さらに耐性を増したMRSA 88
ストーリー by yourCat
ここでもイタチごっこ 部門より
ここでもイタチごっこ 部門より
hinata曰く、"asahi.comによると、MRSA (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) の特効薬ともいえる抗菌薬 (バンコマイシン) が効かない、新たなVRSA (バンコマイシン高度耐性MRSA) が米国で発見されたそうです (米疾病対策センターの詳細)。このVRSAは、バンコマイシン耐性腸球菌が持つ抵抗遺伝子VanAを何らかの形で獲得したもののようです。
どんどんと耐性を増していくウィルス…抗生物質療法では駄目だということでしょうか。いずれにしても、ウィルスと人類の戦いは、まだ当分続きそうなのです。"
細菌≠ウィルス (スコア:4, 参考になる)
さらにウィルスにはもともと抗生物質は効きません (とされています)。
VRE の出現以来 MRSA へのバンコマイシン耐性の伝達は危惧されていましたが現実になったんですね。対 VRE の最終兵器とされていたリネゾリドにも耐性を持った菌がすでに出現していますし、少しでも耐性菌の増加を防ぐべく抗生物質の濫用は慎んでいただきたいところですが、現場ではそうも言っていられない状況があるんでしょうし、難しいところです。
新薬を使えば使うほど病院が儲かるシステムにも問題があるんですけれど。
Re:細菌≠ウィルス (スコア:1, 興味深い)
やっぱりいるんですねー、↑こう思ってる人が。というか、反論が出ないって事は、こう思ってる人の方が多いのかな?
「勤務医」で、そんな事を考えながら新薬を使ってる人なんて少ないと思いますよ。それよりも、目の前の患者さんに「どうにかせねば」という一心で、使ってみる事が多かったです。でも、新薬って当然高価だし審査のチェックが厳しく、減点の対象になる可能性が高いので、「経営者」や事務側にとっては安易に手を出してほしくないと思ってるのが本音じゃないでしょうか。(そっか、そうすると大学病院は「経営者」ってのはいないので、それで甘いのか)
それに、昔は薬価差益が大きかったので処方するほど得だった時期もあったようですが。今は新しい薬ほど薬価差が少なく、消費税をちゃんと考えないと逆ざやになる可能性だってあります。それに、新薬だからといってリベートをくれるところも今はありません。接待も少ない・・・というか、今はない。それどころか、最近は粗品のボールペンももらえないぞ!!
今度、大学病院からの要請でインターフェロンをする事になったんですけど、仕入れ値ばっかり高くって、病院の利益としては注射の手技料と再診料程度しか出ない。そのわりにインターフェロンが高価なためにうちのレセプト全体が高くなってしまって、審査が厳しくなる可能性がある・・・。
新薬で儲かるのは、製薬会社ばっかりです。
保険 (スコア:3, 参考になる)
(入院中は病院に行きます)
でも「新薬の方が効く」と説明されると使ってみる、というミーハーな流行はあるとは思います。
大学病院での研修医は、過去の経験がない分、新しい薬を使いやすいかと。
(年輩の医者は普通は保守的で、そうそう使用薬を新薬にしません。加減も副作用も未知ですから。ライブラリの新Ver、カーネルの新Verが出たからと言ってすぐにupdateするのは勇気がいるでしょう?初期のバグが怖いのは薬も同じです)
ただ保守的といっても血圧の薬は変動の少ないアムロジピンとかにしてもバチはあたらんと思うのですが、、
大学病院の赤字は、研修医が保険病名を書かないのが原因の一つかと。
(保険病名というのは保険を請求するのに必要な病名で、必ずしも体内にその病気があるとは限りません。つけまくったからといって病院は儲かりませんが、ついていないと保険機構から病院はお金を回収できません。)
C型肝炎は、厚生省が本気ならインターフェロンの保険適応がこんなに厳しいわけはないので、「国家財政のためには現行の患者が死に絶えるのを待つ」のが基本戦略ではないかと邪推します。
(半年とかいう単位でうち続けるので、自腹だと100万円は飛びます。このうち8割を国が負担するとひとり80万、で、日本にいる患者は少なく見積もっても300万人。総計、、、)
Re:保険 (スコア:1, 参考になる)
