厚労省、「タミフル」についての緊急安全性情報を発表 126
ストーリー by mhatta
深夜に発表ですか 部門より
深夜に発表ですか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
さきほどasahi.comに速報が出たが、厚生労働省は国内でインフルエンザ治療薬「タミフル」を販売している中外製薬に対し、10歳以上の未成年患者の服用を原則として差し控えるとの内容の緊急安全性情報を出して医療機関に配布するように指示した。
タミフルを巡っては、国外で使用後に副作用と思われる異常行動が多数確認され、また国内でもこれまで明らかになったもので2件、昨日になって更に2件明らかになったそうだ。
また極端な対応だな。 (スコア:5, すばらしい洞察)
2)ただし、同様の症例はタミフル販売前からある為、インフルエンザ脳症の症状である可能性もある。
3)今の所、厚生労働省は因果関係を認めていない。 [mhlw.go.jp]
4)マスコミの取り上げ方を見てると、厚労省を叩く傾向が強い様に感じられる。
・・・そもそもタミフルは「インフルエンザの症状を抑える薬ではない」事を忘れてませんか?>マスコミの方々。
元々、タミフルに頼り過ぎだった日本の状況とか、その辺りも押さえて報道しないと意味が無い気がするんだけど、ひたすら「タミフルの所為で子供が死んだ」って切り口ばかり。そうした報道の結果が今回の対応じゃないかとさえ思ったりする。いや、邪推であって欲しいですけどね。
#こんな状況でパンデミックしたらどうなるのよ?
Re:また極端な対応だな。 (スコア:4, 興味深い)
インフルエンザ脳症によるものかタミフルによるものか区別できない、
というものでした。
厚労省が上げているデータだけ見れば、そのように見ていました。
一部の医師の話とTVニュースだけなのでソースは不明確ですが
1)厚労省の数字は0~18歳くらいまでをひとまとめにしており、
10歳くらいで上下を切るとインフルエンザ脳症とタミフル群で
明らかな差がある
2)インフルエンザ脳症による妄想状態と今回問題になっている
妄想状態とは行動に明らかな差がある、
という話がありました。
そのあたりをきちんとマスコミも整理してほしいのですが、
そんな難しいニュースは受けない、ということなのか、
どこも整理、精査してくれていないように見えます。
また上記が事実だとすると、厚労省が意図的に隠していた、
とか、先日の研究会の発表が隠蔽工作であった、といわれても
仕方がないことになりますね。
Re:また極端な対応だな。 (スコア:2, すばらしい洞察)
結局この国は中国4000年的な人治主義国家の一員なのだなあ、とは思います。
Re:また極端な対応だな。 (スコア:1)
パンデミックみたいな派手なケースでなくても、単純に来シーズンが怖いですよ。今年が流行らなかっただけに。
死者数もさることながら、社会機能や経済への影響も大きいですからね。
>マスコミの方々
ワクチンにしても、タミフルにしても、そもそも感染症ってのが完璧に予防できたり、治療薬があるなんてものではないってことから、もう一度整理して考えて欲しいところですね。「効く効かない」なんて単純な図式だけで理解できると思ったら大間違いです。
天下り (スコア:3, 興味深い)
http://www.asahi.com/politics/update/0320/012.html [asahi.com]
今後、多数の薬害訴訟が提起されると予想する。お役所の体質は変わらないね。
Re:天下り (スコア:3, すばらしい洞察)
つまり、どこの製薬会社で事故が起ころうが、「やはり厚労省から○○製薬に天下り」となるだけのような。
タミフルを使わなくとも…… (スコア:3, 興味深い)
昨今問題になっている異常行動の頻度はタミフル非使用のインフルエンザ患者のそれよりも有意に大きいのだろか。
そもそもタミフルが必要な程度の症状の子供をほったらかしておくなよとは思うが。
Re:タミフルを使わなくとも…… (スコア:5, 参考になる)
実は私も十代前半で発熱時に錯乱したことがありました。
ぼんやり覚えているのですが、いろいろ意味の解らない事しゃべって、起きあがって暴れたりして、兄に取り押さえられたらしい(そこは良く覚えてない)です。
周りで見ていた母は気が気でなかったとか…。
錯乱が治まった後ですが、病院行って検査しましたよ。結果、脳には特に異常は無かったのですが、子供の時は発熱時にまれにそういうことがある、という説明された覚えがあります。
そんな経験もあって、タミフルで錯乱という話を聞いても薬が原因と断定するのはどうなのかな、と思います。
まず、薬の有無に関わらず、子供の発熱時には異常行動が現れる可能性があるという事実を認識しておくことが先でしょうね。
高熱時の子供は放置してはいけません。
Re:タミフルを使わなくとも…… (スコア:1, 参考になる)
