東大助教アニリール・セルカン氏、論文盗用で博士号取り消し 116
ストーリー by hylom
これはアウトだ 部門より
これはアウトだ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
先日、東京大学大学院工学系研究科の教員であるアニリール・セルカン氏が経歴を詐称しているのではという疑惑が持ち上がった。この問題について東京大学が調査を行い、その結果学位取得論文に大幅な不正行為がみられたとして、セルカン助教の工学博士の学位を取り消したと発表した。
東京大学の発表によると、
- 当該学位請求論文のうち約4割が「他者の著作物から盗用した」もの
- その主要な部分についても約4割が既発表の文献資料並びにウェブサイト上に公開されている文章もしくは図表を盗用したものだった
- 出典不記載に止まらず、自らの創作物であるかのように偽装した悪質な盗用と判断できる箇所が11箇所、その疑いがあると判断できる箇所が計10箇所存在する
だったという。これだけ大きな盗用を行いながら、誰もそれに気付かなかったということに驚きを隠せない。
盗用され経験(オフトピ) (スコア:5, 参考になる)
以前に論文を投稿したところから「この論文の参考文献にお前の論文が入ってるから読んでくれ」と査読依頼があり、何となく引き受けた。冒頭からなにやら鈍くさい英語で、やたらとくどくど関係代名詞が使われていたり、文章の繋がりが綺麗に行ってなかったりと、もうちょっとスマートに表現できないかこれは・・・とか思いながら読み進める内にはたと気付いた。昔、自分が書いた文章だorz
ちゃんとチェックしてみたところ、査読が回ってきたその論文の書き出し半ページほどは、参考文献に挙げて頂いていた私の著作の書き出し半ページの丸々コピペ。どうせならもうちょい英語の上手い論文からコピペすりゃいいのに。査読割り当て担当の方がそれと気付いて割り振ったのだとしたら、何とも人の悪いことでφ(..)メモメモ とか思った。
Re:盗用され経験(オフトピ) (スコア:1)
> 論文の書き出し半ページほどは、参考文献に挙げて頂いていた私の著作の書き出し半ページの丸々コピペ。
同じ分野の研究だと、書き出し半ページくらいはほとんど似たような内容で同様の論理展開になり、オリジナリティーも
ないので、他者の論文を「参考にする」のは十分ありえることです。それが同じ研究室の先輩/後輩くらいだと、ほとんど
同じということさえあるでしょう。
関係者ではなく、しかも「丸々コピペ」となると、ちょっとアレすぎて弁護のしようがないですが。
#パクリでなくても論理展開が似ていることはあるので、自分だと気付く自信はない。
もし前半がまるまるパクリでも、後半の独自研究部分が十分すぐれているならば、
「前半がXXの論文と文章が似すぎているので書き直せ」
って指示をだして終わりという気もします。
Re:盗用され経験(オフトピ) (スコア:1, 参考になる)
アニリール・セルカン氏のブログ
http://blog.anilir.net/ [anilir.net]
2010.03.06 Saturday 03:53
氷山の一角 (スコア:5, 興味深い)
一応トルコの大学で建築学を修めています。(それを米国の大学と偽ってはいるが)
その後、ドイツの有名建築学院(修士相当)でも勉強したようです。
だから、東大に留学する資格はあったようです。
ここからは憶測ですが、トルコの大学を出て、ドイツの有名建築学院に留学するのは、
むつかしい。ひょっとしたらこのあたりから書類・経歴の偽造をやったのではないか。
それでバレなかったので、味をしめてしまった。
外国大学の卒業証書などは偽造がばれにくい。
(どこの国でも留学生によるこの種の偽造はほんとうに多いと思います)
日本でも日本での学歴がなしに外国大学の修了を謳っている人は、まっさきに詐称が疑われるほど
です。
東大での博士論文の審査については、世間が思っている以上にずさんです。
理系についてはわかりませんが、文系はさらにひどい。
つい十年ほど前までは、文系では博士課程では論文を書かずに修了が普通でした。
最近は文部省の方針で博士号(課程博士)をとらせる方向になっています。
その際大学内部で出された指示は、
「修士論文を三倍に水増しして出せ、内容は問わない」というものでした。
実際それでたくさんの博士号が出され、結局修士が5年に延長されただけの結果です。
