「日本の教育は詰め込みばかり」という説の検証 183
ストーリー by hylom
よくある話に 部門より
よくある話に 部門より
「日本の教育は知識の詰め込みばかり」という話はたびたび聞かれる。また、最近では「日本の子供は応用力がない」という話も出るようになっているそうだ。しかし、その根拠の1つとされている国際学力調査PISA(Programme for International Student Assessment)の結果を見ると、必ずしもそうだとは言えないという(Synodos)。
実際のPISAの結果を見ると、日本の子供の読解や数学、科学リテラシーについていずれも比較的上位の成績となっており、この結果からは「詰め込みばかり」「応用力がない」とは言えないという。
さらに、記事では日本の学力・学習状況調査についてそのテストがどのような能力を測るものなのかや、テスト事態に関する統計的な分析はされていないと批判。結論として、「問題があるのは日本の子どもではなく、いい加減に教育を論じる大人たちの方ではないか」としている。
そもそも『応用力』って (スコア:3, 興味深い)
いつも思うんだけど、
何を以て『応用力』って言ってるんだろうね。
例えば『応用力』を
雑多な知識から特殊性をそぎ落とし、
体系化・一般化・抽象化されたものに基づいて、
演繹的に考えられる能力
と言うのであれば、ある程度詰め込まんことには始まらない。
Re:そもそも『応用力』って (スコア:2, 興味深い)
ゆとり前世代なんだけど、詰め込みが悪いんじゃなくて内容が画一的だったのが問題だったんじゃないかと思うんだよね。
そこから脱するために悪名高きゆとり教育となったわけだけど、詰め込む量は減ったけど内容は画一的なままで、多様性を自主性に任せたせいで失敗したのではないかと。
Re:そもそも『応用力』って (スコア:1)
学校で教わってないから分からないと言って、思考停止しないしない力。
Re: (スコア:0)
抽象化は確かに知識も必要だけど、知識だけではなかなか出来るようにならないかと
例えば数学で初めて見る問題が出た時に、知らないからとすぐに諦めてしまうと伸びない
でも知識を教える方が成果が見えるので塾では詰め込みになってしまう
酷いのになると「考えるな」とか言ってるらしい、疑問持たずに教えられた通り解けだってw
Re:そもそも『応用力』って (スコア:2)
制限時間の厳しいペーパーテストの応用問題で高得点を得るには「多くの問題を解いて、解法を暗記しておく」が最も重要だからね。類似の問題を解いた経験があれば試行錯誤の時間を大幅に省略できる。
本気の応用力を求めるのなら、問題に対して如何に多くの手段が取れるか(解決方法を増やす)方向で試験をやらなきゃ駄目だと思う。
Re:そもそも『応用力』って (スコア:1)
> 特に初めての問題の時は、自分で仮装問題作って解いてから取り組んだりしてたな
仮装問題が出てくるのは京大の卒業式くらいでは?
Re:そもそも『応用力』って (スコア:1)
# どっちにしろひどいのでID
Re:そもそも『応用力』って (スコア:2)
難関大学の2次試験を時間内に全問正解出来るなら、多分「神童」とかのレベルですよ。
高校の学習範囲を逸脱した問題は(原則)無い筈なので、覚え忘れがなけりゃ時間をかければ解ける。だが無制限に時間を掛けていいのは趣味だけだ。
Re:そもそも『応用力』って (スコア:1)
何十年も前の京大の数学しか知らないけど(当時だと二落三通で、6問中3問解ければ合格と言われていた)、あれに対応できるだけのパターンを覚えるくらいだったら、基礎を理解して自分で考えるほうがよっぽど楽だと思いました。
Re:そもそも『応用力』って (スコア:1)
> 基礎を理解して自分で考える
これができるようになるまではたいていの人は反復練習をやる
> 解法パターンの暗記
暗記といっているが、これも体得するまで反復練習をやる
単純に前者のほうが難しくて多くの人間には無理なんだよ
それにあわせて社会が出来ている
Re: (スコア:0)
知識は無形の道具ですからね。
道具を与えずに「使い方が悪い」というのも変な話です。
Re: (スコア:0)
詰め込んだ事柄から判断するなら、演繹的ではなく帰納的な思考なので、応用とは言わんよね。
詰め込まむのではなく、(理想的には)定義や公理のみを元にして、演繹的に思考することで、解決できるようにするのが応用力なんでは?