今度は親叩きですか・・・
すくなくとも、今回の発表のきっかけとなった飛び降り事故は親の制止を振り切ってのものですし、「ほったらかさない」としても、親もトイレも行けば、氷のうの氷を代えたりと一時も目を離さないというのは無理でしょうに。
驚いた (スコア:3, すばらしい洞察)
…が、以前の記事によればタミフル服用直後の異常行動死の報告例って1年で1人ペースとか、そんなだったような…。病悩期間の経済的損失を完全に棚に上げるとしても、微妙だなーという気はします。
その間10歳台の転落死は47人 [mhlw.go.jp]、不慮の事故死は750人。う~ん。
まあ処方して死んだら訴えますよ、処方せずに死んでも訴えられません、というような世の中の流れがある以上、義憤にかられて処方しつづける医師もいないのでしょうが。う~ん。
とりあえず役所も製薬会社も、現場の医師薬剤師にすら「危険とは考えていない」とあれだけ言いつづけておきながら、敢えてこのようなインフルエンザシーズンも終わろうかというタイミングで態度を180度転換させて緊急安全性情報を出したわけですから、しっかり説明はしてもらいたいものです。「念のため」じゃ済まされないわけで、統計をナメとんのか程度の説明じゃ誰も納得しません。
シーズンも終わり? (スコア:1)
偏っていないと宣言する人なんて信用できん
インフルエンザ脳症 (スコア:2, 参考になる)
ただ使いやすい、ということで出す方も、もらう方も薬を、安直にもらいすぎです
薬は一定の確率で必ず副作用があり得るということをもう少し、、、
薬がでないとせっかく病院にきたのに、ということも多くのヒトは感じるようですし
タミフル脳症というものが本当にあるかはわかりません
確かなのは、インフルエンザ脳症というものはあるということ
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:1, 興味深い)
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:4, 参考になる)
脳症のメカニズムがある程度判ってるんだったら、モデル実験系を何とか考えて、それに対するタミフルの効果から類推できるでしょうが、それができない。なので (1) (これまでの研究でもまだ解明が出来ていないが)インフルエンザ脳症の起きるメカニズムを解明する研究を待つか、(2) もっと直截的に疫学的なデータから因果関係を類推する、しかないわけです。
で、(2)の方向でのデータの集積から「もしかしたら因果関係あるかもしれん」ということで今回のような安全性情報発表に至った、ということですね。
まぁリスクがあるものを「ある」と発表するのは、正しい姿勢なんだけど、それで正しく国民が「リスク vs ベネフィット」を理解できるように伝わるかというのが問題ですね。そこらへんをマスコミがバランスよく伝えてくれりゃいいんだけど、これまでさんざん「科学音痴」な報道っぷりを見せつけてくれてるだけに期待はできんよなぁ、というのが正直なところ。
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:2, 興味深い)
その上、タミフルの成分も血液脳関門(だったっけ?)を超えて脳に到達することもあるらしいのでさらに検証が厄介なことになっているようです。
直接的に効く効かないもありますが、インフルエンザウィルスが増えること自体を抑制できる→脳炎などのさらに重篤な症状を引き起こさないようにできるって考え方もあるようで、直接的にインフルエンザ脳症との関係をうんぬんするのは難しそうです。
> これまでさんざん「科学音痴」な報道っぷりを見せつけてくれてるだけに期待はできんよなぁ、というのが正直なところ。
やっぱり、科学万能を信じてしまって明解な答えを期待しすぎる、ってことなのでしょうかね。
#これは記事を書く人が科学的素養がなさすぎるからなのか、科学的素養がある人が文章が書けなさすぎるからなのか。。。。
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:3, 参考になる)
きちんと検証していないけれど、
効くもしれない、ということに関しては経験的な意味しか持たないので、
いわしの頭と同程度ということになります
その事を理解した上で使うヒトをせめる事はしません
ただ、惰性で飲まないこと、ということです
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:1)
って事は、有る程度以上の数のインフルエンザの患者を2つのグループに分けて、片方のグループAにタフミルを投与、もう一方のグループBには偽薬を投与した場合、グループAの方が異常行動を起こす人が多い(かつ、それが統計的に有意)かどうか、って研究とかはされて無いって事なんでしょうか?
