日本のソフトウェア産業を振興させたいなら大企業を一つ潰せ 169
ストーリー by kazekiri
一個ぐらいなら 部門より
一個ぐらいなら 部門より
どこかの中の人 曰く、
KLAbのCTOであり、オープンソース界隈でも 知られている 仙石浩明氏が自身の日記にて、「日本のソフトウェア産業を振興させる唯一にして最も効果的な究極の振興策は大企業の一つをつぶして、死蔵していた優秀な人材を放出させることである」という名言を書かれている。
一見暴論のようにも見えてしまうが、日本ほど優秀な技術者を幾つかの大企業の奥底に塩漬けさせている国も珍しいのではないだろうか? そう思うと、どこか適当な会社が一個潰れれば人材が流動化し、優秀な事業家とのマッチングでイノベーションが生まれるという発想もアリに思えてくる。家電業界では業績不振の会社が草刈り場になるという事例も聞いたことがあるが、仮に富士通、日立、NEC、NTTあたりのどこかが傾くと劇的な変化が生まれるかもしれない。ただ、その他の多勢の社員の生活と日本の景気にどう影響するかは恐いところだが。
無駄だよ (スコア:5, すばらしい洞察)
優秀な経営者がにわかに出現する訳ではない。
同じ程度に罔い経営陣が率いる大企業が、漁父の利を得るだけのことだよ。
Re:無駄だよ (スコア:2, すばらしい洞察)
#結果的には、優秀な人材の流動化はあっても、それに伴ってデスマーチも広範囲に増えるのかなぁ…
/* Kachou Utumi
I'm Not Rich... */
そもそも、環境が… (スコア:5, 興味深い)
外注の場合も受注側が単価を安く叩かれる上に中抜きが酷くて賃金が仕事の量やレベルに見合わなかったり職場環境が劣悪だったりしてモチベーションの維持が難しい場合が非常に多いのではないかと思います。
そういう劣悪な状況をみすかされてか、技術者になろうという人も減っているし、ここ二十年強の「教育改革」や「経済改革」の煽りで(社会全体の)教育自体も「勝ち組」になるための競争を子供に強いるか、子供に十分な教育を施せないかの二極分化がリカバリーポイントを越えた形で進行してしまっている。
つまりは、労働環境が大企業も中小企業もどうしょうもないところが大半で、多くの労働者・技術者を「使い捨て」にするのが当り前になっている以上は、優秀な技術者の芽がある人でもいっぱしの技術者になる前に殆ど潰されてしまうし、優秀な技術者の殆どは目の前の仕事をやるのに追われて後進の育成もままならない状況がここ十年以上続いている。
しかも、大企業の競争相手は既に国内企業では無く、技術レベルの優秀な海外の企業だったりする。
これで、「優秀な技術者を放出すべき」と言ってもどうしょうもなくて、根本的に労働環境を変えないとダメでしょう。後進の育成が出来る環境と後進が出て来やすい環境を大中小・企業の規模を問わずに強制的に整備・維持させるように国策を転換しないと、十数年で電子産業全体が先細りして衰退する所まで状況はいきついてしまっていると思うのですがね。
放出された優秀な人材は (スコア:4, すばらしい洞察)
Re:放出された優秀な人材は (スコア:1, 興味深い)
安定したいので大企業にいるんだし。
ベンチャー気質ならとっくに飛び出してるでしょ。
最近はネットで有名ソフト開発者がGoogleに引きこまれてますね。
つまりGoogleを潰せとw
Re:放出された優秀な人材は (スコア:2, 参考になる)
いろいろ異論はあるかと思うけど、
とりあえずSI業界No.1と言われるNTTデータをベースに考えると、
総従業員数が8,406名らしいので、10人に1人声がかかるとすると…。
・ベンチャーから誘われる人数=841名
で、そこから数%が実際に移動したと考えると…。
・ベンチャーに移動する人数=8~76人程度
…とても効果があるとは思えないんだが…。
笑っちゃうぐらい優秀な人なら別だけど、
そもそも大企業で求められるスキルとベンチャーで求められるスキルは別物だし。
あれ? (スコア:4, おもしろおかしい)
どれももう傾いてるけど?
