映画「ベオウルフ」にみる日本の3D映画事情 175
立体的事情 部門より
saratoga 曰く、
近頃、またまた(人生何度目のブームかな)3Dが熱いそうである(日経トレンディの記事)。12月には、BSで立体放送も始まるそうだが、今回のブームの一番の原動力となっているのは、間違いなくハリウッドだ。これまで3D映画というと、イコールB級映画ということになっていたのだが、2005年のShowWestでの記者会見で著名な映画監督が「これからの映画は3Dだぜ」とぶち上げてから、まともな脚本をまともな役者が演じて、まともな監督が撮るという流れができあがってきた。STAR WARSの3D版もそのうち出てくるようだ。また、アメリカ人は、3D映画に気前よくお金を出すらしい(CNET Japanの記事)。そういうわけで、アメリカでは、3D映画が上映できるスクリーンもどんどん増えていくようである。3D作品が増え、スクリーンも増え、観客も増え、興行収入が上がる。ますます3D化に拍車がかかりそうだ。
(つづく...)
ところが、日本ではどうも事情が違うようである。ハリウッドが放つ2007年暮れの3D大作が「ベオウルフ」。 実写ぽいが全編CGというこの作品、日本以外では当然のことながら、3Dで公開されるが、日本では2Dでしか公開されない気配。確かに日本には、3D対応のスクリーンが少ない。 REAL-D方式でこれまでに上映したのが、わずかに全国で3館しかない(3D-Readyなスクリーンはもう少し多い。Real-D方式、Dolby-3D方式)。
しかし、実は一番の課題は言語の壁、つまり「字幕」の存在である。2D映画の場合、映像と字幕は同じ平面上にあるが、3D映画の場合、被写体と字幕がそれぞれバラバラの位置関係にあるため、字幕に視線を走らせるたびに目がピントを合わせる必要がある(正確には、ピントは変えなくていいが、眼球の輻輳角を変える必要があり、ピントが協調で引きずられるのを元に戻す、というややこしい生理現象が起こる)。これが結構辛いらしく、関係者向けの3D映画の試写会では、上映が始まって5分で会場には誰もいなくなったそうである。
同じく言語のハンデを抱えるお隣の韓国では、あっさりと「吹き替え」でこの課題をクリア(日本でも子供向けのDisneyの3D映画は吹き替え)。ところが、日本には「字幕信仰」なるものがあって、「オトナ向けの映画を、テレビじゃあるまいし吹き替えなんて」というのが、この業界のエライ人たちの共通した認識らしい。
そういうわけで、日本に限って、3Dでは観られないという気配が濃厚だった「ベオウルフ」だが、3Dの試写会があるようだ。この試写会に招かれた20名が、明日の日本の3D映画の行方を握っているかもしれない。
いったもん勝ち? (スコア:5, おもしろおかしい)
二次元にしか興味ないですよ。
Re:いったもん勝ち? (スコア:4, 興味深い)
>> ところが、日本ではどうも事情が違うようである。
というあたり,どうもタレコミ人が誤解してる気がしますね.米国でも3D上映ってあまりポジティブに登場したわけではないですし,商売としての将来性もかなり怪しい気がします.
まず重要な事実を挙げますが,米国において映画の興行売り上げの数値は(増減はありつつも)そこそこ順調に商売を維持しているように見えますが,実態としては映画館の料金がここ10年でめちゃめちゃ上がっているのです.要は「客はどんどん減っているのだが,料金を上げてカバーしている」という捻れた状態なわけです.さらに,最近は「ネットでコピーが流れる前に」的な目的や,純粋に儲けになるということで映画公開からDVD販売までの期間も短くなっていますが,これが映画館からの客離れを促進するという皮肉な状況にもあります.
