南極観測船の後継に予算の壁 227
ストーリー by Oliver
財布の中も極寒 部門より
財布の中も極寒 部門より
84p 曰く、 "asahi.comの記事によると、南極観測隊の元隊員や研究者らにより南極観測の継続を訴える集会が開かれた。現在運用中の南極観測船「しらせ」は1983年から運航しており文部科学省が後継船の予算を要求しているが、共同通信の記事(Yahoo!ニュース)によると財政難を理由に予算確保が難しい状況であるという。「しらせ」の老朽化により隊員や機材の輸送ができなくなれば長年続けてきた南極での通年観測が困難となる。
極地における通年観測といえば、富士山測候所の有人観測も高層気象の遠隔観測技術の向上などにより来年夏で終了することが決まっている(気象庁のプレスリリース(PDF))。南極にしろ富士山にしろ、有人観測のほうが望ましいという人は(特に/.には)多いだろうし、「しらせ」の後継艦の建造費用が数百億円と聞けば「◯◯に使うカネがあったら…」と言いたい人も多いだろうが、有人観測を継続する意義を世間にきちんと説明することができなければ実現が難しい世の中になってしまったのかもしれない。"
世界中で風邪が流行って (スコア:4, おもしろおかしい)
有人基地がないと。
Re:世界中で風邪が流行って (スコア:1)
小松左京の「復活の日」とはなんとも懐かしいネタです。
この程度のジョークが「オフトピック」ですか…全然「オフトピック」じゃないし、野暮ですねぇ。
M2できなかったので悔し紛れにID。
続けて欲しい (スコア:2, 興味深い)
無人で観測する技術に投資したら (スコア:1, 興味深い)
人が行き、越冬すると、南極の環境を汚染してないか?
無人リモート機材で観測した方が汚染度が低くて良いのでは?
輸送も船で行く必要があるのか?
他の輸送手段は全く不適切なのか?
思考実験としてはおもしろいが (スコア:1)
仮に飛行機で運び込むのなら、その滑走路維持だけでもけっこうな数の人が必要だと思われます。
Re:思考実験としてはおもしろいが (スコア:1)
極地の場合、維持と言うアプローチではないのでは?
頻度がそれほど多くないのなら、運行毎に整地する方が効率的かも、と思います。機体が限られるので輸送量は限られますが。
その投資も必要だとは思いますが (スコア:1)
有人観測の全てを代替することはできないでしょう。
個人的には環境への負荷は、あとでツケが回って困らない
限りは気にする必要は無いと思いますが。
Re:その投資も必要だとは思いますが (スコア:1)
何が負荷になるのか考えないのというのは、
大した差が無いように思います。
往々にして環境に気を使うのが良い結果をもたらすでしょう、しかし
少しの負荷で少しのデータ
もう少しの負荷で多くのデータ
これが得られるなら(あくまで仮定です)当然後者も検討の
余地があるはずだとうことを再確認したに過ぎません。
Re:無人で観測する技術に投資したら (スコア:1, 参考になる)
この問題はだいぶ前から言われていたはず(ソース失念)。
他国は飛行機を使えるからいざというときの避難や物資の追加が
可能とか、人員交代が柔軟に出来るが、日本はそれが無理だ、
という。
# 農道空港作るなら昭和基地に滑走路を!と言ってみるテスト。
-- garmy
Re:続けて欲しい (スコア:4, 興味深い)
だから、説明のできないダム計画が中止に追い込まれているのでは。
以下は、ShiNTARO のコメント [srad.jp]に対する意見という側面が強いけど、
人間が未知のものを探求することをもっと大事にしてほしいと思う。
南極でもどこでも、未知の現象はまだまだいっぱいあると思うし、
それらを発見したり推理したりして、人間の知見を広げる作業は
まだまだ機械よりは人間の頭脳に頼るべき領域が多いと思う。
生物は伊達に何十億年も生き続けてきたんじゃないだろうに。
それだけでなく、機械のセンサーよりも人間のセンスが有効な箇所って、