内容的に問題のある博士論文が大量増産される背景には、
文部省による教員の査定にこれが関係しているらしい。
とくに留学生に博士号をとらせるのは、教員にとって大きなプラス評価になるようなのです。
博士号を標準化するために、文部省がそう指示したようで、結果こうしたクズ博士論文が
大量提出されるようになったわけです。
ニュースは理系の博士論文ですが、文系の博士論文についても日本人のものも含めて
もっと問題のあるものが多いと断言できます。
こうした学界の劣化現象は顕著で、かつてなら卒論としても首をかしげる稚拙な内容の
ものが博士論文として及第し、おまけに学会賞までもらっていたりする。
これを評して、「大学院の幼稚園化」とまで言う人がいます。
Re:氷山の一角(大学院の幼稚園化)+トルコ政府の責任 (スコア:2, 興味深い)
トルコ大使館は当然気づいていたはずです。
日本で唯一のトルコ人有名人になっていたわけですし、大使館のパーティにも
よく出ていたようです。元オリンピック・スキー選手でトルコ人初の宇宙飛行士なるものが
いるかいないかくらい、トルコ政府なら知っていたはずです。
トルコ大使館は彼が日本で人気者になっているのをいいことに、経歴詐称の事実をあまり積極的には
警告しなかった疑いがあります。(政府筋の書類が偽造とはさいごに認めたようですが)
Re:氷山の一角 (スコア:1, 興味深い)
そういえば、留学生でデキが悪すぎるのを入れちゃったときに、教授の「博士号をとらせないと国際問題になる」
の一声で、助手がほとんど書いた論文を出して博士号をとった人が居ました。
文系については、博士課程修了時に学位が出ないのが普通だったのが、留学生を増やす→修了時に形になって
ないと帰国してからの説明ができない→課程修了時に博士号を出すようにしろ、といった流れで、文科省から
お達しがあって、文系でも課程修了時に学位を出すようになったとか。
ついでに、大学院重点化で、入学者の定員を満たすことと同時に、学位取得者の人数も評価の対象にするように
なったから、審査が甘くなる一方だと。
いずれにしても、文科省がチャチャ入れなければレベルは維持できていた上、高学歴ワーキングプアの
問題も発生していなかったはずなんです。
Re:氷山の一角 (スコア:1)
matsu03 氏は「理系についてはわかりませんが、文系はさらにひどい。」って書いてるんだから、そこで理系の基準を持ち出して「大げさ」というのは噛み合ってないんじゃないかな?
自分が居た大学の研究科も「国際学会での発表経験 1 回以上 and 査読付き英語論文 3 報以上」という条件があったけど、隣の研究科は「日本語の論文で OK、学会発表は論文発表としてカウント」なんて凄まじい落差がありました。
業界の常識 (スコア:3, すばらしい洞察)
誰からも注目されないそこらの学位論文が、誰からも注目されないそこらの文献を盗用したって、誰も気づかない.
いわゆるピア・レビューの厳しい目にさらされるのは注目すべき内容の論文だけであって、ほとんどの論文は投稿時の査読に通ってしまえば学術的な内容はピア・レビューの対象にすらならずに他の文献から一度も引用されることなく「消えていく」と考えてください.
Re:業界の常識 (スコア:1)
確かに内容がおかしいのは気づきやすいけど、盗用は気づきにくいとは思う。
盗用を疑いながら査読したという経験はそういえばない…。
よっぽど著名な論文でたまたま自分で直接精読していたとか、自分や仲間のだったとかでもない限り。
最初から盗用してないかをチェックする目的で査読しているのでもないときに
盗用に気づくきっかけは特徴的な言い回しとかだったりするような気もするので、
査読者にとって外国語の場合は気づきにくいかもしれないというのもある。
Re:業界の常識 (スコア:2, 興味深い)
>論文の内容を公開して一定期間クレームを待ち異議がなければ通る、という制度にすればいいのに。
歴史的に,論文誌は公開討論の場でもありますので,クレームがある場合は別途論文(もしくは雑誌によってはショートコメント)として投稿すると載っけて議論しあったりする場合もよくあります.実際,面白い系に関する研究などでは後から肯定派・否定派入り乱れて大論戦になることもありますし.そういう意味では,論文掲載という行為そのものが公開してクレーム待ちの状態,といえるかも知れません.盗用とかそういうのとは違う観点ですが.