Re:あれ? (スコア:5, すばらしい洞察)
それをまともな状態に戻し続けるのが、「経営」という作業なのね。
Re:あれ? (スコア:2, すばらしい洞察)
そろそろ許してあげて良い頃なんじゃないかと。
--- (´-`)。oO(平和な日常は私を鈍くする) ---
はて? (スコア:4, すばらしい洞察)
だって、自分の能力を生かすことができない職場にいるのに、その状況を変えない人ですよ。
ちょっと誤読では? (スコア:4, すばらしい洞察)
「その状況を変えない人」はおっしゃるとおり「優秀な人材」ではないが、それをもって「優秀な技術者」でないとするべきではないと思われる。
無論、「優秀な技術者」であり「優秀な人材」である方も少なくはないだろうが…。
Re:ちょっと誤読では? (スコア:3, 興味深い)
技術者と作業員(登 大遊@筑波大学情報学類の SoftEther VPN 日記) [hatena.ne.jp]
「優秀な技術者」だけである彼らがそこに留まっているのは、大企業に属しているという価値が他の何よりも替え難いからでしょう?
「大企業に就職した」という、就職戦線における勝利に甘んじて技術を持て余していた人間がフリーになったところで戦力になるか疑問。
問題を解決する技術力を持っている、それが客観的に優秀とされるレベルに達しているなら、自ら塩漬けにされている状況に満足できる訳が無い。
たとえば、Googleのように「強い企業(≠大企業)」と「良い待遇(地位?金?名誉?)」を用意するほうが、「大企業が傾いてくれれば流れてくるかも」
のような他所の失敗を祈願するよりも現実的で費用対効果が高いと思われる。
大した技術も無い荷物社員を拾いたければ、どんな会社にもチャンスはあるだろうけど。
Re:ちょっと誤読では? (スコア:4, 興味深い)
もし仮に、みんなが自分の欲しいものを理解して、それに対する深い知識を持ってるなら、
その仮説が成り立つかもしれないねね。
#人間がそんなに合理的に振る舞うわけないと思うけど。古典経済学の方から来た人?
> 問題を解決する技術力を持っている、それが客観的に優秀とされるレベルに達しているなら、自ら塩漬けにされている状況に満足できる訳が無い。
万能の問題解決能力というものを想定しているわけね。
その意味では、世の中に優秀な人なんていないだろうね。
でも、そういう話じゃないよね。
エンジニアという一芸に秀でたやつをマネジメントなどによってうまく活用していけばいい。
んで、大企業はおおむねそれが下手である、と。そういう話なんじゃないの?
#リンク先の話も、それはそれで面白い話題だな、と思った
# mishimaは本田透先生を熱烈に応援しています
Re:はて? (スコア:4, 参考になる)
「優秀な人材=優等生」ということではないでしょう。
私が見た実例では、優秀なプログラマの上に、人の意見を抑え付ける能力においてきわめて優秀な上司がいて、プログラマが塩漬けになっていました。
Re:はて? (スコア:4, 興味深い)
>その状況を変えない人ですよ。
「自分の能力を生かすことができるかどうか」を誰もが
価値観の中心に置いているわけではない。
自分の能力が仕事に行かせてなくても処遇には満足していて
仕事以外の面で幸せを感じている人はいる。
その中には優秀な人もいる。
Re:はて? (スコア:2, 興味深い)
>仕事以外の面で幸せを感じている人はいる。
それで、その中には優秀がいるとして、彼らが満足している処遇を、
用意できているのは「大企業だから」に拠る所が大きいわけで。
「自分の能力を生かすことができるかどうか」を誰もが価値観の中心に置くわけではないが、
そう考える人で無いならば、仙石某さんが言う大企業崩壊待望論が起きても、
優秀な人材が仙石某さんの会社に流れる契機になる事は無いでしょうね。
まず、「自分の能力を生かすことができるかどうか」に関心のない技術者は
同じような処遇を求めて、それを用意できる大企業の中で転職を考える。
以前はライバルだったか、系列企業か、まず大企業がその中の優秀な技術者を選んで採用する。
仙石某さんが拾えるのは、前の処遇が恋しくてたまらないモチベーションで働き、
なおかつ優秀な技術を持っていない残りカスくらいというオチ。
そんなのでも、仙石某さんの会社にとっては戦力になるかもしれないけど。
業界的には有り難くないなー。
そんな程度のメリットのために、「会社を潰せ」とかいうCTOの下で働くのはどうだろう。
そんな人がいる会社が、大企業並みの処遇を与えるとは思えない。
Re:はて? (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:はて? (スコア:2, すばらしい洞察)
That is not dead which can eternal lie,
And with strange æons, even death may die.