他にもいぃーぱいあると思う。
そして、観察や思考を通じて人間の知見を広げることが、
如何に人間社会を精神的にも技術的にも豊かにしてきたかを改めて思い起こしたい。
こういうこと書くと嫌う人がいるかもしれないが、
イラク問題では5年間で5500億円も出すんだろ。
実際には、アメリカの尻ぬぐいで、しかもアメリカ支援じゃない。
イラク問題で1円も出すなとは言わないが、
税金の使い方が、どっか間違ってるような気がするんだけど。
Re:続けて欲しい (スコア:1, 参考になる)
自国でできるのなら、自国でやった方が良いに決まっている。
少なくとも南極観測に関しては、日本にはこれまでの実績がある。
彼らの核ミサイルは日本を標的の一つとしているというのに。
将来のため (スコア:2, すばらしい洞察)
将来的にどういう分配になるかわからないけれども、
地下資源を確保するためということで
日本国の国益主張として継続はすべきではなかろうか。
Re:将来のため (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:将来のため (スコア:1)
南極に手をつけざるを得なくなったとき、少しでも多く権利を主張するために。
プレゼンスの問題か、話題性の問題か (スコア:2, 興味深い)
観測に科学的意義があるのは自明。継続が大事なのも自明。基礎研究が大事なのも自明。しかし、そうした説明はあまり支持されないのでしょう(特に政治家に)。やはり、有人宇宙開発も同様ですが、「プレゼンス」は大事だと思う。つまり、そこに日本がいるという事。
ただ、オリンピックを考えれば思い浮かぶように、話題性が決定的なのかもしれない。とすれば、科学をエンターテインメントにするのは、マスコミなどの制作者の仕事。その辺にキーがあるかもしれない。
#でも、なんで日本の政治家は、こういう事に関心が薄いのだろう(そりゃあ、利権がなければ動かないという事かもしれないけど)。官僚まかせなら、予算節約に努めるのは当たり前なんだし。
Re:プレゼンスの問題か、話題性の問題か (スコア:1)
"自明"(数学ビギナーズマニュアルより)
Re:プレゼンスの問題か、話題性の問題か (スコア:1)
Re:プレゼンスの問題か、話題性の問題か (スコア:1)
先日引退されたこの方は南極に自分でいったこともある [google.co.jp]んですけどね。
#後ろ盾がなくなったからか?
Re:プレゼンスの問題か、話題性の問題か (スコア:1)
プロジェクトXで取り上げることでしょうか?(ぉぃ
And now for something completely different...
Re:プレゼンスの問題か、話題性の問題か (スコア:1)
どんな意義が? (スコア:1)
Re:どんな意義が? (スコア:1, 参考になる)
あと古代に地球に落ちてきた隕石を採集するのもまだ途中だし。
オゾン層の濃度変化の観測も、たしか定期的にバルーンを上げたりしないといけないような?
宇宙と一緒で未解明な部分がまだまだあるでしょうしね、有人観測体制はできれば維持して欲しいです。
# いくら解明されてても(例えば東京の地形とか)、最終的には人がいないと調査なんて出来ないんですよねぇ。
人間だからできること (スコア:1)
機械では、どんなに高性能な観測機器を設置しても、当初考えていたものの範囲内でしか観測できない。リモート観測して、本土で人間がモニターするといっても送られてくる情報は観測機器が観測できるものに限られてしまうし。
Re:どんな意義が? (スコア:1, 参考になる)
搭載の環境センサの校正・パラメータ補正のためには,衛星と
同時に地表上で測定したデータが必要になります.
衛星で極域のリモートセンシングをおこなうには南極または北極
での地表観測も必須です.
あまり知られていないようですが,衛星搭載センサで収集した
データの補正データ集めのための観測は国内でも各所で行われて
いるそうです.