#まあ物理系とかでのarXivとかもありますけどね.
じゃあ盗用にかんしても,公開という手段で防げるかというと,そもそも有象無象のものまで含めると論文誌がやたら多い(例えば物性・材料科学関連に分野を限ったとしても数十以上,おそらく100や200は関連する論文誌があります.20誌ぐらいは読んでますけど,それ以上はきついですねぇ)ため,マイナーな論文誌などでは読者数が非常に限られます.有名どころの論文誌から盗用したり,有名どころに盗用したものを載せるとばれる確率は高くなりますが,得てしてそういうことをやる場合はマイナーな論文から盗ってきてマイナーな論文誌に投稿すると思われますので,公開してもそもそも(盗用元も盗用先も)ほとんど読んでいる人がいなくて気づかれない,となる気がしてなりません.
Re:業界の常識 (スコア:1, 参考になる)
昔読んだ科学における欺瞞や論文盗用に関する本
「背信の科学者たち」、化学同人
の中で医学・薬学系の事例がいくつか紹介されていて、職を得るための経歴詐称の一つとして非常にマイナーな論文誌に盗用元の論文とは微妙に異なるタイトルをつけて盗作論文をマイナーな論文誌に投稿・出版した例もありました. 医学・薬学系には印刷費用を負担すればほぼ無条件に(?)投稿を受け付けてくれる有料論文誌というか雑誌があるというのは驚き.
上記の本はすでに絶版のようですが、出版元は理化学系の専門出版社なので理学部や化学系の学科のある大学図書館なら蔵書に入っているかも.
Re:業界の常識 (スコア:1)
今の状態でもD論とっかかりから半年くらいかかるのにそれがさらにクレーム待ち期間半年とかなると時間的に厳し過ぎる(現状、課程3年+終了後2-3年以内がD取得の制限時間だけどギリギリになることは多い)んじゃないかなー。といって課程の期間を延ばすのも学費負担的に相当きついし…(減収が原因で学費払えなくて今年度から社会人博士の課程を休学中)。
あと、形式的な条件はおそらく東大にもあるだろう(ディテールは少しづつ違うけど名大と東工大と九大では耳にした)けど「すばらしい業績」ならばという例外許容の規則もおそらくあるので盗用に気が付かなければそこらへんで通ったんじゃないかと推測。
Re:業界の常識 (スコア:2)
工学系研究科だと、査読つきの学術雑誌に3報アクセプトにならないと博士号が出ない、ってのがあった。
学術雑誌は多分英文誌じゃないとダメだったと……。
工学系は指導教員が主査で、指導教員の要求するレベルを満たせ、という意味合いもあったなぁ。
予備審査で突っ込みまくっていろいろ直させて、本審査はシャンシャンに近い状態で通す方式。
どうにもならんのは予備審査で叩くから、本審査までたどり着かない。本審査にたどり着いても
投降論文が足りないと、アクセプトの通知が来るまで審査結果の合格判定が出ない。
自分達が一番、て態度でいるのは医学系。予備審査無し一発勝負の審査で、平気で落としまくる。
指導教授が定年の時に修了する院生でも容赦せずに落とす。症例が少ない、から、論文の体をなしてない、まで
きっちり却下してくれますね。
制度が変わってなければ、指導教員が審査にノータッチなのが理学系と医学系だったはず。
だから、指導教員と揉めた場合でもこの2つの研究科なら何とかなるけど、工学系だと厳しいかも。
Re:業界の常識 (スコア:2)
誰のおかげでわかったのか (スコア:3, 参考になる)
大学が調査を始めたきっかけは 2 スレ 781 さん [blogspot.com]や 11jigen さん [goo.ne.jp]による問合せだと思っているのですが、違うんですかね。
もしそうであるなら、外部からの問合せがあったことについて大学からの発表 [u-tokyo.ac.jp]の中に記述がないのが不思議です。