現状から言えるのは,例えば日本のちょっと前のパチンコ業界(全体の売り上げが横ばいなのだが,客単価は急増)と同じで「全体の数値上は表面化していないが,実態としては映画離れが急激に進んでいる」という事実です.当然,ハリウッド業界もそれを認識しているのですが,TVの大画面化,プロジェクタの普及,DVDの普及(今後はBDやらHD-DVDやらも普及?)など,技術の進歩で映画館に行く必要性を感じない人が増えてきているという事実を踏まえて,そういう客を映画館に呼び戻すにはどうしたらいいか,という観点からいろいろ模索しています.しかしゲーム業界と同じで,単に画質や音質を向上しても「別に現状で満足しているし」という客が大半なので,そういう方向性は明らかに手詰まりです.
こういった状況において,「古の映画館では,家では味わえない映画館だけのものがあった」というのを再現するキーワードとして「3D上映」という技術が注目されているわけですが,「家では味わえないエンターテイメント」「ネットの違法コピーでは楽しめない」と歓迎してるのは製作側だけで,はっきり言えば客が本当に3D映画を求めてるかどうかは怪しいですし,映画館側もかなり懐疑的に見ていると言われています.ハリウッドのスタジオが映画館に金銭援助をして上映施設の普及を図ったりしているらしいですが,それほど良い反応も無いみたいですし,結局は一時的な話題に終わって,それほど普及しないんじゃないかと思いますけどね.
Re:いったもん勝ち? (スコア:1)
ニューヨーカーの間では映画が大人気。
アメリカの誇る最高に面白い映画が最先端の設備で見られます。
大きなスクリーンにすごい音楽、もちろん3D映画も。
料金はたったの1300円。
でもポップコーンとコーラは買ってね、じゃないと儲からないから。
これが本当なら、客離れが起きてなくても、健康マニアが増えれば映画館の料金の料金は上がるんじゃない?
Re:いったもん勝ち? (スコア:1, すばらしい洞察)
>「おもおか」コメントにぶら下げるのもアレだけど,他に良さそうなのが無かったのでここに…
どこにもぶら下げず、トップレベルに書けばよかったのでは?私がまさにそうしたように。
いや、レスされるのが嫌だという気持が有るわけではありませんのでご安心ください。むしろ嬉しい。(それに今回のはとても良レスだし)
ただ、ぶら下げる必然性を殆ど感じないような別件文章(つまりオフトピならぬオフスレ)がぶら下がっているのを見ると、ちょっと微妙なものを感じもします。
なにかトップレベルに書くと都合の悪い事情でもあるのでしょうか?
もしかしてトップレベルに書くやり方が判らなかったのでしょうか?でしたら「返信する」という誤解を招きそうな文言のボタン(しかも何故レスと同じようにリンクになってないのだろう?凄く不思議ですよ>スラド)を押せばコメント入力画面が開きますので、そちらでどうぞ。
Re:いったもん勝ち? (スコア:1)
ただ単に、3次元っぽく見えるように書かれている2次元キャラです。
字幕が無くたってつらいと思うよ (スコア:5, 興味深い)
実写の3D撮影ってのは問題がある。
普通のカメラで撮影するとピントは画面の一部にしか合わないよね。
それを3Dで上映すると確かに瞬間立体には見えて臨場感を感じるんだけど、
ピントが合っている被写体以外に目を向けると、とたんに違和感がでてくる。
だってどうやってもピントを合わせられないんだもん。
そりゃそうだ、最初からピンボケで写ってるから。
だから実写で3D表現しようとしても、普通の光学系のカメラを使って撮影している限り、
「まるで現実の世界のようにリアル」に見せることはできない。
CGだったら隅々までフォーカスくっきりに表現できるので、フォーカスが合わない
問題は解決できるが、逆にフォーカスがあっていないはずの位置にあるものまで
いつもくっきりで、これまた違和感爆発ということになる。
人間の目は一つを注視して見ているようでも、細かく動いて周囲の
いろんなものを捕らえようとするもの。
実世界では、注意の移ったものに自由にピントを合わせられるのが普通。
平面のスクリーンに映っていたものなら、立体を感じることなく
無理にフォーカスをあわせようとはしなかったが、立体感を得るようになると
無意識に主被写体以外にフォーカスを合わせようとして失敗と言うのを
繰り返すことになるんじゃないだろうか?
