パスワードを忘れた? アカウント作成
2118296 story
書籍

ブリタニカ百科事典を殺したのは誰? 99

ストーリー by hylom
時代の流れ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

先日、長い歴史を持つブリタニカ百科事典の印刷版が終了するニュースが世界中で衝撃を与えた(/.J過去記事)。インチーネットメディアなどでは、ブリタニカ百科事典の終焉の要因として、インターネットの普及とオープンソースのWikipediaの登場が要因であると伝えることが多かった(Engadget日本語)。

しかし、WIREDはこうした見方に対して異議を唱える。ブリタニカ百科事典印刷板の終焉は、Wikipediaによるものではない。Microsoftの電子百科事典「Encarta」の登場のほうが大きな意味を持つ、と。その理由として、Britannica社は1996年に一度破産しているからだという。これは2001年にWikipediaが設立されるよりもずっと前の話であるとした。のちの1996年に同社は1億3,500万ドルで買収され、存続することになる。

しかし、そのときにはすでにBritannica社の命運は見えていた。Microsoftが、EncartaとセットにしてWindowsパソコンを販売した時点でブリタニカ百科事典は家庭の情報センターとしての地位をパソコンに奪われていたのだとしている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by rikeikuzure (45214) on 2012年03月19日 11時32分 (#2119667) 日記

    Wikipediaでなくとも、Encartaでなくとも、
    コンピュータ化とネットワーク化が進めばいずれは似たようなものが出て来るのは必然。
    紙の百科事典を殺したのはそういうIT技術そのものでしょ。

    そもそも、紙の百科事典にない機能を求めてIT化を推し進めたというのに
    今更、紙の百科事典を惜しんで、その犯人探しに何の意味があるんでしょう?

    何か便利な新しいモノを作れば、旧いモノは捨て去られるか、縮小するのが必然。
    新しいモノを作り出したら、旧いモノを滅ぼした犯人呼ばわりされちゃあかないませんな。

    • by Anonymous Coward
      私もほぼ同意見。
      調べ物の出典媒体として使うなら、遅々として改版が遅い紙媒体の出る幕はもうとっくに終わってる。
      もっと詳細な情報を知りたければ専門の情報サイトはあるし、速報性を重視したければ速報に強い情報サイトもある。
      紙媒体であること自体が意味を成すのって、どういうケースなんですかね。
      • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 12時02分 (#2119700)

        >遅々として改版が遅い紙媒体の出る幕はもうとっくに終わってる。

        事典という種類においては、そんなに頻繁に改訂されるものでは
        無いと思うし、速報なんて事典に求めるのは明らかに違う。

        Wikipediaはましなほうだが、ネットから得られる知識の品質は
        そんなに良いものではないよ。

        ブログなんて出鱈目な知識を振りまいているものも少なくない。
        声が大きい者が勝つとばかりに、有名になっちゃえば、間違った
        知識を振りまいても、それなりに信じる愚か者も多い。

        ブリタニカは執筆者を厳密に選んでるからその辺は安心できる。

        でも、ブリタニカをパクってWikipediaに転載されたりすると、
        ブリタニカが潰れちゃうのもしょうがない。

        お金を出せば品質の良いものが得られる時代は無くなり、
        お金を出さなくても質は落ちるが誰でも得られる時代の到来。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        押し紙業界

      • by Anonymous Coward

        >紙媒体であること自体が意味を成すのって、どういうケースなんですかね。

        全巻通して読む、のには紙媒体が便利かも。

        #小学生の頃全巻読んでいた神童の成れの果てなので、A.C.

    • by Anonymous Coward

      日本でかなり前から発売されている電子辞書
      海外では理解を示さなかったのがそれほど昔で無かった気がする

  • 1996年に買収される前にも何度か版権が移動しているなど、ブリタニカはかなりの苦労人のようだ。やばいのは今に始まったことじゃないらしいが、そのたびに不死鳥のように蘇ってきたブリタニカ。きっと次もうまくやってくれるさ!知識の力こそ人類の夢だからだ!!

    1897年にアメリカ人のホレース・エバレット・フーパーが版権を入手

    The poor sales of the war years brought the Britannica to the brink of bankruptcy. The CEO of Sears Roebuck, philanthropist Julius Rosenwald, was devoted to the mission of the Britannica and bought its rights on 24 February 1920 from his friend Horace Everett Hooper for $1.25 million dollars.

    1920年、第一次世界大戦の影響で売れず破産。

    This edition was a commercial failure, losing Sears roughly $1.75 million dollars, after which Sears gave it back to Hooper's widow, Harriett Meeker Cox, and her brother, William J. Cox, who ran the company from 1923-1928.