(倫理的にOKな研究かどうかは置いといて)
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:3, すばらしい洞察)
仮にやったとしても有意な差が出ないと思います。
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:4, 興味深い)
1/インフルエンザ脳症による異常行動は、実はかなりの高確率で起こりえる。
発生要件は、ある程度以上の数のウイルスが、ある一定期間以上体内に止まり続けること。
2/ただこれまでは「高熱や筋肉痛・関節痛などで酷い状態」で患者がろくに動けないから、
顕在化しなかった。タフミルを使わない場合、ウィルスは急激に増えるし、減るときは
(増殖母体を食いつぶした後なので)急激に減るから。
3/タフミルには、ウィルス増殖ペースを抑える効能があるが、ウィルスを減らす効能は
ない。ウィルス増殖ペースが抑えられるために、本来速やかに食いつぶされるはずの
増殖母体となる細胞が食いつぶされず残り(細胞再生ペースがウィルス感染による減少
ペースと均衡し)、結果免疫系によるウィルス退治が始まるまで、ウィルスはタフミル
を使わないときよりも長く一定数が体内に燻り続けることになる。
4/もし、インフルエンザ脳症発症のウイルス数の閾値(A)が、「高熱や筋肉痛・関節痛
などで酷い状態」になるウイルス数の閾値(B)よりも小さければ、そしてタフミル投与
開始でウィルス数が均衡状態になったときの値が、Aよりも大きくBよりも少なければ。
結果的に「タフミルによって、異常行動が出た」ように見え得るのでは。
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:2, 参考になる)
インフルエンザ脳症は致死率30%という致命的な状況です。そこまで達してしまえば異常行動以前の問題です。
インフルエンザによらず、発熱がひどい場合に異常な言動を取ることは結構あるようで熱性譫妄というそうです。小さい子どもに多いようですが、実は10代でも結構あるのに単に熱にうなされているとしてあまり気にされていないのかもしれませんね。
コメント元の仮定が正しいのなら、タミフルと同時に睡眠薬でも服用させて行動力を奪ってしまうのが解決策ではないかと考えてしまいます。
# 飲み合わせがなければの話ですけど
Re:インフルエンザ脳症 (スコア:3, 参考になる)
予防接種法では、平成13年の改正のときに、一類疾病(DTPワクチンなど子供の時に受ける義務があるもの:社会的な蔓延防止に主眼を置いたもの)と、二類疾病(個人の安全に主眼を置いたもの:受ける「義務」はなく、対象者が希望した場合に実施される)という分類がなされてまして。インフルエンザは唯一、この二類疾病に分類されてて、接種が勧奨されてる「勧奨ワクチン」という扱いになってます。で、65歳以上、または60歳以上で特定の条件を満たす人が予防接種法の施行令で接種の対象になってます(ガイドライン [mhlw.go.jp]参照)。また、都道府県知事は緊急時など必要にかられたとき、接種対象者を定めて、市町村長に予防接種の実施を指示できます。このときは、ほぼ義務接種と同じ扱いで、対象者は受けるように努めなければならない、ということになってます。
実は今、感染症法が改正されてて、6月に施行されることになってます。この改正で、旧来の結核予防法が廃止されて感染症法に一本化され、同時に、唯一、予防接種法ではなく結核予防法に基づいて行われていたBCGが予防接種法に統合される関係で、予防接種法にも少し動きが有ります。また、平成13年の予防接種法改正の際、インフルエンザの高齢者接種勧奨化については、5年程度様子を見ながら実施し、その後の法改正の際に、必要があれば施行方法を修正するという旨が盛り込まれてます。なので、もしかしたら高齢者に対する接種方針については、今後また変化があるかもしれません。
タミフルが効いた患者の意見も報道すべき (スコア:2, 参考になる)
夜に39.6度の高熱が出て夜間病院で、タミフルをもらい飲みました。
