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3701 story

ハイパーリンクの特許でBTが敗訴 54

ストーリー by Oliver
たまには妥当な判断もあるものだ 部門より

*'-')v 曰く、 "本家より: 米国のプロバイダProdigyを相手にハイパーリンクに関する特許権を主張していたブリティッシュテレコムが敗訴した、とBloomBergが伝えています。判決文(PDF)も公開されています。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by edmeister (4989) on 2002年08月23日 13時46分 (#151431)
    判決文を先程から読んでいたのですが、一番気に入ったくだりは、16ページ目の、

    BT's argument that the phrase "central computer"
    does not limit claims 5,6, and 7 is thus without merit.

    BT の主張が通るには、情報が「central computer」で
    一意に特定できるアドレスを持っている必要があったのですが、
    インターネットはそういうものではない、
    と裁判官がはっきり理解しているのですね。

    また、BT の特許ではリンクの情報が二つの「ブロック」に
    分割されて格納されていると明記されていて、
    HTML をそのように配信することも可能だと法廷で証言した
    そうですが、これも「この法廷のために作った机上の空論はよしなさい」
    と認められなかったくだりが 19 ページに見られます。
  • by tag (10007) on 2002年08月23日 14時20分 (#151454) 日記
    こういう話を聞くたびに思うのですが。

    特許や著作権で得られる経済的利益は、必要経費または原価(何
    をそれに含めるかは難しいですが)の例えば100倍までと制限
    するように世界中で法として定められないでしょうか。

    例えば、あるソフト(例えばMS製品ですが)を作って売って、
    CDさえコピーすれば、いつまでもそれで利益が出せるのは、資
    本主義経済と言えど、あまりにも「あこぎな商売」ではないでしょ
    うか。

    10億円で開発したソフトなら、1000億円の利益が出たら、も
    う十分でしょう。その時点で著作財産権消滅というふうにできない
    でしょうか。

    昔、土地を所有しているだけで収入が得られた富裕貴族や領主も、
    その存在を否定され、土地の再分配が行われたように、著作物や特
    許もいつまでもミッキーマウス保護法案でその権益を守り続けるの
    は不可能であり、そのうち歴史的改革が行われるような気がします。

    本当に、今後知的財産というものがどのように扱われるのか、興味
    はつきないですね。
    • by Anonymous Coward on 2002年08月23日 14時42分 (#151470)
      どう考えたら、「あこぎな商売」となるんでしょうか?
      私には理解不能。
      それに、MSが一度作った製品をずっとそのまま同じ物をCDに
      プレスして売りつづけているだけだと考えているのでしょうか?

      人間が自らの才能や努力で気づいた知的財産と、誰のものでもなかった
      土地や、他人の土地を奪って統治していた支配者の既得権を比較して
      同列に扱うのはいかがなものでしょうか。

      BTの敗訴は、「それは俺のものだ」という主張が否定されたのであって、
      「BTのものだけど無効にする」ということではありません。
      親コメント
      • by G7 (3009) on 2002年08月23日 15時51分 (#151519)
        「あこぎな商売」というべきかどうか(というか、商売そのものが本質的にアコギかどうか(^^;)
        を考えるのは判断逃避するとして。

        >MSが一度作った製品をずっとそのまま同じ物をCDに
        >プレスして売りつづけているだけだと考えているのでしょうか?

        「同じ」製品ならば、その通りでしょうね。

        会社が、新たな製品(Version)を作ったりする(という努力をしている)かどうかは
        ちと別問題だと思います。

        >人間が自らの才能や努力で気づいた知的財産と、誰のものでもなかった
        >土地や、他人の土地を奪って統治していた支配者の既得権を比較して
        >同列に扱うのはいかがなものでしょうか。

        どうなんでしょう?
        巨人の肩の逸話は、そういう知的業績(ここで財産という言い方をすると中立性が損なわれると思うので回避する)であっても
        実は「他人の土地」と同じ原理が働いているのだよ、ということを示唆しているように、思えてなりません。
        つまり、相当の割合の部分を、既存の(他人の!)業績に依存しているのではないか?という意味。

