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日本のソフトウェア産業を振興させたいなら大企業を一つ潰せ 169

ストーリー by kazekiri
一個ぐらいなら 部門より

どこかの中の人 曰く、

KLAbのCTOであり、オープンソース界隈でも 知られている 仙石浩明氏が自身の日記にて、「日本のソフトウェア産業を振興させる唯一にして最も効果的な究極の振興策は大企業の一つをつぶして、死蔵していた優秀な人材を放出させることである」という名言を書かれている。

一見暴論のようにも見えてしまうが、日本ほど優秀な技術者を幾つかの大企業の奥底に塩漬けさせている国も珍しいのではないだろうか? そう思うと、どこか適当な会社が一個潰れれば人材が流動化し、優秀な事業家とのマッチングでイノベーションが生まれるという発想もアリに思えてくる。家電業界では業績不振の会社が草刈り場になるという事例も聞いたことがあるが、仮に富士通、日立、NEC、NTTあたりのどこかが傾くと劇的な変化が生まれるかもしれない。ただ、その他の多勢の社員の生活と日本の景気にどう影響するかは恐いところだが。

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  • 無駄だよ (スコア:5, すばらしい洞察)

    by vn (10720) on 2006年12月11日 12時25分 (#1073353) 日記
    大手電機メーカーが潰れれば優秀な技術者が市場に放出されるが、
    優秀な経営者がにわかに出現する訳ではない。

    同じ程度に罔い経営陣が率いる大企業が、漁父の利を得るだけのことだよ。
  • by Artane. (1042) on 2006年12月11日 13時12分 (#1073400) ホームページ 日記
    大企業はコスト圧縮のために、かなりの部分を外注・派遣(偽装請負)でやっていて、そういうなかには少なくない優秀な技術者も私が渡った仕事場を見ていると結構いた訳ですが、派遣(偽装請負)なんかの場合は特に彼らの能力が発揮できる場所自体が殆ど無いですし、
    外注の場合も受注側が単価を安く叩かれる上に中抜きが酷くて賃金が仕事の量やレベルに見合わなかったり職場環境が劣悪だったりしてモチベーションの維持が難しい場合が非常に多いのではないかと思います。

    そういう劣悪な状況をみすかされてか、技術者になろうという人も減っているし、ここ二十年強の「教育改革」や「経済改革」の煽りで(社会全体の)教育自体も「勝ち組」になるための競争を子供に強いるか、子供に十分な教育を施せないかの二極分化がリカバリーポイントを越えた形で進行してしまっている。

    つまりは、労働環境が大企業も中小企業もどうしょうもないところが大半で、多くの労働者・技術者を「使い捨て」にするのが当り前になっている以上は、優秀な技術者の芽がある人でもいっぱしの技術者になる前に殆ど潰されてしまうし、優秀な技術者の殆どは目の前の仕事をやるのに追われて後進の育成もままならない状況がここ十年以上続いている。

    しかも、大企業の競争相手は既に国内企業では無く、技術レベルの優秀な海外の企業だったりする。

    これで、「優秀な技術者を放出すべき」と言ってもどうしょうもなくて、根本的に労働環境を変えないとダメでしょう。後進の育成が出来る環境と後進が出て来やすい環境を大中小・企業の規模を問わずに強制的に整備・維持させるように国策を転換しないと、十数年で電子産業全体が先細りして衰退する所まで状況はいきついてしまっていると思うのですがね。
  • by Anonymous Coward on 2006年12月11日 12時23分 (#1073349)
    他の大企業に移るだけでしょう。
    • by Anonymous Coward on 2006年12月11日 13時29分 (#1073416)
      そうですな。
      安定したいので大企業にいるんだし。
      ベンチャー気質ならとっくに飛び出してるでしょ。

      最近はネットで有名ソフト開発者がGoogleに引きこまれてますね。
      つまりGoogleを潰せとw
      親コメント
  • あれ? (スコア:4, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年12月11日 12時23分 (#1073350)
    >仮に富士通、日立、NEC、NTTあたりのどこかが傾くと