だから、字幕ある無いにかかわらず、観客は違和感があって疲れると思うんだよね、
こういう方式。
ホログラムでも持ってこなけりゃ、無理の無い3D表現は出来ないってことだね。
逆転の発想 (スコア:2, 興味深い)
脳が立体を立体として処理できる情報は、右眼左眼に独立して入力される視差をふくむ映像です。
3D映像は、この視差を含む映像を左右の眼に独立して見せようとするので苦労しているように思います。
そこで考え方を変えて、脳が両目から入ってくる情報以外で立体像を作るように仕向けてみてはいかがでしょうか?
つまり、片目で見るんです。
絵画や写真(ステレオ写真除く)を見るとき、片目で見ると立体感が出てきます。
おてもとにある写真や絵で試してみてください。両目で見ていたときよりも立体感が出てくる筈です。
どんなに素晴らしい絵画でも映像でも、所詮は二次元なので、両目で見る限り脳も二次元として処理します。
そこで片目でみると、脳は視差の無い環境で処理せねばならず、いきおいボケや構図等片目の映像だけで得られる情報を元に立体像を作ろうとします。
というわけで、片目で見ると立体感が出てくるのです(と聞きました)。
この「片目で見るメソッド」を使えば、字幕うんぬんや上映設備の問題はたちどころに解決です。
また、何ら追加の投資を必要とせず、過去のライブラリもそのままで3D対応可能です。
でも、2時間片目だけで見るのは疲れるだろうなー。
自分で書いといてやったこと無い (;´Д‘)
Re:字幕が無くたってつらいと思うよ (スコア:2, 興味深い)
文字フォントのアンチエイリアスも同様の問題があると思っているのですが、あまり周囲の同意を得られません(^^;
ある程度大きな文字にアンチエイリアスがかかっている場合は気にならないのですが、12ポイント未満の文字にアンチエイリアスがかかってると文字がボケボケに見えてとても疲れます。
モーションブラーも同様で、一瞬だけであれば目が反応して焦点を合わす前に次のシーンに移るためそれほど目が疲れませんが、止め絵でモーションブラーがかかってると、目がクラクラしてしまいます。
自分の目が、ボケに対して敏感すぎるのかもしれませんが。
もうちょっとなんとかなりまへんか…
Re:字幕が無くたってつらいと思うよ (スコア:1)
>なので、もしかすると3D(ただし特定の方式の:いろんな方式のが混在してたら互いに足を引っ張りそうだ)が普及すると、その10年後くらいにはそれに目が慣れたチルドレンが一杯でてくるのかも知れない。
この映画館はステレオグラムだと思いますが、人間が立体物を認識するのは左右の目に入ってくる映像の違いだけじゃなく、頭を左右に振ったりした時の位置変動や、(別な人も書かれてますが)身体の他の感覚も総合して判断しているはずなんで、フェイクに目が慣れるってのは同時に現実世界で得ているはずの情報を無意識のうちに無視するということなんじゃないかな、と心配してみたりしますがその辺どうなんでしょうかね。
>TVは3Dフォーマットで送信するのを義務にすればいいんだ。
裸眼立体視をまず確立しないと無理じゃないですかねぇ…
もしくは一人一台ヘッドマウントディスプレイを支給するとか。寝ながら立体テレビ。CM中にトイレに行くのも防止できて一石二鳥(テレビ見ながらトイレに行くことになるので)。
Re:字幕が無くたってつらいと思うよ (スコア:1)
もちろん、超高速でピントが切り替えられるような人類に進化するかもしれないけど、脳のように変化に柔軟に対応できる器官じゃないから、簡単にはいかなそうな気がする。
だって (スコア:5, すばらしい洞察)
Re:だって (スコア:2, すばらしい洞察)
日本にも、声優という職業があるんですけどね。
彼らにかかれば、オリジナルは大根俳優でも
結構観られる様になってしまいます。
ただ日本では、声優は俳優より格下の位置づけなので
話題作の吹き替えでは無理矢理俳優を持ってきたりと、
お上の方々の思惑で台無しになったりします。
シンプソンズの劇場版は本当に酷いわ。
TV版ではわざわざ本編と声が似た声優を
チョイスしていたのに、話題性だけの為に
素人俳優に総入れ替えしやがった。
Re:だって (スコア:1, すばらしい洞察)
今まで観た洋画で、吹き替えがよかったと思えるのは
Re:だって (スコア:2, 参考になる)
他に有名どころではヤングフランケンシュタイン [amazon.co.jp]の広川太一郎×熊倉一雄による吹き替え版 [youtube.com]がDVD化されていないこともあって支持が高い, というよりこれが無い事でDVDの価値激減ってのがありますね.