    1923年、やっぱり売れずにフーパーの奥さんに渡る。

    1928年から版行権はシアーズ・ローバック社に移り

    Unfortunately, the Great Depression struck scarcely a month after the release of the 14th edition, and sales plummeted. Despite the unfailing support of the Sears Roebuck company, the Britannica almost went bankrupt over the next few years. Rosenwald died in 1932, and General Robert E. Wood took over

    大恐慌で売れなくてやっぱり破産。

    1941年、シアーズ・ローバック社からシカゴ大学に版権が寄贈され、ウィリアム・ベントン基金の元で刊行が続けられたが、1996年1月にスイスの実業家ヤコブ・サフラが版権を買収している。

    # そしてこのブリタニカの歴史は、残念ながらウィキペディアからの引用である(Wikipedia日本語版 [wikipedia.org]、Wikipedia英語版 [wikipedia.org])

    • これで判ることは、やっぱり事典の制作には、費用と時間がかかるってことだな。平凡社や三省堂も倒産を経験しているけど、やはり価値を認める人がいて復活している。

      Wikipediaは充分に実用的なレベルだと思うけど、項目や分野によってやたらと詳細だったり、当たり前すぎる項目は存在しなかったりする。売り物だとそれはないよね。

      親コメント
    • 記事では「殺した」という表現ですが(WIREDもスラドも)おおげさに感じます。
      ブリタニカ社の最近50年の業績の上下に誰かがコメントして欲しいものです。
      (fareast氏の書いてくれた苦難の歴史がためになりました)
      書籍版をやめたら赤字部門が減りそうだし
      「ブリタニカ社に存続して欲しい」人々には書籍廃止が吉報でしょう。

      さてブリタニカの会社の業績を求めて、英文で
      (Britannica) company financial statements [britannica.com]
      を読み取ろうとしましたが.... 挫折しました。(財務用語は苦手でして)
      誰か読み取ってくれないものでしょうか。
      (なおiPad無料アプリ Encyclopaedia Britannicaは記事冒頭が無料、全文読むには購読料金毎月1.99USドル)

      親コメント
    • なんか名前や成り立ちからしても、どんどん追いやられていくブリトン人みたいだ。
      親コメント
  • by racco (37699) on 2012年03月19日 11時21分 (#2119656)

    どっちが重要って議論は意味がないよな

    どっちかがあるからどっちかがあったのかもしれないし
    どちらかがない歴史を仮定することもできない

    コンピュータが発明された時点で、ブリタニカの終焉は決まっていたのかもしれないし、真空管が発明された時点でブリタニカの終焉は約束されていたかもしれない。

    • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 12時28分 (#2119717)

      中間中立を装うのが安全で心地いいのはわかるけど。
      そこで歴史の検証を否定しちゃうのって、どうなのよ。
      広く人々にとって「意味がない」じゃなくて、あなたが関心ないだけだよね。

      記憶も情報も溢れている、こんな数年そこそこの直近の話くらい決定的な真実を探りきれてもいいと思うけどな。
      こういう意見を見ると、プロパガンダまみれの戦争の歴史とかが不明瞭になっていく理由もわかる気がするね。

      親コメント
      • by racco (37699) on 2012年03月19日 15時34分 (#2119878)

        「広く人々にとって意味のある歴史」っていうのは、どっちが重要かって順位をつけることなのかい?

        フレミングが真空管を発明しなかった歴史と、ノイマンがプログラム内蔵方式を発明しなかった歴史について、意味のある議論を構築してくれたら、それは面白いと思うよ。でも、それは意味のある議論にならないと思う。

        私にとって意味がないとはその程度の意味だし、もちろんあなたが、「決定的な真実を探りき」る努力をすることを邪魔しているつもりはないし、それがうまくいくことを見せてくれたら賞賛するかもしれない。

        でも、「と思うけどな。」とか「気がするね」じゃ、やっぱ意味ないよね。

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 12時48分 (#2119738)

    ブリタニカが実際には何を売っていたのかを考えるとこの手の話は分かりやすいかと。

    百科事典のメインターゲットは教育熱心な親と考えられます。自分自身で読んだり調べたりするために買うのではなく、子供のために買う。つまり、親が買っているものは百科事典というハードウェアというよりは「それを使って子どもが学習してくれる期待」と言えるのではないかと。
    そうであれば内容なんて二の次になるわけで、ブリタニカのように高額なものはEncartaやWikipediaのような低コストな代替物に対して勝ち目がない。日本国内では進研ゼミや公文などより直接的に「学習」を訴えるものも競合として考えられますね。

    一方で、最近は「くらべる図鑑」シリーズのように、単なる百科事典ではなくテーマに沿って内容を充実させたものが好評とも聞きます。これなんかも「学習してくれる期待」をうまくくすぐることができているからと言えるのではないでしょうか。

  • by racco (37699) on 2012年03月19日 17時37分 (#2119952)

    世の中から書棚がなくなったのか?ブリタニカを置くための書棚のスペースが空いたのか?

    そこに、ブリタニカを殺した真犯人が居るはずだ。

  • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 11時30分 (#2119661)

    単に寿命が来たとはだれも思わないのかな?

    • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 11時34分 (#2119670)

      パパンがパン

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      世の中が必要とする情報ののスピードに追い付いていけなくなり息切れしちゃったと?

      #あるいは自然淘汰

      • by racco (37699) on 2012年03月19日 17時51分 (#2119962)

        百科事典なんて、飾りです。そもそも世の中が必要としないものの代表でしょう?