    どれももう傾いてるけど?
  • はて? (スコア:4, すばらしい洞察)

    by pivo (27159) on 2006年12月11日 12時25分 (#1073355) 日記
    優秀な人材が死蔵されたままそこにとどまっているのなら、それはすでに優秀な人材ではないと思う。
    だって、自分の能力を生かすことができない職場にいるのに、その状況を変えない人ですよ。
    • ちょっと誤読では? (スコア:4, すばらしい洞察)

      by newmodelx (4227) on 2006年12月11日 12時30分 (#1073361) ホームページ 日記
      話題にあがっているのは「優秀な技術者」で、「優秀な人材」ではない。
      「その状況を変えない人」はおっしゃるとおり「優秀な人材」ではないが、それをもって「優秀な技術者」でないとするべきではないと思われる。
      無論、「優秀な技術者」であり「優秀な人材」である方も少なくはないだろうが…。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年12月11日 13時47分 (#1073432)
        えーっと、独立できるほどの技術があっても、上から言われたタスクを黙々とこなす優秀なライン作業員の事を指しているのでしょうか?
        技術者と作業員(登 大遊@筑波大学情報学類の SoftEther VPN 日記) [hatena.ne.jp]

        「優秀な技術者」だけである彼らがそこに留まっているのは、大企業に属しているという価値が他の何よりも替え難いからでしょう?
        「大企業に就職した」という、就職戦線における勝利に甘んじて技術を持て余していた人間がフリーになったところで戦力になるか疑問。
        問題を解決する技術力を持っている、それが客観的に優秀とされるレベルに達しているなら、自ら塩漬けにされている状況に満足できる訳が無い。

        たとえば、Googleのように「強い企業(≠大企業)」と「良い待遇(地位?金?名誉?)」を用意するほうが、「大企業が傾いてくれれば流れてくるかも」
        のような他所の失敗を祈願するよりも現実的で費用対効果が高いと思われる。
        大した技術も無い荷物社員を拾いたければ、どんな会社にもチャンスはあるだろうけど。
        親コメント
        • by mishima (737) on 2006年12月11日 15時38分 (#1073520) ホームページ 日記
          > 「優秀な技術者」だけである彼らがそこに留まっているのは、大企業に属しているという価値が他の何よりも替え難いからでしょう?

          もし仮に、みんなが自分の欲しいものを理解して、それに対する深い知識を持ってるなら、
          その仮説が成り立つかもしれないねね。

          #人間がそんなに合理的に振る舞うわけないと思うけど。古典経済学の方から来た人?

          > 問題を解決する技術力を持っている、それが客観的に優秀とされるレベルに達しているなら、自ら塩漬けにされている状況に満足できる訳が無い。

          万能の問題解決能力というものを想定しているわけね。
          その意味では、世の中に優秀な人なんていないだろうね。
          でも、そういう話じゃないよね。

          エンジニアという一芸に秀でたやつをマネジメントなどによってうまく活用していけばいい。
          んで、大企業はおおむねそれが下手である、と。そういう話なんじゃないの?

          #リンク先の話も、それはそれで面白い話題だな、と思った
          --
          # mishimaは本田透先生を熱烈に応援しています
          親コメント
    • Re:はて? (スコア:4, 参考になる)

      by crypt (12091) on 2006年12月11日 12時36分 (#1073368)
      状況を変える能力はなくても、他に特異な能力を持っている人なんてたくさんいますよ。
      「優秀な人材=優等生」ということではないでしょう。

      私が見た実例では、優秀なプログラマの上に、人の意見を抑え付ける能力においてきわめて優秀な上司がいて、プログラマが塩漬けになっていました。
      親コメント
    • Re:はて? (スコア:4, 興味深い)

      by CowardDuck (25674) on 2006年12月11日 14時43分 (#1073476)
      >だって、自分の能力を生かすことができない職場にいるのに、
      >その状況を変えない人ですよ。

      「自分の能力を生かすことができるかどうか」を誰もが
      価値観の中心に置いているわけではない。

      自分の能力が仕事に行かせてなくても処遇には満足していて
      仕事以外の面で幸せを感じている人はいる。

      その中には優秀な人もいる。
      親コメント
      • Re:はて? (スコア:2, 興味深い)

        by Anonymous Coward on 2006年12月11日 15時49分 (#1073529)
        >自分の能力が仕事に行かせてなくても処遇には満足していて
        >仕事以外の面で幸せを感じている人はいる。