ちなみに、うちはずーっと院内処方。だってその方が、患者さんは便利なんだもの。(そんなの、最初から分かりきってる)それに、手元にある薬の方が、副作用などの薬の情報が得やすいしね。
インターフェロンに対する審査は、甘くはないが、キチンとしていれば切られる事は無いとか。逆に言うと、1本2万もする注射、切られたらシャレにならないっす・・・。
一応、検診でもウイルス検査を出来るようになりましたし、(本気ではないとしても)HCVに対する厚生省の方針は、好意的に受け取って良いと思います。
少し本題に戻して・・・
耐性菌の発生の原因が抗生物質の濫用にあるのは確か。それに、「新しいから効く(それは抗生物質の場合当たり前)」という理由だけで新しい薬を使っていては、どんどん耐性菌を作るだけ。だから、古くからある薬を必要量だけ使うようにしなくちゃいけない。
にもかかわらず・・・MRは新しい抗生物質を持って来るんだよね・・・。製薬会社がそんな姿勢では、あかんやろう。
Re:細菌≠ウィルス (スコア:1)
ダウト (スコア:2, すばらしい洞察)
○細菌
Re:ダウト (スコア:2, 参考になる)
それにウイルスは代謝しないので抗生物質は効きませんぜ、だんな。
Re:ダウト (スコア:1)
まるでウィルス並みですな;-)
Re:ダウト (スコア:1)
いや、むしろ遅いくらいですよ.これまでよく持ったというか.バンコマイシン自体が副作用や剤形の問題から使いにくかったせいもあるんでしょうが.
新しい抗細菌性化学療法薬が市場に投入されてからその耐性菌が出回るまで、使用を規制しない状態では大体1〜2年と言われてます.
Re:ダウト (スコア:1)
私の中では なので、元タレコミの文意にも沿えると思うのですが。
# 識者のコメント求む
Re:ダウト (スコア:1)
これだとウイルスや細菌以外にも化学物質も含みますから
今回の話題には範囲が大きすぎるかと。
化学物質は進化しませんし。
kaho
「体」が広すぎるなら (スコア:1)
(ウィルスが生物かどうかは、ウィルスの本性がなにか、ということよりも、「生物」という言葉をどう定義するか、というところに主要な論点がありそうな気がしますが)。
Re:「体」が広すぎるなら (スコア:3, 参考になる)
違います。
・・・というのは生物学者(高等生物扱う)の言い方。
情報系の人は生物に入れたがりますね。
おおざっぱに言って
物理学者(実験系)・・・散逸系ではないのでただの物質
物理学者(情報系)・・・情報を遺伝して進化するから確実に生物
生化学者・・・・・・・・観察上違うから違うんじゃない?
生物学者(理論系)・・・現在分類上違うけどどこかでつながってるはず
生物学者(動物系)・・・違うことになってるけど似てるところもあるし・・
医者・・・・・・・・・・違うんだけど、説明が面倒だから・・
という感じでしょうか?(かなり予断入ってます)
ウイルスって、実はそれをテーマにして研究している人って非常に
少ないんですね。(pathogenとして治療しよう、という人ではなく)
日本だと獣医学系の研究室にいくつかあるくらいじゃなかったでしょうか。
それもあって外交的には「違う」ということになっていますが、あまり
見解が統一されていないようでして。
kaho
Re:「体」が広すぎるなら (スコア:1, 興味深い)
日本だと獣医学系の研究室にいくつかあるくらいじゃなかったでしょうか。
留保がついているとはいえ、それでは京大ウィルス研の立場がねぇです。
http://www.virus.kyoto-u.ac.jp/
Re:「体」が広すぎるなら (スコア:1)
あ、存在を知らなかった訳ではなくて、私の意識では医学系に分類して
いたので。
もしウイルスの起源とかまで研究されてるのでしたら単に私の不明の致す
ところですので関係者の方にはお詫びいたしたく候。
kaho
Re:「体」が広すぎるなら (スコア:1)
>少ないんですね。(pathogenとして治療しよう、という人ではなく)
ウイルス屋さんは微生物学関係の中では割と多い方ですよ.
ウイルスの場合は細菌に比べるとゲノムが小さいことと機構が単純なことから、分子生物学的な方面の研究がしやすいことと、ヒトのウイルスが医学と結びつきやすい分、研究を進めやすい(予算面からもね)こともあって、今はいちばん多いんじゃないかな?