Re: (スコア:0)
数学とかなら普通だけど
他の分野だと、そこまで行くと創造性のレベルかと。
抽象化の過程は帰納的思考そのものだけど。
PISAねえ (スコア:1)
PISAを受験してるのって誰なの?
Re:PISAねえ (スコア:3, 参考になる)
PISAを受験してるのって誰なの?
15 歳児に関する国際定義に従って,日本では,調査対象母集団を「高等学校本科の全日制
学科,定時制学科,中等教育学校後期課程,高等専門学校」の 1 年生,約 115 万人と定義
し,層化二段抽出法によって,調査を実施する学校(学科)を決定し,各学校(学科)から
無作為に調査対象生徒を選出した。調査には,全国の 198 校(学科),約 6,600 人の生徒が
参加。
2015年度OECD生徒の学習到達度調査 PDF 6ページ [nier.go.jp] より
Re:PISAねえ (スコア:1)
「全国の 198 校(学科),約 6,600 人の生徒」
の学力分布は日本の高校生全体のそれと同じ割合になっているのかどうか。
進学校ばかりではないのか。
198校の学校名が知りたいものです。
Re:PISAねえ (スコア:3, 参考になる)
進学校ばかりではないのか。
前の引用で示したように,学校の抽出,学内の生徒の抽出の二段階に分けて層化二段抽出法で
受験者は選ばれているため,学力が高い方に偏った生徒が選ばれる仕組みになっていません.
詳しくは二段抽出法(標本調査とは?~調査のしくみと設計~) [stat.go.jp]
層化抽出法 [wikipedia.org]をご覧ください.
198校の学校名が知りたいものです。
層化二段抽出法で選ばれたという説明が信頼できないのなら,
選ばれた学校名が説明されてもそれが本当か信頼できないので,
学校名を公表するかどうかの問題ではないように思います.
Re: (スコア:0)
もしかして:ゆとり世代
Re:PISAねえ (スコア:2)
>ゆとり世代
この言葉を使いたがるヤツって「いい加減に教育を論じる」の代表だな。
the.ACount
算数は国語 (スコア:1)
リンゴ2個を3人分用意するとき全部でいくつ?
間違い:3×2=6(個)
正解:2×3=6(個)
Re:算数は国語 (スコア:2)
小学校の文章題としてはそれなりの意味がある、という話も。
問題を充分に理解せずに、出てきた数字を適当に計算して答にしてしまう子供もいるらしいんだよね。
交換則とか知ってるわけでもなく、本当は文章を理解していないのに、適当なまぐれで正解してしまっている解答を除外するにはしかたがない、とぼくは思うようになりました。
Re:算数は国語 (スコア:1)
いずれ非可換の代数をやるときのためのトレーニングなんだよ。
今行列でさえ高校ではやらないらしいけどね。
Re: (スコア:0)
こういう、小学校のその時にしか通用しないルールを教えることは害悪だと思う。
Re: (スコア:0)
3(人)×2(個/人)=6(個)
2(個/人)×3(人)=6(個)
どっちでもあってるのにねぇ。
✕ 3(人)×2(個)=6(個)
◯ 2(個)×3(人)=6(個)
とか教えてるところが合ったら酷いなぁ。
俗流教育論を峻別するべき (スコア:1)
もと記事はこう続けている
闇雲に教育を変えようとするのではなく、まずは、PISAで利用されているような、日本の現状を把握するために必要となる、教育測定や社会調査を学ぶことから始めるべきだと思います。
自分の「経験」と「印象」を追認するような、根拠無き教育論を信奉する大人が多いんだろう
詰め込み教育は実は正しい (スコア:1)
ただし評価の仕方が間違っている、日本のテストはどれだけ正しく記憶を再現できるかゲームになってるのが問題(つまり暗記ゲーム)
元々100覚えて99忘れる前提で何度も覚える→忘れる→確認する→覚えなおすのサイクルで記憶してることは脳科学で解明されてる
だから忘れることを恐れず膨大な情報に接する事と一つの物事の反復練習が必要、それを続けていくとある時ニューロンネットワークの効率が飛躍的に高まり
天才的な能力に達する事も夢ではない
数学でも本を読みまくり問題を解きまくって自分の脳の中の数学ネットーワークを徹底的に強化していくとある時驚くほど数学が理解できるようになるはず
ただ詰め込む順番が重要、必ず理解できるレベルから始めないと何年たっても分からないまま
応用力が無い (スコア:1)
「そこさ、それを単純にコピペじゃなくて、
そこから応用発展させて考えるとかしないと」
「その方が良いんですか?」
「うん。この場合はそうだと思うよ」
「わかりました」
〜翌日〜
「おお素晴らしいじゃない」
「ありがとうございます」
「なんで最初からそうしなかったの?」
「だって応用しろと言われてなかったので」
ポイントはここだと思う。
応用が出来ないんじゃない。判断が出来ないのだ(実話)
Re:応用力が無い (スコア:1)
自分の頭で考えろ(=判断しろ)
と言ったその口で
言われたことだけやれ(=判断するな)
と言う人に会ったことはありませんか?
