米軍の爆撃機「B-52」は90年近く現役で稼動する見込み 95
長寿 部門より
ボーイングが開発した爆撃機B-52は、1952年の初飛行から60年以上が経過しているにもかかわらず、2040年まで配備が継続されると見られているそうだ。
BUFF(Big Ugly Fat Fellow、でかくてデブで醜い)とも呼ばれるB-52はビキニ諸島での水爆実験で使われ、また2006年にはアフガニスタンでレーザー誘導爆弾を落とすなど歴史を刻んできた。その長期に渡る運用は堅牢な設計に起因するものだ。しかし、それ以上に後継機の失敗がB-52を延命させてきたという。
1988年に最先端のレーダージャミングシステムを搭載したB-1ランサー(機体単価2億8310万ドル)が、その10年後には高度なステルス機能を持ったB-2スピリット(機体単価7億2700万ドル)が導入された。しかし、この二つの後継機はあらゆるコストが掛かりすぎるが故に一貫して失敗した。そして、その結果B-52は延命を続けている。
大型爆撃機の必要性は長年にわたって議論されてきた。コソボ、アフガニスタンとイラク戦争、湾岸戦争などに投入されたが、それが必ずしも勝利に結びつかなかったためだ。しかし、今でも南シナ海に作られた中国の人工島に対して威嚇を行うなどの運用が行われている。パイロットの一人であるMark Burley氏はこう語った。「BUFFはチェスでいうルークのようなものです。ボード上の配置によって、戦いの趨勢を変えることができる」と。
なお、現在運用されているB-52では真空管がマイクロチップに置き換えられ、灰皿は取り外されるなどの変化はある。しかし、コース計算などでは、今でも計算尺が併用されているという。(The NewYork Times、AIR&SPACE、Slashdot)。