パスワードを忘れた? アカウント作成
7389 story

職務発明の対価が1億6500万円な高裁判決 125

ストーリー by Oliver
そのアイディアを忘れずにメモ 部門より

maia曰く、"東京新聞によれば、東京高裁で社員の職務発明の対価を1億6500万円とする判決が出た。日立製作所の元研究員米沢成二氏は、1969~1996年の間に光ディスク分野を中心に308件の発明を行い、このうち3件の発明について「相当の対価」の支払いを求めていた。 今回の判決では、一審では認めなかった海外での特許に対する対価、日立が16社と結んだライセンス契約で得た利益、ソニーとの相互ライセンス契約で得た利益についても検討し、全体として11億8000万円が日立が得た利益と認定。米沢さんの対価を1億6516万円と結論付けた(一審では対価を約3500万円としていた)。日本における「相当の対価」をめぐる訴訟では過去最高額となった。
特許法改正では職務発明の「相当の対価」は労使間の契約優先の規定が設けられたが、オリンパス事件や日立事件を含め「職務発明規定についての再提言」(日本知的財産協会)が参考になる。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by kg (16576) on 2004年01月30日 8時02分 (#484140)
    私は特許関連の企業に勤めています。
    社長がこうした動きに際して、自分で起業していることもあって
    非常に憤って見ていたりします。

    曰く「対価を求めるのであれば、自分で起業して特許明細を書き
    特許でクロスライセンスなり、訴訟なりを行ってやるのがスジだろう」
    というところです。

    そもそも特許には維持費用もかかるし、またその発明自体その人個人
    で発明したものであるのかというのは微妙なものもあるでしょうに
    対価を個人に還元していくというのが本当に個人の権利を尊重した
    ものであるか疑問が残ります。

    もちろんがんばった人は評価される機構を作る必要はあると思います。
    起業しにくい日本の問題もあると思います。
    • by Anonymous Coward on 2004年01月30日 10時30分 (#484239)
      私はメーカに勤めています。
      毎年数件の会社名義の特許出願を義務付けられており、業務の合間やプライベート時間を使って泣きながら明細書を書いています。

      ○特許の維持費がかかる
      ○企業というシステムが日本での特許の成立に貢献している
      ○本当に個人の発明なのか疑問

      確かに一理ありますが
      それはわずかな報奨金で全ての権利を譲渡させてそれっきりの企業を正当化する理由にはならないと思います。
      億円単位の対価要求というのも調子に乗り過ぎの感がありますが、色々な条件を差し引いても億円単位の価値のある特許の対価が数万円レベルというのは納得出来ません。(概ね、どこのメーカも似たような報奨システムだと思いますが)

      ○個人起業家を拒絶するようなシステムを作った国が悪い

      正論ですが、まずはそれを悪用している企業から徐々に懲らしてめて行かないと始まらないのではないでしょうか?
      そのような意味で意義のある訴訟であると思うのですがいかがでしょう
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2004年01月30日 11時28分 (#484302)
        そもそも社内で特許に関わるような発明やってられる人員なんて限りあるし、仕事としてやってるのに、そういう人達だけが優遇されるのも何だかなぁ・・・
        親コメント
        • 特許に関係なく、会社の売り上げに多大に貢献する仕事をしたら評価されませんか?
          特許を書くような職場でないなら他のことで頑張ってください。
          特許で優遇された人はその手段が単に「特許の取得」だっただけです。
          他の事で頑張っても評価されないのに特許の方は“優遇”…
          だとしたら確かに不公平に感じますが。