        >BTの敗訴は、「それは俺のものだ」という主張が否定されたのであって、
        >「BTのものだけど無効にする」ということではありません。

        それは確かにそうですが、それはBTの件と上記話題とを関連づけるのが変だというだけであって、
        巨人云々の議論はマトモなものとして別途存在してもおかしくないとは思います。

        Stallman的(^^;立場を一概に否定するのも、また逆にどうかと思うわけでして。
        親コメント
        • > 「同じ」製品ならば、その通りでしょうね。

          一度リリースした製品に対してもメンテナンスする必要はありますね。メンテナンスにも費用がかかるわけで、親記事の

          >> MSが一度作った製品をずっとそのまま同じ物をCDに
          >> プレスして売りつづけているだけだと考えているのでしょうか?

          という文の意味を考えれば「その通り」とは言えないでしょう。
          いろいろ悪く言われることの多いMS(私も良くは思っていませんが)ですが、メンテナンスは一応していますよ。
          親コメント
      • > どう考えたら、「あこぎな商売」となるんでしょうか?

        なぜ、私が特許とか著作権とかを「あこぎな商売」と思うのか、
        考えてみた。

        やっぱり、私がその知的所有権の適正な価格と考えるよりも何倍も高い値段を独占的に付けて販売しているからだろう、と思う。

        例えば(たとえが良いかは自信が無いが)、米(などの必需品を、ある民間の一社が独占的に供給して、米の値段をメチャ高く設定していたら、それはアコギな商売だろうと思う。

        人によっては、正しい資本主義社会だと思うかもしれないが。

        それと良く似ていて、特許や著作権などは、独占的に使うことを認められた非常に強い権利なので、有利な立場にあるものが、独占的に高い値段を付けられる。

        クロスライセンスなどに使われる特許は市場性があるので、ある程度、市場できまる妥当な値段で取引されていると考えることができるだろうが、例のJPEG特許などは、クロスライセンスしなくてもいい、つまり独占的な値付ができる。

        だから「アコギな商売」と私は感じるのだろう。

        スバラシイ特許に適正な値段が設定されていたり、開発努力に見合う先行者利益を得るための独占(20年は長いと思うが)、アーティストが次の作品を作るために十分な費用とモチベーションのための対価を支払うのは、当然だと思うが、

        彼らをの権利を保障するため精度を悪用して、不当な独占的利益を得ている連中がいる気がするから、私は、「アコギな商売」と感じることがあるのだろう。

        こういうのに対抗するためには、

        独占禁止法などがうまいこと機能すればいいな、

        とも思うのだが、アメリカが、著作権でも特許でもボロもうけしているあいだは、無理だろうなとも、あきらめ気味だ。
        親コメント
      • いや、・・・人の作ったものにオリジナルはないと言われる通り、
        その技術に必要な基盤や、その技術と似た着眼の何か(こっちがより重要かも)はすでに有ることが多いので、
        自らの才能や努力だけで作ったといえるほど、大層なもんではないかも、です。

        それに、バイナリって桁は多いけど数字なわけで、それを所有物だと言いはるのは、
        土地とかを所有物だと言い張るのとあんまり変わりませんよねぇ。
        さらに、見た目同
        • by Anonymous Coward on 2002年08月23日 15時31分 (#151502)
          後半のくだりは、なんか意味不明だぞ。

          ところで、バイナリって桁は多いけど数字なわけでって
          解釈すると

          ・絵画も所詮は絵の具の塊
          ・音楽も所詮は音波の塊
          ・彫刻も所詮は大理石資質の塊

          なんでもいえるぞ?

          ちょっと言いたいことを整理したらどーだ?
          親コメント
          • 同意.

            この論で行くと,小説なんかも数字そのものですね. 青空文庫なんかを見ればその例が :-)

            親コメント
            • ・絵画も所詮は絵の具の塊
              ・音楽も所詮は音波の塊
              ・彫刻も所詮は大理石資質の塊
              ・小説なんかも数字や文字の塊

              であるが、それらが自然の土地と異なる点は、誰かが
              意識的あるいは無意識に構成し作成したものである点
              だよね。 つまりは創造物。
              • by Anonymous Coward on 2002年08月23日 18時02分 (#151617)
                >であるが、それらが自然の土地と異なる点は、誰かが
                >意識的あるいは無意識に構成し作成したものである点
                >だよね。 つまりは創造物。

                土地だって金になるところは誰かが意識的あるいは無意識に
                手を加えたところですぜ!