個人的には「夜の大捜査線」"In the Heat of the Night" [wikipedia.org]も田中信夫×富田耕生による吹き替え版の方が好きです. 特にロッド・スタイガー演ずる署長のイメージが葺き替え版で刷り込まれているので, 原語版だと違和感が.
Re:だって (スコア:1, すばらしい洞察)
モンティ・パイソン映画版シリーズ(山田康雄、納谷悟朗、青野武、飯塚昭三、広川太一郎、他)
があるだろうが。
ジャッキー・チェンが「洋画」かどうかは疑問ではあるが、それなら、
Mr.BOOシリーズのマイケル・ホイ(広川太一郎)
も外せない。
字幕 vs. 吹き替え (スコア:4, おもしろおかしい)
ターミネーターのあの有名なせりふが「また来る」なんだから!
やっぱり
"I'll be back."
でないとね。
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:3, すばらしい洞察)
翻訳の問題だと思う。
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:1)
吹き替えだと本当はどう言っているのか全く分からないので、シュワちゃんのかっこいいセリフを知ることができないと言うことなのよ。
映画館でもDVDみたいに字幕を選べたり、音声切り替えができれば良いのかな?
ヘッドフォンでは重低音を体で感じることができないので、
上映回毎に
日本語字幕+オリジナル音声
英語字幕+日本語吹き替え
日本語吹き替えのみ
を切り替えて上映してくれたりすると一番いいかも?
そりゃあ (スコア:1, すばらしい洞察)
文字数制限なんかの制限の上で巧く訳してると思える作品もあれば
専門用語なんかにトンチキな訳語が出てきたりする作品もありますね
Re:そりゃあ (スコア:2, 興味深い)
しかし、もう馳男じゃないと受け付けない体に・・・(^_^;
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:1)
どのような翻訳でも代替が利かないように思います。
ということで「字幕vs.吹き替え」に同意です。
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:1)
まったくその通りだと思います。
もちろん翻訳がすべて悪いわけではないと思いますが。
でも、英語の映画の日本語字幕は一時的な問題だと思っています。
日常会話に、仕事に、歌謡曲でさえ、もはや(カタカナであれ)英語は不可欠。
かつて先人が漢字を受け入れたように、いずれ日本語は英語も飲み込んでゆき、
英語の映画は原語で鑑賞するのがメジャーケースになるんじゃないでしょうか。
というわけで日本のDVDプレーヤでも北米リージョンのが見れるようにしてください。
そしたらTeen Titans Animatedが見れるじゃないですか!
"But I'm stronger than I look"
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:1)
それはその通りです。
でも、最初の漢字導入の頃と、今では、まったく状況が異なっています。
ネイティヴの英語使いと交流する機会は、かつての遣唐使を送ってた時より、ずっと頻繁になってますし、
インターネットコンテンツや映画や本や契約書や、交換されるコンテンツの量も段違いです。
現代中国語と、日本の漢字の乖離は、そのような文化交流の、なんというか回線が細くて
同期がとれてなかったからだと考えます。
中国語についても、昔、日本が上海に共同租界を持ってた頃に流入した言葉は、両国共通でしょ?