          ちなみに、私の周辺では営業だろうと総務だろうと特許書いてますよ。
          ネタなんてどこにでもあると思いますが…
          親コメント
      • 企業の傘の下で安定的な収入を得ながら(収入面のリスクを取らずに)発明の対価のみを求めるのは、理不尽ではないかと思います。誰にも相手にされない特許について、対価を求めようと思いますか? 安定した立場で特許をいくつも出願して、当たった特許に対してだけ権利を主張するのは、かなり控えめに見ても卑怯なやり口です。 「特許の対価」と「特許の所有権の所在の確認」と「会社の待遇」と、議論をごちゃまぜにしてます。 この議論はあきらかに自家撞着をおこしてます。論点を整理しましょう。単純に企業を悪者にすればいいってもんじゃないでしょう。 先ず、自らを疑いましょう。
        --
        ノートリアス
        親コメント
    • by noir (19092) on 2004年01月30日 10時20分 (#484223)
      対価を求めるなら、
      一、自分でやる
      二、大きな対価をもらう契約でする
      のどちらかじゃないですか。

      一の場合はもうけたいなら自分でリスクとれって話で、二の場合は一回決めた契約を後から引っくり返すのって話になる。

      もちろん社長さんの言うように一も問題だけど、ここでは二の方がよっぽど危ない。最初から自分でやってくれるならいいけど、契約結んどいて後から請求されちゃあ経営なんてできない。なんせいくらかかるのかわかんない。

      あんまりにも対価が少ない場合、それこそ公序良俗に反する場合(ほとんで騙してるとか)でなければ裁判所が契約を無視するのは問題だし、無視するにしてもせめて何か客観的な判断基準を示さなきゃ特許関連企業なんてやってらんない気が(1割ぐらいとかいう問題じゃないし)。

      #発明者を保護すべきとかとは全く違う話でしょ。
      親コメント
    • by partial (18305) on 2004年01月30日 8時46分 (#484151)
      曰く「対価を求めるのであれば、自分で起業して特許明細を書き特許でクロスライセンスなり、訴訟なりを行ってやるのがスジだろう」というところです。
      痛くない注射器の人によれば、最初のころは自社で特許を取っていたが、大企業を敵に回したのですぐ潰されてしまった。だからその後は特許は企業と共同で取ることにした。だそうです。
      親コメント
      • by partial (18305) on 2004年01月30日 8時50分 (#484154)
        こんな話ですね。
        「特許は欲をかかないで、相手の会社との共同特許を取得する こと。その方が、特許は活きます。裁判をしたところで、正義は負 ける。それよりも、大企業と一緒に特許を取った方が、その特許 は活きたものになるし、大企業には、顧問弁護士もついている」
        http://www.funasaki.net/back/back2/560.html
         最近買った本「俺が、つくる!」(岡野雅行著/中経出版)の16ページの最後から読むと、 個人で特許を取っても、大会社はプライドが高いからその特許を黙って商品化してしまう、 裁判を起こしても賠償金もあまり取れない、などと書かれている。  つまり特許をとっても、大会社が頭を下げて使わせてくださいと言ってくるとは限らない んだな。個人とか零細企業はナメられる。
        http://www.fsinet.or.jp/~mad/0049.htm
        親コメント
      • by kg (16576) on 2004年01月30日 12時37分 (#484373)
        このへん日本の企業全体に言えることですが、特許の取得を国内のライバル会社との
        争いのために取得しているところが多いというところがどうなんだろうかと思っています。
        だから日本の企業にとっては、概ね特許は金がかかるばかりで儲けにならないと思われて
        いるような感じがします。

        また、小さい企業が大きな企業に勝てるようになるには、本当にがっちがちに
        特許で固めてもなかなか勝てるものではなく、結局取り込まれるということが
        あるんじゃないかと。まあアメリカとかだって成功したら企業毎吸収とかされて
        いるので、別に日本だけの問題ではないと思いますが。

        私の会社はそういう意味で日本の会社との特許訴訟よりも、海外の会社との訴訟を
        重点的にやっています。別に国内の企業とは全くやらないわけでは無いですが
        国内の企業を守るという意図もあるので、基本はクロスライセンスに持っていく
        ようにしていたりします。

        実際には言語の壁をがあって国内の企業でどれだけできるのかと言えばなかなか
        困難なのかもしれませんが。。。
        親コメント
    • by futo (10691) on 2004年01月30日 13時08分 (#484403) 日記
      特許発明の対価は求めて当然なものなんだと思いますよ。
      そうしないと、発明に対する意欲が失われてしまいます。
      どこの会社でも、たいてい特許出願の報奨制度はあると思いますし。
      これまでの訴訟は、対価を求める事の是否ではなく、「相当の」対価であるかどうかが争点になっているわけですから。