                搾取の問題は所有している人間と耕している人間が違うということで
                搾取する側の言い分だって「俺の何代前の先祖が開拓したんや」とか
                「何代前のご先祖が天下分け目の決戦で活躍して王様から賜ったん
                や」とかで「人間が自らの才能や努力で気づいた知的財産」という
                主張とどこが違いがあるんかい?

                特許や著作権の問題と本質は変わりはないと思うぞ
                親コメント
              • とてもいい発想で書かれているのでACなのがもったいない。
                #現時点で (スコア:1, すばらしい洞察)だし私もこのM1に同感
                著作権はともかく著作者人格権ぐらい主張されてもよいのに。

                特許や著作物は、それ自体(というのも変だが)が価値を持ってるけれども、土地の場合はその価値を高めているのはその土地自身以外(の人工的産物)という点で、価値付けの体系が異なっていますよね。

                そういった点から、利益の流通システムを規定する法規は自ずと異なってくるべきかと思います。
                # もちろん共通点に着目して議論することによっても、少なからず得られるものはあるはずですが。
                --
                office
                親コメント
              • 特許や著作権がそれ自体が価値を持ってる、というのはおかしいと
                思います。経済社会における何らかの交換価値を持っているにすぎ
                ないと思います。

                交換価値ということで、土地と同じですよ。
              • by Anonymous Coward
                >特許や著作”権”

                特許権や著作権だと権利だから、単なる交換価値だろうけど、
                元文は

                >特許や著作”物”
                といっているので、特許の中身や、著作権の対象物のことを言っていますよね。

          • by Anonymous Coward
            整理してきました。

            まず、芸術作品の価値はアナログ的なところ(特に同一性)にあると思うので、
            ちょっと置かせてもらいます(意匠権?それもちょっと置いといてほしいなぁと)。

            小説は自筆にこだわる人でなければ数字ですね、確かに。
            ゆえにこれも、「所有」はちょっと変かとも思います。

            土地を引き合いに出したわけですけども、
            土地って最初は言ったもん勝ちなわけ方してますから、
            (誰の物でもない&&一つしかないという意味において)
            これも数字と同じぐらい横暴なわけです。
            ということでデジタルデータに所有権を主張するということは
            (数字ですので他者による同じ物の保有は抑
    • by paranoiautopian (7851) on 2002年08月23日 14時51分 (#151472) ホームページ
      ソフトウェアに限っていえば、そのシステムは企業が投入する
      開発経費を増やす口実として、無駄な機能増加を伴なった頻繁
      なアップグレードが行なわれるようになるだけなのではないで
      しょうか。

      そもそも優れたアイデアから生まれたプロダクトに対しては、
      経費の何倍の収入を得ようと構わないと僕は思います。
      ソフトウェア産業ってそういうモチベーションで向上してきた
      世界だったのでは。

      かつて貴族が所有していた土地と現在のミッキーマウスを同列
      に語るのは理解出来ますが、その列にMS製品を加えるのは少し
      違うのではないでしょうか。
      親コメント
    • by tap (3668) on 2002年08月23日 15時19分 (#151493)
      尻馬にのるようで申し訳ないですが、基本的には #151470のAC氏に賛成。
      私も本人の知的努力、才能によって得られた利益と、かつての“専制的領主”の搾取とを簡単に同一視するわけにはいかないと思っています。

       それに、単純に経済的収益をもとにして「これだけ儲けたんだからもう十分だろう」という線引きをしてしまうと、現在の各種メディアをはじめとした情報産業が根本から成り立たなくなると同時に、様々な特許や著作権がものすごく複雑に絡み合って、「どこからどこまでがどの人の知的所有権に属するもの」という明確な線引きが難しい現在の状況では、たちまち機能しなくなることは目に見えています。