次の日の朝には熱が引き、普通に動けるようになりました。
タミフルが処方される以前は、インフルエンザにかかったとき3日間高熱で身体が痛み、死ぬ思いをしていました。
高熱が続いた時、突然身体がふわふわ浮いた感じがして、階段から飛び降りたくなる、飛んでも平気なような気分になる事があります。話しかけられても、頭が回らずなんか自分でもわけわからない事を話していることがあります。
自分にはタミフルがものすごく効いて、いい薬ができた。というのが感想です。
もし自分の子供がインフルエンザにかかったら、タミフル処方してもらいたいと思っていました。
ですが、今回のことで難しくなってしまいました。
マスコミの、偏った報道、薬の効果と政治的な事をごちゃ混ぜにした報道のせいで、選ばれた一部の人間にしか使えなくなってしまったのは悲しい事ですね。
この選ばれたと言う所が恐ろしい所で、医者の子供や権力を持った人間にしか使えなくなるという事も含まれていると思います。
タミフル以前には異常行動が無いなどを発言する人たちは、実際にそういう経験をした人たちの話を聞いて勉強し直してもらいたいです。
実際にタミフルが効いて助かった意見を含めて報道してもらいたいですね。
(今日、風邪を引いて39.4度の熱がでて、医者で解熱剤を射ってもらいました。タミフル飲んで効くインフルエンザの方が楽なぐらいです。)
不思議 (スコア:1)
最後の脳症の患者が、偉いヒト?の、家族?
詳細でてないみたい
Re:不思議 (スコア:2, 参考になる)
が出てきたから?
時間かかるだろうな (スコア:1, 興味深い)
広く使われている薬だから症例が集まらないことはないだろうけど、他のレスにも出ているインフルエンザ脳症との絡みも問題になる。薬物による精神への作用って「統計上因果関係があるらしい」というところまでしかわからないことが多いし(抗うつ剤なんかも、作用機序がわかってなくて「投与したら効いたから有効」ってレベルでしか薬理が把握できてないものもある)。
全部が本物か? (スコア:1, すばらしい洞察)
マスコミが煽って (スコア:1)
これでタミフルの使用制限のためにインフルエンザ死亡者数が増えたら
それはそれでまた叩くんでしょ?>マスコミ
まぁ、それに踊らされちゃった視聴者もアレなんですが・・・
Re:マスコミが煽って (スコア:4, 興味深い)
10歳台だったらどうせほとんど死なないっちゃ死なないのです、が、ただ、これで受験を台無しにする人がこのシーズンの受験生の0.1%と仮定すれば、全国レベルだと数百人になってしまいます。某センター試験リスニング用ICプレーヤーの不良率に比肩する高確率であり、処方で1日でも早く楽になるなら処方すべき思っていたのですが、こんなもん出ちゃったら流石に受験生に涙目で頼まれても出せませんよ、と。
過去には年間165万人に投与されて死亡報告1例の「緊急安全性情報」 [mhlw.go.jp]ってのもあったりして、これが出てくる基準は結構謎なのですが、そうはいっても影響でかいです、これ。
事前説明と受けてのスキル (スコア:2, 参考になる)
ただ、実際のところは、処方される側がその説明を理解できるかどうかのほうが問題なので、
「説明するから、私はいい医者だ」
と誤解されているお医者さんが多いのは事実。
(もっとも、私みたく製薬業とばれていると、かかりつけ医もやりにくそうだけど)
タミフルは予防投与が認められたから、安易に出すお医者さんが多かったのも事実。
昨年、私の子の一人がなったら、3人分家内はもらってきました。
でも、罹患した子だけ飲ませて、残りは置いてありますが。
これは、私の判断ですが、推奨できるかどうかは微妙
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とゅー びー おあ のっと とぅー びー ゲノム読めても理解できない
Re:マスコミが煽って (スコア:2, 興味深い)
出たときなんかは、マスコミはこぞってタミフルを持ち上げていたような記憶が。
あと、児童の集団ワクチン接種を廃止させて製造会社の生産ラインを大幅縮小させ、