まず隗より始めよ (スコア:4, すばらしい洞察)
優秀な人材なら、それに応じた報酬で引き抜こうとするのが正しいやり方ですよね。
どうしても技術者に金を払いたくないのでしょうか。
そんな人のところに人材は集まらないと思いますが…。
----- 傷の治療は傷より痛い -----
優秀な人なら他の大企業がすぐに (スコア:3, 興味深い)
IT関連に限っても意味無し (スコア:2, 参考になる)
んなセコイ事言わずに、日本全体の産業全般を振興させれば良いんじゃないかと。
んで、その為には優秀なお役所の人間を民間に解放すれば良いってのは、昔から言われている話なのだが。
#『自称』優秀って奴ではあるのだけど。
#まあ、それでも上の障害が減れば効果自体は有るんじゃないかなっと。
Re:IT関連に限っても意味無し (スコア:4, おもしろおかしい)
「無能な役人を一斉解雇」と紙一重に見えるのは気のせいでしょうか。
Re:IT関連に限っても意味無し (スコア:1)
こいつぁなんなんだ (スコア:2, おもしろおかしい)
まずこの会社にどれくらい優秀な経営者がいるのか、この会社にどれくらい優秀な技術者がいるのか、それを聞こうじゃないか。
大企業の人材が欲しいだけで言ってるんじゃないのか?
Re:こいつぁなんなんだ (スコア:2)
つーか、大企業にとっての優秀な人材と、ベンチャーにとっての優秀な人材って、微妙に違うんじゃないの?
優秀であっても、何年も大企業に居て、そこの仕事のやりかた・文化に慣れてしまった人の場合、ベンチャー企業の仕事のやりかた・文化に順応するのに一苦労するんでは?
最悪、大企業では、そこそこ、有能な人材だけど、ベンチャー企業では使いモノにならない、なんて事も考えられるんじゃねぇの?
あえて擁護します (スコア:2, 興味深い)
優秀な技術者ばっかり集めてうまくいかなかった話とかも聞きました。いろいろと苦労しつつ、また紆余曲折しながらKLabという会社を大きくしていったそうです。そういう経緯からか、技術者中心の会社経営に関していろんなことを考えているようです。キナくさいライターやアホな経営者の書き物や言うことと違って、この人の言っていることには実感がこもっているというのが私の印象です。失敗から学び、さらにうまくいくためにはどうすべきかいろいろ考えている、という感じがしました。
この話に関して最も実感がこもっているなぁと思うのは「優秀な技術者と、優秀な事業家が、出会っていないだけである。」という部分です。なぜかというと、KLabがうまくいきはじめた要因の一つが優秀な技術者と優秀な事業家が出会えたからだという話を聞いたからです。だから、この話のポイントはいかにして優秀な技術者と優秀な事業家を引き合わせるかということなのだと思います。
「しかし、優秀な技術者の大半が、大企業の奥底で眠っているのだとしたら...?」という文から読み取れるとおり、大企業を一つ潰すというのはあくまでも仮説をもとにして導かれる一つの解であって、他にも彼はいろんな解を考えたのだと思いますが、なかなか思いつかなかったのでしょう。この過激な発言の裏には、優秀な技術者と優秀な事業家を引き合わせたいけれどもなかなかできない、その方法が思いつかない、という悩みがあるのではないでしょうか。
まぁ、だまされたと思って素直に耳をかたむけてみるか、あるいは、いかにして優秀な技術者と優秀な事業家を引き合わせるかマジに考えてみるというのはどうでしょうか。
# レスをつける場所が微妙な気がするのでAC
Re:こいつぁなんなんだ (スコア:1, 参考になる)
Re:こいつぁなんなんだ (スコア:1)
Re:こいつぁなんなんだ (スコア:1)
認識せずに適当なことを書き散らすとは、身の程知らずなACだな。
Re:こいつぁなんなんだ (スコア:1, 興味深い)
でないと、大企業から大企業に移動するだけ。
安定度という点で大企業には劣る厳しい現実があります。
妻子持ちでなくても、意欲/情熱だけでは動けない人もいます。
さらに定年後再雇用システムとかの老後設計などとあわせて考えると、
大企業で"埋もれてる"方が個人のメリットは大きいケースも多いでしょうし。
#ストックオプションなどはその差を埋められるかもしれません。
#一発大儲けのイメージが大きいですが…。
Re:こいつぁなんなんだ (スコア:2, 興味深い)
その点はよく分かっておられるようで、原文にはこうなってます。
>優秀な技術者がその能力を存分に発揮し、
>その能力に見合う報酬を喜んで支払う「事業家」に引き合わせなければならない。
大企業を潰すばっかりに注目されてるけど、
この人の主張の肝はこれだと思う。
なぜこういう必要があるかというと、
>優秀な技術者と、優秀な事業家が、出会っていないだけである。
>日本にも、勢いのある IT ベンチャーは数多い。
>ところがそうしたベンチャーに入社しようと思う優秀な技術者がどれだけいるのか?
