dancemanの日記: 平井弥之助氏、女川原発を津波から守った1人の男性から学べること 130
日記 by
danceman
宮城県石巻市の女川原発は、福島第一原発と同じく東北の太平洋沿岸に立地し、東日本大震災では高さ13メートルの大津波に襲われたにも関わらず、福島第一原発のような事態に陥る事はなかった。津波から女川原発を守ったのは、1986年に亡くなった元東北電力副社長、平井弥之助氏であったという(本家/.、The Mainichi Daily News、毎日jp記事より)。
869年の貞観大津波を詳しく調べていた平井氏は、女川原発の設計段階で防波堤の高さは「12メートルで充分」とする多数の意見に対して、たった1人で「14.8メートル」を主張し続けていたとのこと。最終的には平井氏の執念が勝り14.8メートルの防波堤が採用されることとなったが、40年後に高さ13メートル津波が襲来することになるとは。氏はさらに、引き波による水位低下も見越していたとのことで、取水路は冷却水が残るよう設計されていた。
「決められた基準」を超えて、「企業の社会的責任」「企業倫理」を追求しつづけた平井氏の姿勢に敬服する。
冷却水 (スコア:5, すばらしい洞察)
氏はさらに、引き波による水位低下も見越していたとのことで、取水路は冷却水が残るよう設計されていた。
防波堤の高さに関するコメントが多いけど、原発のフェールセーフとしてはこっちの見地がすば洞だと思います。
仮に津波が防波堤を超えても、格納容器他のプラントが耐えられれば何とかなるけど
冷却水が無くなれば福島と同じ結末になるでしょう。
防波堤の高さではなく敷地の高さ (スコア:5, 参考になる)
毎日の記事は日本語英語ともに防波堤とはどこにも書いていません。敷地の海抜であることが明記されています。
本家記事を書いた人の勘違いでしょうね。
東北電力の公式サイト [tohoku-epco.co.jp]にも
と書いてあります。
#誰も指摘していないとは
どわ!(Re:防波堤の高さではなく敷地の高さ (スコア:1)
タレコミ文を真に受けて、原発の沖合いには、ダムの堤体みたいな
防波堤が聳え立っているものだとばかり思っていました。
ひねくれてて申し訳ないんだけども (スコア:2)
もし、これで現実の波の高さが15mだったら、どのように評価されたんだろうね?
通知の設定いじったから、ACだとコメントされても気づかない事が多いよ。あしからずw
Re:ひねくれてて申し訳ないんだけども (スコア:1)
感覚的なもので穴がありそうな推定ですが、海水を2メートルにわたって被るのと
20センチ被るのとでは設備が受けるダメージも違うんじゃないですかね?
RYZEN始めました
Re:ひねくれてて申し訳ないんだけども (スコア:1)
バカ?
通知の設定いじったから、ACだとコメントされても気づかない事が多いよ。あしからずw
Re:ひねくれてて申し訳ないんだけども (スコア:1)
現行の制度下だと (スコア:1, すばらしい洞察)
防災に掛かる費用等も全て料金に上乗せ出来るだろうから、
もっと安全側に倒れても良さそうなのに。
Re:現行の制度下だと (スコア:2, 興味深い)
電力料金も安めに設定できるに越したことは無いので、
コストは低い方が電力会社的にも美味しいのではないでしょうか。
// 単価の上昇は、電力消費量の抑制要因になりますので
あと、例えば防波堤を 2.8m 積み上げるための余計なコスト
(金銭だけではなく、施工期間の延長・営業開始の遅延とかも含めた)
を考えると、そうおいそれとは、安全側に倒すのも難しいかと。
女川の防波堤の話は、平井氏の慧眼もさることながら、
平井氏の主張を受け入れた東北電も偉いなぁ、と思うのです。
Re: (スコア:0)
電気漬けの生活状況の中でその程度では抑制要因も大差ないでしょう
消費税やたばこの例しかり。しかも独占企業だし。
平気で人の上に胡坐をかける位でないと東京電力は勤まらない
バカ発見 (スコア:0, フレームのもと)
費用をかけずに上乗せすればもっと儲かるのに
Re: (スコア:0)
株式会社は、現在の株主の利益で最適化されるからね。
将来のリスクっていうのは帳簿に表れない限り、損金にはならないわけで、
自然災害に対しては政府が補償する=保険に入らなくていいという法律にしてしまった段階で、
上乗せされることはありえなくなる。
Re:現行の制度下だと (スコア:1)
政府補償については同意するが、君、財務と税務を混同してない?