      現在の“知的所有権社会”に物申すことがあるとしたら、その線引きが難しいことを利用して独占的かつ排他的な立場を維持しようとしたり、短期的な利害に執われて必要な情報の公開や公益性を無視した活動をする企業、個人が多くなってきてやしないか、という点です。

      金の卵を産むニワトリ(ガチョウ版もあり?)の寓話は、欲をかいた飼い主が、「こいつの中にはもっとたくさんの金の卵が入っているに違いない」とふんでニワトリそのものを殺してしまうという筋書きだったように思いましたが・・・。

      知的所有権社会が抱えうる問題点を、言い得て妙なんではないでしょうか。
      親コメント
      • by minz (3213) on 2002年08月23日 15時27分 (#151498) ホームページ 日記
        「確かに発明したのはあなただが、
        (標準化、製品化、啓蒙、などで)実用に持っていったのはあなたではない、
        だから権益も制限されうる」
        って判断を欲しい気がするです。
        --
        みんつ
        親コメント
        • 著作権も特許もみんつさんの仰る仕組みになっていると思います。
          どんなに素晴らしい創作をしても、標準化、製品化、周知、ユーザの囲い込みを怠ればちっとも儲からないし、逆に(実はそれよりも素晴らしいアイデアが他にいくつもあるという意味で)たいしたことない創作でも、標準化、製品化、周知、ユーザの囲い込みに努力すれば儲かる仕組みになっています。

          そしてマイクロソフト社はこういった点ではものすごく努力もコストも投入してるところだと思います。

          もちろんオープンソース陣営も、マイクロソフト社などの陣営と競うだけのプロパガンダはしてきているからこそ、現状があるわけで。

          アイデア一発で儲かることは決してありません。
          --
          office
          親コメント
          • >> 著作権も特許もみんつさんの仰る仕組みになっていると思います。

            当初の目的や思想としては、そういう仕組みを目指していたかもしれないけど、実態としては全然そういう仕組みになっていません。だからこそ、今ごろになってワケのわからん会社がjpegに [srad.jp]
            特許を主張したりするわけです。このForgentなる会社がjpegの普及に何か貢献したという話は聞いたことがないですし、今までずーーっと黙ってい
    • by futo (10691) on 2002年08月23日 16時04分 (#151531) 日記
      特許に関して言えば「いつまでもそれで利益が出せる」と言う考えは間違いで、
      例えば日本でなら、特許登録後20年間と限られています。
      (ソフトウェアに関する発明の場合の、この期間の長さの是非に関してはあえて言及しませんが)
      # 著作権の有効期限は忘れました(^^; でもグーテンベルグ・プロジェクトなどで扱われている本は、
      # 既に期限が切れたものなはずなので、著作権も永遠のものでは無いはずです。

      そもそも、特許制度と言うのは、技術を公開する見返りとして独占的使用権を与えようとするものであって、
      そういった見返りが少なければ、公開しない=産業の発展に寄与しない という悪しき結果になりかねません。
      特許制度があるから技術が独占される、と考える考え方もありますが、
      特許制度があるから、いつまでも独占され続けずに済むんだ、という考え方もあると言う事を理解して下さい。
      # 有名なのがコカコーラの製造法で、特許化されていないので、独占され続けてますよね。

      また、別の観点から考えると、1本のヒット特許を生む為に、
      何百本もの(売れない)特許をがんばって出願し続けたりする努力に対しての考慮も足りないような気がします。
      特許出願・登録・維持も、無料でできるわけではありませんし、
      それらの売れなかった発明も、発明者にとっての原価(?)と考えていいのかどうか、とか。
      もう一歩、踏み込んだ考察が必要なところだと思います。
      親コメント
      • by nackey (3237) on 2002年08月23日 16時32分 (#151553)
        # 既に期限が切れたものなはずなので、著作権も永遠のものでは無いはずです。
        いつだったか忘れましたが、NHKスペシャル「変革の世紀」で著作権ビジネスについて取り上げたとき、米国では当初50年だった著作権の有効期間が某ネズミのキャラクタ(笑)の期限が迫るたびに延長され、現在では95年になっているそうです。
        著作権ゴロ連中のロビー活動の賜物ですね。
        親コメント
        • >米国では当初50年だった著作権 独立当初のころは14年だったと思います。
          特許の方もこの調子で伸ばされたらたまりませんね。

