東京地裁,1953年公開の映画は「著作権切れ」と判断 97
ストーリー by mhatta
リンク先のキネ旬の見解が泣ける 部門より
リンク先のキネ旬の見解が泣ける 部門より
KAMUI曰く、"MSN毎日インタラクティブの記事に依ると,2004年1月1日に改正された著作権法による「著作権保護期間の延長(50年→70年)」が 1953年公開の映画に適用されるかで争われていた「53年問題」について,東京地裁は著作権保護期間満了との判断を下し,パラマウント・ピクチャーズ・コーポレーションの仮処分申請を却下した。
参考:以前のストーリー
今回の裁判においては文化庁が示した「12月31日24時と1月1日0時は同時」と言う見解に対して法的な解釈がどうなるのかが注目されていたが,「著作権法は保護期間を年単位で定めており(53年作品の保護期間は)12月31日で満了した。改正法は1月1日時点で著作権が残っている(54年以降の)映画のみに適用される」との判断を示した。この決定が確定すると,1953年に公開された映画はパブリックドメインとなる。
なお,パラマウントは知財高裁に取り消しを求める手続きを検討しているとの事。"
判決文へのリンクその他 (スコア:5, 参考になる)
35 :名無しさん@恐縮です :2006/07/11(火) 18:46:53 ID:HjiDVtpc0
決定文 [courts.go.jp]
36 :名無しさん@恐縮です :2006/07/11(火) 19:12:54 ID:3x1yc3jx0
この判決、ちょっとすごいぞ。
保護期間が昭和45年12/31までの著作物が
昭和46年1/1施行の現著作権法で保護されるという解釈が
そもそも間違っていて、
間違った解釈に基づく運用を保護する必要はないから、
今回は延長を認めないって議論だ。
運用期間が長いから、昭和45年から昭和46年への
切り替えが無効になることはないとおもうけど、
その切り替えがそもそも誤りとは、大胆な判決だ。
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:5, 興味深い)
"本件改正法附則2条の適用関係に関する文化庁の上記見
解は,従前司法判断を受けたものではなく,これが法的に誤ったものである以上,誤った解釈を前提とする運用を将来においても維持することが,法的安定性に資することにはならない。"
と言いきっちゃってるんですから、なかなか胸のすくような判決ですね。
法の最終的な解釈を行うのは裁判所であるにもかかわらず、事件に際してしか解釈しないという日本の司法制度の特徴(欠陥ではない)が出ている例かと思いました。
------------------------- Excess and Obsolete
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:5, 興味深い)
個人的には産経新聞記事 [sankei.co.jp]での
に胸がすきました。一刀両断ですね。
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:3, すばらしい洞察)
そもそも12月31日午後12時は12月31日に入らないんじゃないでしょうか、午後11時59分59.99999....っていう限界時間までが12月31日だと思います。
それが一般的に理解されてる、とかいうので通じるなら、テレビとかでよくある26時から放送っていうのも通じているから、時効の次の日の午前2時に逮捕しても前の日の26時に逮捕した、とかいうのが通じてしまう気がします。
------------------------- Excess and Obsolete
関係ないけど (スコア:3, おもしろおかしい)
1分を128秒。1時間を128分に、1日を16時間。一週間を8日。1ヶ月を32日。という風にすればいいと思うんだが。
Re:関係ないけど (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:2, 参考になる)
午前12時? 午後0時?
http://jjy.nict.go.jp/QandA/12am-or-0pm-J.html
//Sinraptor
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:1)
午前12時、真昼間
午後0時、真昼間
午後12時、真昼間
あぁ、もっと寝たいよ。
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:1)
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:2, 興味深い)
そもそも(Re:判決文へのリンクその他) (スコア:1)
Re:そもそも(Re:判決文へのリンクその他) (スコア:2, すばらしい洞察)
法律屋のコメント (スコア:1, 興味深い)
>文化庁見解は要するに実質立法者の意思であって(中略)、今回これが否定されてしまったわけですので、個人的にはかなりの衝撃です。
だそうです。「やっぱり高部裁判長」という感じらしい。
しかしまあ、法の世界というのはよくわからんものですね。
Re:法律屋のコメント (スコア:3, すばらしい洞察)
同意。
というか、先のblogを読んでみても
(強調は引用者)
法律ってのは条文に書いてあることがまずは第一義じゃないかと思うんですが…。
別の箇所にこうとも書いてますが、「条文を素直に読んで解釈し実行した」人は「正直者」じゃないんですかね?