>ほとんど全ての IT ベンチャーは優秀な技術者を渇望している。
>その一方で、大企業の研究所には優秀な技術者がゴロゴロしている。 (中略)
>つまり凡人でもできるような仕事をして、
>凡人と同レベルの給料をもらって満足しているのである。
こういう具合に、ベンチャーに人が流れないのがよくないってことらしい。
もちろん、「優秀な技術者を渇望している」ベンチャーが、
金払いがいいとは限らないけどね。
ほんとうにいい待遇をオファーしてるのなら、
人が移動しそうなものですし。
ちなみに、仙石さんの会社の中途採用の募集要項。
>システムエンジニア
>年俸制 350~1000万円
>プロジェクトマネージャー
>年俸制 600~1200万円
これはないんじゃない?
いい人材を安くで使わさせろと言ってるようにしか見えないよなぁ
むしろ高い方 (スコア:2, 興味深い)
>>年俸制 350~1000万円
>これはないんじゃない?
>いい人材を安くで使わさせろと言ってるようにしか見えないよなぁ
この人は一体どこのITバブルの話をしているんだろう?
IT系の技術者だと普通は350~700がせいぜいです。
350-500ということもよくあります。むしろそれが多数派では。
技術者が年棒700万を超えることは、日本企業では滅多にありません。
1000万は例外と言えると思います。
個人的にはそれは技術者に対する妥当な金額であり、破格だとは
全然思わないけれど、一般的な日本企業では明らかに高い方です。
少なくとも安くはないかと。
あと気になるのは上は「年棒」だけなんですよね。
たとえば中村修二氏なみの大発明をした時に、その人に対する対価が
金一封なのかボーナスを1億くらい出すのか或いは年棒を2千万に
上げるのか、それによってこの会社の真意分かるでしょう。
Re:むしろ高い方 (スコア:4, 参考になる)
以前KLabにいたことのある者として率直に申し上げますが
KLabは待遇かなり良いほうだと思いますよ。
いわゆる収入面での待遇だけでなく、こちらの要望に対する対応とか、プロジェクトの組み方なども
エンジニアの立場に沿って考えてくれる面がありました。
また、会社に結構優秀なエンジニアもいろいろおりましたし、成果に対する成功報酬(?)のようなものもありました。
(具体的に成功報酬いくら、というわけではなかったですが、待遇upやストックオプションの振り分けなどできちんと対応がありました)
社内の雰囲気も悪くなかったと思います。
しかしまぁその待遇に応じて仕事の分量も半端なかったので私は脱落してしまいましたが…。
私がいたころからオフィスも親会社も、はては社名までもが変わっているみたいなので今はどうかは正直わかりませんが
少なくとも私がいた頃は、待遇面ではけっこうがんばっているほうでしたよ。
# 絶対AC
## でも現社員や工作員では決してないですよ:-)
漬物石 (スコア:2, すばらしい洞察)
で、作っているのはパートナーさんや関連会社だと
思いますがね?