リーチとか。
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:1)
まあ、吹替えの方が予算や時間もかかるんでしょうね。特にいい吹替えを作ろうとしたら。。。
僕自身も、吹替えにすると映画の質が落ちるという先入観があります。
だから良い吹替えの3D映画が良い興行成績を上げたら変わってくるのでは?吹替えに使える予算が増えてくるとか。。。
と言いながら、、、、希望としては、3D映画に限っては吹替版を流す時間帯と、原語版を流す時間帯を用意してほしいが。週に一度の原語版でもいいから。(私は原語版しか観に行かないつもり(爆
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:2, 興味深い)
>役者の声は聞こえても、役者の表情見れない。
このジレンマは常にありますね。
なので、心に残った映画は2度以上見ます。
2回目以降は重要な場面のセリフはだいたい覚えているので、字幕を見ずにスクリーンに集中できます。
役者が喜ぶ (スコア:2, 興味深い)
日本での上映は字幕が主流のため、
キャンペーンで来日した俳優が自分の声を聞いてもらえることに
喜んでいたという話を聞いたことがあります。
多少コミュニケーションに難があっても
声まで含めた自分の演技を観賞してもらいたいのは
役者としては当然でしょうね。
"I'll be back."は名せりふだと思う。
ハートマン軍曹殿も割と字幕でこそあのインパクトが…。
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:2, おもしろおかしい)
ジョン・ランボーの声の情けなさ(迫力のなさ)にがっかりした。
その後、ビデオで字幕版を見たらスタローンの声も同じように情けなかった。
#TV版吹き替えの人に心の中でごめんなさいしました。
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:字幕 vs. 吹き替え (スコア:2, すばらしい洞察)
むしろ、広川太一郎のアドリブを字幕にしても違和感があるしな。
吹き替えを入れる声優次第ってのも大きい要素ではあるし。
市販DVDに吹き替えが入ってないのは、声優が違うバージョンがあったりとか、TV放映権と販売権との契約の違いの問題もあるからだと思います。
映画の場合、「小屋での上映権」、「TVでの放映権」、「各種メディアに変換して小売する販売権」を別々にして販売すると言うのがハリウッドでは一般的だというのを昔、TVで見たっけ…
日本での吹き替えの場合は、TVでの放映権を買った所が自前で吹き替えさせたからで、放映権と販売権を一緒に買えば一緒にはできるんだと思いますよ。
それが別々の場合は、再度、翻訳内容や、声優の契約とかで契約が面倒だったりもするんでしょうし。
#しかし、御大も歳を召されて、昔みたいに舌が回らない…とおっしゃったとかで、ちょっと悲しい。それこそ、Mr.Booシリーズに関しては、たのみコムで吹替版のDVD販売のリクエストも挙がるぐらいだもんな
/* Kachou Utumi
I'm Not Rich... */
業界事情 (スコア:3, 参考になる)
韓国って日本よりも字幕主義だと思ってましたが。スター・ウォーズも「エピ1」では劇場吹替作っておいて「エピ2」では作らなかったはず。あと最近はどうだか知りませんが、吹替版を作るかどうかはハリウッドの命令次第で、日本の業界人の意向はあまり重視されなかったような。
この「これからの映画は3Dだ」って意見は数年ごとに出てくるんですよ。ちょっと前だとロバート・ロドリゲスが積極的でしたね。でも結局肝心なのは映画そのものが面白いかどうかで、以前に「ポーラー・エクスプレス」をIMAX 3Dで観たけど「別に…」という感じでしたし。
あと3D映画の鑑賞って遊園地的な雰囲気があって、みんなでポップコーン食べながらワイワイ観るぶんには楽しいんですが、日本の観客って「じっくり作品を鑑賞する」タイプが多いから受け入れられないかも。入場料を800円くらいにして家族連れの集まるシネコンとかで放映できればいいんですけどね。
昨日観ました (スコア:3, 参考になる)
予備知識なしで行った所為で、単なる2DのCG映画だとばかり。
内容が単純過ぎて(まぁ大昔の原作の話なので)、個人的にはあまり楽くなかったんですが、
本来は映像でもっと楽しめるはずだったんですね・・・
「吹き替え」もなにも (スコア:2, すばらしい洞察)
デーン人(現在のデンマーク)の物語じゃね?