「立法者の意思」なんてもんは、条文に書いてなければ何の意味も無いと思うんですが(もちろん条文の解釈自体は判例という形で補完されていくにしても)
今回の件は「条文を素直に読めば」53年映画は著作権が切れると解釈できるわけで(少なくとも一般人のセンスではそう取れる)、それを「立法者の意思」とかいう正体不明のものに影響されて捻じ曲げようというのは少なくとも法治国家ではやっちゃいかんでしょう。
それを「かなりの衝撃」と言ってしまうのはほんと「法の世界ってのはよくわからん」ですね…。
Re:法律屋のコメント (スコア:3, すばらしい洞察)
Re:法律屋のコメント (スコア:2, すばらしい洞察)
参考までに、(おそらく)現役官僚の手になる blog である bewaad institute のエントリ [bewaad.com]から、官僚のお一人の考えを引いておきます。
とあり、裁判官が「立法者意思を無視」することは充分可能だという意見が、法案の作成者の側にすらあることが分かります。また、法哲学者の blog である「おおやにき」のエントリのコメント [zive.net]に、MORITA氏という方の
というコメントがあり、おおや氏はこのコメントを肯定的に引用しています [zive.net]。
ということで、私は、裁判官が「立法者意思」を結果として無視することは、別にあっても構わないのだと理解しています。
# 私自身は法学徒ではないので、異論や補足がありましたら、
# 私にも参考になりますので、どうぞお願いします。
ただ、政府提出法案は、国会への提出までに省庁内部の議論や内閣法制局による審査を経るわけで、立法者意思が明確でないような条文は滅多になく、さらにそれが裁判で争われて立法者意思が否定されるような事例はごく稀なのでしょう。そういう意味ではたしかに「衝撃的」なのでしょうね。
今回の判決自体が法学的に見て妥当かどうかの判断は私の能力を越えますので、いまいち歯切れが悪いですが、ご参考まで。
Re:法律屋のコメント (スコア:1, 興味深い)
> 立法者の意思
前者がかのoffice氏を有罪にした「文理的解釈」、後者が「法理的解釈」という奴ですね。
Re:法律屋のコメント (スコア:1, 興味深い)
と考えると、この件も丁度系-松下の件も、「厳密に法の解釈を行う」の点で高部判事の判断に一貫性があるのかな、と思いますね。
Re:法律屋のコメント (スコア:1, おもしろおかしい)
法律は意図したとおりではなく、書かれたとおりに適用されます。
条文としてリリースした以上、それが仕様なのです。
Re:判決文へのリンクその他 (スコア:4, 参考になる)
第五十一条第二項、第五十二条第一項、第五十三条第一項又は第五十四条第一項の場合において、著作者の死後五十年、著作物の公表後五十年若しくは創作後五十年又は著作物の公表後七十年若しくは創作後七十年の期間の終期(註:要するに著作権の保護期間)を計算するときは、著作者が死亡した日又は著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する。
違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:5, すばらしい洞察)
でのキネマ旬報映画総合研究所・掛尾良夫所長の話
安価なDVDが出回ることは、映画界にとって歓迎すべき決定ではない。
個人的にも、映画が文化というより消費財になっていくようで違和感を感じる。
ワーナーとかが出していて巷で出回っている1,000円とか1,500円のは
安価なDVDじゃないということですか。
あと、安く売られるから消費財と感じる方に違和感を感じるのだが。
クラシックのCDだってダイソーなんかで100円で売られたりしてるけど、
クラシックが消費財になったと感じるんだろうな、その人は。
Re:違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:5, 参考になる)
「消費財」の対義語は「投資財」のようです。
つまり、「持っていることでお金を生み出す」か否かで
「消費財」(お金を生み出さない)、「投資財」(お金を生み出す)で区別されるようです。
これが言いたかったことなのでしょうか。:p
Re:違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:2, すばらしい洞察)
/K
Re:違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:1)
上を見上げる
# 言いますよね? by ラヂオの時間
ジェネリック医薬品みたいなもんで (スコア:4, すばらしい洞察)
Re:違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:4, すばらしい洞察)
「ワンコインで買えるなら買ってもいい」層が充分に存在すればそんなこともないだろう。
「映画が文化というより消費財になっていく」というのは、一部の金持ちが勿体をつけて薀蓄を語るようなものじゃないと
文化じゃないとでも思ってるんですかね。
#48時間で消えるDVD [srad.jp]みたいなのばかりになるんだったら、そりゃ消費財かもしれないけど。