      >曰く「対価を求めるのであれば、自分で起業して特許明細を書き
      >特許でクロスライセンスなり、訴訟なりを行ってやるのがスジだろう」

      これって、いい発明を思いついたら、会社を辞めて自分で特許出願しろって事ですか?
      そっちの方が、会社の資金で研究をしてきたのだとしたら、スジが通らないと思うのですが…。
      それとも、最初から会社には入らずに、自分で研究から始めろって事なのかな?
      だとすると、会社に入ってからがんばって発明してしまった人は、救われませんよね。
      お前がサラリーマンになったのが不幸なんだ、みたいな結果になって。
      最初から、自力で起業できる人なんてごくごく限られていると思いますし。
      (発明者としての能力以外の、例えば経営者としての能力も必要なので)

      やっぱり、がんばって良い発明をした事へのインセンティブがはっきりしていた方が、
      一生懸命になれるし、会社にとっても研究者にとっても、その方が良いような気がします。

      最初に戻りますが、問題は、それが「相当な」対価かどうかって言う事で…。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2004年01月30日 13時29分 (#484431)
        >これって、いい発明を思いついたら、会社を辞めて自分で特許出願しろって事ですか?

        違うな。
        「成功したときだけ都合よく対価を求めるような奴は、最初から自分一人でやっとけ」
        ということだろう。

        >最初から、自力で起業できる人なんてごくごく限られていると思いますし。
        >(発明者としての能力以外の、例えば経営者としての能力も必要なので)

        他人におんぶにだっこで成果が出たときだけよこせってのはどうかと思うね。

        >がんばって良い発明をした事へのインセンティブがはっきりしていた方が、一生懸命になれるし

        最初からはっきりしてるじゃん。
        うまくいってから、納得いかんという後出しだよね、今回みたいなのって。

        >問題は、それが「相当な」対価かどうかって言う事で…。

        果たして「相当」である必要があるのかどうか。
        少なくとも、「社会通念上の相当」なんてものは必要ないと思う。
        対価率の高い会社もあれば低い会社があってもいいし、研究者だって選ぶ自由があるんだから、
        対価率が低いのがイヤなら高いところへいけばいいだけのことだと思う。
        もちろん、それ「相応」のリスクがあると思うけどね。
        親コメント
      • >特許発明の対価は求めて当然なものなんだと思いますよ。

        だったら、そういう契約を最初からやっとけって思います。
        親コメント
  • 関連訴訟として (スコア:3, 参考になる)

    by parsley (5772) on 2004年01月30日 7時04分 (#484134) 日記
    本日(1/30)、中村修二教授が、青色発光ダイオードの発明について日亜化学工業へ200億円の支払いを求めた訴訟の判決が東京地裁で言い渡されます。
    --
    Copyright (c) 2001-2014 Parsley, All rights reserved.
  • by snd (14690) on 2004年01月30日 11時53分 (#484332)
    この辺の雇用契約って実際はどうなっているんでしょうか?
    理想を語らせていただくと、それこそ著作物の印税のような感じで売上げだか利益だかの何%とかいうふうに決めてしまっておいて、高く売れれば売れるだけ発明者(達)に金が入るみたいな仕組みが双方にとってよさそうな気がするんですが。
    雰囲気的には出版社専属の作家さんみたいな感じで。
    世間知らずの勝手な思い付きなので、実は問題が山積かも(^^;
    そもそも発明している人とはいっても社員さんだしなぁ...
    あ、営業さんとかに比べて、少しだけ基本給を低く設定しておくとか
    そんなことしたら人が集らんか...
    結局何が言いたいんだろう?>私(こら
  • by Anonymous Coward on 2004年01月30日 13時12分 (#484407)
    このような動きは間違っていると思います、
    この人が研究開発をする為に使った費用は、
    会社(他の社員の労働力の成果)より捻出されたお金であって
    成功したら自分により多くの金をよこせってのは
    根本から間違っていると思います。