無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:1, 参考になる)
リスクを評価した結果安全側に倒した方が得になるって判断したんでしょ。その判断は素晴らしいと思うが倫理とか社会的責任の問題じゃないよ。
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:5, すばらしい洞察)
明確に美談だよ。
恐らく平井氏が出した決断は、彼が生きている間はずっと「無駄で無能の証」として扱われていたと思う。
自分が生きている間に評価される事が無かったとしても、自分の足で調査し、自分の判断を信じて、他人の為に実施できる。
今回、偶然その対策が生きる災害が発生したので脚光を浴びたから、偶然見直されただけ。
他人の為になる事を信念としてもっている人は、それだけで偉人だと思う。
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:1)
普代村の堤防も、今回の災害がなければ、「常に視界に入って息苦しい」「税金の無駄遣い」と言われ続けたでしょうね。
村長は「昭和三陸地震津波」の実体験や、多数残る記録に則って反対を押し切り15mの防潮堤を作った。
これを無駄と言うなら、津波の被害が及ばない高台にのみ住むべきだし、海辺に住むなら過去の教訓に習うべき。
村長の英断が美談なのではなく、過去の教訓に習わない民衆が衆愚なのだけれど、美談にしちゃうんだよなぁ・・・
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:2)
強権・衆愚の中で心折らずに貫くことこそが偉業。
正解を見つけ出すことなぞは、その入り口に過ぎない。
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:1)
これを、偉業、美談とするということは、基本的にはリスクを選択するのが普通ということで。
なら、今回の災害被害は、起こるべくして起こった当然の帰結って事になります。
でも、世間の評価は違うでしょ?
「もっとリスクマネジメントできたはずだ」と、部外者が無責任に言っている。
おかしくありません?
こういった話が、「偉業」で「美談」なのにも拘らず、です。
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:5, すばらしい洞察)
得になったというのは結果論ですね。
発電所は国の基準を満たし、保安院の検査をパスすれば
稼働できるので、それを超える設備を要求し通すというのは個人の努力によるところが
大きいと思いますね。数百年に1度の大災害というような長期的スパンで物事を考え
判断する個人や企業は滅多にいません。
ただ、
>「企業の社会的責任」「企業倫理」を追求しつづけた平井氏の姿勢
という個人の美談に頼るシステム、企業の社会的責任、企業倫理といった曖昧な
概念に頼るシステムは危険でしょうね。
私企業というのは与えられたルールの中で利益を最大化するように行動する機械で、
それに倫理や社会的責任を求めるのは、まあナンセンスだろうなと。
企業倫理や企業の社会的責任というのは美辞麗句のお題目として唱えられてますが
企業は自らの利益にプラスになるときのみ企業倫理や企業の社会的責任を果たそうとする
と思っておいたほうがいいです。
もちろん、倫理や社会的責任を重く見る経営者もいるでしょうが、個人の資質に期待するのは、
とくに公益を担い、原発のような危険を伴う設備の運転を担っている電力会社のような企業に
それを期待するのは、危険ということです。
なので、法律や規制といった形で
>結果安全側に倒した方が得になる
ように持っていくしかないでしょう。今回のことを教訓にそういうシステムを作り上げないと
また同じことが繰り返されると思いますね。
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:1)
>発電所は国の基準を満たし、保安院の検査をパスすれば稼働できるので、
原発関連で特に問題になるのは、その国の基準自体を検査受ける側がお手盛りで都合のいい様にしてしまうところですね。
3.11以前もそうでしたが、3.11後も大飯原発の活断層の扱いに代表されるストレステストの内容等、この点は温存されたままのように感じられます。
さらにそのお手盛りの基準さえ、大飯原発で揺れの耐性が400ガルと公表されていたのが、ひっそりと消され、再掲載された時には説明なしに600ガルに数値が差し替えられてたりするように、危ないとなれば数値の方を変えたり…。
Re: (スコア:0)
> 私企業というのは与えられたルールの中で利益を最大化するように行動する機械で、
> それに倫理や社会的責任を求めるのは、まあナンセンスだろうなと。
三方よしって知ってる?
