同じ部位になるのでしょうか?)
また、正字法(文字の並び)と音韻を組み合わせた時のみ活動が活発化するそうですから、言語の学習過程では音読は必須だという事なのでしょうね。
そうそう、新しいことを学習したらすぐに眠ると記憶効率がよいそうです。眠っている間に 「脳が夜勤をしてそれを整理してくれている [mypress.jp]」そうですから。
# fMRIが登場した事でやっと見えてきた部分ですよね
Re:第二言語の習得をfMRIで見ると (スコア:1)
Re:第二言語の習得をfMRIで見ると (スコア:1)
あるいはガベージコレクタが動いてコンパクションしてくれるのかも。
Re:第二言語の習得をfMRIで見ると (スコア:1)
ぼくは,難しい本を読んでると,すぐ寝てしまいますが,
目覚めてみると,ちっとも覚えてません.
#みんなもそうだよね? 違う?
Re:ruby (スコア:1, おもしろおかしい)
昔の新聞で、話者のカタカナ語連発に、
「地方的色彩」に「ローカルカラー」ってふりがなしたりする使用法も(ふり漢字とでも言うのか)見たことがあります。
日本語の伝統 (スコア:1)
そういうのは、マジに日本語の伝統に即している気がしますね。漢字のよみは、日本では色々で、必ずしもどれが正しいとはいえない(もちろん、それぞれ由来がある)。
人名で、訓読みと音読みがある例もある(徳川最後の将軍ヨシノブはケイキともいうけど、こういうのは、偉くなると音読み=中国風という意味もあるのかな)。
あと、そもそも漢字からも大和言葉?からもわけのわからない読み(百済はクダラ)とか、そういえば大和は(字面では)ヤマトと読めないし。
そこで気が付いたが、ある熟語を繰り返し書いたり眺めていると、例えば、「大和」がダイワにしか読めなくなり、これがヤマトとも読めることを、意識しないと思い出せなくなる。字が、普段使っている字と(同じなんだけども)何か違う字に見える。
こういうのはよくある事なんだけれども、認知上の何らかの現象なんでしょうね。
Re:日本語の伝統 (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:日本語の伝統 (スコア:1, 参考になる)
それをいったら間人 [google.com]なんて地名が京都にあったりします。しかも何語とかいう以前(というか、単に一地方の歴史) [kyoto.jp]の話になってますし。
Re:日本語の伝統 (スコア:2, すばらしい洞察)
漢字の読みって複数あるとはいえやはりある程度限られますが、日本語では組み合わせによって個々の漢字には無いような読み方をするものも結構ありますね。そういうのを読むときは、普通に読めるものとはやはり脳の働き方も変わってくるのかな。
Re:日本語の伝統 (スコア:1)
「和」は「倭」と同じ意味で、「やまと」という読みがあって、それに「大」を接頭辞のようにつけたと考えられます。
#将棋界に、高橋和さんという女流棋士の方がいますね。
>北海道の地名なんて「新冠」が「にいかっぷ」で,何語の知識が必要なのかすらわからない状態で……
「かんむり」は「かぶり」が転じてできた言葉ではなかったでしょうか。
「かんむり」←「かぶり」→「かっぷ」ということで。
アイヌ語の知識はないけど ID
漢字のゲシュタルト崩壊 (スコア:3, 参考になる)
個人的には(懐かし面白い:+2) (スコア:1)
/* Kachou Utumi
I'm Not Rich... */
Re:漢字は目につらい? オフとぴ (スコア:1)
#明日はある。が、見えない。
#上を向こうが前を向こうが目の前しか見えないんじゃ話にならない。
というか (スコア:1)
農耕民族 → 遠くを見る必要がない
…かな
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Ath'r'onならfloatあたりに自信が持てます
Re:夜露死苦 (スコア:1)
絵文字 != 文字絵 (スコア:1)
というわけで、表意文字の一種と扱っていいんじゃないかと。
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Ath'r'onならfloatあたりに自信が持てます