Re:どんな意義が? (スコア:3, 参考になる)
とりあえず今年の南極調査メニュー。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/14/06/020616a.htm
百葉箱の親玉を設置して半放置、たまーに他国の船やヘリでメンテとか
そういうことが考えられますが、その場合得られるデータは有人の1割にも満たないと思われます。
Re:どんな意義が? (スコア:2, すばらしい洞察)
そういうことじゃねーって。データを得ることは資金提供者に役立つ目的のための手段であって、そんなことより得たデータが資金提供者にとって重要なのかが問題。今の10%しかデータを得られないというのは理由ではなく、役に立たない研究者の遊び場が減ってこぼした愚痴。
Re:どんな意義が? (スコア:1)
/.Jの記事で一般人向けって、どのくらいあるでしょうか。専門知識がないと読んでても面白みわからない記事なんて沢山ありますが。
「今度の終わクロの『名前が力を持つ』っていう『プラス概念』って前の『言葉は力である』とどう違うの?」
なんていちいち一般人にわかるように書いてたら話になりませんがな。
Webをもう一度勉強してらっしゃい。
マジレス (スコア:2, 興味深い)
つまりこれを読むのは「南極地域観測統合推進本部」の構成員および関係者です。
実施態勢図 [nipr.ac.jp]からみて、この総会参加者が「良く知らない人」というのはありえません。
ていうかそんな人がいたらそいつが怠慢なだけです。
何を根拠におっしゃっているのかは不明ですが
>集会開いたりしてるのは、広く一般に意義を理解してほしいって事でしょ。
というのは妄想ですから、
>専門家にだけわかればいいやって態度
で資料が作成されていても問題はないはずです。
(もちろん資料をわかりやすく作る努力は否定されるものではありません)
Re:マジレス (スコア:2, すばらしい洞察)
これを全く何の予備知識もない「一般人」に理解できる形にするのはマスコミの仕事です。
資料は科学担当の報道人なら少し調べれば充分に理解できるものであり、
難しすぎて理解できないのだとしたらそいつが怠慢なだけだと思われます。
わかりきった専門用語を長々と解説して無駄に長いものより簡潔な資料のほうが価値のあるシーンだと考えてください。
これがそのままWebで公開されているのは、情報公開の一環および一次資料として利用されるためであって、
「一般人」への啓蒙・宣伝のためではないと考えるのが妥当です。(そういう機会は別に用意されるのが普通です)
用途は何ならいいの? (スコア:1)
「しらせ」の後継艦の建造費用が数百億円と聞けば「◯◯に使うカネがあったら…」と言いたい人も多いだろうが
どこに使えば納得なのだろう?。反対の人って。
実利重視で (スコア:3, 参考になる)
Re:用途は何ならいいの? (スコア:1)
減らさないで無駄づかいしちゃいそうだけど
砕氷艦「しらせ」型 (スコア:1)
でも予算要求は文部科学省・・・・。
なんだかなぁ・・・・。
Re:砕氷艦「しらせ」型 (スコア:2, おもしろおかしい)
#自衛隊のユーモアに乾杯!
Re:砕氷艦「しらせ」型 (スコア:1)
Re:砕氷艦「しらせ」型 (スコア:1)
この後、しらせにはドクロマークのキノコ雲が
And now for something completely different...
Re:砕氷艦「しらせ」型 (スコア:1)
建造しないとなると (スコア:1, 興味深い)
ここ数年、結構な頻度で「次期しらせ」という言葉を聞いているのだが、その人たちの仕事も無駄になってしまいそうだ。
Re:建造しないとなると (スコア:1)
氷海航行可能な大型船舶というと, 今後はサハリン沖の天然ガス輸送用LNGタンカーっていう用途が見えているんですけどね(現在は夏季のみの限定生産みたいですが). 確かに南氷洋ほど過酷ではないかもしれませんが, 比較的経済性での制限が緩やかな南極観測船の建造を通して技術の蓄積を行うって発想は無いのかな?