          今回のような広まってから特許を主張するというのは問題が
          多いので何らかの制限を加えるべきではないかと思います。
          例えば自らの持つ特
          • by futo (10691) on 2002年08月23日 18時35分 (#151648) 日記
            そのような制限は実際にあり、Laches とか言って、米国のサブマリン特許に対して適用される場合があります。
            たとえば、ここ [soei.com]に記載があります。

            たとえ無効にならなくても、権利の行使以前の侵害に対する請求はできない可能性が高いです。
            親コメント
      • by jackknife (11105) on 2002年08月23日 16時29分 (#151550)
        「著作権の原則的保護期間は、著作者が著作物を創作した時点から著作者の死後50年までです。」
        (http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime3.htmlより)

        ということだそうです。

        以上、オフトピでした。
        親コメント
      • > # 有名なのがコカコーラの製造法で、特許化されていないので、独占され続けてますよね。
        その代わり、ペプシコーラの製造販売を特許をたてに 禁止することもできない。
        工業技術の場合、応用製品が出た時点でリバースエンジニアリング で技術がばれてしまうので、独占を守るために 特許化しないという戦略は食品ほどには成り立たないのでは?
        親コメント
      • >特許制度があるから、いつまでも独占され続けずに済むんだ、という考え方もあると言う事を理解して下さい。
        ># 有名なのがコカコーラの製造法で、特許化されていないので、独占され続けてますよね。

        特許化されていなければre
    • Re:知的財産権の問題 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by kakitaro (10664) on 2002年08月23日 16時20分 (#151541)
      第1に米国特許は登録から17年間有効で、出願日(アイデアが生まれた日に近い)を問わない(かった)ことが問題。他国では出願から20年たった時点で権利が無くなっている。BTはイギリス企業なのに、アメリカでの権利を主張した。これがアメリカ企業なら判決は違ったかもしれない。

      第2に本来知的財産、特に工業所有権は「そんなことできたんだあ」といった他人が感心するような発明、アイデアを世間に公開する代わりに一定期間の独占権を与えるものであった。ところが、最近は制度が一人歩きして、誰でも必要になれば考えつくようなことでも、一番最初に考えた(出願した)人が権利を取れるようになっている。

      知的財産の行使自体は否定するものではありませんが、最近は権利を主張する知的財産自体のレベルが低下しており、とてもじゃないが金払う気にならないものが多いように思える。
      親コメント
      • 「誰でも必要になれば考えつくようなこと」は新規性があったとしても
        進歩性がないので特許の対象とはなりません。
        問題は、審査が甘いのか審査官の能力が低いのかで
        そんな進歩性のないものでも権利が認められてしまうことがあることではないかと思います。
        進歩性の有無については ここ [dti.ne.jp]をどうぞ。
        「一番最初に考えた(出願した)人が権利を取れる」ことは先願主義と言いまして
        必ずしも悪いことではないです。
        親コメント
        • by shiba (273) on 2002年08月23日 17時54分 (#151612) ホームページ
          >「一番最初に考えた(出願した)人が権利を取れる」
          >ことは先願主義と言いまして

          「(出願が2番手以降でも)
              1番最初に考えた人が権利を取れる」のが先発明主義で,
          「(考えたのが2番手以降でも)
              1番最初に出願した人が権利を取れる」のが先願主義.
          親コメント
          • あ、わかってるのに親コメントからコピペしたので間違った。

            日本を含むほとんどの国は先願主義だが、アメリカは先発明主義。
            「先に出願した」のほうが「先に発明した」よりも立証しやすいこと、
            発明を早く公開させることで知識共有化を推し進めることなどの理由で先願主義が主流です。
            けど、そういえばこのトピックはアメリカでの話だったんですね。