Re:誰のおかげでわかったのか (スコア:1)
灯台のとある方の論文に「既出。ググれカス」という指摘をしてあげた事あるのですが、私の名前はありませんでした。
もちろん指摘した既出論文がD論の参考文献に追加されて、いいわけがましい一文が追加されましたが。
まぁ認めただけでも良いってもんじゃないですか。
Re:誰のおかげでわかったのか (スコア:2)
まあ度量の狭い人間もいるってことでしょう。
ただ、どういう言い方をしたのか知りませんが、本当に「ググれカス」だの何だのという言い方をしたのであれば、言われたのが僕なら謝辞を書きたくありませんね……。口が悪くても指摘してくれたことに感謝するべきだと頭では思っていても、限界はあります。
もちろん、剽窃論文で博士の学位を授与してしまったという事実を認めないより認めた方がましなのは論を待ちません (剽窃 (ひょうせつ) [yahoo.co.jp] とは人の論文を盗んで自分のものとして発表することです)。でも、僕はそれだけで良い対応とは評価できません。
僕は学問の世界のごくごく一部しか知りませんが、僕の知っている部分では、しかるべき人にクレジットを与えることは非常に重要なことと認識されています。剽窃が悪いことなのは、「しかるべき人にクレジットを与える」のとは正反対の行為だから、という面があります。
ところが、もし本件について大学が調査を始めた理由が外部からの指摘にあったのであれば、今回の大学からの発表自体が、しかるべき人にクレジットを与えていないことになります。剽窃論文で学位を授与してしまったことを認める大学の発表で、クレジットを与えるべき相手に与えていないのだとしたら、皮肉なことです。
驚き? (スコア:2)
> だったという。これだけ大きな盗用を行いながら、誰もそれに気付かなかったということに驚きを隠せない。
学会誌の査読委員の皆さんは、投稿された論文を読みながら、盗作じゃないかと関連論文や数々の文献、Webの世界を探し回るのが当然だとお思いでしょうか? それは現実的じゃないでしょう。
投稿された論文か、逆に剽窃された論文か、どちらかが話題になっているとか、査読者の専門分野だったとか、そういう事情なら読んだ記憶があるかもしれませんが、そこで査読委員が気が付いたとしても、多くの場合は掲載しないだけでしょう。指導教官に知らせたりするのは手間がかかりすぎるし、トラブルになりかねなませんから。(指導教官と面識があれば別ですが)
あなたが論文で大学や大学院を卒業されていたなら、教授陣はそこまで読み込んでいたと思われますか?
Re:驚き? (スコア:2, 参考になる)
二重投稿は一度見かけたことがあります。 二つの論文誌で同じ人が査読委員していて、二重投稿された論文が両学会で同じ人に割り当てられたので発覚したんですけどね。まぁ、内容的に不採録だったので事を荒立てることなく終わりましたけど。
Re:驚き? (スコア:1)
論文内容は精読されますが、
質問を聞いた限りはあまり調べた様子はなかったですよ。
日本の大学はダラケ過ぎじゃないかと思いますね。
それとも海外でも同じなんでしょうかね。
Re:驚き? (スコア:2, 興味深い)
>それとも海外でも同じなんでしょうかね。
あっちゃこっちゃの国から来たPDに聞いてみた限りでは,大して変わらないみたいですよ.
まあ,自分のところの指導教官ならともかく,それ以外の審査員は分野も違うわけで,そうなってくると「自分の専門と違う研究分野に関して,研究の位置づけに始まりオリジナリティ,類似論文が無いかまできっちり調べて」なんてのは時間的にもまあ無理でしょう.
少なくとも,「博士論文のIntroductionに書いてある研究の位置づけ等に関しては嘘・間違いはない」って前提で読んでると思います.
#普通の論文の査読とまあ同じですよね.