#次が細菌か真菌(ただし生物系もモデルとして使う酵母類。糸状菌はごくマイナーだろうな)、それから原虫(マラリアは世界的には多そうだが)
ただしウイルスの生態が宿主への異変を伴うものですから、ウイルスの機構解明はまず病態との関わりと結び付けて考えられます.宿主を考えずにウイルス「だけ」をテーマにするってのはscienceとして視野が狭いと言われるかも.
辞書的には (スコア:2, 参考になる)
ライコスの辞書で引いてみると [lycos.co.jp]、
てことで、生物ではないらしい。
#「ウイルス」で引かないと出てこないのね・・
> (ウィルスが生物かどうかは、ウィルスの本性がなにか、ということよりも、
>「生物」という言葉をどう定義するか、というところに主要な論点がありそうな気がしますが)。
というよりも、一般の人は「単独では生命活動を営めず」ということを知らんと思うので、
なんとなく「生物」だと思ってしまうのでは?
#私も「生物ではない」とは知らなかったし。
Re:ダウト (スコア:1)
Re:ダウト (スコア:1)
VRSAの日本語名 (スコア:2, 興味深い)
「バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌」でしょうか。
# 細かいですけど。
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Re:VRSAの日本語名 (スコア:2, 参考になる)
いや, VRSAやMRSA単体なら既存だったんだけど, 今回は両刀遣いなので問題が大きいということでしょう. だから元の訳は正しいわけで, 略称にするならVMRSAということになるんでしょう.
個人的には最近出てきた市中型激症MRSAの方が怖いですね.
Re:VRSAの日本語名 (スコア:1)
# 細かいなぁ > 私
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Re:VRSAの日本語名 (スコア:1)
つってもいくらそれが正しかろうと、混乱の元なのでやはりMRSAは「methicillin resistant」であるべきだと思いますけどね.
つってもまぁ、今は検査用途でも不安定なメチシリンではなくてオキサシリンを使いますから、すでに「オキサシリン耐性黄色ブドウ球菌」が実体だったりするんですが (^^;
ところで (スコア:1)
たれ込まれるんすか?
nerdsは生物が好き??
ちなみに俺は好きですが
Re:ところで (スコア:1)
一般科学・一般工学系ってことやね。
# ・・って一般科学・一般工学なんてコトバがあるかは知らんけど。
Re:ところで (スコア:1)
Re:ところで (スコア:1)
Re:ところで (スコア:1)
・・・って直訳なんてkubotaさんには釈迦に説法ですね。
個人的には心理学から先は科学に含めないでおきたいです。(医学が
ダークゾーン)
まあアインシュタインのアイコンに生物が似合わないのは確かですねえ。
むしろ人文系を入れたくなってしまう。
二重螺旋アイコンとかつくって、クローンなどの話題を分類する「バイオ」
って作ったらいかがでしょう>編集者の方々
言い出しっぺの法則でそれくらいなら私がやっても構いませんし。
kaho
Re:ところで (スコア:1)
その通りです。
ただ、社会科学は個人的に「あっちの世界」に入れてるのであえて無視しました。
経済学も科学の範疇に入れたくないです。私。
ACさんがsocial scientistで不愉快な思いをされたのでしたらあっさりと謝ります。
ごめんなさい。
kaho
いいかげんオフトピック(Re:ところで) (スコア:1)
科学 == Wissenschaft とするのであれば含まれると見ていいような気がします (もっとも、この辺は独母国語圏の人に聞かないといけないかも)。
科学 == science とすると、個人的には違和感ありですね。 もっとも、social science という語彙もあるので、『私が個人的に「社会・科学」という単語自体に違和感があるだけ』なのかも知れません (「社会科・学」なら全然 O.K.なんですが :-)。
勘違い (スコア:1)
差分攻撃に耐性を増したModified RSAとか(笑)。
けど (スコア:1)
昔得た耐性を永遠に持ってるかというとそうでもないらしい
と言う話が聞いたことがある。
昔の使われてた薬が又再び聞き始めたとか、
インフルエンザが周期的に違うのが流行るのはこのせいとか、
どっかの医者の爺さんに聞いた事あるなあ。
やっぱり使わない機能は退化したり、
遺伝子の記録容量にも限界があるんだろう。多分。
今の薬を使いまくって総当たり効く薬を探すよりも、
効く薬を探す手だてが出来ればこんな事も無くなって
薬A->薬B->薬C->薬Aみたくなって
美味く耐性が循環するようになるんでないか?