書かれた言葉だって古英語で "Hwaet! we gardena in gear dagum..." って感じだし。
ドイツの片田舎では Beowulf 原文をほとんどそのまま読める方言が残ってるそうだが、
それをハリウッドのアメリカ英語で聞いてもぜんぜん有り難味ない。
Re:「吹き替え」もなにも (スコア:2, 参考になる)
参照していただくとして、ベオウルフの存在価値の中でも最も大きいものが、アングル族とサク
ソン族がケルトの先住民を追い出して居を構えたイングランドとという土地で書かれ、英語で残
っている最古の叙事詩であるということでしょう。また、彼らの民族的なルーツを考えれば、舞
台がスカンジナビアであることに特段の不思議はありません。
ハリウッド映画でも、歴史物については基本的にセリフ回しはイギリス(=イングランド)訛りに
するのが定石です。大ヒットしたディズニーの『パイレーツ・オブ・カリビアン』だって、オー
ランド・ブルームとかキーラ・ナイトレイとか、イギリスの俳優をキャスティングしてます。今
回の『ベオウルフ』の主役、ロンドン出身のレイ・ウィンストンも、予告編を見る限りイギリス
訛りで喋ってます。ただ、もちろん音声的にも、古英語と現代英語は似ても似つかないくらいに
変化してしまっているので、そんなとこにハリウッドのアメリカ英語云々を持ち出してくるのは
ちょっとナンセンスではないかと。…なんとなく、おっしゃりたいことは理解できますが。
# この映画、英語圏以外の国ではなかなか興味持ってもらうまでが難しいんじゃないか?
# 少なくても日本では…興行的にいったいどんな数字が出てくるのか、すごく心配です…
Re:「吹き替え」もなにも (スコア:2, 興味深い)
平家物語を書下文にしたら…
# 釈迦入滅エピソードのたとえは覚えてる?
ちょうど同じような感じで、Beowulf も散文ではあるけれど
そのまま声として読まれることを意識した構造になっているんだよ。
で、元 AC (保証はないけどこの AC) は
意識して七五調 (「デーンの槍の、年月の」) に訳してみたわけだ。
だって、中身は Saga にスゲーありがちな話なので、
語頭韻や語頭アクセント抜きではこの AC には面白みが足らなく思えたから。
最初の三行をちょっとだけ解説してみよう。
いま使ってる PC には OED が入っていないので正確さの保証はしないけど、
A Concise Anglo-Saxon Dictionary by John R. Clark Hall, Second Edition での簡単な確認はしておいた。
http://www.ling.upenn.edu/~kurisuto/germanic/oe_clarkhall_about.html [upenn.edu]
# 英語を母語にする人でも読める人がほとんど居ないことは知ってるヨ。
# つーか、読むこと自体が研究だから。
ドイツ語っぽいでしょ。
なお環境依存を減らす方針で写本に従って長音記号は外しておいた。
つーか教科書や辞書以外にはそんなもの付いてない。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/08/Beowulf.firstpage.jpeg [wikimedia.org]
これは簡易発音記号を使ったとき以下のように読む。
現代英語のような綴りと発音の差がほとんどない、と言ってもよい。
なおアクセント位置は語頭にある (ココがラテン語とかと大幅に違う)。
そして古義を生かしつつ現代英語へ転写すると以下のようになる。
格変化で示されている現代英語では示せない語順は LISP っぽくカッコで括ってみた。
さらに詳細は以下のページの一読を強くお勧めする。
http://www.asahi-net.or.jp/~aw2t-itu/enghist/oe.htm [asahi-net.or.jp]
Re:「吹き替え」もなにも (スコア:2, 参考になる)
でも、昔「桃尻語訳 枕草子」が流行りましたよね。
映画は時空間 (スコア:2, 参考になる)
映画は、「絵」と「時間」とが融合した表現です。
「絵」が2Dから3Dになれば、人間の視覚の生理的プロセスに合うよう、演出や編集の「時間」要素をコントロールし直す必要があると思います。
今までの3D映画は、この点を軽視していた気がします。
個人的には、3D映画の時間感覚がもっと洗練されるまで、積極的に映画館に観に行こうとは思っていません。