            先に発明したことの立証はどうやって行なうのが普通なのでしょう。
            ベルが電話を発明したときの話からすると(同じ日に他の人からも
            出願されていたが、ベルのほうが出願時間がちょっとだけ早かったとかなんとか)、
            アメリカの先発明主義は昔からというわけではないはずなのだけど。
            親コメント
            • by kashi (4938) on 2002年08月23日 22時10分 (#151777)
              アメリカにおいて、先発明主義の前は、先発明者に関する規定が曖昧であって、先願主義にはなっていないというのが正しいかと。
              1790年頃の蒸気船の発明者は誰かという争いに関しては、先発明を主張する4名全員に特許権を付与した例もあるらしい。
              それ以前は、州によって判断が違ったりする例があったそうです。

              参考文献 基礎アメリカ特許法 川口博也著 ISBN4-8271-0552-9

              ベルの電話の発明については、出願以外に発明の発想日時を証明する証拠がなかったから出願時刻の比較で判定されたのではないかと想像するのですが、詳しく調べてないので何とも言えないです。
              親コメント
            • >日本を含むほとんどの国は先願主義だが、アメリカは先発明主義。

              はて?以前のアメリカは先発明主義だったが,
              数年前に先願主義になったと思っていたが...
              (サブマリン特許の問題などは,残っていますが...)

              >アメリカの先発明主義は昔からというわけではないはずなのだけど。

              これは知りませんでした.
              親コメント
        • 今回のトピックが米国の話なので補足とかしてみます。
          「誰でも必要になれば考えつくようなこと」について
          米国では、進歩性があるかないかではなく非自明性で判断します。
          たとえば、技術を組み合わせた発明について、先行技術に組み合わせのヒントにが記載されているとかではないと拒絶されないのです。
          昔、非自明性での判断が厳しい時代もあったようですが、現在では米国のプロパテント政策もあって非自明性は進歩性より甘いものになってます。
          そんなわけで、進歩性のないものでも権利が認められてしまうということもあるかもしれませんね。
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        • by kakitaro (10664) on 2002年08月23日 17時48分 (#151608)
          「誰でも必要になれば考えつくようなこと」でも、「世間一般で考えない」様なものは、一般的に進歩性有りと審査されていますね。現実として。「誰でも普通に考えつくもの」は進歩性なしと判断されますが。
          要は、フィールドを特殊なものと説明できてしまえば、簡単なものでも登録できます。ハイ。「必要になれば考えつくと言うことは、必要がなければ考えつかないという事です」実務者として経験上そう判断するしかないのが現状です。
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    • >特許や著作権で得られる経済的利益は、必要経費または原価(何
      >をそれに含めるかは難しいですが)の例えば100倍までと制限
      >するように世界中で法として定められないでしょうか。

      少ない原価で価値有る特許に値する発明をした場合、その価値に見合わない結果が出ると思いますよ。

      #プラスねじの発明なんかは、どのくらいの原価がかかったんですかねぇ(w
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    • 他の方が書かれてるんで、ちょっとだけ。

      そういう発想だと、同系列のソフトの継続的な保守・研究・更新などの費用がどこからも出ないと思うのですが...
      っていうか、ソフト一本売ってどの程度の純利益なのか解って書いてます?相当売らないと100倍なんて利益でないんですけど...
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    • by kashi (4938) on 2002年08月23日 16時12分 (#151535)
      金額ではなくて、特許された権利範囲にないものまで権利主張していることでしょう。
      権利主張できることに対して、制限を加えすぎると「本当に」発明している人の意欲をそぐこと危険があります。
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    • 一律に知的所有権の範囲を限定しろ、というのは暴論にしか聞こえません。今回の例のようなBMPの典型例と、現実に多額の研究開発費をかけているソフトウェアや一般の特許を同列にするのはどうかと

      特許権にしても、著作権にしても、その保護期間には制限があるわけですから絶対ではないですし、現に独占的な権利行使に関しては独占禁止法(反トラスト法)による制限があります。

      知的所有権の一律的な制限(否定)は、企業だけでなく個人の研究開発や創作活動を制限しすぎてしまうと思います。知的所有権制度は、知識が法的に保護される代わりに、広く社会に知識が広まることによって社会全体の利益となるための制度です。知識が広まってしまえば自動的に権利が消滅するような仕組みにしてしまえば、誰もが知識を外に公開しなくなってしまいませんか?