Re:驚き? (スコア:3, 興味深い)
むしろ大学の先生達の場合、詐称のチェックよりも知識や論理のおかしさの方が気付きやすいと思う。
派手な経歴詐称&大規模な盗用のコンボをしてしまう人はそこらがおかしい場合がありそうな気がする。
「あいつ実は判ってないんじゃないか?」的な感覚ね。
なのでどっちかというとそれが機能しなかった方が驚き。
盗用はともかく、詐称のチェックとかは人手をかければできるけど、人手がないのじゃないかなー。
国内なら簡単に問い合わせられるけど国外は事情も色々だからなぁ。
Re:驚き? (スコア:2, 興味深い)
同感です。違う研究室だったりすると研究内容の重なりが小さくて、
気づかない可能性は十分すぎるほどありますが、同じ研究室で
ディスカッションとかしてたりすれば知識や論理がおかしければ
ほぼ間違いなく気づくと思う…。先生はもちろん学生でも。
これがきちんと機能しないのは驚きだし、こっちこそ重大な問題だと思う。
# でも、今回はこれがぎりぎり機能してたから発覚したんだよね。多分。
# もっとも、もっと先に気づかなきゃならなかった人がいる気がするけど。
関係無いけど、この研究分野って一体何をしてるのかさっぱりわからん。
自分のやってることもアレなので、あんまり人のことは言えないんだけど…。
さらに職名詐称まで! (スコア:1, 興味深い)
#昔でいうところの「助手」ね。
#今は、助教授→准教授、(昔の)助手→助教 or 助手。
Re:さらに職名詐称まで! (スコア:1, 興味深い)
たしかに、Associate Professor と自称してたらしいですね。
http://sites.google.com/site/introserkan/history [google.com]
Re:さらに職名詐称まで! (スコア:1)
今では事情が変わっているかもしれませんが、助教が導入された時の説明では「助教を英語でなんと呼ぶかは文部科学省としては特に決めないので、各大学で決めてくれ」ということでした。時期によっては、「東京大学が助教の英語名をまだ決めていなかった/決めていたがまだ浸透していなかったので、とりあえず、Associate Professor を使いました」と言い訳ができなくはありません。かなり苦しい言い訳ですが、職名詐称を回避できる程度には使える言い訳でしょう。
職名詐称を回避できたところで焼け石に水だし、それ以前に、他に大ネタがたくさんあるから、追求する側も小ネタとしてスルーするでしょうけど。
Re:さらに職名詐称まで! (スコア:2, 興味深い)
確かに導入時には助教の英語名は決まっていなかったと思いますが、
助教授/准教授の英語名が導入前後のどっちでも associate professor
で統一されていた(東大な文科省的にどうなってるかは知らない。)
はずなので、とりあえず associate professor を使った、ってのは
いくらなんでも言い訳にはならないと思います。
まぁ、たしかに他に比べたらこんなのは小ネタですね。
ミスだって言われたら、まぁそういうこともあるよねって思う程度かなぁ。
# ついでに、助教の英語名は assistant professor で統一されてきてるかなぁ。
# どういう経緯でこうなったかは知らない。初期は単に assistant ってなってる
# 人もいたような。
Re:さらに職名詐称まで! (スコア:2, 参考になる)
助教導入時に東大で助教やっていました。
英語の表記はassistant professorでした。
大学が作ってくれる名刺にはassistant professorと書いていましたが、
残念ながらprofessorと呼べるような自由は無かったので
メールの署名はresearch associate (昔の助手に対応した呼び方)で通していました。
こんな事かいているのでAC
Re:さらに職名詐称まで! (スコア:1)
おくればせながら修正しました。ご指摘 thx。
Hiroki (REO) Kashiwazaki
別の要員もあるかも (スコア:1, 参考になる)
それがぼくには楽しかったから (スコア:1)
研究テーマは興味深いし、それなりの能力もありそうだったのに、残念でしたね。
経歴詐称で就職して、ずーっとヒヤヒヤし通しじゃなかったのかなーとも思いますが、
ヘイデン・クリステンセン主演の映画『ニュースの天才』 [gaga.co.jp]の主人公みたいな性質の人だったら、
詐称してること自体が充実感につながるのかなあ。
地道にやった方が、ずっと楽しいと思うけど。
Re:それがぼくには楽しかったから (スコア:2, おもしろおかしい)
能力がありそうに見せるのはうまいんですよね。
実際は、経歴、業績の相当な部分が詐称や盗作であることが判明しています。
現在の研究テーマであるインフラフリーに関しても、
盗用が判明しているものが複数存在します。
氏の能力で本物だと言えるのは話術くらいなものです。
中央公論新社が盗用東大助教の著書を絶版に (スコア:1, 参考になる)
中央公論新社が盗用東大助教の著書を絶版に [yomiuri.co.jp]したそうです。
でも中央公論新社 [chuko.co.jp]からは何も情報は出ていないようです。
Re:中央公論新社が盗用東大助教の著書を絶版に (スコア:1)
中央公論新社は読売傘下だから、これは公式発表も同然。
そもそも初刷り1万部も作って、あとで増刷する新書が何割ぐらいあるのか知りたいものだ。
「絶版」ったって、回収しないんだから、自分たちに責任があるとは思ってないということ。
あわよくば話題に乗じて売り切りたいんじゃないのかな。売る側にとってはラストチャンス。
Re:教員側はどうよ (スコア:5, すばらしい洞察)
失敗を処分:懲罰しようというのは、組織論的にまちがい。
それでは失敗は無くならない。隠される。
Re:教員側はどうよ (スコア:2, 参考になる)
今後、アニリール・セルカンの博士論文を査読した、そしてアクセプトしたという経歴が付くこと。
そして、研究者ではなく、研究屋、(学内)政治屋というレッテルを貼られることになる。
まぁ、この手の教員なら、この件にかかわりなく、周りからはそう見られてると思うけど。
Re:教員側はどうよ (スコア:5, 興味深い)
>専門分野といえど全ての書物に目を通すのは無理だし。
副査はどうかわかりませんが、主査の教授(指導教官)は
素人状態だったのかも。(現在はどうなのでしょう?)