なんかプロテクトとか情報保護にも通じる道があるんだかな。<爆
早く人間の遺伝子を完全に解析してほしい所。
Re:けど (スコア:1, すばらしい洞察)
現実にはそういう環境はあり得ないので、 細菌は多重に耐性を獲得してしまいます。
あと、
インフルエンザはウイルスです。
同列に話は出来ません。
周期的にはやるのは、ヒトの免疫が記憶していないタイプが 出現する為。
ヒトの免疫は一度会った抗原は覚えているので どこぞの聖闘士よろしく、一度あったウイルスさんは効かないですよ。(笑)
けど、ヒトは代替わりするしね。
これのキモって (スコア:1)
「このVRSAは(前から懸念されていたように)VREの耐性遺伝子を
獲得して、バンコマイシンにとても強い耐性を示していること。
数字上は、6年前に見つかった日本産の4倍以上。」
ですよね?「世界初の発見」ではないと思うんですけど。
Re:強化される一方なんですか? (スコア:2, 参考になる)
持つ薬物が多用されてる限りにおいては多重に耐性を持ち続けま
す、というより耐性を残す菌だけが世代を重ねることができます。
その薬品が使われなくなった場合…
それに対する耐性を持つことが生き残りの条件ではなくなるので
さらなる進化?の課程において耐性を失って行くこともあり得ます。
Re:強化される一方なんですか? (スコア:1)
という器があるとすれば、薬物投与のような過渡的な
対応を受け流すのにぴったりのバランスとスケールを
持っているのかも知れないですね。
- Ryuzi Kambe -
Re:強化される一方なんですか? (スコア:1)
機能強化的な変異を起こしたものが、より生き残りやすいという話。
Re:強化される一方なんですか? (スコア:1)
細菌の日常生活を圧迫し、生存競争で負けることになっています。
でもMRSAも絶滅はしないので、抗生物質でライバルが死に絶えると
ゆっくり増えてきます。
その前に人類は (スコア:4, 参考になる)
日本では心臓手術の前に予防的にバンコマイシン投与していた 大学病院もあったぐらいですから。(笑えない)
(数年前に見学した医学生の指摘をきっかけに、 悪しき慣行に麻酔科から物言いがついて消えました)
バンコマイシンって結構な割合で副作用として腎臓をつぶすので、「温存する」以前の問題ですが。
またVREはヒト用でなく、ニワトリの成長促進に使われた抗生物質(アポパルシン)をもとに誘導されてしまいました。
抗生物質を出さないと悪評(?)が立ちますし
(ご近所の噂に「あの病院は抗生物質も出さない」と複数聞いて開業医にちょっと同情しました)
上に書き込みがあるとおり、カゼの9割はウイルスで、抗生剤は屁のつっぱりにもなりません。
外来でカゼ症状が来て「明日までに仕事がー」と言われると、無茶して肺炎に進むかも、ということで抗生剤を出さざるを得ませんし。納期前の無茶はやめましょう(笑)
(医者も重症化への例外処理を実装したいのです。顧客のためにも、例外事象による信用喪失防止のためにも)
まじめな医者は、外来カゼ症状での抗生剤投与は小児、老人に絞り込みたいのですけれど、なかなか、、。
人類はむしろ弱体化してるんじゃないでしょうか (スコア:1)
不衛生だといって子供を外で遊ばせたがらない大人がいるという話を聞いて驚いた覚えがありますが、人類のほうは弱体化が進行しているのではないでしょうか。
Re:無敵の開発者を・・・(おふとぴ) (スコア:1)
あらゆる環境に耐えうる無敵の開発者を・・・(既に実行中?)
でも、逆境に晒されると能力は伸びても人格は崩れる
可能性が大きいだろうから、折角獲得した能力も結局は
「人間は滅ぼすべき...」なんて方面に使われてしまう
んじゃなかろうか。
転用された人間は暴走する にバンコマイシン4096mg。
Re:無敵の生命体を・・・ (スコア:1)
> あらゆる環境に耐えうる無敵の菌を作り出す事ができるのでは?