大流行時の対応に危惧の念が出て、代替手段としてタミフルに頼るきっかけを
作ったのもマスコミだったような。
#門外漢かつ記憶モードゆえAC
マスコミと視聴者の異常行動 (スコア:2, すばらしい洞察)
あるあるから何も学んでいない。
Re:マスコミが煽って (スコア:1, 興味深い)
内容を変更した詳細が知りたいですな
Re:マスコミが煽って (スコア:1)
# ↑にムカッときたら要注意。
Re:マスコミが煽って (スコア:1)
=-=-= The Inelegance(無粋な人) =-=-=
僕の副作用 (スコア:1)
その後は激しい下痢に襲われ、ひどい時には数十分おきにトイレに通うような状態。
まさに便器とお友達。
おかげで痔にもなりました。
Re:僕の副作用 (スコア:1)
タミフルの副作用で、下痢は比較的起こりやすいので、その可能性がもう一つ。
異常行動など些細な問題 (スコア:1)
じっさい今の日本のように、低リスクの患者にまで広くタミフルを処方していたら耐性ウィルスが発生するのは時間の問題です。抗生物質の乱用により耐性最近が発生したことから、何も学んでいないのは日本だけです。薬の乱用による耐性ウィルス発生の危険性を学んだ日本以外の国は、タミフルを乱用するようなまねはしていません。だから日本で世界中のタミフルの8割を消費するような状況になっているのですよ。
特にパンデミック(鳥インフルエンザの人間への感染)が近い将来に起こることが予想されている状況で、数少ない対抗策のひとつを、使いつぶすなんて愚者の行為です。パンデミックが起こった時に、それが耐性を手に入れていたらどうするんですか・・・。いい機会なので、低リスク患者に対するタミフルの処方を保険適用対象外にしてほしいくらいです。
Re:異常行動など些細な問題 (スコア:2, すばらしい洞察)
いや、それはいくらなんでも現状を理解してないです。自国を低く見るにもほどがあるというか、他所の国を高く見過ぎです。むしろ怖いのは東南アジアや中国あたりで、ヒトに使用されるケースよりも、養鶏産業で大量に使われるのが耐性出現ではいちばん怖い。
タミフルに関しては、日本は市場に回すことよりも国単位で備蓄を考えないといけない状況なんですね。ところが、タミフルの効果が(半ば無責任な形で)報道され、当の医者もばんばん出してしまう。
本当言うと、インフルエンザのときに、もっとも有効な予防法ってのは「人ごみに混じらない」ってことだし、インフルエンザに罹ったら「とにかく他の人との接触を避け、安静にする」ってのが、流行防止という面では最も重要なんです。ところが、日本だとインフルエンザ『ごとき』で休んでられない、という考え方をする人もたかだか5年くらい前には結構いたし、未だにそういう考えを引きずってしまってる人もそれなりにいます。そこらへんの意識改革ってのももっと必要でしょうね。
変な言い方かもしれませんが、今回の報道で「タミフルは怖い」という意識が根付くことで、濫用に歯止めがかかる方向に働いたりしたら、それはそれで有意義なのかもしれません。実はそれを見越して、より目立つような形で発表したというのであれば、うまいこと考えたのかも。
Re:異常行動など些細な問題 (スコア:1)
これで人類は既にアマンタジンという切り札を失った、と。
国家備蓄に関しては、鳥インフルエンザの恐怖を煽って税金投入の道ならしをしているという意見もありますけど、これに関してはコメントできるだけの知識も情報も私にはないです。
Re:関連リンク (スコア:1)
もっと時間に余裕があれば、17時頃に記者会見を設定するのが常套手段だけど。
Re:服用後の死亡が報告されたのは54人 (スコア:3, すばらしい洞察)
マスコミ報道のような、いい加減な代物だから、そのレベルでもOKかもしれないけど、学術論文だったら、
「対照群はどうした?」
って言われそうな気がする。
インフルエンザにかかって、タフミル飲んだ人が異常行動や突然死を起こしたって実例が何件有っても、それだけでは、突然死や異常行動の原因が、インフルエンザか、タフミルか、両方の相乗作用かは不明なのでは?