        それで、その中には優秀がいるとして、彼らが満足している処遇を、
        用意できているのは「大企業だから」に拠る所が大きいわけで。
        「自分の能力を生かすことができるかどうか」を誰もが価値観の中心に置くわけではないが、
        そう考える人で無いならば、仙石某さんが言う大企業崩壊待望論が起きても、
        優秀な人材が仙石某さんの会社に流れる契機になる事は無いでしょうね。

        まず、「自分の能力を生かすことができるかどうか」に関心のない技術者は
        同じような処遇を求めて、それを用意できる大企業の中で転職を考える。
        以前はライバルだったか、系列企業か、まず大企業がその中の優秀な技術者を選んで採用する。
        仙石某さんが拾えるのは、前の処遇が恋しくてたまらないモチベーションで働き、
        なおかつ優秀な技術を持っていない残りカスくらいというオチ。
        そんなのでも、仙石某さんの会社にとっては戦力になるかもしれないけど。
        業界的には有り難くないなー。

        そんな程度のメリットのために、「会社を潰せ」とかいうCTOの下で働くのはどうだろう。
        そんな人がいる会社が、大企業並みの処遇を与えるとは思えない。
        親コメント
    • Re:はて? (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2006年12月11日 12時29分 (#1073359)
      優秀な人材に過剰な期待をかけてはいませんか?
      親コメント
    • Re:はて? (スコア:2, すばらしい洞察)

      by void-ido (29373) on 2006年12月11日 13時24分 (#1073411)
      日本独特の傾向かどうかは知りませんが、人物の才能を一元量で測ろうとするのは必ずしも適当ではありません。問題の能力一つを取り出して序列を付けるのは良いのですが、それをそのまま一般化したり他の能力と混同するのは誤った方法と言えましょう。
      --
      That is not dead which can eternal lie,
      And with strange æons, even death may die.
      親コメント
  • まず隗より始めよ (スコア:4, すばらしい洞察)

    by LADY_ON_THE_LOOF (30195) on 2006年12月12日 2時29分 (#1073894) 日記
    仮に、本当に死蔵されているとして、なぜその会社を潰す必要があるのでしょう。
    優秀な人材なら、それに応じた報酬で引き抜こうとするのが正しいやり方ですよね。

    どうしても技術者に金を払いたくないのでしょうか。
    そんな人のところに人材は集まらないと思いますが…。
    --
    ----- 傷の治療は傷より痛い -----
  • by Anonymous Coward on 2006年12月11日 12時24分 (#1073351)
    塩漬けする貯蔵庫が変わるだけで、業界自体は大して変わらないんじゃ

  • by Anonymous Coward on 2006年12月11日 12時32分 (#1073362)
    ってか、それって過当競争が加速するだけの様に思えるのだけど。

    んなセコイ事言わずに、日本全体の産業全般を振興させれば良いんじゃないかと。
    んで、その為には優秀なお役所の人間を民間に解放すれば良いってのは、昔から言われている話なのだが。

    #『自称』優秀って奴ではあるのだけど。
    #まあ、それでも上の障害が減れば効果自体は有るんじゃないかなっと。

  • こいつぁなんなんだ (スコア:2, おもしろおかしい)

    by marineblue (32426) on 2006年12月11日 12時50分 (#1073383)
    > KLAbのCTOであり、

    まずこの会社にどれくらい優秀な経営者がいるのか、この会社にどれくらい優秀な技術者がいるのか、それを聞こうじゃないか。

    大企業の人材が欲しいだけで言ってるんじゃないのか?
    • 大企業の人材が欲しいだけで言ってるんじゃないのか?

      つーか、大企業にとっての優秀な人材と、ベンチャーにとっての優秀な人材って、微妙に違うんじゃないの?
      優秀であっても、何年も大企業に居て、そこの仕事のやりかた・文化に慣れてしまった人の場合、ベンチャー企業の仕事のやりかた・文化に順応するのに一苦労するんでは?
      最悪、大企業では、そこそこ、有能な人材だけど、ベンチャー企業では使いモノにならない、なんて事も考えられるんじゃねぇの?