「あらゆる環境」ってのは範囲広すぎて、無理じゃないかな。
例えば、酸素がないと生きられない細菌と、酸素があると生きられない細菌があるよね。
それは、それぞれ環境に適応した結果であるわけで、酸素がない環境に適応すると
酸素があると生きられなくなったりするんじゃないかな。
ある環境に適応する、というのはその環境で生きるように変わっていくわけで、
違う環境に移ると以前の環境での適応力を失うんじゃないかな。
> そこで得た情報を人間に転用とかできないんですかね?
たとえ、無敵の菌を作り出すことができたとしても、
その情報を人間に転用するのは遠い道のりでは?
ある細菌の生息する環境が、人間(の細胞)にとって生息できる環境とは限らないし。
MRSAの場合は (スコア:2, 参考になる)
Re:はて (スコア:1)
興味があるようでしたらここ [athome.co.jp]とかここ [nagoya-u.ac.jp]などを読まれると参考になるかと。
Re:はて (スコア:1)
#こんな説明でいいのかなぁ...
耐性を効率よく獲得するには、 (スコア:1)
で、最初の一匹(?)が獲得した後は、みんなで交換会と。
-------- tear straight across --------
基本的に、細菌特有の部分に効くのが抗生物質 (スコア:1)
ペニシリンもバンコマイシンも細菌に有って人間には無い細胞壁を破壊(作れなくする)薬品です。
だもんで、人間のDNAには細菌が使ってるような耐性遺伝子は無いんです。
Re:耐性を効率よく獲得するには、 (スコア:1)
ヒトが抗生物質にやられないのは,耐性遺伝子を持っているからではなくて,抗生物質の働きようがない,つまりブチ壊すべきモノがないからです.
参考
http://micro.fhw.oka-pu.ac.jp/microbiology/chemotherapy/antibiotics.html
Re:近い将来に・・・ (スコア:1)
安全を維持するためにパフォーマンスが犠牲になります。
単体のウィルスの脅威も日々増加していますが、種の爆発?によってスキャニングという手法が限界に近づいています。
対策 (スコア:2, 興味深い)
ただ、情報公開といっても、とほほな病院ほど情報隠蔽に走ると思いますので、刑事訴訟でそんな病院を事後に管理責任でつぶしていくしかないと思います。
とりあえず医師免許取消を医師に任せないシステムにすることが急務でしょうね。
それでも10年前に比べると、院内感染にたいする意識は一般には改善されていると思います。
最近、院内感染の報道や裁判が増えているのも、件数が増えているのではなく「表に出てくるようになった」=「異常であるという意識が看護婦も含めて広がった」とお考えください。
あと、誤解を招く点だけ訂正すると、MRSAの後始末はもうかりません。ベッドや部屋の壁の消毒といった作業は患者に払ってもらうわけにはいかないので、基本的には持ち出しです。
病院内のMRSAは、以下の病棟を閉鎖すれば確実に減ることも確かです。
(1)相部屋。基本的には院内感染は器具や薬剤の使い回しという悪行でなければ、部屋単位で広がります。そのため、患者に部屋替えしてもらうこともしばしばです。総個室なら、対策はとても楽になります。総個室化の費用を皆が納得して、保険代や税にしめる医療の予算を承認すれば、劇的に改善されるでしょう。
(2)ホームレス対応病院の閉鎖。ホームレスの人は退院しても環境が悪く、感染と治療を繰り返して体内に多剤耐性結核菌を持っていたりすることが多いです。そういうわけで、一般の病院はホームレスを引き受けたがりません。手間はかかるし、人間関係でトラブるの確率も高いので。そこでだいたい地方ごとに対応する病院が決まっています。こういう病院は治療成績の向上とかは考えないので(行政も病院でなくホームレス収容施設と思っているのです)院内感染の対応も後手後手にまわりがちです。
(3)姥ステ山病棟。みなさんのおじいさんおばあさんが、行き所が無くて老人ホームがわりに社会的入院という名目で病院に大量に送り込まれてきます。体の弱い人が病院に長居すればいろんな菌をもらいやすいのは自明です。
かように医者もMRSA対策=社会的問題に頭を痛めています。医師を敵視するだけでなく、このような状況の対策にも協力していただけると幸いです。