http://docs.google.com/Doc?docid=0AbjqEieedztSZGhyNDU3am5fNmZwbnZrempj... [google.com]
↑の末尾、「博士論文審査における問題」において
「当時私の研究室にはなぜか宇宙建築をテーマとする人が二人もいた。私の研究室のメンバーだとは言え、
私自身は宇宙に関する知識もなく関心も無に等しく、内容的に指導するようなことはなく、
ただそうした研究を行なうことを認めているというだけの立場だった。
ただ、他の大学のどこでもやっていない研究に携わる人間が二人もいるのだから、他に興味のある学生でもいればと思い、
内輪の研究会を立ち上げることにした。」と記載されています。
これらの事実自体は必ずしも問題であるとは言えませんが、主査が専門的な知識を欠いていたのであれば、
審査委員に外部の宇宙工学の専門家を加えるべきであったはずです。
とありますね。
事実だとすると、もともと内容を精査されない・できる人もいない状態だったのかもしれません。
Re:教員側はどうよ (スコア:1, 参考になる)
セルカン氏の研究は所謂、実現を前提としないアンビルト(建たない建築)に属する分野だと思います。
普通の工学の分野とはかなり変わってて、芸術性とか思想とかの色の濃いの研究で
敢えて実現性を無視した未来都市などの夢物語をでっち上げたりもします。
ですので、とりあえず優れたオリジナリティがあればいいんです。
この人はそれが無かったようですが。
Re:教員側はどうよ (スコア:1)
おいらは基本的にモデレーションに文句を言ったりはしない主義だけど、これはおかしいよね。
#1728434のコメント内容に間違いがあるのであればモデレーションするのではなくコメントで指摘して欲しい。
そうすればその指摘を参考に他の人がモデレーションしてくれるだろうに。
メタモデ不可な「不当プラスモデ」を使ってるあたりも胡散臭さを感じてしまうし。
うじゃうじゃ
Re:教員側はどうよ (スコア:1)
うちは主査=指導教員でしたよ。
例外は、建前では主査には教授しかなれないので、実質准教授や助教が指導している学生だけかな。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:1, 興味深い)
> 本当か自称かなんてそう簡単に見分けつかないもんじゃないかな?特に経歴とか
いやそうじゃなくてね。業績に関してはそうかもしれない。でも、
「宇宙飛行士でオリンピック選手で若くして上場企業の部長で」って
聞いたら普通、うさんくさいなーってピンとくるわけですよ。
なんというか、クヒオ大佐の匂いがするわけです。
で、普通の嗅覚を持っている人は「おかしいなー」と思う。
それで検証しようと考えた人が現れて今回の件につながったと。
そういうのに騙されちゃった建築のセンセイと一部メディアの
バランス感覚を疑うというハナシ。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:1, 興味深い)
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:1, すばらしい洞察)
> 東大とは別の大学での話ですが、同じ学部内の建築の工学というよりは芸術の人たちは
> 私の目には詐欺師の集団に見えました。彼らの技術の本領は、いかに人を煙にまくような文言で
> 流麗に飾りたてて人々を納得させたり権威付けしたりして大したことない実体に対して大きな予算を
> ゲットする、ということにあるように思います。
いわゆる「文系」というか科学的検証プロセスを持ち得ない学問は、こういう傾向があるのは
やむをえないことです。知性に疑問があっても、詐欺師でも、例えば文化論などである程度人を煙に巻いて
騙す事が可能です。しかし、物理、数学などにいけば、本当に頭がよくないと、そのような実績は
作り得ません。
その一方で、真に優れた仕事というものは科学だろうが芸術だろうが、確かに存在します。
そして、その「優れ方の真贋」を判定する手段が存在せず、指針が自分の中以外にない分野で
真に優れることは、ある意味、科学分野で傑出するのよりも難しいことではないでしょうか。
私は技術系の端くれですが、そんな風に最近思うようになりました。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:1, 興味深い)
> お人好しすぎるんじゃない?