タフミルがヤバそうだから、規制すべき、って考えてる人達が居るのは理解できる。
でも、もし、自分がそんな立場だと考えた場合、規制に賛成だが、言ってることは科学的にアレって連中は、敵より恐い馬鹿な味方になると思う。
Re:これは国家レベルの巨大疑獄に発展か (スコア:2, すばらしい洞察)
いや、あのね、元から、インフルエンザ脳炎 [fc2web.com]やら熱譫妄 [wmstyle.jp]ってのが元から有る以上、その可能性も考慮しないとダメじゃん……。
倫理的に許されるかどうかは置いといて、異常行動を起こしたのと似たような条件(年齢・インフルエンザの重篤度)の人達を、ある程度数集めて、タフミルを投与したグループと、そうでないグループを比較するとかしないと、何とも言えないでしょ。
もし、飼い犬が夜中に吠えた数時間後に地震が起こったとしても、その飼い犬に地震を予知する能力が有るか、有ったとしても「飼い犬の咆哮を元にした地震予測」ってのが実用的なものに成り得るかってのは別問題でしょ。地震も何も起こらなかった時に、その飼い犬が、夜中に吠える頻度がどれ位か、って事を調べない限りは。
まぁ、そんな悠長な事を言ってる場合か、疑わしきは、とっとと規制しろ、って意見なら、無量大数歩ぐらい譲れば、理解できないでもないけど……。
(その場合だって、医療行為=人体への侵襲を伴うもの、だから、やってOKな医療行為と、NGな医療行為の線引きをどうするねん?って問題は出てくるだろうし)
科学的にどうよ?って話してのに、これは無いでしょ……orz。
もし、聖人君子が「1+1は3だ」って言ったら、1+1=3が正しくて、シリアルキラーが「1+1は2っだ」って言ったら、1+1=2は間違いですかい?
もう「因果関係は無い」などという主張は消滅 (スコア:2)
Re:服用後の死亡が報告されたのは54人 (スコア:2, 興味深い)
それは思い込みでしょう。
国立大学法人 [wikipedia.org]って知ってます? 数年前に大学が法人化するってことで結構話題になったあれ。
これでググってもらえばこれの問題点とか色々出てきますが、最近は大学も、黙ってたら国が研究費出してくれる世界じゃないんですよ。「大学の研究だから民間の資本一切入らないのが当然」みたいなのは既に過去の話であり、そんな規制は国が率先して無くすって決めたの。カッコよく言えば産学連携、産学共同ってやつですね。導入されたときはむしろ大学内では反対意見も強かったですが。
あれ以降、東京大学ですら、附属病院に併設して「寄附講座 [u-tokyo.ac.jp]」という名前で、私企業が出資していますと大っぴらに宣伝しながら研究施設をたくさん作ってます。エーザイが出資する臨床運動器医学講座 [rinsho.umin.jp]、中外製薬は関節疾患総合研究講座 [kansetsu.umin.jp]。佐川急便やコカ・コーラ社もWeb上で名前確認できますね。
じゃあそれで内容が歪められることはないのか、というと、出資者の望む分野で重点的に研究せざるを得ないとか、どこの企業の得にもならないような基礎研究は衰退していくとか、そんな話はあるかと思います。でも、出した報告の結論を歪めるほど汚れる人は殆どいないと思います。そこは研究者にもプライドというものが。
まったく無問題の制度だとは思いませんし、お金のこと気にせずに国が好きなだけ研究させてくれるならその方がいいに決まってますが(笑)、今時は大学の教室もこんなじゃないと生き残れないのよ、ということを知識として知っておいてもいいかと思います。まあ、学問なんて所詮昔からパトロンの寄付で発達したようなもんですが。
例の寄付金問題での報道には呆れました。収賄だとか倫理違反だとかは一切かかずに、ただ事実だけ書いてはいるけど、後は読者が勝手に「悪いことしてるんだな」と判断するのに任せる(笑) Yahoo!のトップページに2回くらい載りましたっけ。
Re:服用後の死亡が報告されたのは54人 (スコア:2)
インフルエンザ治療薬「タミフル」服用と異常行動の関連性を調べている厚生労働省研究班の主任研究者の講座に、販売元の中外製薬から寄付金名目で1000万円が支払われていた問題で、厚労省の辻哲夫事務次官は15日、事実関係を把握するため調査を進めていることを明らかにした。
講座に寄付金名目だからねぇ。「1000万円も払わなきゃ因果関係は無いという結論を引き出せなかった」という事でしょ。
利益相反 (スコア:1)
ということで、軽度の利益相反には目をつぶることになっているんじゃないでしょうか?