わたしはあります。
(満を持して)家庭用ゲーム機が原因 (スコア:1)
ゆとり教育だの詰め込み教育だの言ってるけど関係ない。家庭用ゲーム機が子供たちの脳を壊したのが原因。
いい加減に教育を論じる大人たち (スコア:1)
ものすごく!そう思う。
the.ACount
教育を論じる人の利害が影響してるせい? (スコア:0)
Re: (スコア:0)
「応用力のある=すぐに実戦に投入できそうな労働者」を欲しがる経営者は多い。
「応用力のある=なんだか稼いでくれそうな子供」を育てたい親は多い。
「応用力=基礎力がなくてもできるチート」だと思っている人が多いのだと思う。
詰め込み説自体、物書きの他人とは違うアピールでしょ (スコア:0)
根拠もなく集団にレッテル貼って、本や講演で儲けて飯は美味しいのかな。彼らの方が差別主義者だ。
Re:詰め込み説自体、物書きの他人とは違うアピールでしょ (スコア:3, すばらしい洞察)
どこかにいる小集団とか以前に、教育の話となると有象無象が自分の経験だけを元に全体を語ろうとするからアレなんじゃないですかね。
ここでも教育関連のストーリーになるとダメ教師に当たった経験を元に現代教育を語ったり、
ひどいと数十年前の教科書を元に今の教育を語るとか居たりするわけで。
詰め込み教育ってのも別に評論家とか物書きとかだけじゃなく、大勢が語ってるでしょ。
Re:詰め込み説自体、物書きの他人とは違うアピールでしょ (スコア:1)
これは全くその通り。
そしてスラドにも居ない訳では無い教職関係者が、まともに発言しないのは
現場の制限を無視した空想SF世界を前提としている人や、
教育工学的な見地なしで理想論と精神論で解決できると思い込んでる人が多すぎるから。
だって今回のストーリーで
・予算や技術、時間的制約事項
・具体的解決方法
などの理系なら当然問われるであろう工学的視点の投稿が何個ある?
具体的な数値どころか、予算や時間数といった関連ワードさえ出てこない議論って、
ちょっとしたアニメの感想レベルなのでは。
Re:詰め込み説自体、物書きの他人とは違うアピールでしょ (スコア:1)
書き方が悪くて分かりにくかったですかね。
別に全体を詳細にわたるまで研究しなきゃ全体を語っちゃいけないって言ってるんじゃなくて、
個人の狭い経験を元に「それが全体の傾向であるかのように」語っちゃダメなんですよ。
自分の経験が狭い範囲のものだと自覚し、色んなものを見て自分で消化した上で、自分なりの考えを語るのはいいんです。
でも例えば見たことがあるのだと
「体育では、測定するだけで体の動かし方を教えたりはしない」とか、
「算数では、特定の順番で書かれた回答しか認めない」とか、
「国語では、漢字の書き順やとめ、はねに滅多やたらこだわる」とか、
「理科では、体験型学習なんて数人がやらされるだけで自分は見てるだけだった」とか、
そんなことを語られて賛同者がたくさんついたとしても、「現代の日本の教育現場」という話題からは解離してるわけで。
(ある学校のそういう教師を叩く、という論旨なら理解はできるよ。あくまで「現代の教育を語る話」においてのことね)
Re:詰め込み説自体、物書きの他人とは違うアピールでしょ (スコア:1)
べつに語るのは勝手だけど、政策に関する判断は数字をベースにしないとマズイでしょ。
印象論だけで方針を決めていったらエラいことになる。
Re:詰め込み説自体、物書きの他人とは違うアピールでしょ (スコア:1)
でも二度目は喜劇