漬物そのものより漬物石のようなもんだと、、、
自分のところは (スコア:2, すばらしい洞察)
うちの子に限って [wikipedia.org]とか灯台下暗し [wikipedia.org]とか、そんな類。
こちら [klab.org]で死蔵されている方(自薦、他薦問わず)の発言を求む。
羊の皮を被った山羊
うーん (スコア:2, すばらしい洞察)
日本の技術者が、なんのために?どういうモチベーションでそんなめにあわなくてはいけないのでしょうか。
そもそも、海外のソフトウェアベンチャー企業にいるような優れた先見性とリーダシップをもったプロデューサがいないことが問題じゃないのかと、そんなに安い労働力が欲しいなら、オフショアリングとかを効果的にすればいいんであってね。そんなことも思いつかない、または、管理するスキルがないんでしょうな。 米国のソフトウェアベンダにいる技術者のレベルが高いかというと、そんなことは絶対にないから。
独自の先見性を持っていたり、管理能力が高い人材が日本企業独自のピラミッドの中で塩漬けになっていて問題というならまだわからいでもないが、
国策 (スコア:1)
大きい企業ほど (スコア:1, すばらしい洞察)
単にドカタを増やすなら話は別ですがね。
Re:言葉は正しくね(オフトピ) (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:言葉は正しくね(オフトピ) (スコア:2, 興味深い)
あからさまに有限な資源を使い潰そうだなんてどうかしてる。
日本大企業が天然自然の森林に比喩されるほど
掛け替え無い存在かどうかは兎も角として。
一社潰せば「最も効果的な究極の振興」がある、ですって?
ああ、なんて恐ろしい呪いの言葉でしょう!
本当にそんな効果が上がったら
一社限りで我慢なんて、できるわけ無いでしょうに!
間違いとは言い切れない (スコア:1)
青田刈り:
(2)「青田買い(2)」に同じ。
とあるので間違いとは言い切れないと思います。
#誤記がそのまま定着した例かも
Re:言葉は正しくね(オフトピ) (スコア:2, 参考になる)
秋葉原で『オタク ≒ 技術者』の時代は終わったのでは? (スコア:3, 興味深い)
ヲタクの人と技術者というのは昔は技術的な障壁があって近かったと思いますが、今は必ずしもそうだとは思えません。昔はPCを持っているのはそこそこ技術に明るい人で、型落ちしたPCでゲームをするにはそこそこ技術が必要だったのでその手のヲタクならば技術者という構図はあったと思います。
しかし、Windowsの登場と普及、PCの必要性能の安定化と共に状況は変わり、現状は技術者とヲタクは近い関係ではないのではないでしょうか。PCなんて今では誰でも持っていて読み書き算盤のように皆使えます。また、そこら辺のメーカー製のPCを買ってくれば暫くそのPCで最新のゲームをやり続けられますので。
さらに、技術者にとっての秋葉原の魅力もかなり小さくなっていると思います。今は秋葉原はパーツ類に対する製品知識が乏しい店員とコスプレイヤーが跋扈する街に変わり、昔のように『FreeBSDでこのパーツ動きますか?』と聞いて『そのチップはドライバーが無いから動かないけれど、隣においてあるIntelのだと動く』などと答えてくれる人はほぼ見なくなりました。こうなると、製品知識が乏しい店員しか居ないなら、インターネット上で必要なものを選んで購入する方が安くて楽だからとますます秋葉原には行かなくなります。これが負のスパイラルとなり、そういうgeekな人が来ないもんだからそういう人を相手に商売する必要もなく、益々製品知識がある人が秋葉原から消えるという構図になるでしょう。
このように、実情、技術者はあまり秋葉原には居ないように思います。
秋葉原がgeekの街からotakuの街に変わってから電気街に全然行っていませんが、IDで。
でも、久々のAKIBAXには行きたいですね。
Re:秋葉原で『オタク ≒ 技術者』の時代は終わったのでは? (スコア:3, 参考になる)
「BSD(だったと思う)で使えるNICを探しているんですが、DECのチップ使ってる奴は
ありますか?」という質問をしてきましたね。
多分DEC21140辺りを探していたんだと思いますが、店員からすればgeekって言われる
人はチップの型番まで調べて購入する人だと認識していました。
つまり店員に質問しなくちゃいけないようなタコには使えないのがUNIXやそれと類似
したシステムなのだと。
販売後に動作不良で持ち込まれた際にWindowsでは動いてもBSDで動かなければ不良品
という扱いにされてはたまりません。