南極観測船の意義 (スコア:1)
南極観測船の仕事は、南極だけでなく、日本から南極までの往復航海中の観測ミッションというのもあります。
そこで蓄積されるデータは公開され、国際貢献にも繋がっているわけで、馬鹿にできないものがあります。
宇宙開発と同様、己で実行することに意義があるわけで、先進国の一員として、後継船を作らないというほうが不可解ですね。
Re:南極観測船の意義 (スコア:1)
「アイスクリーム製造機」があって驚いたのを覚えています。
母親に「なんで寒いところに行くのにアイスが必要なの?」
と聞いたら、
「馬鹿ね、南極行くためには赤道越えなきゃいけないじゃない」 と言われて目からウロコ。
ちょっと考えればわかることだけど。
Re:南極観測船の意義 (スコア:1, 興味深い)
利益につながる科学的な成果だけではなく、 普段我々一般人が行くことができない極圏に想いを馳せ、地球環境に理解を深める意義ってアリだと思うのですが・・・
将来の領土権の確保 (スコア:1, 興味深い)
どっかの発狂した政権が、「南極条約は廃棄、ここはわが国の領土」とか
ぬかしやがらないようにちゃんと各国の実績を積んでおく必要があるぢゃあないか!
堅い事言わずに、中国人も韓国人もフィリピン人もアフガニスタン人も、どんどん昭和基地に連れて行こうよ。
アルゼンチンがかつて南極で子供を出産して、領土を主張しようとしたことが無かったっけ?
日本は1950年に南極の領土権を放棄しています (スコア:2, 参考になる)
なぜ、わざわざこんな項目が講和条約に入ってしまったのか、それについては当時の外交にやや不手際があったようです。
Re:南極条約と領有権 (スコア:3, 参考になる)
南極条約の締結国は環境省に一覧がありました [env.go.jp]。
んで、条文はこちら [room.ne.jp]を参照のこと、と。
Nullius addictus iurare in verba magistri
Re:ああ、(オフトピ御免) (スコア:2, 興味深い)
昭和基地に程近い弁天島だか弁天山だかってトコに埋めたとかなんとか
(っていうか、埋めたからそーいう名前にしたとか)
#大分前に読んだ本の内容なので忘れた…
オフトピ (Re:NHKをまきこんだメディアミックス) (スコア:2, すばらしい洞察)
国民皆ねずみ講…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
Re:オフトピ (Re:NHKをまきこんだメディアミックス) (スコア:1)
年金で「得する」とは一言も言ってないしね、マキ子。
Re:とりあえず今は要らないんでは? (スコア:2, 参考になる)
氷海では普通の船なら砕け散るような圧力を度々受けるのですから、構造の痛みも早いのでしょう。
「船体もヘリもまとめてロシアとかに発注すれば安く上がるのに、こいつらまた国産主体で要求出してきやがった。この際、少し頭を絞らせよう」と財務省が煽っているだけ、といった構図が脳裏をかすめました。
ロシア製で実際に安くなるかどうか、加えて南氷洋で使用可能なのかどうか私には分かりませんが、本当にやったらろくなことにならない気はしますね。検査のために毎年ロシアに回航するはめになって維持費激増、とか。
Re:なんと重い船か! (スコア:2, 参考になる)
全長134m、全幅28mのしらせ [jda.go.jp]が基準排水量11,600tってのは、ちょっと信じがたいほどに重いっすよ。
(ちなみにイージス護衛艦「こんごう」 [jda.go.jp]が全長161m、全幅21mで基準排水量7,250t。輸送艦「おおすみ」 [jda.go.jp]が全長178m、全幅25.8mで基準排水量8,900tナリ)
そういえば、砕氷する船首部にはステンレス鋳鋼を使ってると聞いた覚えが。
恐らく相当頑丈に作ってあるんだろうとは思います。
にもかかわらず、航海を終えて帰ってきたら毎年ドック入りして整備補修を行っている点を鑑みても、25年というのは交代時期として不当に短いとはいえないと思います。
Nullius addictus iurare in verba magistri