#「そんなこと言ってるから、いつまでたっても3D映画が熟成しないのだ!」とお叱りを受けそうですが…。
MANGA (スコア:2, 興味深い)
もっと3D (スコア:1, 参考になる)
PCでもRIVA TNTの頃は3Dメガネあったと思うんですが、その後なくなってしまい非常に残念。
最近はハイビジョンでのメガネ無しというのも研究されているようですが、お茶の間3Dはいつ頃復活できそなのですかね。バーチャルボーイの失敗が何よりもあれすぎました。それでもHMD系で実現する方が手軽なのかな? ビデオカード3D系性能がここまで向上してきたんですから、いつまでも期待している分野です。
音系も5.1chとか言ってないで、バイノーラルとかしてほしい。
鋼鉄のベオウルフ (スコア:1, 参考になる)
それはともかくとして、個人的にはHMD系や偏光メガネ系はかなりキツいと感じます。理由は言うまでもなく自分が既に眼鏡をかけてるから。最近の事情はよくわかりませんが、ああいうのって往々にしてメガネ着用者が使うのが難しいんですよね…
メガネをかけたままでも被れるように、ひとまわり大きく作ってくれるだけでいいんだけどなあ。何か制限があるのかも知れませんが、是非とも
撃ち貫いて解決して頂きたいところ。3Dもさることながら (スコア:1)
「ファイナルファンタジー」の興行的大失敗が
閉ざしてしまった、実写志向の全編CG映画という
ジャンルでの成功例となるといいなぁ、と期待。
# ひょっとしたら、日本映画でもフルCGならば
# ハリウッドに対抗できたりしちゃったりなんかして
Re:3Dもさることながら (スコア:1)
でも最近はハリウッドも既製ソフトを使い始めてますね。とゆーのは、既製品の性能がずい分上がり、大概の表現はできるようになったから。なんとなくPCがワークステーションを駆逐していった状況と似ています。
ハリウッドにしたって大学などで発表されたCGの論文を実装することで新しい表現を生み出していったので、ソフトの値段が下がっていくと需要さえあればソフトウェア会社が先かハリウッドが先かという話に。
MAYAやXSIなんかはそもそも全体のワークフローを構築するためのプログラマが必要とされるソフトなので、キッチリ使いこなしている日本のゲームプロダクションや制作会社のRobot(踊る大捜査線とか)がハリウッドが使う外注VFXチームなどに必ずしも劣るとは思いませんね。
ハリウッドの大予算と収益構造については、また別の話。
人それぞれの字幕信仰 (スコア:1, 参考になる)
私の場合は、(リスニングできないので聞いても意味わからないけど)オリジナル音声で聞きたいから字幕派。
変に吹き替えされて雰囲気ぶち壊されるのもヤなんですよね。
Re:人それぞれの字幕信仰 (スコア:3, おもしろおかしい)
スタートレックTMPでクリンゴン語を聞き取ろうとしていたオレが来ましたよ.
モコちゃんけっこんして!! (スコア:1)
ここは今月号のプ~ねこ [geocities.jp]みたいに, セリフも立体視するぐらいの気概を見せなきゃ.
Re:単なる思いつきなんだけど (スコア:3, おもしろおかしい)
Re:単なる思いつきなんだけど (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:単なる思いつきなんだけど (スコア:1)
こんな [open-g.com]かんじですか.
Re:単なる思いつきなんだけど (スコア:1)
#背景やらに目線飛ばしてたら、きつい事には変わりありませんが・・・・。
##昔、3Dシアター(青色セロハンめがね着用)見て酔ったの思い出した。
###が、近所であるなら是非見てみたい。また酔いそうだけど・・・・。
Re:単なる思いつきなんだけど (スコア:1)
Re:3Dでは家庭用HMDに勝てないんじゃ? (スコア:2, 興味深い)
松本中劇という映画館があって見た目からして古くさい印象があった
でも、味があるというか、そこで映画を見るのが楽しみの一つであった
しかし、閉館してしまって、しばらく映画見に行くのさえやめてしまったんだよなぁ。
個人的には映画館で映画を見るってのが重要なんであって内容がどうとかってのは別の話なんだよね。
今では味気ない映画館で映画見てますが、やっぱり”映画館で映画を見ているんだ!”っていう感じがないんだよなぁ
客のマナーとか映画館自体の造りとか。