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通信

「正しい英語」などというものが存在しない理由とは 169

ストーリー by headless
規則 部門より
言葉の乱れはメディアが好んで取り上げる題材だが、英文法の細かい誤りを指摘するようなことは歴史の本にでも入れておけばいいと、Oliver Kamm氏は主張する(WSJの記事本家/.)。

言語学者は「正しい」用法をルールブックで調べるのではなく、実際に人々がどのように言葉を使っているのかを検証していく。ある言語で一般的に使われている用法であれば、すべて文法的に正しいといえる。一方、物知り顔の人々が引き合いに出す文法規則には一般的な用法の裏付けがなく、良くて文体上の慣習に過ぎないという。言葉にうるさい人たちは、秘かに迫る文化的な相対主義から伝統を守る者と自分たちを表現するが、「正しい英語」と呼ばれるものは18世紀の文法家が勃興する市民階級に礼儀を教えるために作り出したものであり、それほど伝統的なものではないそうだ。

言語の慣習を教えることは重要だが、ひどく誤った2つの考えが教育に結び付けられてきたという。一つは標準でない方言は不適切な英語であるという考え、もう一つは偽の規則(不定詞を分割してはならないといったもの)に依存して識字能力を測る考えだ。人々はどのように話すかで非難されるべきではなく、作り上げられた愚かな言語的慣習を覚えこまされるべきではないとのことだ。
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  • あまり知られてないが,英語の発音が綴りを無視して謎の変化をした時期があって(だいたい17世紀まで),これは大母音推移とかよばれている.このため,現在の英語は発音と綴りが噛み合わない宙ぶらりんの状態で,原理的にはどちらかを直さないと「正しく」ない.

    # 例えば,昔は home は ホーメ と発音していたのだ.この頃の発音ならばなんと理解しやすく,かつ言文一致していたことか.

    つまり,英語の発音を17世紀以前に戻すか,綴りを現在の発音に合わせるかしないかぎり,かのブリテン野郎(愛称)の英語は書き言葉を読み上げるシーンでは「正しくない」.過去のブリテン人が今に現れたら「奇妙な発音」にびっくりすることだろう.

    そんな現状で「正しい英語」?いやいや,間違っている現状をまずなんとかせーよ.

  • by Anonymous Coward on 2015年03月21日 19時01分 (#2782201)

    ほとんどそのまま成り立ちそう

  • by Anonymous Coward on 2015年03月21日 18時52分 (#2782193)

    そもそも英語なんて英国が覇権を握っていた時代に実質世界語化したものだろ?
    ”正しい”英語はその中でもごく一部の支配者層が違和感を感じない言語のことだろ?
    その成立も、ブリタニアを支配していたアングル族とサクソン族が大陸系のノルマン人に支配され
    その特徴的な言い回しがかっこいいので取り込むことで複雑化した
    平たく言えば支配者の言語だろ?
    支配者に取り入るにはより流麗な言語を身につける必要があったということだろ?
    これに反発したのがベーシック英語
    850語で全てを表現するというベーシック・イングリッシュは平和主義と密接に結びついている
    提唱者のオグデンの言論活動は度々右派から攻撃されている
    権威、権力、虚飾と欺瞞を言語から拭い去るために生まれたのがベーシック英語
    そういう背景を知ると、ウィストンチャーチルがベーシック英語支援に回ったのはなんか感じるものがあるなあ

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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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