Re:違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:3, すばらしい洞察)
Re:違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:2, おもしろおかしい)
# ゼノンのパラドックスみたいな主張だなぁ。
Re:違和感を感じるというコメントに違和感 (スコア:1)
著作権法の改正の仕方に違和感 (スコア:3, すばらしい洞察)
保護期間を延ばしていることに違和感があります。
本来ならば、創作・公開された時期に施行されていた法律に基づいて
保護期間を適用すべきではないでしょうか。
流通コストなど変化は数多くあると思いますが、
遡って法律を適用するほどの理由にはならないのではないかと。
この裁判は、著作権法の適用のされ方に疑問を持つ消費者が
増えるきっかけになるかもしれませんね。
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
わたしおもうんだけど (スコア:1, すばらしい洞察)
ということですか。
>安価なDVDが出回ることは、映画界にとって歓迎すべき決定ではない。
夏休みだっていつかは終わって宿題出さなきゃならないんだ。ちったぁ大人になれよ(藁
Re:わたしおもうんだけど (スコア:2, 参考になる)
日本の著作権法およびベルヌ条約は無方式主義ですので、何も表記しなくても権利は発生します。
大国アメリカが万国著作権条約のみだった頃はまだ意味がありましたが、1989年にアメリカもベルヌ条約に加盟したため、今では © マークによる権利表記はほぼ無意味ですね。せいぜい、氏名表示権の行使ってところでしょう。
© マークを正しく使ってない人は、
> ©マークに発表年の表記がないものとか頻繁に見かけるので
> >著作権が永遠に続けばいいのに。
> と思ってる人は多い気がする。
なんて深いこと考えているわけではなく、
正しい © マークの使い方を知らないまま、
なんとなく格好良さそうだから © マークを付けてる人なんだと思います。
裁判長がね (スコア:4, すばらしい洞察)
Re:裁判長がね (スコア:5, おもしろおかしい)
Re:裁判長がね (スコア:1)
http://d.hatena.ne.jp/ryo220/20050202/1107328167
違和感を感じる? (スコア:1, 興味深い)
「ローマの休日」や「第十七捕虜収容所」のDVDが安価に出回ることの悪影響ってなんだろうね。
Re:違和感を感じる? (スコア:1, 興味深い)
--
ちなみに、映画音楽はまだ著作権が切れていません。原作者の映画に対する権利は映画と共に消滅しますが、音楽はそうではないので。ローマの休日のBGM作曲者は1983年没なので2034年1月1日にパブリックドメイン化。
著作権切れ映画収集サイト (スコア:5, 参考になる)
Re:著作権切れ映画収集サイト (スコア:1, 興味深い)
あと、配布にはTorrentを使ってるみたいですが、こういう(「行き渡ったら終了」ではなく)「ライブラリ的な」ファイル共有には、より多くの転送に協力した人に何かしらのメリット(自分がダウンロード側に回ったときに優先的に繋がるとか)が与えられるシステムの方が適しているのかも、とちょっと思ったり。
Re:著作権切れ映画収集サイト (スコア:3, 興味深い)
なんでも元フィルムは古い映画館などから発掘してくるそうです. 香港とか, そのあたりが多いみたいですけど.
ですから画質や音質(当時は光学式が主流ですから)のほうは推して知るべしで, 映画は大画面でっていうような用途にはあまり向きませんし, 「ローマの休日」と言えばメーテルとジェットストリームに限るという人にも向かないでしょう.
Re:違和感を感じる? (スコア:4, すばらしい洞察)
> 安価なDVDが出回ることは、映画界にとって歓迎すべき決定ではない。
「映画界」ではなく「映画業界」の言い分だね。
ちょっとした疑問 (スコア:1, 興味深い)
だって、12月31日24時なんて物は存在しないので、1月1日0時0分0秒に著作権期限切れと改正法の適用が同時に起きているので、同時ということは、改正法が適用されるその瞬間、その時点では間違いなく著作権期限は切れているのですから....。
では、もしも、もしもですよ、うるう秒が、もし、関わっていたとしたら、どうなるんだろうね?
日本では、うるう秒は9時に挿入されるみたいだから問題は無いと思うけど、UTCな国の場合はどうなるんだろう?
UTCの場合の閏秒 (スコア:2, 参考になる)
ということです。UT時の場合挿入される閏秒は前年の最後の1秒になるのが興味深いですね。ですから世界的に閏秒でのズレはないということでは。
Re:もしも、もしもですよ、 (スコア:1)
5分後の世界 (スコア:1, すばらしい洞察)
「12月31日24時5分と1月1日0時5分は同時」って言ってるのと同じで
実は何の説明にもなってないような気もする
法的には24時00分00秒という時刻は存在するのかな?
Re:5分後の世界 (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:5分後の世界 (スコア:1)