    こんな人は個人で研究所でも設立してやってください。
    又は、契約社員として、事前にそのような契約を結んでから就職しようや。
  • by Anonymous Coward on 2004年01月30日 13時58分 (#484456)
    やっかみで足引っ張りあうのもなんだかなぁ。
    特許に限らず、仕事なんだから「相当の対価」貰うべきでしょ。

    その発明の研究開発をサポートしたヒトも、
    その発明を他社に営業して高値で売りつけたヒトも、
    その発明で実際に製品開発を行ったヒトも、
    その他大勢の社員がみんな、自分の成果に対して
    「相当の対価」を求めるのが正しい姿では?
    で、みんなが利益から何パーセントか貰えば良い。

    自分のところにも多少なりとも「対価」が入ってれば、
    1割貰った発明者に高過ぎると文句つけるやつは少ないんじゃない?
  • 否定的意見が目立つけど、みんな、与えらた仕事を与えられたとおりにするというような、「仕事」の枠がはっきりしているようなところでの考え方のような気がする。
    それって、お役所とか工場とか、工業化社会に基づく発想のような気がするのですが。
    それなりの利益を生む知識を作った人に敬意をはらって、それくらいの報酬がもらえるようにするのは、知的所有権とか著作権に価値をおく、これからの高度知識社会にとってはいいことではないのかね?
    だいたい、それくらいの報酬がもらえるぐらいでないと理系離れ・勉強離れの昨今、誰が勉強するんでしょう?
  • by locate (5848) on 2004年01月30日 16時07分 (#484578) 日記
    現状では(というか以前までは)、ほとんどの会社で特許が当たろうと
    当たるまいと、一律数万円程度の報奨金だったというのが問題。
    そういう会社もあっていいんだけど、当たればタップリ出しますという
    会社もそこそこあれば、技術者、研究者としては自分の意志でどちらが
    良いかを選択できます。
    そうすればどのような会社に優秀な研究者が集まるのか、成果が上がる
    のかが比較できる。どちらを選択するかは各企業の選択なわけだし。
    とにかく大企業の半分ぐらいは一攫千金可能な制度
    を導入して、残りの半分ぐらいが利益はすべての技術者(営業も含めたい?)
    に分配する方式を導入する。
    そして、技術者、研究者は自分にあうと思う所で働くとよい。

    10年ぐらい前まで、給料を完全能力給にする企業なんてあまり無かったのに、
    いくつかの大企業がやり始めたら、オセロみたいにパタパタとどこもかしこも
    やり始めたよね。それと同じであと10年後には、こんなこと当たり前に
    なってるんだろうなあ。
  • by Anonymous Coward on 2004年01月30日 16時14分 (#484591)
    皆さんご安心ください。

    タレコミでもカバーされているとおり、特許法改正により、今回のようなことは多分大企業ではもうなくなるでしょう。

    『対価の算定は労使間の契約による金額を原則として優先する方針を採る。社員が納得のいく手続きを踏むことを企業に義務づけ、手続きが合理的であったとみなされた場合には「相当の対価」を請求できない』

    ということですから、現在の会社と会社員の力関係から見て、労使間の「契約」は、以前の数万円とかいうスズメの涙よりはマシになるかもしれませんが、人のうらやむような200億なんて報酬はありえないようなものになるでしょう。

    よかったですね皆さん。「平等」な国に生まれて。
    • 今の様な企業が優位な買い手市場ではそうかも知れません。
      しかし景気好転の暁には、ある程度社員有利な労使契約 (成功した場合の歩合制を含む) を結ぶ企業が現れるのではないでしょうか。
      今回の法改正は一概に企業有利というわけではなく、あくまでも「ルールは事前に決めてね」という方向を目指したものと (好意的に) 解釈してます。
      --
      だが、いいこともあるぞ、外の天気は上々なんだ
      親コメント
  • って奴ですか?すげー。
typodupeerror

Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級

読み込み中...