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:2)
平たく言うと「損して元取れ」ですか。その背後にあるのは、まさに
>企業は自らの利益にプラスになるときのみ企業倫理や企業の社会的責任を果たそうとする
ですよ。顧客の利益と自らの利益(将来の利益を含む)が一致しているときに限り
「三方良し」のような倫理が機能するということでもあるんですよね。
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:1)
近江商人が活躍した時代でも、利害関係は一筋縄ではいかないものだったと思います。
それをひっくるめて「世間よし」に込めた見識はなかなかだと思いますし、
実際、周囲を蔑ろにする商人も少なくなかったでしょうから、理念として
今まで伝わっているのだと思います。
AIJなどを見るにつけても、法律や規制で縛るというにも限界があるでしょう。
システムとして完全なものは望むべくもなし、やはり規制と啓蒙の双方に
バランスよく頼る社会を目指すべきだと思います。その意味で、安易に規制に頼ろうとする
考えにも危惧をもちますね。
Re: (スコア:0)
多くの反対意見を向こうに回して「14.8 メートル」を実現させたんだから、「得になる」なんてソントク勘定だけじゃないでしょ
Re: (スコア:0)
多くの反対意見は「13メートルでも十分損しない事が予想される」という(結果的には甘かった)リスク評価をしただけだと思うけど?
まさか反対意見の人達は人格的に劣っていたから反対していたとでも言うつもり?
Re:無理やり美談に仕立て上げなくても (スコア:1)
幸いなことに反対意見の人に人格的に問題が無かったから最終的に平井氏の意見が通ったんだろう
一方、同じ過去の津波情報を持ちながら無視して想定外ということにした東京電力には人格的に問題のある人しか居なかったのだろう
設備年度は関係ないですね (スコア:2, 興味深い)
最初から、岩盤削ってまで海抜が低めに立ててるのはヤベーと思ってたもののターンキー方式
だから口出し出来なかったとNHKの番組で元東電の重役が告白しています。
岩盤を削ってまで低く立てたのは、主にGEのポンプの汲み上げ性能の問題と言われています。
あとはアメリカの設計そのままだからハリケーン対策しか考えてなかったという話も。
古いとか新しいとかは関係ないですね。
ETV特集 原発事故への道程(前編)「置き去りにされた慎重論」
ETV特集 原発事故への道程(後編)「そして安全神話は生まれた」
Re: (スコア:0)
社会的責任じゃなけりゃ趣味か?
なんでそんなに反発したいのか知らないけど、迷惑かけないようにという責任以外に何かあるのか?
Re: (スコア:0)
> リスクを評価した結果安全側に倒した方が得になるって判断したんでしょ。
最終ポジションが副社長と言っても、技術系の経歴の人みたいだし、上から与えられたミッションの中で彼が最優先すべきと考えた事柄が「リスク重視」だったのだと思うよ。
たぶん、リスクとコストの兼ね合いで云々と言う話ではないと思う。
もしこの人がリスクとコストの兼ね合いを考える経営志向の人なら、電力会社は(国策上)無責任なやり方を許されていたのだから、もっと「リスク軽視」の判断をして、副社長ではなく社長にまで上り詰めていたかもね。
> その判断は素晴らしいと思うが倫理とか社会的責任の
Re: (スコア:0)
企業の中で収益に関係する事柄で周りと反対の意見を簡単に押し通せると思う?
信念というか、起こりうる事態で被害を受けるようなことになるのは、「倫理に反し」「社会的責任を果たせない」から、
っと思ったんだろうと思うけどな。その結果、企業のためでもある、位の考えだったんだろう。
いやそもそも (スコア:1)
Re:いやそもそも (スコア:1)
プーチン曰く
「日本は地震危険地帯に原発を建設した。理由は分からないが、それが彼らの選択だった」
メドベージェフ曰く
「強い地震や津波が発生しうる地域での原発建設を国際的に規制するべきだ」
ロシア人は常識的な考え方を持っている気がする。
Re:いやそもそも (スコア:2)
https://sites.google.com/site/hamaokareport/earth [google.com]
環太平洋の相当広域の国家群っていうか日本が
おかしいよね?