      >昔、土地を所有しているだけで収入が得られた富裕貴族や領主も、
      その存在を否定され、土地の再分配が行われたように

      これはかなり違うような気がします。ロシア革命に限定したならば別かもしれませんが

      市民革命は、"For status to contract"という法諺にもあるように私有財産絶対の原則に代表される近代法の基礎が確立されたのであり、結果としての土地再配分という現象は、封建法に守られてきた既得権益が近代法の下では現実に即した経済的強者(ブルジョワージー)にシフトした、と考えるのが自然ではないでしょうか?
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      • >一律に知的所有権の範囲を限定しろ、というのは暴論にしか聞こえません。今回の例のようなBMPの典型例と、現実に多額の研究開発費をかけているソフトウェアや一般の特許を同列にするのはどうかと

        BMPってビジネスモデル特許の略?
        頭悪くてごめんなさい。
        ま、それはともかく別に研究開発費の多寡はそんなに関係ないんじゃないですかね。
        ビジネスモデル特許の問題点って適用範囲が不明確でしかも裁判でもうまく裁き切れていない場合があるということじゃないですかねえ。
        ようは特許取得の際や、問題が発生した場合の運用がまずいってことなんじゃないでしょうかねえ。

        >これはかなり違うような気がします。ロシア革命に限定したならば別かもしれませんが

        確かに。
        別に土地の保有を禁止したわけでもないですものね。
        土地みたいに物理的に限りあるものとそうでないものを同様のものとして扱うのは無理があるように思えるんですけど、どうかな。
        親コメント
      • >その保護期間には制限があるわけですから

        某NHKの特集によると、ミッキーマウス保護法案により、どん
        どん延長され今は95年間になり、いままたそれが延長されよう
        としているから、元コメントが問題提起しているのだと、思うの
        だが。
  • ブラウザを作るだけで特許料を
    徴収される可能性はなくなったので、
    めでたし。めでたし。
    --


    .::.:... .::....: .::...:: .::.:.:: .::..:.: .:::..:.
    I 1 2 B H4[keR. :-)
  • by celsior_user (8983) on 2002年08月23日 17時49分 (#151609) ホームページ
    ・特許とは自分が初めて発明したと「勝手にそう考えているモノ」である。→ それが他人に認められるかどうかは二の次。

    ・特許権利は保障されるものではない。→ 無効裁判というのも存在し、実際無効になるものも少なくない。

    おそらく特許が権利として明確に認められるのは基本特許ぐらいで、応用特許はほとんど無意味と思われる。
    • Re:まとめ (スコア:2, 参考になる)

      by futo (10691) on 2002年08月23日 18時51分 (#151660) 日記
      >・特許とは自分が初めて発明したと「勝手にそう考えているモノ」である

      特許とは法律で保護されるものなので、発明しただけでは駄目で、出願して他人に認められなければ意味を持ちません。

      >おそらく特許が権利として明確に認められるのは基本特許ぐらいで、

      んなこたぁ無い。(三村風)
      基本特許じゃなくても、ちょっとしたラッチを付けてみました、なんてのでも、
      登録されると権利として非常に強力な場合があります。

      あなたが「その特許に価値を認める」かどうかは、また別問題ですが。(^^;;
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2002年08月23日 20時16分 (#151716)
    原告がアメリカの会社、被告がアメリカ国外の会社だったら逆の判決だったりして・・・
    • by Anonymous Coward
      とうぜんでしょ
      • 特許による収入は,通常の事業所得よか,所得税の累進率を高めたらどう?
        著作物の印税もそうかな.
        そしたら,ある任意の売上点で,権利放棄した方が有利って
        ことにならないかな.

        売上額が大きくなれば大きくなる程,それは社会に対して公共性が高い
        生産物ってことになるから,高い税率を課すべきだと思うんだが.

        ....と,な~んとなく思った.親コメントとは関係ないけども.
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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