# ビスマルクは「賢者は歴史に学ぶ」などとは言ってません。もっと謙虚に「私は他人の経験に学びたい」と言っていたはずで、この他人というのはどうやら同時代あるいはちょっと前のフランスのことっぽいです。実際のところビスマルク自身は19世紀、つまりそれまでのヨーロッパが経験しなかったナショナリズムの世紀を生きた人で、ときに正しくナショナリズムを恐れ、ときにうまく利用しました。単に歴史から学んだだけでは新たな流れに対する優れた対処はやはり無理で、隣国で実際に起きていること(19世紀ナショナリズムの起爆点はフランス革命です)を見て理解することが必要であり、実際にそうしたのでしょう。そういう人が「賢者は歴史に学ぶ」などというはずがありません。
Re:詰め込み説自体、物書きの他人とは違うアピールでしょ (スコア:1)
そんな小が大を食う様な=極めて稀な例外的事件をあてにする方がおかしい。
一度で壊滅しなければ、次回にはそれは既に歴史上既存の事態。
# 繰り返される歴史を初めての事件の様な気になって対処しているが、大抵それは工学で謂うところの「車輪の再発明」。
Re:詰め込み説自体、物書きの他人とは違うアピールでしょ (スコア:1)
歴史上初の事態に遭遇した賢者はどういう判断をするんでしょうか?
「こんなの歴史に無かった!」ってフリーズ起こすの?
歴史上初、ということは愚者も経験したことは無いのでは?
Re: (スコア:0)
教育論って健康論と同様に香具師みたいな連中の商材に向いているからね。
応用力も教育勅語も水からの伝言も江戸のしぐさも彼らにとっては一緒、安物でも元手が只でも偽物でも旬を見て売れば高く売れる。
まあ香具師みたいとかレッテル貼りもよくないけれど。
応用力とは (スコア:0)
一元化して異物は排除し、没個性をそだてるカリキュラムである以上。
教師と教材作成者と生徒の地力の最大公約数以上は望めないし、故に応用力なんか育つはずがない。
Re:応用力とは (スコア:3, すばらしい洞察)
それが「いい加減に教育を論じる大人たち」の主張というわけですか。
Re: (スコア:0)
金太郎飴の大量生産をやめるだけでもだいぶ変わると思うが
議論するには常識が必要 (スコア:0)
基本的知識というのは、詰め込むしかないのだ。
詰め込んだ基礎知識が無ければ、それらを応用したものの議論なんてできないことが多い。
例えば、タイムトラベルしたとして、パソコンのことなんかまったく知らない明治時代の人間とWebのセキュリティの議論なんかできるわけがない。
基礎知識というのは、ベースであるがゆえに詰め込むしかないのだ。
まあ、大学レベル以上の高等教育となると、詰め込まれた常識そのもののあり方自体から遡って議論することになるので、別の能力が必要であったりもする。それでも、基礎となる読解力と論理的思想ができなければ、何の意味もない。
Re: (スコア:0)
言葉の定義から始まって、共通の知識ベースがないところでは、議論なんか成り立たないのだ。
学校や教師のやることは全否定する子が多いし (スコア:0)
なんも検証なんてされずに言ってるだけよね
Re:他人の気持ちを想像する能力 (スコア:2)
>登場人物の気持ちを想像する読み
そういう問題は、最近はなくなったと思います。っていうか、むかし、
バイトで予備校に入っていたときでもそうだったから、たぶん20世紀の
終わり頃にはそういう流れだったんだろうと。
とはいえ、私大のド文学の教授あたりが作ると、「あくまで個人の感想です」とか、
「独自研究 要出典」的な問題だったのは甘酸っぱい思い出。本文には関係のない、
夏目漱石の個人史を知らないと分からないとか、どうしろというのか〜、と叫んでみたり。
Re:他人の気持ちを想像する能力 (スコア:1)
登場人物の心を推し量る問題は今年のセンター試験でもバッチリ出題されていますねえ
Re:他人の気持ちを想像する能力 (スコア:2)
あ、ホントだ。ご指摘ありがとうございます。
センター試験は、まだこんなことやってるんだぁ。
かんがえてみれば、二次試験ばっか指導してたから
センターのことを忘れてました。お恥ずかしい。