むかしの地震の記録では、 (スコア:1)
次からは (スコア:0)
災害が起こる前に評価しようね
Re:次からは (スコア:3, すばらしい洞察)
昔だからこれでよかったけど、
最近になって、震災前にこんなこと主張したら、即却下されて低い堤防作ってたろうなあ。
震災後はどうかというと、無限大の安全要求と予算不足で、何も作れずに先送り。
Re:次からは (スコア:1)
Apple新製品発表の時は、ストーリー掲載まで半日かかっただけで「何やってんだ」とまで言われたものですが。
関連記事に (スコア:0)
ミログはないの?
アレも企業倫理の問題だったと思うのだけどね
つまり (スコア:0)
十分想定できたにもかかわらず(当てずっぽうで14.8メートルと主張したわけじゃなくて貞観地震の記録とか調べたそうだし)想定外ということにして福一は責任を逃れたと。
Re:つまり (スコア:2)
どう考えても想定するべき範囲だよなぁ,,,(地図の向きに注意) [mlit.go.jp]
てか、データがあるんだから地方別に記録されてる最大高をプロットした図くらい作っとけと(ry [bousai.go.jp]
逆に浜岡の21mは悩む。 (スコア:2)
やっぱ18mじゃなくて21mにするわ。
もちろん,費用はおまえら持ちでな!
みたいな役人はどう評価すべきか悩む。
つまりは,データの揃ってくる今ぐらいまでは,
原発は停止すべきじゃなかったし,具体的な対策はさせるべきではなかったよーな。
担当者がとっても気の毒。
Re:つまり (スコア:1)
80cmも当てずっぽうで、しかも説得力のある数字だったって?
調べ方はいろいろある。
過去の津波の最大高を調べるにはそれが貞観地震のものであると特定する必要はないからな。
どこまで到達したのかを伝承その他で調べて地勢図と照らしあわせれば数字を出すには十分と言える。
あるいは「神社が津波でやられたら津波が来なかったギリギリの場所まで登って再建される」という仮説で神社の場所を地勢頭上にプロットしてみるとかな。
同じ等高線上に並べばアタリだ。
16mの波だったら (スコア:0)
やっぱり叩いてたんだろ?
Re: (スコア:0)
それは、この14mという算出根拠を考慮しないと意味の無い話なんでは。
Re: (スコア:0)
算出根拠を考慮してたうえで、16mの波だったら「しかたないよね〜」で済んだか?
って話なんでは?
Re: (スコア:0)
防波堤の高さより波が高かった場合、防波堤の高さによって
被害の程度って変わるんでしょうか。
堤を越える水量はもとの防波堤の高さに影響されるので被害を低減
するとも言えますが、高波が長時間続くと考えると最終的には高波の
高さまで浸水してしまうわけで。
Re:16mの波だったら (スコア:2, 参考になる)
例えば,釜石港の6メートルの防波堤は,市街地への浸水を6分間遅らせ,
10.8メートルの津波の高さを湾内で2.6メートルに低減する効果があったそうです。
世界最深・釜石の防波堤、津波浸水6分遅らせる : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) [yomiuri.co.jp]
学ぶこと? (スコア:0)
・権力を持つことが重要。
・無駄かどうかはずっと未来でないと判断できない。
ぐらいか。
Re:学ぶこと? (スコア:2)
女川原発の設計当時、もう副社長だったんでしょうか?
ストーリーの 毎日 jp 記事 では、当時、電力中央研究所の技術研究所長だったように読めます。
平井は宮城県南部の船岡(現柴田)町出身。東京帝大の土木工学科を出て電力王・松永安左エ門(1875~1971)の東邦電力に入社。日本発送電を経て戦後は東北電力に移り、62年、副社長でやめた。
その後は師の松永が設立した電力中央研究所の技術研究所長になった。68年、平井は女川原発を設計する東北電力の海岸施設研究委員会に参画し、津波対策を熱心に説いた。
# 平井氏の経歴は検索できませんでした。
Re:さて、バックアップ。 (スコア:1)
># 意図は読んでね
そんな言い方しかできないから満足にお茶も淹れられないのだわ。