医学界の常識が世間の非常識なんじゃ、と言われればそれまでですが。
ただし、日本は GDP の 7% しか医療費に充てていないドケチな国ですから、
人的資源を節約した結果がそういう歪みになることは承知しておく必要があります。
Re:服用後の死亡が報告されたのは54人 (スコア:1)
これ、01年度から6年間で貰ってる額 [asahi.com]であって、最近騒ぎになってから貰ったわけじゃないというのもいっておかないと。
あと、他にも寄付している企業はあるわけだし、企業が事業関連の研究者にお金を出すのって別に変わったことでもないのでは?
「大金を渡しながら、企業が何も期待しないはずはない。」ってのは当然だけど(というか、何の期待も無しにただ金を出したら背任じゃないかな)、
それは普通「歪められた研究」ではなく「進歩した研究」だろうし。
今の流れだと贈収賄扱いされても仕方ないかもしれないけど、別に倫理観の欠如とかではないと思いますよ。
まあ、厚生労働省研究班からは外した方が世間一般は納得させやすいでしょうがね。
お金 (スコア:2)
朝日賞とか、カリスマ名医特番でオモネルのは沢山おるだろう!
研究費も取ってこれない無能者に、班研究を纏められまいに。
Re:服用後の死亡が報告されたのは54人 (スコア:1, 参考になる)
倫理観の欠如とも思わない。
問題は、厚生労働省研究班員にconflict of interest(利益相反)があることを報告(して|させて)なかったこと、
あった場合の取り扱いについてルールがなかった(んだよね?)こと、だと思う。
研究班から外すかどうかは純粋に事務的な判断だと思うな。
Re:「リレンザ」はどうなのでしょう? (スコア:2, 参考になる)
実は薬としては、リレンザ(ザナミビル)の方が先行なんです。リレンザとタミフルは、どっちも作用メカニズムは同じで、インフルエンザウイルスが感染した細胞から外に出て行くときに使う、ノイラミニダーゼというウイルス側の酵素を阻害します。このノイラミニダーゼ阻害剤として最初に開発されたのがリレンザなんですが、これは化学物質の特性から吸入でないと効かなかった。吸入薬というのは、患者さんにとっても使い(飲み)づらいし、使い方によって有効量にぶれが出たりというのでややこしいものなんで、出来たら普通に経口投与できる薬の方が望まれます(「剤型」の違いってヤツです)。ところが、リレンザでは経口投与が出来ないということで、その化学構造を元にして、経口投与できるように開発されたのがタミフルです。これなら使いやすいってことで、タミフルの方が一気に普及した、というわけ。
基本的に、リレンザ吸入薬は局所(気道)での作用がメインになりますが、タミフル経口薬は血流性に全身に作用しうるものです。なので、もし本当にタミフルが脳血液関門を通過して中枢神経に作用することが異常行動につながっているのであれば、リレンザの方ではそれが軽減されるという可能性はないでもありません。しかし実際のところそれが本当かどうかは現時点では判りません。現時点でそれを主張している情報に関しては「あるある的」な情報である可能性を警戒しておいた方がいいでしょう。