最近はBUFFALO等のRealtek製品のパッケージにもペンギンなマークは付くほどメジャー
になりましたが、それらハードウェアの利用したいOSによるサポート状況すらも調べ、
念の為にWindowsでも動作確認をして問題切り分けを行ってから文句が言える程度の
geekになるべきだと思いますねぇ。
MSがHCLを出している事の意味とか考えるべきだし、PCがコモディティ化する事によって
安価にUNIXライクな環境が手に入る引き換えに店舗では知識より人的なコスト、接客業と
してのサービス等に重心がシフトしていった事も忘れてはならない。
ましてやgeekは皆BSDやらLinuxに手を出すのが当然、という考え方もどうかと思う(笑
#本当のgeekはノークレームで指名買いでしょう。
Re:秋葉原で『オタク ≒ 技術者』の時代は終わったのでは? (スコア:2, 興味深い)
所詮、わからない人に教えていかなければ技術の裾野は広がらないんですし、わからに人を排除していたら「信者」だって増えない:-)
2ちゃんねる的な(そして、それは90年代には大手パソコン通信に存在した派閥構想的なということもできるかも知れない)殺伐さが日本のネットを覆いつくすようになってから、
非常に少数派になってるようですけど、Linuxの黎明期の日本のLinuxコミュニティには「タコをありがたく思う」と言う文化があったんですけどね。(このあたりはアスキーの「Linux256本」に詳しく書いてあった)
とんちんかんな事を言ったり聞いたりしてくる「タコ」にわかるまでつき合うことによって相手のスキルだけでなく、自分のスキル向上にも繋がるので一石二鳥だと言う意味合いで。
私が本当の初心者…ラジオ作ったりとかそういう時代(70年代後半〜80年代半ば)だったころは、何処でもキットなどを買って作ってうまく動かなければ店の人が色々と教えて動くように指導してくれたものですが…半田付けの基礎から何から。
そういう辺りの精神が秋葉原などのお店から無くなったのが、根本的な業界の衰退に繋がっているのかも知れませんね。
Re:言葉は正しくね(オフトピ) (スコア:2)
Re:一個って (スコア:2, おもしろおかしい)
あーもうたくさんありすぎてどこの会社だか分かりません。
#日本法人ある(あった)よね?
Re:つまりこいつは、 (スコア:4, 興味深い)
ハッタリとしての「実力」ではなく、勝負を挑んでも勝てない(だろうけど、無礼を承知で勝負を挑んでみたくなった位、技術者として尊敬できる実力がある)ような技術者の人達というのは、確実にいますよ。
そういう人が(本当の意味での)管理職やらされて現場の実務をやりたくても、殆どできない状況になっている傾向は、確かに大企業の方が強かったとは思います。
敢えて突っ張って現場主義の人もいることはいますけど、大企業では極少数のようにも思います。
そういう人達に、今の産業構造と労働環境で「下野」しろとは言えないですね。行った先で逆にやっかまれて潰される可能性が高いので…
Re:つまりこいつは、 (スコア:2, 興味深い)
「出る杭は打たれる」式に足をひっぱられ、いつのまにか潰されているってのは
ありがちな展開じゃないですかね。
例えば、意志決定機構がほとんど麻痺していたIBMが、いきなりThePCを作って成功したのは、
この部署がこれまでのIBMの常識をことごとく破壊して新しいマシンを創ったからだと思いますが。
例えば、日立のSuperH誕生にまつわる話 [renesas.com]を見れば、
いかに日立の中でこのプロセッサが誕生し、認められるまでが大変だったかがわかりますよ。
RISCのマイクロコントローラを創ろうという面白いアイデアを持った技術者に
上司の無理解から、ずっと予算8億円程度で先のないTRON仕様のCISCプロセッサの設計をやらされ、 [renesas.com]
新型マイコンの開発担当になったものの、部下は一人もつけてもらえず、開発予算もほとんどゼロにされ、 [renesas.com]
出る杭は打たれる式に当時日立の中央研究所で開発が進んでいたPA-RISC系チップとの間で内部抗争状態に、 [renesas.com]
やっとチップ設計に引き込んだ部下はRISCを理解せず勝手にCISC形式でチップを設計して裏切られ、 [renesas.com]
結局世に出したはいいが全然チップは売れず、海外のヘッドハンターに捕まっていいかげん日立を去ろうとした1ヶ月前にやっと引き留められる。 [renesas.com]
どうですか、こんな実例があってもまだ否定しますか。
Re:給料の問題 (スコア:2, 興味深い)
# だから大企業の方に人為的にリスクを増やしちまえというお話し