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年12月11日 21時05分 (#1073740)
      ESPer2006 秋の陣 [mysite.ddo.jp]でこの人の話を聞いたものです。最初はなにものか全く分かんなかったし、今でもこの人がなにものなのかよく分かっていませんが、ベンチャー企業を大きくしていく過程において技術と経営についていろいろと考えながらやってきているようです。

      優秀な技術者ばっかり集めてうまくいかなかった話とかも聞きました。いろいろと苦労しつつ、また紆余曲折しながらKLabという会社を大きくしていったそうです。そういう経緯からか、技術者中心の会社経営に関していろんなことを考えているようです。キナくさいライターやアホな経営者の書き物や言うことと違って、この人の言っていることには実感がこもっているというのが私の印象です。失敗から学び、さらにうまくいくためにはどうすべきかいろいろ考えている、という感じがしました。

      この話に関して最も実感がこもっているなぁと思うのは「優秀な技術者と、優秀な事業家が、出会っていないだけである。」という部分です。なぜかというと、KLabがうまくいきはじめた要因の一つが優秀な技術者と優秀な事業家が出会えたからだという話を聞いたからです。だから、この話のポイントはいかにして優秀な技術者と優秀な事業家を引き合わせるかということなのだと思います。

      「しかし、優秀な技術者の大半が、大企業の奥底で眠っているのだとしたら...?」という文から読み取れるとおり、大企業を一つ潰すというのはあくまでも仮説をもとにして導かれる一つの解であって、他にも彼はいろんな解を考えたのだと思いますが、なかなか思いつかなかったのでしょう。この過激な発言の裏には、優秀な技術者と優秀な事業家を引き合わせたいけれどもなかなかできない、その方法が思いつかない、という悩みがあるのではないでしょうか。

      まぁ、だまされたと思って素直に耳をかたむけてみるか、あるいは、いかにして優秀な技術者と優秀な事業家を引き合わせるかマジに考えてみるというのはどうでしょうか。
      # レスをつける場所が微妙な気がするのでAC
      親コメント
  • 漬物石 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年12月11日 14時08分 (#1073443)
    基本的に大企業の人は昔からマネージメントがメイン
    で、作っているのはパートナーさんや関連会社だと
    思いますがね?

    漬物そのものより漬物石のようなもんだと、、、
  • 自分のところは (スコア:2, すばらしい洞察)

    by noritama2 (32514) on 2006年12月11日 15時02分 (#1073491) 日記
    死蔵などしていない!という自信満々な前提での発言。
    うちの子に限って [wikipedia.org]とか灯台下暗し [wikipedia.org]とか、そんな類。
    こちら [klab.org]で死蔵されている方(自薦、他薦問わず)の発言を求む。
    --
    羊の皮を被った山羊
  • うーん (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年12月11日 16時10分 (#1073549)
    優秀な技術者を大企業から放出して、安い賃金、長い労働時間でこきつかえるようにしようという作戦でしょうか。
    日本の技術者が、なんのために?どういうモチベーションでそんなめにあわなくてはいけないのでしょうか。

    そもそも、海外のソフトウェアベンチャー企業にいるような優れた先見性とリーダシップをもったプロデューサがいないことが問題じゃないのかと、そんなに安い労働力が欲しいなら、オフショアリングとかを効果的にすればいいんであってね。そんなことも思いつかない、または、管理するスキルがないんでしょうな。 米国のソフトウェアベンダにいる技術者のレベルが高いかというと、そんなことは絶対にないから。

    独自の先見性を持っていたり、管理能力が高い人材が日本企業独自のピラミッドの中で塩漬けになっていて問題というならまだわからいでもないが、

  • by kabutch (30040) <kabutch@gmail.com> on 2006年12月11日 13時10分 (#1073398) 日記
    そういえば、国(経産省あたり)が国策として大手電機メーカを統合させて数を減らし、競争力をつける・・・というのをどこかで見た覚えがあるのですが、それと関係あるんでしょうか?
  • 大きい企業ほど (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年12月11日 13時52分 (#1073436)
    それなりの社内研修システムなどが整備されてるんで、潰す必要などないかと思いますが。
    単にドカタを増やすなら話は別ですがね。
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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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