        飾りがブリタニカから別のものにシフトしただけで、情報のスピードとは関係ないでしょう。

        親コメント
      • Re:誰が殺した? (スコア:1, オフトピック)

        by hoihoi-p (5571) on 2012年03月19日 16時13分 (#2119909) 日記

        #あるいは自然淘汰

        そうでしょうね。たぶん。

        以下、余談。 (マイナスモデ覚悟)

        話がズレるが、印刷で使われてる画像の解像度は350dpi位。
        デザイナーさんが700万円程度のスキャナを導入し始めた頃、デザイナーさんが、「どの位の解像度で入力したら、製版会社さんの画像品質になるんでしょう?」と言うことを遠まわしに聞いてくる。それも、一人や二人じゃない。
        「あのね、こっちは幾らのスキャナ使ってると思ってるの? 10倍です、価格が。 それも、熟練した技能者が必要。」と、これまたスゴク遠まわしに答えた。 

        それを、どの位の解像度で印刷版に使うか知ってますか? 3170dpiです。 紙には、そのくらいの表現力があるんですよ。
        「どういう書体で、どの位の大きさの文字で、どの位の文字間隔で印刷したら読み易いか?」 とか、多くのノウハウが詰まった文化なんですよ。 それが無くなるんですよ。

        「iPad の解像度が上がった」って喜んでる人も多いでしょうが、まだまだ。
        新しい iPadの、100倍に解像度が上がったら、初めて紙に印刷された本の凄さがわかります。 地デジになって、困ってる、肌の荒れた女優さんの気持ちのように。

        --
        hoihoi-p  得意淡然、失意泰然。
        親コメント
        • でも何人も聞いてくるって言うことは、つまりは違いが分からないからでしょう? 違いが分からなければ、無いも同じですよ。
          親コメント
          • by hoihoi-p (5571) on 2012年03月20日 0時26分 (#2120208) 日記

            つまりは違いが分からないからでしょう?

            デザイナーさんは、自分がスキャンした画像の画質が、業者がスキャンした画像と歴然と違う事が分かってるんですよ。 だけど、それは解像度のせいだと思ってる。 スキャナの性能とオペレーション技術だとは思ってないんです。
            つまり、己が未熟だとは思ってない。 気位が高いから。 だから、こっちも言葉に気をつける訳ですよ。

            具体例で言うと、タイル張りのビルの外観写真をスキャンするとモアレ(干渉模様)が出ます。 これをちゃんとしたいと聞いてくる。 堂々と業者に。 呆れて、「弊社にご依頼ください」というと、「いや、私がするにはどうしたらいいんですか?」 と仰せになる。

            --
            hoihoi-p  得意淡然、失意泰然。
            親コメント
  • そもそもそんなに売れ続けることが期待できる商材なのかな? 裕福な人が増えるとそれに従っていくらかは売れて行くにしても、一通り普及したらそれ以上は売れないように思う。
    • by nmaeda (5111) on 2012年03月19日 13時29分 (#2119783)

      少なくとも、日本で学研が事典を売りまくった頃、主な購買層は中産階級だったよ。自家用車なんかと同じで、60~70年代に中産階級が広がって、自家用車を買ったり、子供の教育に多少は費用を掛けられるようになった。その頃が日本の事典のピークだった。

      当時の学研は、DECのPDP-11だったかを使った専用写植機を自社開発したんじゃなかったかな。
      (モトヤのTrendAceを作ったのが以前子会社だったスリーエーシステムズだった覚えがあるので、ノウハウが残っていたのかな)

      ブリタニカや平凡社の事典は大人むけなので、子供むけとは多少は事情が違うだろうけど。床の間の飾りには学研ではダメで平凡社だろうな。

      親コメント
    • つパージョンアップ
      新入学祝いとかで、毎度先祖代々のお下がりってわけにもいかんでしょ。
      まあ、その意味でも紙の百科事典の寿命が来たわけだけど。

      親コメント
  • by minet (45149) on 2012年03月19日 14時22分 (#2119830) 日記
    そこは「誰がブリタニカ百科事典を殺したか?」にして欲しいところ。
  • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 11時18分 (#2119653)
    米国だけってこと?
  • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 11時31分 (#2119664)
    以前はイミダスとかの現代用語事典を買ってましたが、最近買わなくなりましたね。

    そもそもイミダスと知恵蔵は紙媒体だと休止しているようで、現代用語の基礎知識だけが紙媒体として残っている模様。
  • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 11時50分 (#2119692)

    どうせ百科事典なんてものは表面的な情報しか得られないので、ネットでの検索によってそれらしい表面的な情報と、より深い情報へのポインタが得られるようになった時点で、ほとんど必要性がなくなってしまったように思います。

    • by Anonymous Coward

      じゃあなんでWikipediaがあんなに流行ってるのさ?

  • by Anonymous Coward on 2012年03月19日 12時24分 (#2119714)

    みろよ、このコメントの傾向を。
    これが、「iPadが殺した」とかだったら、半分ぐらいはAppleマンセーで埋め尽くされるんだぜ。

typodupeerror

ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

読み込み中...