> そんな詐欺師に予算持ってかれてるのに「そんな風に最近思うようになりました」なんて言ってちゃだめだ.
> どうすれば公平に予算を分配できるのか考えないと.科学に限った話でもないし.
詐欺師の弁護ではなく、分野の弁護です。
科学的検証プロセスがない分野は、詐欺~本物のレンジがとてつもなく広いだけで、
本物の水準は勝るとも劣らず、分野そのものは詐欺ではないということです。
ただし、上記の認識につけこんで詐欺的研究を弄する輩は、分野を問わず追求されるべきであり、
発覚の場合はあらゆる法的手段を持って再起不能とするべきです。彼らは単なる法律違反者ではなく、
法律以前の職業倫理に違反した知識に対する犯罪者です。水道に毒を入れるよりも悪です。
しかし、この追求負担が高いため、それをすることが難しいのは科学分野のトンデモを見ても
明らかです。追求する能力は同じ分野の人しか持ちませんが、普通、怪しげな研究の追及より
自分の研究を進めて世に貢献する方を優先します。大きな詐欺は今回のようにまず捕まりますが、
「小さな詐欺」が一定割合で存在し続けることは諦めざるを得ません。
どうしたらいいのでしょうね。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:1, すばらしい洞察)
助教に登用しようってときに、この位は調べてよ、ってこと。
暇人とかいうレベルじゃない。もっとも今回の、ほじくり回して
ここまで持ってきたエネルギーは暇人という称号を与えるに資すると
考えますが。
もとに戻って、私が言いたいのは、
「宇宙飛行士でオリンピック選手で若くして上場企業の部長で」って
主張する人が来たら、その人、採用するか? ふつう、眉に唾つけて
調べるんじゃないの?ってこと。
なんで騙されちゃうかなー。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:2)
重要なことなら調べるでしょう。どうでも良いと思ったんじゃないですか。それが全部本当でも、べつに助教職への採用にそれほどプラスになるとも思えませんし (宇宙飛行士候補は研究内容との関係でプラスになるのかもしれませんが、セルカンさんの研究が何なのか理解していません)。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:1)
事実であれば採用に関係はないと思いますが、もし事実でないとすれば、虚言癖、誇大妄想癖が疑われるので、研究者としての資質にも疑問が生じるのではないでしょうか。
それと、NASAとかオリンピックとか出てくれば、一応、裏を取るべきではないかな、と思います。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:2)
虚言癖を疑う理由がもともとあったなら、どうでもよさそうな主張も裏を取る意味があると思いますが、そうでなければいちいち調べないと思います。
僕はまったく思いませんが、「NASA とかオリンピックとか」ってどういう共通点があるのでしょう。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:1)
まあ、しいていえば、ふつうの人、一般人でも知っている、知名度の高い組織やイベント、っていうのが共通点ですね。「一般受けする」ってところが共通点だと思います。
Re:経歴からして常識外れだろ? (スコア:2)
お返事ありがとうございます。
それだと、「一般受けする経歴は採用時に裏を取るべきだ」という主張をされていることになると思うのですが、僕はその主張に説得力を感じません。一般受けしようがしまいが、研究に関係ないならどうでも良い、という対応はありだと思います。一般受けする経歴の持ち主だというのが採用の決め手なら別ですが。